中央環境審議会第84回企画政策部会議事要旨


<日時>  平成12月10月20日(金)10:00〜12:00

<場所>  ホテルフロラシオン青山1階 ふじの間

<出席>

森嶌部会長、安原部会長代理、天野委員、江頭委員、茅委員、佐竹委員、佐和委
員、塩田委員、鈴木委員、中野委員、波多野委員、星野委員、松原委員、三橋委員、宮本委員、村上委員、村杉委員、和気委員、渡辺委員、飯田特別委員、廣野特別委員、横山特別委員、河野専門委員、湊専門委員

事務次官、企画調整局長、自然保護局長、大気保全局長、環境保健部長、企画調整局企画調整課長、企画調整局調査企画室長、水質保全局企画課長、水質保全局海洋環境・廃棄物対策室長、企画調整局環境計画課長、企画調整局環境計画課計画官

<議題>

(1)環境基本計画見直しについて
(2)その他

<配付資料>

○資料1 第82回・第83回企画政策部会議事要旨(案)・会議録(案)
○資料2−1 ブロック別ヒアリング意見概要集
○資料2−2 ブロック別ヒアリングの概要
○資料3 「新環境基本計画中間とりまとめ」に関する意見の概要

<議事経過>

 新環境基本計画中間とりまとめに関する意見(ブロック別ヒアリングでの意見を含む。)について、事務局から、資料3に沿って説明後、議論。

【廣野委員】
・寄せられた意見をできる限り計画に反映させるために、本文中には、科学的な状況の分析に基づいて記述するが、付録として、どんな意見があったかを整理してはどうか。

【河野委員】
・407番の意見は、中間とりまとめの表現について、「大量循環型社会」ができることを懸念しているようであるが、可能な限り循環型社会をつくる旨を強調した書き方に問題があるのではないだろうか。
【安原部会長代理】
・407番の意見はブロック別ヒアリングの場でお聴きしたが、循環型社会の形成というよりも、廃棄物の問題として、リサイクルすればよいということではなく、廃棄物の絶対量を減らしていく努力をすべき点を強調した意見であると理解している。
【森嶌部会長】
・循環型社会の形成の考えを否定したのではなく、最初から物資の利用自身を縮減した上で、循環型社会を形成すべきという意見であった。

【江頭委員】
・パブリックコメントを踏まえて、今後の議論をどう進めていくかをあらかじめ明らかにすべき。
【森嶌部会長】
・あと3回の会議でパブコメの反映について議論を行うが、その中で、一つ一つの意見に答えていくのではなく、どういう方針でこれらの意見を組み込んでいくかという方針で議論してほしい。
【天野委員】
・パブリックコメントを無駄にしないように、意見が多く寄せられた分野や賛成論、反対論の分布が分かる資料を作る必要があるのではないか。これまでのパブリックコメントではどんな方法をとってきたのか。
【細谷環境計画課長】
・前回(現行計画策定時)は、寄せられた意見に対し個別に回答を出すのではなく、起草委員会を設けて修文案を整理し、それをもってパブコメに対する答えに代えている。
【森嶌部会長】
・今後の進め方については、本日はパブリックコメントの反映について自由に議論し、それをもとに、次回までに、事務局と相談して修文案を作成し、それを議論していくのはどうか。
【廣野委員】
・パブリックコメント1つ1つに個別にリスポンスするのではなく、パブリックコメントについて委員個々人が自己の意見の中で考えてそれを集約していくのが妥当ではないか。
・寄せられた意見について、事務局で、分かりやすく再分類した資料を提供してほしい。
【森嶌部会長】
・本日の資料は既に分類してかなりまとめられたものだと理解している。これをもとに、中間とりまとめにどういう修正を加えるか、あるいは更に踏み込んだ記述をするか等について議論してほしい。
【村杉委員】
・可能であれば、中間とりまとめ前に設けていた検討チームで検討し、それを全体にかけるのが早道ではないか。
【森嶌部会長】
・検討チームによる検討が望ましいということであればそうした進め方も検討する。

【横山委員】
・バブリックコメントを尊重する前提として、意見提出者の性別や年齢の内訳を知りたい。
・また、組織的に大量に意見を寄せてきたものはあるか。
【細谷環境計画課長】
・属性については、整理した上で提供することとしたい。
・組織票かどうかの判断は明確ではないが、共通の意見、例えば原子力発電の問題等いくつかの問題についてほぼ同文だと思われる意見があり、そうした意見は、1つにまとめた上で、○○等何件という形で記載した。
【渡辺委員】
・パブリックコメントの整理の仕方としては、例えば原子力の話や自主的取組の重要性等これまでにこの審議会でも議論してきたものよりも、むしろこれまでの議論で全く気づかなかった意見を中心にどう取り扱うかが大事ではないか。

【三橋委員】
・現在の環境基本計画の評価等、現在の環境基本計画ができた後の様々な動きを踏まえて、何が欠けていて、何が達成できたのかを記述することにより、現在の環境基本計画と連動性を持たせることが必要ではないか。
【森嶌部会長】
・現在の環境基本計画の評価や反省については、第2部で記述しているところであり、現在の計画が、平板で、実施についても有機的な関連性が欠けていたという反省から、「戦略的プログラム」を取り入れているように、現行計画との連動性は意識してきたが、それが明確に表れていないということであれば、もう一度見直すこととしたい。

【波多野委員】
・提出された意見の要旨をとりまとめると、ほとんどが部会の討論の範囲内の問題となってしまうので、これまで気がつかなかった問題に対する意見を特記する資料を作成してほしい。
【佐竹委員】
・これまで気がつかなかったような新しい観点、新しい事実について、既存の考え方の枠組みを少し変えて、それを組み込んで、新しい論理や考え方を構築していくすることに意味があり、そのための資料としては、本日のもので十分ではないか。

【天野委員】
・パブリックコメントを出した側は、集まった意見や、中間とりまとめとの比較したいと考えると思うので、本日の資料をインターネットで公開することが必要ではないか。

【和気委員】
・IT革命あるいは電子メール等非常にアクセスしやすい環境になった中で、意見提出者が399名というのをどう評価するか。環境政策では、個々の国民一人一人がどう環境意識を持つかをうたっている以上、どれだけたくさんのパブリックコメントが集まるかは、環境基本計画に対しての興味、関心を示す一つのバロメーターである。
【森嶌部会長】
・電子メールとファックスはどのくらいの割合で意見が寄せられているか。
【細谷環境計画課長】
・電子メールとファックスの割合について集計はしていないが、FAXや郵便によるものが多いと思われる。
【森嶌部会長】
・Eメールでのアクセスは、一般の人が探し当てたというよりも、組織の中でアクセスしてきたものが多いのではないか。IT革命や電子メールにより多くの一般の方がアクセスするという状況には、もうちょっと距離がありそうな感じがする。

【村上委員】
・パブリックコメントについては、開かれた社会をつくることは大変重要だということでパブリックコメントの制度がつくられた趣旨を踏まえ、全ての意見に対して返答するのが基本であり、その趣旨を外さないでほしい。

【佐和委員】
・例えば25番の「『生活様式の結果であること』を『社会経済構造の結果であること』に書き改めるべきである」という意見は、「大量生産」という言葉が入っている限り、「生活様式」よりも「社会経済構造」に修文すべきであり、50番の、「COP3議長国として京都議定書の批准をすべきである」という意見は、1つの考えを述べているにすぎない。また、67番で「計画アセスに対する取組も記載すべきである」とか、75番のように「『アカウンタビリティ』、『パブリックコメント』の意味を知らない人が多い」という意見には、後ろに括弧して用語説明を付けるなどの対応が可能である。本日の資料はパラグラフごとに意見がよくまとめられているので、このように、本日の資料をもとに、セクションごとに議論していけばいいのではないか。
【森嶌部会長】
・そのような議論の進め方をしたいと思っていたが、各検討チームで各担当箇所を検討し、それを事務局でとりまとめ、次回の部会に提出するという方法もとれるかと思う。

【廣野委員】
・世界銀行では3年前から何万何千というパブリックコメントを1週間以内に返答するシステムができており、このパブリックコメントに対しても、リクラシフィケーションした上で、ホームページに掲載する等により、アカウンタビリティを全うすることが重要かと思う。

【安原部会長代理】
・各委員が本日の資料を持ち帰り、修文すべき案を事務局に提出し、それを材料として議論を進めていってはどうか。
【森嶌部会長】
・各検討チームの担当部分について、検討チームの主査の方の責任において修文のたたき台をとりまとめていただき、それを部会で議論する。それとは別に、事務局に直接意見を提出してもらってもいい。そのような形で進めていってはどうか。
【塩田委員】
・意見に対する個々のコメントを作るときに、採用できない意見に対してはどういう対応をしていくかを決めたほうが良い。
【森嶌部会長】
・パブリックコメントについては、最終的なとりまとめをもって回答とし、そこで対応できなかった意見について、逐一回答を出す仕組みまでとる必要はないと考える。
(「賛成」との声あり)
・ただし、パブリックコメントを出していただいた方に対して、個別に対応しなくても、感謝文を沿えるなどして、最終版を送付するくらいのことはやるべきだと思う。
【村上委員】
・他の審議会でも行われているように、全ての意見に対する返答をホームページで開示するぐらいの丁寧さが欲しい。

【天野委員】
・言葉がわからないという意見が結構あるので、きちんと理解して読んでもらえるように、簡単でもよいので用語集を後ろに付けてほしい。
【森嶌部会長】
・用語集の問題というより一般の人にわからないような言葉で記述しては困るという指摘が多いように思うが、用語集を作るべきであれば対応したい。
・全ての意見に対して返答をする点については、最終案を作成した上で検討することとしたい。
・ブロック別ヒアリングの意見で検討すべきと感じたのは、数値目標を書き込む点、NGOの参加に関する点、その他具体的な修文案を示したものであり、それ以外については、基本計画に盛り込むことは不可能又は適当でないと感じるものが多かった。

【宮本委員】
・パブリックコメントの募集がホームページ上でも行われたので、そのアクセス数を調べることが重要だと思う。また、それが、環境教育をやった結果どのように変化していくかも、環境教育の効果測定として重要だと思う。
【細谷環境計画課長】
・環境庁のホームページに対するアクセス数はわかるが、個別ページに対するアクセス数については、担当に問い合わせてみないと把握できるかどうか分からない。

【横山委員】
・パブリックコメントが少なかった原因は、文章が非常に長くて、難しかったことが大きいと思うので、もう少しやさしい表現で行う必要がある。
・また、目指すべき世界を明確にするべき前文が省略されたため、最後まで読んでもらえなかったこともあると思う。
【森嶌部会長】
・パブリックコメントが少なかった原因には、募集期間が非常に短かったこともあったかと思う。

・今後の進め方については、各検討チームの担当分野について、「戦略的プログラム」以外の関係部分も含め、各検討チームの主査の下で、各チームのメンバーと連絡をとりつつ検討し、どういう修文をするかという形でとりまとめ、事務局に提出してほしい。
・その他、各委員で、パブリックコメントのうち取り入れるべき意見があれば事務局に提出してもらい、それを、事務局、部会長、部会長代理でとりまとめて、次回の部会で議論したい。

【飯田委員】
・92番の、格好のいいビジョンを提案するばかりでなく数値目標も含め具体性をもった計画にしてほしいといった意見のように、全体のトーンとして、具体性を持った計画にするような修文を検討してほしい。

<以  上>