温室効果ガス「見える化」推進戦略会議
事業者の提供する商品・サービスに係る
温室効果ガスの「見える化」に関する分科会（第７回）
議事要旨

１．分科会概要

開催日時：

平成23年3月9日（水）　15:30～18:00

開催場所：

株式会社三菱総合研究所　4階　会議室（CR-A）

出席者：

【委員】

安井座長、青柳委員、一方井委員、上妻委員、本藤委員、森口委員　（欠席：辰巳委員）

【環境省】

地球温暖化対策課　高橋課長、杉本課長補佐、福井係長、小澤環境専門調査員

【事業者】

17名（７事業者）

配布資料：

資料１	温室効果ガス「見える化」推進戦略会議　事業者の提供する商品・サービスに係る温室効果ガスの「見える化」に関する分科会　委員名簿
資料２	評価・広報事業　平成22年度実施事業一覧【委員限り】
資料３	評価・広報事業　各事業者からの報告書【委員限り】
資料４	評価・広報事業　取りまとめについて【委員限り】
資料５	評価・広報事業　成果報告会の開催について
参考資料１	評価・広報事業　報告書に対する委員コメント【委員限り】
参考資料２	温室効果ガス「見える化」推進戦略会議　事業者の提供する商品・サービスに係る温室効果ガスの「見える化」に関する分科会（第6回）議事要旨（案）
参考資料３	温室効果ガス「見える化」推進戦略会議　事業者の提供する商品・サービスに係る温室効果ガスの「見える化」に関する分科会（第6回）議事録（案）【委員限り】
その他	各事業者持参資料

２．議事要旨

2．1　開会

• 事務局から開会の宣言と配布資料の確認が行われた。

（１）　平成22年度評価・広報事業の実施結果について

• 各事業者から、報告書・持参資料に基づき、本事業の成果について説明が行われた。

（質疑）

• ベースラインの設定方法は様々であるが、いずれの場合も各機器の実際の使用状況を考慮して設定するか、あるいはベースライン設定時の状況と実際の使用状況との差異をきちんと把握する必要がある。例えば、ベースラインをシミュレーション計算もしくは文献で求めているならば、誤差の考察が必要である。
• 実際にエネルギー消費量等が実験対象住宅で減少したならば、原因となる行動変容に対する分析も必要である。
• 「見える化」の効果を正確に把握するには、見せたデータと見せていないデータをきちんと切り分けて、「見える化」前後で比較することが重要である。
• 快適性等に関しては、男女差が大きいという点に留意する必要がある。
• 空調の省エネに関しては、例えば室温が設定温度通りにはならないという様なハード面での問題もある。
• 例えば、営業・出張と物流などトレードオフの関係にある項目（行動）がある場合、どちらの省エネ行動がより有効であるかを分析する必要がある。
• 削減率だけでなく、排出量の絶対値を比較して見せることも削減ポテンシャルの把握による削減行動促進につながる。
• コストを「見える化」する場合、予算管理等と結びつけることで、より削減行動を促進することも考えられる。
• 自動制御ではなく「見える化」によりルール化・マニュアル化する意義としては、普及効果として「見える化」していない部分での削減行動も促進する可能性が考えられる。
• リアルタイムな情報によって個人の行動が誘発されるだけでなく、組織の行動特性のようなものと省エネ行動が結びつけられるような「見える化」の役割も考えられる。
• 「見える化」対象や機器の性能あるいは「見える化」前の活動によっては、「見える化」機器を長期間設置したままにせずとも、削減行動や費用削減につながる情報が得られる可能性がある。この場合、リースやレンタルによる短期間での「見える化」のみでも有効である可能性も考えられる。または、１年間以上の計測が必要な場合でも、２年目は設置する機器をグレードダウンし、本当に必要な要素だけ見せれば良いのではないかという考え方もできる。
• 一般家庭では電気量ではなく電気代を示す方が有効である様に、見せる情報によっても効果は変わってくる。
• 洗濯乾燥機の場合に、洗濯よりも乾燥の方が圧倒的にエネルギーを消費すること、洗濯もやり方の工夫やコースの選択によって少ないながらも削減が可能であることなど、実態把握がすすんでいない分野でデータが得られたのは意義がある。

2．2　評価・広報事業の取りまとめについて

（資料説明）

• 「見える化」の手法としては、単純に見える化をするだけの場合や、個別相談の様な形で直接的にヒントを与えるような場合等、様々なバリエーションがある。
• 削減効果の定量評価としては、主に削減量を絶対量で見る場合と原単位ベースで見る場合の2通りがあり、対象や測定データによって適切な評価方法を選択する必要がある。
• 「見える化」の評価プロセス（「見える化」してから削減までの評価ステップ）として、「見える化」の対象、情報提供方法、計測期間、ベースラインの設定、「見える化」後の把握、削減効果の算定、要因分析、という項目ごとにそれぞれの論点を押さえ、最終的な評価が適切なものとなる様に調査設計する必要がある。

（質疑）

• 日常生活分科会と事業者分科会の接点が良く見えてきたところがあり、両方うまくタイアップするととても良い事業成果が得られるところに来ているが、年度末で事業が終わってしまう。計測も含めて複数年にまたがる継続的な事業の実現が課題と考える。
• 今後の「見える化」として、例えば夏のピーク時に発電総量情報をテレビで表示し、冷房調整を促すなどの手法も有効であると考えられる。

---