温室効果ガス「見える化」推進戦略会議
事業者の提供する商品・サービスに係る
温室効果ガスの「見える化」に関する分科会（第４回）
議事要旨

１．分科会概要

開催日時：

平成22年3月17日（水）　13:00～15:00

開催場所：

ホテルルポール麹町2階　「サファイア」

出席者：

【委員】安井座長、青柳委員、一方井委員、上妻委員、辰巳委員、本藤委員、森口委員（欠席：齋藤委員）
【環境省】高橋地球温暖化対策課長、杉本課長補佐、水原係長
【傍聴者】全41名（一般：32名、報道関係：3名、他省庁：3名）

配布資料：

資料１	温室効果ガス「見える化」推進戦略会議　事業者の提供する商品・サービスに係る温室効果ガスの「見える化」に関する分科会　委員名簿
資料２	温室効果ガス排出量のリアルタイムな「見える化」に関するモデル事業について
資料３	温室効果ガス排出量のリアルタイムな「見える化」に関する各モデル事業の結果について
資料３－１ KTシステムコンサルティング(株) 資料３－２ 日本テクノ(株) 資料３－３ 日本電気(株) 資料３－４ (株)早稲田環境研究所 資料３－５ NPO法人ソフトエネルギープロジェクト＆東芝キヤリア(株)
資料４	温室効果ガス排出量のリアルタイムな「見える化」に関するモデル事業の結果及び今後の課題について
参考資料	温室効果ガス排出量のリアルタイムな「見える化」に関する各モデル事業において使用された「見える化機器」の概要

２．議事要旨

2．1　開会

• 事務局から開会の宣言と配布資料の確認、委員紹介
• 環境省、座長から挨拶

2．2　温室効果ガス排出量のリアルタイムな「見える化」に関するモデル事業の結果について

• 事務局から資料2および資料3（一部）に基づき、事業の目的、機器の例、モデル事業の形態と具体的イメージ、「見える化」効果の評価方法のイメージ、採択基準、実施スケジュールについて説明が行われた。
• モデル事業実施事業者ならびに事務局から資料3-1～資料3-5に基づき、各事業の背景、目的、実施内容、成果、課題と対策、今後の展望について説明が行われた。

（質疑、コメント）

• 「見える化」の事例としては良くできているが、必ずしも「見える化」しなくても情報提供できる、啓発で対応ができることもある点について留意すべき（上妻委員）
• →今回は、本来見えるようなこと、気をつければできることを「見える化」しているが、今後は見えないもの、気付かないようなことを「見える化」していくことが課題である。
• 「見える化」機器自体が高いという意見があるがリースによって初期投資を軽減することができないか。
• →車載器の場合は既にほぼ全てがリースである（KTシステムコンサルティング）
• →パソコンの場合は、ソフトウェアを実装した機器のリースサービスの開発が必要だと考えている（日本電気株式会社）
• →通信事業のルーターでソフトを作動させ、見える化を検討するという可能性がある（NTTファシリティーズ）
• →コスト低減については、計測により把握した削減量を排出権として販売する方法が考えられないか（早稲田環境研究所）
• 日常生活分科会と多くの点で課題が共通しているため、両者で情報交換をしてお互いに次に繋がることに生かしていければよい。
• 省エネによりエネルギーコストが下がる分、測るコストはペイバックする。さらに排出権をやれば、さらにメリットがある。そういう情報提供をしっかりやっていくことが大事である。また、ずっと見える必要はなく、機器をつけておく必要はないので、最初に下がることが確認できれば外してもよく、リースで良いということになる。
• 「見える化」を普及していくのか、効果をより厳密に測定するのかであるが、両方必要と思う。
• 「見える化」の導入によって何か得する仕組みと組み合わせてやれば非常に広がるのではないか。そういった制度全体を他の制度との関わりについても考えるべきである。
• 小学校の教育の例をいかに家庭にうまく持ち込めるか、両方が上手く情報を流通させて共有して相乗効果が生まれる方向に、いいスパイラルが回るようにつなげていければよい。
• 標準化はこれからとても大事であり、今後2020年、2050年に減らしていかなくてはいけない時には、国が標準化について是非検討していただきたい。
• 情報の提供が大事ということはその通り。例えば、家庭の電気がどういうところからできているか、より深い情報を同時に提供していくと我々の行動も変わるし、その源流の基幹的な産業も変わっていかなければならないということも皆気づいていくのではないか。
• 例えば、家庭用のルーターは、パソコンを使用しない時はオンになっている必要が無い、ということになるから、当たり前の話だが、そのような機器の標準化をした方がいい。
• 省エネのリバウンドは必ず起きるが、情報量というのはリバウンドの高さに効く気がする。
• 何を「見える化」するかが重要である。多分現状だけ見せてもあまり意味がない。啓発活動とほぼ同じ効果しかない。自分自身がやったことの効果がどれだけあるかを見せることが非常に重要である。
• 自分だけの情報が見えても、中々人は動きにくい。他と比較するという相対化できるような情報があるといい。
• 個人か団体か、現状の行動変化か自分と他人かという、どんな情報を見える化すべきかということをもう少し整理した方がいい。
• 本日の事例にあったムダ率と削減率、削減率とは行動変化の結果であるが、何を見えるかをもう少し一般的に整理することで、その場所に応じて適した見える化の情報はどうあるべきか、今後の課題として見えてくるとよい。
• どういう商品を選択することで変わるかという点も、今後の課題として入れてといい。
• 「見える化」によるCO2排出量削減は全部消費者の責任なのか。「見える化」とは消費者にある意味で知恵を出してもらうという考え方だと思う。自動化できるところはなるべく自動化するというようなハードウェアのことまで考えたポリシーミックスがないと、これだけで使用者側の責任という雰囲気になって、根本的に違ってくる感じがする。
• 車が全部エコ運転になる、PCが全部今回の事例のようなシステムになると、それだけでも日本の温暖化対策法の数値目標が達成できる。何故そういうことをやってこないのか、断片的に一つずつ話していても全く意味がないので、少し「見える化」の限界を書き込んで、見える化だけでは済まないということをわかるように、他の方々にも努力を促すようなことを伝えられるようにしていただきたい。
• 事業を実施した消費者の立場からいうと、今回使用したエアコンは非常に性能がいいが、性能のよさをあまり理解できていなかった。店頭に出す時には全ての最高の性能にセットしておいていただければ、最高の省エネのところから進めていけるということが今回わかった。もう一つは、もしそうならないとしたら我々がまず機器の性能を理解して、それをもとに行動してれば、もっと減らせた。今後このようなことをすれば、より削減できると思う。
• 機器の性能の表示の仕方が本当にそのままでいいのか、実際に家庭でのエネルギー消費量の実測をやってみて初めてわかる部分出てくる。テレビなど年間消費電力が店頭表示されているが、日常生活分科会で測った結果、その倍以上消費している場合もある。そういうところに、例えば省エネ法の基準を作られるところに対して、この結果を働きかけていくプロセスが必要であり、意義がある。「見える化」というプロセスを経てより大きなところへ切り込んでいけると思う。
• 消費者と事業者という関係で言えば、日常生活分科会では、工場出荷される時に一番省エネ性能が高くなる設定になってないのではないかとのことであった。やはりクレーム対策として、事業者はやっておられる部分もあろうかと思う。その意味で消費者の責任の部分もあると思う。
• 先ほどの設備費用に関して、いわゆるROI（リターンオブインベストメント）で皆さんお考えになるが、色々な機器でROIにより、もう少し機器の性能が見えるような情報を同時に提供しないと普及しないのではないか。どういう条件でどういうふうに投資をするとどのくらいの効果があるという情報を出すことも標準化しないとだめかという気がする。
• 数値見せられても大きいかどうかわからない、本日の報告にある相場観というのは結構重要と思う。相場観をどうやって情報のひとつとして提供してくかの工夫がこれから必要になる。
• 今回事業者の数値をそのまま家庭でもできるわけではない。会社でやっても家でやらないという例が多く、なおかつ条件が違うので同じ達成率ができるとは限らない。家庭で同じだけの削減をするというのは過大評価と思っておいた方がいい。
• 今まで分かれてやっていた事業者側と消費者側の話も、これからおそらく統合した形で進めていかなくてはいけない。リアルタイム見える化ということで非常にピンポイントに実施したが、これもおそらくステップの一つであるが、とにかくこういうものをやっていかなければいけないことだと思う。これから先は、これだけではないということで、よろしくお願い申し上げたい。

（２）その他

• 高橋地球温暖化対策課長から挨拶

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