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中央環境審議会大気部会(第25回)議事録


1. 日  時   平成11年11月29日(月) 10:00〜12:00

2. 場  所   通商産業省別館共用第939会議室

3. 出 席 者

4. 議  題

5. 配 付 資 料

6. 議  事

【事務局】 時間でございますので、これより、中央環境審議会第25回大気部会を開催いたします。
 まず最初に、資料の確認をさせていただきます。

               (配付資料の確認)

 それではここで、大気保全局長から一言御挨拶を申し上げます。

【大気保全局長】 本日は、お忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。
 前回の大気部会におきましては、環境基準と排出抑制の専門委員会報告をもとに、部会報告の案をとりまとめていただきまして厚く御礼申し上げます。
 とりまとめいただきました部会報告案につきまして、パブリックコメントの手続を実施いたしました。国民の皆様から環境基準の関係で5通、23件、排出基準の関係では15通、62件の御意見をいただきました。本日は、これらパブリックコメントに対する回答をとりまとめていただくとともに、これを踏まえまして、環境基準と排出抑制に関する大気部会報告をおとりまとめいただければと考えております。
 ダイオキシン問題は、国民の関心も大変高く、今後の対策に対する期待も大きいものがあります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

【事務局】 それでは、議事進行を部会長にお願いいたします。

【部会長】 おはようございます。ただ今から第25回大気部会を開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中にもかかわらず、お集まりいただきましてありがとうございます。
 まず資料2及び資料4として、前回までの議事録(案)が提出されております。これにつきましては、委員の皆様方の御確認を得た後に公開の取扱いとなります。後ほど御覧いただきまして、もし御指摘がございましたら事務局に12月10日(金)までにお伝えいただきたいと思います。
 なお、既に公開されているものでございますが、前回と前々回の大気部会の議事要旨が出されておりますので、後ほど御確認いただきたいと思います。
 それでは、前回、10月26日の大気部会におきまして、ダイオキシン類の大気環境基準及び特定施設や排出基準等について審議し、大気部会報告案をまとめ、パブリックコメントの手続に付していたところでございます。
 本日は、パブリックコメントが終了いたしましたので、部会報告案に対していただいた御意見等について審議したいと思います。
 その前に、ダイオキシン類環境基準専門委員会報告について一部修正がございますので、専門委員長の方から御説明をお願いいたします。

【ダイオキシン類環境基準専門委員長】 前回の会議の後に、この報告を丁寧に精査しておりましたところ、テクニカルエラーがあることが分かり、記述ミスや転記ミスがあったので、修正させていただきたいと存じます。
 主要な点は、別添1の専門委員会報告の29ページ、参考資料2に図2というのがございますが、これは減少率が年を追うごとにどう変わっていくかということを推定した減少率曲線でありますが、この水の減少率のところが少し変わってまいりまして、上昇してまいります。別添1にはさまっておりますホチキス止めのものが前回のものでございます。この結果、30ページの表6に水質濃度の減少率比というのがございますが、この数値が若干変わります。0.64〜0.73であったものが0.67〜0.75に変わるわけですが、実際の計算をするときには、安全の側を考えて、0.64の4のところは切り捨てておりますので、今回数値が変わりました0.67の7のところも切り捨てになりますので、結果としては変更はないということになりました。これが主な修正点でございます。
 その他、細かいミスがあった部分については、事務局から説明してください。

【事務局】 今の別添1にはさまっておりますホチキス止めの2枚のうちの最初の16ページとその裏の34ページのところでございます。これは特に誤りではありませんが、総吸収量を求めるときに、小数点の第3位を四捨五入して第2位まで残すというような計算をいたしました。その結果、16ページにおきまして、例えば一般生活類型群の第3欄目、PCDD+PCDF+コプラナーPCBの土壌のところ、0.006 というものを見ていただきまして、その裏の34ページの一般生活のところの同じ部分を見ていただきますと、0.01ということで、減少する計算をしたということになっているわけでございますが、切り上げた数値になっているものですから、この欄についてのみ見ると表記としては誤解を与えてしまうのではないかということが分かりました。別添1の34ページにおいては、小数点第3位で四捨五入して第2位としておりますから、そこら辺がよく分かるように桁をなるべく出して、しかも、桁数をそろえてというふうに変えております。総吸収率の数値につきましては、いずれにしても変更ございません。
 細かな点につきましては、人の名称のつづりの誤りとか、記号等参考資料2の方で不整合があったりという部分について修正いたしました。
 数値的に違うものは、これは転記ミスであったわけでございますが、別添1の46ページの分子量などについては、上から 322から 444という数値が並んでおりますが、306 以降は別の数値が記載されておりまして、この点につきましても変更させていただいております。  修正につきましては、事務局の方からは概略、以上でございます。

【部会長】 記述のミスも若干ございましたが、今の修正の点はよろしゅうございましょうか。
 御了承いただきたいと思います。
 それでは早速でございますが、事務局にパブリックコメントでいただいた御意見等についてまとめていただきましたので、資料6について御説明お願いしたいと思います。

【企画課調査官】 それでは、資料6「中央環境審議会大気部会報告案に対するパブリックコメントの実施結果について」に従いまして、Tの大気の汚染に係るダイオキシン類環境基準専門委員会報告部分に対するパブリックコメントの実施結果について御説明申し上げます。  ページをめくっていただきまして、T−1、大気の環境基準に関する部分のパブリックコメントの実施結果についてでございます。意見の提出者数は5通ございました。意見ののべ総数は23件ございました。
 大きく分けまして、1の「環境基準の設定の考え方に関する意見」、T−4になりますが、2の「TDI(耐容一日摂取量)に関する意見」、T−5、3の「測定方法に関する意見」、4の「その他の意見」の4つに分類できるかと考えております。
 T−1に戻りまして、「1.環境基準の設定の考え方に関する意見」について、意見の概要と意見に対する考え方を御説明申し上げます。
 1.に関しましては、のべ14件の意見が出ております。
 以下、読み上げさせていただきます。

             (資料6のTの部分を朗読)

 4.(1)の意見については、排出抑制専門委員会報告部分の1.の(11)の意見で整理させていただいております。
 4.(2)の意見については、同じく1.の(7)(8)(9)の意見で整理させていただいております。
 4.(3)の意見については、同じく5. の(1)と(2)の意見の部分で整理させていただいております。後ほど排出抑制のパブリックコメントの実施結果の御説明の中でさせていただきたいと思います。
 以上でございます。

【部会長】 まず、ただ今の環境基準の部分についてだけ御質疑をお願いしたいと思います。今の御説明について御質問あるいは御意見がございましたらお願いいたします。
 今すぐに御意見が出ないようでしたら、次の排出抑制の方の説明を伺ってから、両方併せて御質疑いただくことにしましょうか。
 それでは、続きまして、排出ガスの規制に係る部分について御説明をお願いいたします。

【大気規制課長】 それでは説明させていただきます。同じ資料のU−1というところからでございます。排出抑制専門委員会報告部分に対するパブリックコメントの実施結果でございます。
 お寄せいただいた意見は、ここにございますように、FAX等によるもの、電子メールによるもの、合わせて15通の意見をいただいております。いただいた意見の原文そのものについては、ピンクの表紙の後ろの方の部分に綴じてございます。
 いただいた意見15通の中での意見ののべ数として62という形で整理できたと思っております。
 この62の意見それぞれを左側の「意見の概要」という形で整理してございます。かなり似た御意見がございますが、それぞれを意見の概要として書き出すという格好をとっております。環境基準の方に比べて意見数が多いものですので、はしょった説明になることを御容赦いただきたいと思います。
 大きく、U−1ページにございますように、「対策の基本的考え方に関する意見」、U−3ページにあります「特定施設の指定に関する意見」、U−4ページにあります「排出基準の設定に関する意見」、U−5ページにあります「測定方法に関する意見」、U−7ページにあります「その他」の意見のうちこれまでの施策に関すること、U−8ページにあります「その他」の意見としての今後の対応に関すること、U−10ページで「その他」としか整理できないようなもの、という格好でそれぞれ括った形にしております。
 それでは、U−1ページ、「対策の基本的考え方に関する意見」から概略を御説明させていただきます。

              (資料6に沿って説明)
              
【部会長】 今の排出規制の方について、御意見、御質問等がございましたらお願いします。

【A委員】 測定について教えていただきたい。ダイオキシンに限らず、汚染物質の環境大気中の濃度測定、あるいは環境基準に共通した問題ですが、実際にルールとして決められている測定の回数は非常に限られているわけですね。先ほども指摘がありましたけれども、例えば1年に1回ないし2回測定するときに、その値がどういう意味を持つか、つまり平均値の代表性という点では、サンプリングの際どういう時を選ぶかが非常に重要です。実際に、例えば気象条件とか、それ以前にどういうサンプリングの場所を選ぶかとか、人工的な発生源の場合には、どのような操業のサイクルと対応して採っているかで非常に大きく変わるというのは、環境大気の測定で周知のことです。もちろん理想的には連続測定とか、あるいは回数を増やせば平均値としての意味が増すかも知れませんが、ダイオキシンのように測定が容易ではなくて費用がかかる場合に、それは現実的ではない。むしろ測定は1回、2回でも、その値にかなり意味があるような条件づけをどうするかが非常に重要なのです。逆にいうと、条件づけをきっちりしておかないと、測定1回を10回にしたからといって必ずしも平均値として代表性が改善されたことにはならない。
 私の伺いたいのは、この点について、例えば、同一の場所で測ったときに、気象条件とか、人工的な発生源の操業状態と対応してどのくらい値が変わるか、というような基礎的なことを調べたデータがあるのかどうかということです。もしそういうデータがあれば、その中から最適条件に近いものを選んで、それを測定条件として設定すれば、1回だけの測定でもそれなりの意味を持つと思います。
 また、そのときの平均値に対する変動幅の大きさはどうか、これはもちろん場所によって違うと思いますが。多少なりともそういう基礎データに基づいて、測定マニュアルとして条件づけがされているのかどうか、もしされていなければ、そういう方向で考えていただけるのかどうか、というのが私の質問並びにコメントです。

【大気規制課長】 排出抑制専門委員会報告の中でも、大気環境中の濃度の測定に関して年平均値をより適切に把握することができるようにするため、長期間連続サンプリング法について早急に検討する必要があるといった提言をいただいております。これは委員会の中でも、現在のダイオキシンの監視に関しては、夏、冬を含む四季によって、ですから、春夏秋冬という年4日という格好になるわけですが、そういう形で平均化して出していくというものでルール化しているわけですが、いくら四季を含むといっても、年4日では非常に不安定だといった御意見をいただいております。一方で、分析費用が非常に高いということもありますので、回数を増やすというよりは、サンプリング期間をそれぞれ長期化することによってより平均化するといった方向が出されたものでございます。
 私ども自身が直接把握していないのですが、議論の中では、既存の環境濃度の変動に関して、例えば四季で1週間ずつを把握するといったような格好にすれば、年平均値に非常に近くなるような統計処理が出ているといったような御示唆をいただいております。

【排出抑制専門委員長】 関連の話ですが、たしか所沢で土壌とか大気などを測定したデータがありますね。あの中で、1週間にわたって1日ずつ測定したときでは最大・最小が10倍ぐらいというような話がありましたよね。また、その平均値は一週間連続での測定値とほぼ同じになる。
 それとコメントですが、環境基準の方の今の問題に対する書き方ですが、ここでは測定の精度という書き方になっていますね。測定の精度とか頻度を改善していくというような話がどこかに書いてあったかと思います。そういう意味では「精度」の中に含まれるのかもしれませんが、排出抑制専門委員会報告の11ページの「今後の課題」の(1)ダイオキシン類の測定方法についてというところにも示しましたような長期連続サンプリング法について、もう少し記述しておいていただいた方がいいと思います。排出抑制対策の方のパブリックコメントに対しては、環境基準の方に書いてありますよという格好で処理しているものですから、全体的な話もそうなんですが、両方入り交じっている問題に関しては、それぞれ書き方を少し工夫していただきたいと思います。
 それから、今、環境基準の方で申し上げたのは、T−5の3の「測定方法に関する意見」のところの右側の6行目、「測定精度や測定回数については、今後も引き続き検討を行い」と書いてあるのですが、「測定精度」で今申し上げたようなことを読みとれというのも、ちょっと解りづらいという気もしておりまして、あるいは測定回数も含めるのでしょうか、ここにも何かコメントを入れていただけるとよいと思います。

【大気規制課長】 長期連続サンプリングが明示的に分かるような形にした方がいいということですか。わかりました。

【排出抑制専門委員長】 ええ、そういうこともすべきだということです。

【B委員】 環境基準と見比べて測定データを生かすならば、少なくとも風向・風速とか気象条件、それと拡散に関連する要素として純放射量とか雲量とか、そういうものを測っておいた方がいいということを付帯条件に付けるべきではないかというコメントです。

【部会長】 今の件はよろしゅうございますか。

【企画課調査官】 今、排出抑制専門委員長からありましたダイオキシン類長期大気曝露影響調査ということで、昨年度環境庁の方で行いました結果でございますが、前回の大気部会でも御紹介させていただいたと思いますが、大気の1週間の連続測定を所沢で行っております。一方、ハイボリュームエアサンプラーを使いまして、7日間ずっと大気を採り続けたデータとの比較もその中で行っております。1週間の測定では毎日のデータが出てきますので、日によって変動は出ております。1週間の連続値と1週間毎日1つずつデータをとったものとを比較してみますと、コプラナーPCBも含めて、1週間連続の方が 0.49pg、ハイボリュームエアサンプラーで7日間平均して測定したものが0.43pgという測定結果も出ております。こういう形で環境庁の方でも大気の濃度のいろいろな測定について検討を続けているという状況でございます。

【大気規制課長】 先ほどのB先生のお話でございますが、気象状況なりはサンプリングの際に同時に把握しておくべきという形でマニュアルでも整理してございます。

【C委員】 先ほどのA先生の御意見にちょっと関係するのですが、私の方は質問です。報告の方に書いてあります排ガスの測定方法について、これはJIS規格によるのだということで了解できるのですが、そのときの測定条件の明示というのは、具体的にはまだこれからなんですか、それとも、どういう条件で測るということは既にどこかに報告があるのでしょうか。それを教えてください。特に申し上げたいのは、一番ダイオキシンが出ないような条件を選んで測定しても余り意味がありませんね。ですから、そういうことをどこで指定するのか、あるいはどういうふうな考え方で測定要件を与えるのかというあたりが、さっきの御質問に対して理解できなかったので教えてください。

【排出抑制専門委員長】 ただ今のC先生の御質問ですが、我々としては、通常の運転状態のときに測定するということで、ダイオキシンを測定したときのそうした運転関連のデータも、日々運転しているときの運転管理に関するデータもそれぞれきちっと記録して、何か尋ねられたときには示すような状態にしておくべきだという考え方で書いてございまして、そういう意味では、特にダイオキシンが出ないような条件を選んで測定するというようなやり方はだめなんですよということも申し上げているつもりです。

【大気規制課長】 補足させていただきます。測定方法に関しては、総理府令を用意することとしておりまして、そこにおいては、施設の標準的な運転が行われている時期に通常の負荷及び通常の管理状況において実施するというのを明示していきたいと思っております。

【D委員】 ただ今の事務局の説明と、パブリックコメントの原文のお手紙を比べて読ませていただいて、事務局の「意見に対する考え方」のところで少しコメントさせていただきます。
 もとに戻りまして、環境基準の考え方に関する問題です。パブリックコメントの中には、確かに部会報告案についての誤解と理解が不十分であるために起こっている意見も一部ありますけれども、大部分は、この報告書に書かれている事項について、さらに確認しておきたいこと、あるいは強調すべきと思われること、あるいは改定した方がいいのではないかということが真剣に書かれているんですね。私は非常に感銘を受けました。ですから、意見に対する事務局側のコメントも、それぞれについて十分に考えてコメントすべきではないかと思います。
 いろいろありますけれども、先ず、なぜ大気環境基準を設定しなければならないのか、という質問です。外国にはないような基準を設定するというのは、日本の大気がすごくひどい状態なのではないかという懸念による質問と思います。この点についての政府の考え方を書いておくべきではないかと考えます。それが第1点。
 第2点は、Tの1の(1)に、例えば「経口吸収と経肺吸収が同じメカニズムで毒性の発現をするという根拠はなく」と意見がありますけれども、根拠はないわけではないと思います。ただ、「意見に対する考え方」の中にはそのことが全然触れていないということで、質問と回答との間がすれ違っているので、ここのところは少し考えていただきたいと思います。  第3点は次のページの(9)のところで、廃棄物焼却炉周辺とそうでない部分との比較ではということが、私はこの会議に出席しておりますので、よく分かりますけれども、この文章だけを読みますと、一般の居住地の大気が既に廃棄物焼却炉周辺と同じぐらい汚染されているのではないか、そういうふうにとられかねない。ですから、ここのところはもう少しきちっと書いた方がいいのではないかという感じを受けるのです。
 それから、例えば、T−4、2の(4)、「TDIを一時的に超過してもよいと安易にいうのは問題」という意見ですが、これは「よい」と言っているわけではなく、これがあったとしても、健康への懸念はないという意味です。事務局の書いてある内容はよく分かるのですが、表現方法に少し工夫した方がいいのではないかということを感じました。

【部会長】 その辺は、後で工夫させていただいて、若干訂正いたしましょう。そのときに先生方の御意見も伺いたいと思います。

【排出抑制専門委員長】 環境基準と抑制対策に対してのパブリックコメントで、それぞれにこうやって出されるというのは当然と思うのですが、一方で、もう少し幅広いコメントがこの中にも寄せられていたり、答えの方では、この大気部会では検討対象にはなっていませんよという項目もあって、そういうところは分かっていても書いてないような格好になっているわけです。大気部会だけではなくて、いろいろなところにコメントが寄せられているのだろうと思いますが、こうしたものを少しまとめて一般国民に答えるものを準備すべきではないかと思います。直接このパブリックコメントの意見を採用するというのではなくて、こういう疑問が一般の人たちにもあるのだということをきちっととらえて答える。中環審だけではなく、私も絡んでいる生活審の方でも廃棄物焼却炉のことはやっていますし、最終処分場の話もあります。そういうものを全部まとめて出す必要があるのではないかという気がしておりまして、コメントさせていただきます。

【部会長】 事務局の方でそういう考えでまとめてくださればありがたいのですが。【企画課長】 この部会で御議論いただいている以外の御意見がいくつかございまして、ここでは、いってみれば、「今回の検討ではございません」という紋切り型で書いてございますが、これは他の部会、中環審だけではなくて、厚生省関係とか他の省庁の審議会にも関わる話でございますので、環境庁内あるいは厚生省も含めて、相談した上で、どういう形で国民の疑問に答えていくかということで検討いたしたいと思います。いずれにしても、直ちにこの場では答えが出しにくいかと思っております。

【部会長】 ほかによろしゅうございますか。
 今、環境基準の話が出ていましたが、両方通じていかがでしょうか。
 ないようでしたら、この部会報告案をもとに部会報告をとりまとめたいと思います。
 それでは、資料5、部会報告案を事務局から読んでいただきたいと思います。

【事務局】 それでは部会報告を朗読させていただきます。

               (部会報告を朗読) 
               
【部会長】 今読んでいただきました部会報告案のような形でとりまとめたいと思いますが、いかがでしょうか。

【E委員】 この数値等について特に異存のあるものではございませんが、1〜2述べさせていただきたいことがございます。
 まず第1は、この大気部会でも数度御議論の過程でお分かりのように、このダイオキシンのクライテリアというものは、条件設定あるいはモデルの指標等、いわゆる不確実性が、従来の大気汚染物質の環境基準設定当時に比べますと、いろいろと不確実性が高いということは、パブリックコメントにもございましたけれども、そのような不確実の下において環境庁が環境基準を決められるということは、一方からみれば、まさに未然防止という観点を貫かれていることになりますので、そういう意味におきまして、私は、この環境基準の決定に進められました環境庁のあり方については、敬意を表するものでございます。
 ただ、それにもかかわらず、不確実性というものがかなり高うございます。それで、ここにもございますように、0.6pg 以下の「以下」ということについて重視していただきたい。結局、このクライテリアが非常に不確実性が多うございますから、環境基準というのは、いわば必要条件であって十分条件ではない。言い換えれば、それまでは大丈夫というものではなくて、それ以下ならば大丈夫というふうにとらえるべきだろうと私は思います。それがここに書いてございます「0.6pg 以下」という表現になっていると私は理解いたします。いずれにしても、これまでならばいいというものでは決してない。それ以下にするべく努力するものである。ですから、それに従って排出基準等も当然そのように考えて御検討いただかなければならないものと思います。
 私はこの数値そのものに異存等があるものではございませんけれども、「以下」という点について発言させていただきました。

【F委員】 ただ今のご意見は私も心からそう思います。
 最後の別表についてお伺いしたいと思います。既設施設の排出基準の方ですが、基準適用猶予期間から次のレベルへ移るときに、平成13年1月が重複しておりますが、これは何か特別な配慮で平成13年1月というふうなわたりになっているのかどうか、これについては何か特別な意味があるのか、教えていただきたいと思います。

【大気規制課長】 現在のところ、ダイオキシン類対策特別措置法の法施行は、来年の1月15日を予定しております。既存施設については、施行後1年間猶予ということになりますので、平成13年1月14日までが猶予期間になって、15日から始まることを想定して、日にちまでは書いてないのですが、1月というのが前半と後半というものでございます。
 それから、平成14年12月は、現在の大気汚染防止法でも平成14年12月1日から新基準適用、要するに11月30日までが暫定期間という格好になっておりますので、それを踏襲する形で、11月30日、12月1日ということを念頭においてこのような書き方にしているものでございます。

【F委員】 やはり意味があるということで理解いたしましたが、そうしますと、注のところあたりにでもそういうコメントがないと、これを見た人、特に規制しなければいけない立場にある者は、混乱する可能性があるように存じますので、今の内容について何らかの付記をしていただいた方がいいのではないかと思います。

【大気規制課長】 法律によって、施行日から丸々1年間という適用猶予期間が設定されている旨を注のところで明記するということにさせていただければと思います。

【部会長】 ほかにはよろしゅうございますか。
 それでは、今の件につきましては、後で注のところに付け加えることで、この報告を御了承いただきたいと思います。よろしゅうございましょうか。
 では、特にそれ以上の御意見がなければ、この文章を主体にして、注のところに適当な文章を付け加えるということで御了解いただきたいと思います。これを部会報告にしたいと思います。よろしく御了承お願いします。
 それから、先ほどパブリックコメントについて御意見が出ましたので、その辺は私と事務局の方で修正させていただきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。場合によりましては、専門委員長に御相談したいと思います。よろしくお願いいたします。  以上でこの部会報告については終わりたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
 ありがとうございました。非常に短期間のうちに専門委員会報告をおまとめいただき、また、ダイオキシン類環境基準専門委員会及び排出抑制専門委員会の方々に改めて御礼申し上げたいと思います。
 なお、この部会報告につきましては、後日、中央環境審議会会長の御決裁を得まして、中央環境審議会会長から環境庁長官に対する答申となりますので、付け加えておきます。
 以上でございます。

【大気保全局長】 御議論いただきまして大変ありがとうございました。
 今回パブリックコメントへの回答に関して、貴重な御意見をいただきました。なお行政側として新しいパブリックコメントの制度を活用しながら、国民により理解しやすい制度を作っていくことに役立てるよう努力してまいります。
 そして、今回の議論で、 大気環境濃度0.6pg-TEQ/m3 以下という目標、また、排出をいかに削減していくかということに向けてご意見をいただきました。政府として約束しております平成14年までに9割削減ということが当面の目標でございますが、この意見をもとに、法を運用して、しっかりした形で毎年国民に知らしめることができて、その経過についての意見をもらえる形で努力を続けてまいりたいと思っております。
 なお、今日おとりまとめいただきました大気部会報告と併せて、水質部会、土壌農薬部会、廃棄物部会でそれぞれ審議がされておりまして、環境庁といたしましては、各基準についての答申をいただきまして、必要な政令、規則等の制定を行って、来年 1月15日までにダイオキシン類対策特別措置法を施行することと考えております。
 委員の皆様方には精力的な御審議をいただき、部会報告をおまとめいただいたことに対して、誠にありがとうございました。特に部会長には、最後のとりまとめがございまして、御苦労いただきますが、感謝を申し上げます。
 そういうことで、新しい形でのダイオキシン対策について誠心誠意努力してまいることを誓いまして御礼といたします。ありがとうございました。

【部会長】 その他、事務局の方からございますでしょうか。
 それでは、本日の審議を終わります。御協力ありがとうございました。

−−了−−