本文へジャンプ
温室効果ガス「見える化」推進戦略会議へ >>
1.開会
事務局から開会の宣言と配布資料の確認が行われた。
2.議事
(1)議題1 日常生活から排出される温室効果ガス排出量の「見える化」の効果実証事業について
事務局から資料2にもとづき説明が行われた。
(質疑)
- 本実証事業の計測対象は家庭全体の電力消費量であるのか。(辰巳委員)
- →グループAは世帯全体とエアコンに加えて、一部冷蔵庫を測定している、グループBはテレビと冷蔵庫の個別機器を測っていて、世帯全体は測っていない。(森口座長・事務局)
- 21ページの「見える化」効果に関する仮説の検証について、どの程度効果があったといえるのか。(多田委員)
- →現状では、見える化効果を明確に実証するまでは至っておらず、引き続き分析を進める必要がある。(事務局)
- →本実証実験の設計上、モニターは「見える化」画面、フィードバックシート等を能動的に見に行く必要がある。後半モニターには、リアルタイムでの電力消費量が見えるような機器を配布している。これにより、「見える化」効果の仮説検証が進めやすくなると理解している。(森口座長)
- 個別に効果をあげているモニターが埋もれている可能性があるので、分析対象データはグループの平均値だけでなく、個別世帯の分析を行った方が良いのではないか。(辰巳委員)
- →「見える化」効果を出す行動特性を持っている人とそうでない人と2つに分けて分析することはできると考えている。また、事前情報で把握している属性、アンケートによる意識、行動についての情報についても検討を行う予定である。(事務局)
- →現在行っているのは集計的なアプローチであり、一つひとつのサンプルを見て極端に消費量を下げたモニターがいないのか、個別データを検証した方が良いというご指摘だと捉えている。また、累積度数分布のような分析も行っており、電力消費量が正規分布というよりは対数正規分布に近い形になっている可能性がある。(森口座長)
- 「見える化」実証事業についての説明をモニターに行っているのか。何らかの説明があると、見えないグループにも影響があるのではないか。(多田委員)
- →グループAは計測開始後3週間分のデータから、見える、見えない各グループへの分類を行っている。グループBは計測開始前にグループ分類を通知している。(事務局)
- →モニターには「見える化」の効果実証事業ではなく、家庭のエネルギー消費実態の計測という趣旨で参加していただいており、他のグループの存在は認知させないようにして、ご指摘のようなノイズに対する除去には配慮している。(環境省)
- →応募してくる人は、少なくとも省エネに興味がある人であると予測される。(辰巳委員)
- 自分から情報にアクセスするのは非常に負荷が大きいと思う。「見える化」画面へのアクセスは、世帯主が多くなっており、これとは対照的に、世帯主が仕事をしている昼間の電力使用者は家庭にいる人である。また、アンケート結果より、家族間のコミュニケーションも頻繁には行われていないようであり、効果が見えづらくなっているのではないか。(辰巳委員)
- 行動に結び付けるのには、即時性が重要であると思う。昨日のデータを見ても、翌日の行動には繋がらないと考えている。(辰巳委員)
- →即時性はテレビの輝度調整では必要であり、冷蔵庫では逆に中長期の測定結果が大事であり、対象機器により違いがあると考えている。(森口座長)
- 「見える化」に使用するハードウェアのエネルギー消費についても別途考えなければならないだろう。(森口座長)
- 今回のアンケート結果が、内閣府のアンケート結果とほぼ同様の傾向を示しているのが驚きである。モニターは意識が高いと思うが、行動は変わらないという確認ができた。(辰巳委員)
- →本実証モニターは内閣府調査よりも各項目で省エネ行動が低いため、省エネに熱心な集団というよりは、一般消費者に近い集団であると思う。「見える化」の効果とは別に実態が見えてきているという意味で、非常に貴重なデータが取れていると感じる。(森口座長)
- 「見える化」の原点は、数字を見せるだけでなく、それを意味のある情報に変えることではないか。意味情報として自分の立ち位置が2つあり、周囲との比較ができること、そしてあるべき姿をみせること。この2点が削減行動につながるのではないか。(多田委員)
- →トップランナー的な人の電力消費の推移など、動きのある情報を提供しないと継続的なアクセスに繋がらないだろう。(森口座長)
- 36ページでの「みなし視聴時間」の処理はどのように行ったのか。また、家電データは各種スペック、型番等どこまで同定できているのか、精査いただきたい。(森口座長)
- グループAのフィードバックは実施したのか。また、Aグループモニタは他世帯と比較できるのか。(森口座長)
- →グループAは昨日に実施した。また、他世帯との比較情報としては、これまでポータルサイト上でグループ全体の平均値を載せている。(事務局)
- →今回の実験では、季節変動を除去できる設計となっているので、実際のフィードバック効果をみることができる。(森口座長)
- 継続的に電力消費量が見えることと、即時値が見えることでは、削減行動へのつながりが大きく違うとのご指摘をいただいている。それを踏まえて、グループB後半モニターには、ワットチェッカーを配布している。過去データや今後計測するデータを使用して何か分析できる可能性はないか。(環境省)
- →後半のワットチェッカーの使用方法はどのようになっているのか。(森口座長)
- →現在は必ずテレビにつけるというわけではなく、使い方を案内しているのみである。(事務局)
- →現在、ワットチェッカーは探索的に電力消費量を「見える化」している。強制的にではなく、自然に見える状況を如何につくるのが重要であると考えている。(森口座長)
- 36ページで20W以下のテレビの数が多い。2台以上あっても、メインのみを測定しているのか。(辰巳委員)
- →代表的に使用しているもの1台しか測定対象としておらず、家庭全体のテレビの電力消費量の総量はまだ把握できていないのが現状である。(森口座長)
- エアコンは製造年の特定はできているが、暖房能力は特定できていない。型番がわかっているので、整理して、実態情報を提示したい。(事務局)
- テレビについてはグループBで測定しているので、Aグループの全体と比較することで、ある程度の割合は把握できると考えている。今後、全体像を把握するために情報の精査が必要である。(森口座長)
(2)議題2 日常生活CO2情報提供ツール(仮称)の更新について
事務局から資料3にもとづき説明が行われた。
(質疑)
- ツィッター等を使用して普及を試みることができるのではないか。(辰巳委員)
- ユーザービリティが改善されてきており、ブレイクの可能性も感じるがが、いくつか一般的ではない難しい言葉が入っているので、補足的な説明が必要ではないか。(多田委員)
- β版が公開されてからの意見を最終版に向けて反映させていければと考えている。携帯版については、色々なデータ入力まで実現するのは難しいかもしれないが、見るツールとしては役立つ可能性がある。一方で、このツールの携帯版に限らず、現代の情報伝達のスタイルに合った温暖化対策を広げる意味でいろいろな使い方を考慮することが必要との示唆が得られた。今後、β版のプレスリリース等は行うのか。(森口座長)
- 周知の仕方については検討中である。(事務局)
以上