1.開会
環境省高橋課長の挨拶が行われた。
座長から挨拶が行われた。
2.議事
(1)議題1 家庭における温室効果ガス排出量の「見える化」に関するモデル事業について
事務局から資料2にもとづき説明が行われた。
(質疑)
-モデル事業全体について-
- 「見える化」のターゲットユーザーはどこか。(多田委員)
- →重要な点と認識している。今回の調査の中で検討していきたい。(事務局)
- →省エネナビ設置のみの世帯は、今回の報告での対象となっておらず、冬期実験終了時点で分析を行うことにしている。これらのデータを含めてターゲットユーザーについても今後分析を行っていく。(事務局)
- →地球環境問題は重要と思っているが、まだ工夫まではしていないという中間層が一定割合いるように思う。ここにもう少しターゲットを絞って、解析していただきたい(森口座長)
- 「見える化」によって行動を変えるという点が重要である。今後の分析の方向性として、CO2削減効果がすぐ分かるような「見せ方」の検討もあわせてお願いしたい。(麹谷委員)
-分析結果について-
- スライド24の定格消費電力477Wのテレビはどのような機能のものか。(森口座長)
- →40インチ弱のプラズマテレビであるが、詳細を確認し、改めて報告させていただく。(事務局)
- テレビが大きいほど、使用時間が長いように見受けられる。(辰巳委員)
- →非ブラウン管ではそうだが、ブラウン管では必ずしもそうなっていない上に、統計的処理を実施していないので注意が必要であるが、グラフを見た感じではテレビの大きさとテレビの使用時間に相関があるように見られる。(森口座長)
- →ご指摘のとおり、テレビのサイズが大きくなるほど使用時間が長くなる傾向は見て取れるのではと考えている。(事務局)
- テレビの平均視聴時間が8時間という結果は長いように感じる。その時に実際に何をしているのか知りたい。(辰巳委員)
- →今回の実施対象者が相当在宅時間の長い人が中心になっている可能性があり、日本の平均かどうかという観点で注意が必要である。また、放送を受信して見ているのかどうか、DVDや色々な媒体を見ている可能性も高いので、その点も今後加味して考える必要がある。(森口座長)
- →今回の使用時間は電力消費量から判定しているので、この数値はテレビ画面が点灯しているという意味である。ご指摘のとおり、今回の結果は比較的長いと感じている。(事務局)
- →今回の実施対象は高齢者世帯が多めに含まれているため、在宅時間の長さに影響している可能性がある。(事務局)
- →ゲームも含まれているのか。(一方井委員)
- →含まれている。(事務局)
- →ゲーム機を接続してテレビを使っていれば、電力を消費するという意味では同じなので、テレビの視聴時間だけに注目してもいけないというのは重要なポイントではないかと思う。視聴時間と使用時間の間にギャップがありそうならば、どんな使用をしているのかを見ていく必要があるかもしれない。(森口座長)
- スライド25で非ブラウン管が41型以上になると格段に電気使用量が増えている。大きなテレビが悪いということはないが、こういう問題があることを踏まえた議論が必要。(一方井委員)
- →買い換えることにより省エネになるケースばかりではないので、何から何に買い換えるかが重要である。スライド25の30~40型と41~50型の電力消費量で、購入時期による差異を分析することは可能か。(森口座長)
- →可能である。(事務局)
- スライド25、26の26~29型、30~40型を見ると、ブラウン管でも非ブラウン管でも消費量があまり変わらない。プラズマ型の割合が多くないという結果なのか。(本藤委員)
- →液晶テレビが商品化される以前、液晶テレビになれば消費電力が1/3になると言われていたが、これはノートパソコンのバックライトのW数が非常に小さいことによるものである。しかし、実際はブラウン管型の省エネが進んできたこともあり、両者にあまり差がなくなってきたのではないか。(事務局)
- →消費電力が減ると言われている一方で、画面を明るくして視聴するためにこういう結果になったということは考えられるか。(本藤委員)
- →それも考えられると思う。それ以外にも最近のテレビには多くの付加的な機能が付いており、この要因も含めて必ずしも差がでないということだと思う。(事務局)
- →画面の明るさについて可能ならもう少し分析してもらいたい。そうすることで我々生活者にどのような情報を与えればよいかが見えてくると思う。(本藤委員)
- →使い方の工夫次第で電力を減らすことができるので、どううまく使っていただくかという情報提供のヒントを見出して、「情報提供ツール」にも反映いただくということだと思う。(森口座長)
- スライド30、32では、「見える化」を普及させることで意識が高まり、省エネ行動に繋がるようになるということが総合的な結論と考えてよいか。(一方井委員)
- →実施しなかった世帯の中には、既に省エネ行動を実施していて、これ以上実施する余地がなかった世帯も含まれているのでスライド30の結論部分は注意が必要である。(森口座長)
- →スライド30については、やや直接的に記述してしまっており、ご指摘のとおり注意の必要な部分と感じている。過去の調査で、意識はあるけれども行動に結びつきづらいとの結果が出ている。「見える化」することで、自分の電気使用量がどの程度か見え、意識と行動の繋がりが強くなることでCO2削減にも繋がることを期待している。(事務局)
- →過去の調査結果で「こまめに電気を消す」行動は実施する割合が高いと出ている。今回の内容はそれに近い気がするので、消費者データを参考のために確認する必要がある。(辰巳委員)
- →今回の実証実験は電力消費量を主な計測対象とし、この結果から行動の変化を検証するという目的で集計しているので、以前から実施していたかどうかを加味して分析を行い、意識と行動がどのくらいマッチングしたかを次回報告したい。(環境省)
- スライド29から32の分析は現時点ではスライド6でいう「省エネナビ+省エネ行動世帯」に限った結果ということか。(本藤委員)
- →そうである。情報を与えていないサンプルは、冬期実験後の分析となることから、まだ含まれていない。(事務局)
- →確認したかどうかという質問と実践結果の関係については注意が必要。確認してくれと依頼すれば、まじめに確認すると予想されるので、スライド30、32の部分で結論付けるのはまだ早いと思われる。(本藤委員)
-CO2削減効果について-
- スライド34で土日の電気使用量が減少しているため平日に限定した理由は何か。(一方井委員)
- →土日の電気使用量を見てみると、実施しなかった世帯の使用量の減少が大きく、データの内訳を確認したところ、昼間の外出状況の差異と考えられたので土日を省いて集計を試みた。(事務局)
- →この日が連休の一部であったとか特異な日であったということはないか。(森口座長)
- →そういうことではなかった。(事務局)
- 実験前の1週間と実験中の1週間を比較するということで、代表性については注意が必要である。また、照明のデータについても、秋口にかけて日照時間が少なくなる時期で実験を行っているので、その影響もあると思われる。(森口座長)
- スライド8の分類を、「未実施-未実施」世帯と「未実施-実施」世帯に分けて分析を検討する余地もあると思う。(本藤委員)
- スライド36、37でテレビは効果がでているが、冷蔵庫は見られなかった要因は何か。(一方井委員)
- →テレビは皆で共用するものなので、変えやすいと思われる。冷蔵庫が変わらなかった理由については、モニターの声として、確認はするけれど中の食品のことを心配してなかなか変えられないといった方がいたので、そういう点が影響しているのではないか。(事務局)
-その他-
- スライド29、30のn数が78で、31、32は124となっているがなぜか。(本藤委員)
- →スライド29は合計の表記の間違いである。30については、グラフ自体が間違っている。速やかに訂正していただきたい。(森口座長)
(2)議題2 日常生活CO2情報提供ツール試用版の概要について
事務局から資料3にもとづき説明が行われた。
(質疑)
-「見える化って何」、「ヒント集」の画面仕様について-
- 「見える化って何」では温暖化が進んだ場合に顕在化する危機についても記述してはどうか。(多田委員)
- 家庭部門の長期的なエネルギー消費推移についても記述してはどうか。(森口座長)
- 家庭の電力消費量に占めるテレビの割合などを示すことで、削減努力の優先度に気付きを与えることもあるのではないか。(辰巳委員)
-CO2排出量・削減量算出の考え方について-
- 光熱水費以外に「小遣い」や「冠婚葬祭」があるが、これはどのようにCO2排出量に結びつくのか。(多田委員)
- →一般的な家計簿として使用できるように入力欄を設けている。(事務局)
- →そのようなコンセプトの説明をどこかに明記すべき。(森口座長)
- 削減量算出時に限界電源係数を使うのであれば、係数についての説明文が必要ではないか。(辰巳委員)
- →電力の排出係数については、簡単なコンセプトの部分については分かりやすく説明する必要がある。(森口座長)
- 削減量算出時に「根拠」が表示されており、説得力がある。他の機能についても「根拠」を分かりやすく明示していただきたい。(多田委員)
- オフセットの入力項目があるがどのような経緯でオフセット欄があるか(麹谷委員)
- →消費者のオフセット購入努力を評価するためである。(環境省)
-追加予定機能について-
- 「家電実測値のみえーる」で入力画面があるが、手動入力は面倒である。省エネナビにはオンラインで取り込める機能があるか。また現在は無理でも簡易に行うことができるのか。(森口座長)
- →現モデル事業の省エネナビにはオンラインでデータを取り込む機能はない。技術的な問題であるので簡易に行えるかは不明だが、今後そのような機能が必要になると考える。(事務局)
- →モデル事業の対象者から試行的に使っていただくという観点から最低限の仕様として手動入力としている。技術的な面も含めて次年度以降検討したい。(環境省)
-ツール評価アンケートについて-
- アンケート調査内で、テレビの使用用途など実測調査の解析に必要な属性データを追加収集することは可能か。(森口座長)
- →可能である。(事務局)
-ツール全体について-
- 家電の買い替えによりCO2削減が可能になるかどうかの確認ができる機能は追加できないか。(一方井委員)
- →「家電のみえーる」の中にトップランナー機器に買い替えた場合と比較する機能がある。(事務局)
- 家電情報入力時に、ある機器では詳細な情報の入力が不能になったがなぜか。(多田委員)
- →内部データベースがそれらの情報を持たないためである。その場合は年式別や容量別の平均値を用いて計算している。(事務局)
- プルダウン時のスクロールバーが分かりにくいため、改善すべきである。(辰巳委員)
- 「家電のみえーる」については入力の目的が直感的に分かりにくい。(本藤委員)
- →分かりやすい見せ方を検討する。また「家電のみえーる」では入力した家電情報の保持ができないが、3月までには情報保持出来るよう改修予定である。(事務局)
- リンク切れ等のメンテナンスを行うのか。行う場合には、どのような体制で管理するつもりであるか(麹谷委員)
- →次年度、本格運用後はメンテナンスを行っていく。メンテナンスは、公募で決定する事業者が行う予定である。メンテナンス対象は、リンク先などを想定しているが、委員の皆様には、その他に対象とすべき箇所があったら指摘していただきたい。(環境省)
(3)その他
時間は、決定しだい、各委員に連絡する。