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温室効果ガス「見える化」推進戦略会議
事業者の提供する商品・サービスに係る
温室効果ガスの「見える化」に関する分科会(第1回)

議事要旨


1.開会

事務局から委員の紹介、資料の確認、各委員による自己紹介が行われた。

2.議事

(質疑)

-事業者分科会で行う議論の方向性-
  • 資料3、4は、温室効果ガス「見える化」推進戦略会議(親検討会)において「こういう方向性もある」という一つの案として提出されたものをそのままを深めてきたものである。戦略会議の場では、もう少し幅広い議論が必要、ということになったはずだが、その割には今回の事務局の資料は第3回の戦略会議の議論そのままに沿ったものになっている。(森口委員)
  • 日常生活分科会では、もう少し自由な、そもそも日常生活でどんな情報が必要なのかといったような、もう少し幅の広い議論がされている。今回の議論の参考にしていただければと思う。(森口委員)
  • 事務局から提示された23+2品目をいきなり議論するのはどうかと思うが、しかし対象品目を決めておかないと本分科会が進まない。(安井座長)
  • 戦略会議の最初の段階で、「見える化」については環境省ならではの検討をしてはどうかという話だったと思うが、議論が逆戻りしているような気がする。(齋藤委員)
  • 例えば乗用車や家電などは、製造からの排出についてはカーボンフットプリントに任せて、消費者(ユーザー・ドライバー)が行動を変えられる部分を「見える化」する、などの方針を決めていかなければならない。(安井座長)
-「見える化」対象プロセスの選定-
  • ライフサイクルの中でポイントを絞って「見える化」するという考え方はよいが、少なくとも、資料4において取り上げられた例については、選定の理由・根拠を示すべきである。(山本委員)
  • 排出量の算定自体についてはライフサイクル全体で計算することは当然として、第3回の戦略会議の中で、排出量が情報提供されたときに、本当にそれで消費者の削減努力がされ、排出量が減るのかということが論点になった。そのため、排出量の算定の中で特に削減余地のあるところを取り上げる方がより効果的な削減対策と考え、ライフサイクルの排出量をベースとし、もう少し工夫してアイデア出しをしているのが資料4である。(事務局)
  • 例えばフードマイレージについては、食品のライフサイクルを考えると、輸送よりももっと負荷の重いステージ(生産など)がある例が報告されている。それにも関わらず、輸送だけを「見える化」の対象とすると、消費者をミスリードしてしまう可能性がある。ライフサイクルの排出量をよく見た上で、何を「見える化」するのか決めていく必要がある。(上妻委員)
  • 例えば、宴会やイベントのCO2の排出にも、有効な排出と、無駄な排出があるのではないか。例えば捨てられてしまう食品に関するCO2については完全に無駄な排出。有効な排出と無駄な排出にウエイトをかけて宴会のオフセットを考えていくというようなことも検討すべきではないか。(安井座長)
-「見える化」対象品目の選定-
  • この23+2品目でいいのかどうかは、もう一度議論いただきたい。戦略会議の議論の進め方にかなり引きずれられているように感じる。あまりマイナーなものを「見える化」しても仕方がないので、参考として資料3の表1を出した。だからといって、これを全て取り上げて「見える化」しましょうという意図では全くない。「こういうものの中で環境省らしいことを考えていただきたい」というのが趣旨である。(森口委員)
  • 資料4は、家計が購入する商品サービスのうち消費にともなうCO2排出量が多いものを選んだという形になっている。これを全て対象とする意図ではなく、まずはこれらを視野において、優先的に取り組むべきはどんな対象かということについて本分科会で議論して頂くことが大事であると考えている。(徳田課長)
  • 23品目+2品目は、一般消費者が買うものに関するCO2排出である。政府支出、公共事業関係などを入れていくとまったく別の構成になる。約5割を占める輸出製品の製造、民間投資、公共支出等はここで議論していない。そういったものも含めてより包括的な議論が必要。(森口委員)
-他省庁の取り組みとの連携・役割分担-
  • 今回上妻先生の議論の中では、ライフサイクルのカーボンフットプリントを商品につけるというやり方が一番有効な方法とは必ずしも限らないため、LCAのところは経済産業省・農林水産省に任せて、環境省は環境省らしい方法を「見える化」を通じて取り組んでいくべきということをおっしゃったのだと考えている。農林水産省、経済産業省が進めているカーボンフットプリント等の取り組みでは比較的カバーされ難いところをもっと中心的に行なっていくという選択肢もあるのではないか。(森口委員)
  • カーボンオフセットプロバイダーの立場からは、事業者がカーボンオフセットを行なう際に、カーボンフットプリントレベルだと難しいが、取り組み自体は行なっていきたいとした場合のために、環境省側では簡易な算定方法を考えていくということもありえる。ただし、経済産業省・農林水産省と間にダブルスタンダードが出来ないように注意していただきたい。(辻本委員)
  • 23品目は、生産時のCO2排出量が大きなものを選んでいる。環境省として特徴があるのは、消費時(調理の仕方など)の部分からの排出削減に焦点を当てるべきだと思っている。そうすると組み合わせとして農林水産省などともうまくマッチすると思う。(農林水産省)
  • 例えば野菜であれば露地ものを食べたらどの程度のCO2排出か、ハイブリッドカーや冷蔵庫はいつの段階でどう買い換えればいいのか等、使用部分のもので、カーボンフットプリントでは細かく扱いにくいところを環境省の「見える化」の中で取り組んでいったら良いと思う。シナリオベース的なところもあるが。(齋藤委員)
  • 「見える化」の概念は広く、カーボンフットプリントだけで「見える化」の全てではない。ただ、商品・サービスのライフサイクルベースでのCO2排出情報開示という意味では、どういう形であれ統一すべきであると考えている。「見える化」という、ライフサイクルベースのCO2排出では表現しきれない消費者へのメッセージ等を多角的に検討するという意味では、非常に有意義な取り組みであり、幅広い観点から検討いただきたい。(経済産業省)
  • どのようなルール作りで算定を進めていくかというところで、重複感などが出てくる可能性があるので、そこは良いかたちで連携して行きたい。一元的やるべきところは一元的に、もっと広い観点から国の総合的な力を発揮していく場合には総合的に取り組んで行きたい。(経済産業省)
-日常生活分科会との違い-
  • 日常生活分科会の中では、生活者の側からどんな情報が見たいかということを議論している。生活者側の思いを実現する上で事業者の協力が必要となる場合に、どのように行なっていくかを事業者分科会の中で大局的な観点から議論すべき。(森口委員)
  • 事業者分科会では、他の省庁でカバーされにくい「商品の使用にともなう排出」や[4]のサービス系が議論の優先順位は高いと思っている。(辻本委員)
  • 日常生活における排出量の情報を把握する場合に、消費者からの視点だと技術的な内容の詳しいことまでは分からない。(事業者分科会では)もう少し、技術・製品寄りの議論をすべきだったのかもしれない。(安井座長)
-制度導入・活用のためのインセンティブの検討-
  • エコマークとの連携については、「見える化」の中でどういうものについて優先的に取り組んでいくべきか、或いはどういうことがエコマークに期待されているか、ということが明らかになってくると、我々も取り組みやすくなる。他方で、エコマーク自体をつける・つけないは任意のものである。「『見える化』すべき」と打ち出されたところで生産者の意識の変革につながっていくかというと、難しい部分もある。技術的な観点のみならず、制度として如何に導入していくかも検討しなければならない。(山村委員)
  • 事業者が「つけた方がいい」と思わなければ意味がない。グリーン購入などとうまく連携させるなどの方策を考えていかなければいけない。(安井座長)
  • 消費者側へのインセンティブつくりと同時に、候補に上がっている23品目の中には、法人による需要の大きいものも多いため、グリーン購入法との連携など、事業者側へのインセンティブ付与も同時に考えていかなければならない。ただし表示の方法を議論していく際に、カーボンフットプリントと使用のラベリングの使い分けが曖昧になってしまうと、消費者が混乱する恐れがある。(辻本委員)
  • この事業者分科会で議論すべきは、事業者にどうやって協力頂けるか、どう一緒にやっていくかという「やり方」に関するところだと思う。商品のライフサイクルへの着目は重要だが、これにこだわりすぎるべきではない。(森口委員)
-データ収集における協力の必要性-
  • 航空機利用、鉄道利用については、データ整備が出来ていないので選びようがない。国交省の方にもお願いしたが、「見える化」の取り組みをするのであれば、航空会社や鉄道会社も一緒になってやってもらわないと進まないと思うが、そういった取り組みついてはどうやって進めていくのか?(山本委員)
  • 交通関係については、事業者にもヒアリングを進めている。かなり難しいところもある。(国土交通省)
-その他-
  • この分科会で話し合われる内容や決まったことが、どういう目的で使われるのか、誰がやるのか、誰が使うのか、を示していただいた上で、協力させていただきたい。上記のようなことをこの分科会で議論していただきたい。(国土交通省)
  • 議事録については事務局にて取りまとめの上、数日内に委員の皆様にお送りする。資料についても委員の皆様にもう一度意見を頂いてから整理させていただく(事務局)

以上