温室効果ガス排出抑制等指針検討委員会（第２回）　議事概要

日時：

平成20年11月5日（水）　18:30～20:00

場所：

虎ノ門パストラル新館６階　アジュール

出席者：

＜委員＞（五十音順、敬称略、○座長）

一方井　誠治	京都大学経済研究所附属先端政策分析研究センター　教授
瓜生　保	京都市都市計画局　公共建築部企画設計課　担当課長
岡本　圭司	社団法人　日本ビルヂング協会連合会　常務理事
○安井　至	独立行政法人　科学技術振興機構　研究開発戦略センター上席フェロー

＜事務局：環境省＞

森谷　賢	大臣官房審議官
徳田　博保	地球温暖化対策課長
馬場　康弘	地球温暖化対策課　課長補佐
森　芳友	地球温暖化対策課　係長

＜事務局：三菱総研＞

井上　貴至	環境・エネルギー研究本部　地球温暖化戦略研究グループ主席研究員
井上　裕史	環境・エネルギー研究本部　地球温暖化戦略研究グループ　研究員
河岸　俊輔	環境・エネルギー研究本部　地球温暖化戦略研究グループ　研究員

１．開会

（１）: 委員紹介

２．議題

（１）排出抑制等指針（案）について（資料２）

資料２に記された内容は、既にパブリックコメントに上がっており、本日受けた意見と合わせて現状の指針（案）に反映する予定である。（安井委員）
大変立派な指針案が仕上がっていると思う。一方、３点ほど指摘したい。1点目は、対策メニューについてである。省エネ法の判断基準との整合に配慮された結果の表現と理解はしているが、(1)　温室効果ガスの排出の抑制等に資する設備の選択　ア　熱源設備・熱搬送設備　にある「地域冷暖房システム等より熱を受ける熱交換器の導入」は、現在は導入が当たり前のメニューと思われる。また、(1)オ　照明設備に、「清掃・光源の交換等の保守が容易な照明設備への更新」とあるが、これも保守困難なものの方が例外的であり、ビル管理者としては自明の対策なのではないか。但し、省エネ法の判断基準にも記載されているため、省エネ法との整合のためであれば仕方ない。また、(1) キ　事務用機器等に、「空調対象範囲の限定等による空調の負荷の低減」とあるが、これは(2)　温室効果ガスの排出の抑制に資する設備の使用方法に記載すべき内容ではないか。判断基準の見直しも含め、両省で調整頂きたい。
2点目は、各メニューの削減費用対効果がそれぞれ異なるにもかかわらず、並列に併記されている点である。対策を実施する立場に立つと、優先度が明記されていることが望ましい。
3点目は、ESCOへの言及についてである。ESCO事業者の技術力の差が大きい一方で、ユーザーサイドからはどのESCO事業者が信頼性できるかを確認する手段がない。国が、ESCO事業者を格付け、能力付けする仕組みが望まれる。（岡本委員）
→ 1点目については、省エネ法との整合性を確認しつつ、実態にも合わせた内容としたい。2点目については、指針策定後の運用の中で、費用対効果について触れたパンフレットを発行する等により対応したい。3点目については、国が基準を定めることが難しい時勢ではあるが、経済産業省に意見を伝えることとしたい。（環境省　馬場課長補佐）
法律20条の6に記された、「国民が日常生活において利用する製品又は役務」の中に、電気やガスの供給は入らないのか。国民が否応なく利用するものについても対象として欲しい。電気やガスの供給については、別途で対応しているということでよいか。（一方井委員）
→ 「国民が日常生活において利用する製品又は役務」では、電気やガスの供給は除いている。一方、電気やガスについては、地球温暖化対策の推進に関する法律第21条の11に言及があり、電気事業者やガス事業者が国民に対してどのように「見える化」を進めるべきかが定められている。（環境省　馬場課長補佐）
今回の指針（案）は数値を除いた内容とのことだが、指針（案）には細かく機器毎に対策が示されている。対策メニュー各々について数値を今後加筆するという理解でよいか。（一方井委員）
→ 対策メニューの効果を記載するのではなく、例えば延床面積当たりの排出量という形で示す予定である。（環境省　馬場課長補佐）
P.14　(5)　食品の調理機器　にある「内燃式コンロ」とはどのようなものか。（瓜生委員）
→ 通常の外側に炎が出るコンロとは異なり、内側に炎を出すコンロである。放熱が少なく熱伝達率も高いといわれている。（安井座長）
→ 外部から給気する形式の厨房機器に関する対策も盛り込んではどうか。（瓜生委員）
P.15　(9) 移動　にある「公共交通機関を活用しやすくする役務」とは何か。（瓜生委員）
→ 鉄道とレンタカーを組み合わせたパックツアーや、ICカード式の乗車券を想定している。（環境省　馬場課長補佐）
「見える化」の範囲が明確に定まっていない状況であるが、個人的な考えとして、「見える化」は3種類あると考えている。1つ目は、標準的な運用を前提としたカーボンフットプリント等によるラベル化である。2つ目は、買い替え、改造による削減効果の見える化である。3つ目は、電気やガスの消費量から、今まさにどれだけユーザーが排出しているのかを示す見える化である。3つ目の見える化まで含めるのであれば、、p.13の二日常生活用製品等の製造等を行う事業者が講ずべき具体的な措置　の中で、特に(2)　冷暖房機器、(3)　冷暖房機器以外の家電製品、(4)　給湯機器　で言及すべきではないか。（安井座長）
見える化の機器を入れるのであれば、太陽光発電設備についても言及があってよいはないか。（一方井委員）
→ 太陽光発電設備については、家庭部門についてP.14(8)、業務部門についてP.6エで言及している。製造側への推進については、今後予定の産業部門向けの指針で検討していきたい。（環境省　馬場課長補佐）
BEMSへの言及がある一方で、HEMSへの言及がない。（安井座長）
→ HEMSはまだ実用段階にないと判断し、盛り込まなかった。（環境省　馬場課長補佐）
→ 実用段階にないとしても推進方策がなければ、導入が進まないと考える。（安井座長）
P.13(2)に「冷暖房機器」とあるが「過度に冷暖房に頼らずとも快適に過ごすことのできる衣類の製造等」があるので、見出しに等を付けるか、別立てとすべき。（安井座長）
指針の運用がより重要であると考える。特に中小の雑居ビルに対する対応が重要だろう。大規模なビルは、協会の会員に周知するなど、行政がコストを掛けずともやりようがあるが、中小の雑居ビルについては、他省庁と連携の上、防犯、防災、耐震の観点と併せて行政がコストを掛けて対応することが望まれる。（岡本委員）

（２）実態調査の結果について（資料３）

説明変数に立地を加える必要があるのではないか。（安井座長）
→ 区分を大きく２つに分けた上で、ダミー変数として分析に盛り込むことは可能である。（三菱総研）
→ 省エネ法特定建築物に用いられている区分を用いればよいと考える。（安井座長）
→ 省エネ法の区分では、調査対象のビルのほとんどがIV地区に当たるので、分析は難しいのではないか。（岡本委員）
今回の分析結果からは、ベンチマークの設定が容易ではないことが示された。原単位のばらつきが大きいという点については、「使われ方の違い」が要因として大きいと考えている。例えば、学校における体育館の使われ方、家電量販店の販売形態、食品売り場、稼働時間の長い外資系テナントなどの影響により、同じ用途でも使い方が異なると排出量も全く異なる。このため、用途による区分でベンチマークを作成することは難しいのではないか。経済産業省が検討している補正係数やシミュレーションも確認されたい。（岡本委員）
→ 少なくとも稼働時間については影響が出るはずではないか。大学についても、使い方が文系と理系で異なる。（安井座長）
→ 他の要因が打ち消していることもあり得る。（岡本委員）
データのばらつきが大きいため、平均値のベンチマークを上回るかどうかではなく、事業所それぞれの取り組みを推進する姿勢が必要である。今回はコストの視点が入っていないが、例えばエネルギーの価格を上げることで全員にインセンティブを与えることが出来るし、限界削減コストの低い対策から実施するということに繋がる。（一方井委員）
京都市の地球温暖化対策室では、事業所のエネルギー使用量データを管理しており、必要であれば提示できる。（瓜生委員）
資料3のリストに示された対策の実施有無をベンチマークとするのがよいのではないか。（安井座長）
→ 座長の意見に賛成である。各項目別に重み付けをして、点数方式のベンチマークとするのがよいのではないか。その場合、事業活動の影響が捨象されるため、分かりやすい。（岡本委員）

（３）その他

パブリックコメントは11月一杯に実施している。次回は12月初旬に開催予定。（安井座長）

以上

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温室効果ガス排出抑制等指針検討委員会（第２回） 議事概要

１．開会

２．議題

（１）排出抑制等指針（案）について（資料２）

（２）実態調査の結果について（資料３）

（３）その他

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