【開会及び資料確認】
○環境省高橋課長
- 皆様おはようございます。只今ご紹介頂きました環境省の地球温暖化対策課長の高橋と申します。どうぞよろしくお願いいたします。委員の先生の皆様には、お忙しいところお集まりいただきましてどうもありがとうございます。また、多くの傍聴の方々にも来ていただきまして誠にありがとうございます。新政権になりましてご案内の通り、わが国の2020年までの中期目標といたしまして、90年比25%削減という目標が掲げられております。この中期目標、アメリカ、中国等大量CO2排出国の参加をする国際的枠組みというものが前提ですので、COP15に向けてこれから国際交渉など矢継ぎ早にいろいろな会議がありまして、その交渉に向けて日本としましてもイニシアチブを取っていくということでございますけれども、併せて25%をどうやって実現するのかという道筋についての議論も始まっております。今政府の中に温暖化についての閣僚委員会が設置されまして、環境省、経済産業省、外務省、国土交通省、農林水産省という関係省庁大臣が参加する協議会でございますが、その下で25%達成を検討するためのチームも副大臣等でできております。そういう中で今後この25%につきまして、その必要なコスト、その逆の経済の活性も含めてあらためて検討が行われますけれども、当然鳩山首相のスピーチにもございますように、あらゆる策を総動員してこの25%という大変野心的な目標に向けて対策を練っていくことが必要でございます。
- 当然産業、運輸、民生・家庭、エネルギー転換などあらゆる部門において政策が議論され、その中では排出量取引や再生可能エネルギーの導入、固定価格買取制度など非常に大きな政策等がございますけれども、やはり家庭部門におきましては国民一人一人の消費の選択でありますとか、日頃の行動・活動というものを省エネ、あるいはCO2削減に向けていかに変革していくかということでございまして、その1つの大変重要なツールとして「見える化」が今着目されております。今日の検討会でもこれまで検討いただきました、日常生活CO2情報提供ツール、あるいは今年から始まっていますモデル事業についてその成果をご披露いただくわけでございますけれども、私どもといたしましては、この検討会の成果を踏まえて、25%削減に向け一刻も早く効果的な行動を大規模にやっていかなければならないということで、開発頂いたツールをどれだけ速やかに展開していく、いかに多くの方にこれを使っていただくかについての工夫が大変重要であると思っております。そういったことも含めていろいろご指導賜ればありがたいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。
【委員紹介】
○事務局
○森口座長
- 皆様あらためましてお早うございます。座長を仰せつかっております森口でございます。座ったままで失礼いたします。この分科会も通算5回となりまして前回第4回目は6月25日でしたので4ヶ月ほど経ちまして今年度第2回目ということになります。さきほど地球温暖化対策課長からもご挨拶ありました通り、政権交代もございましたし温暖化を取り巻く状況、益々こういった検討の重要性が高まっていると思います。ちょうど昨日ある全国紙の夕刊に、エアコンの実消費電力が果たしてテストしたカタログ値と合っているのかどうかということを経済産業省が中心にお調べになるという記事が出ておりました。やはり実際の省エネあるいは温室効果ガスの削減では、実社会における実際のエネルギー消費をよりきめ細かに把握し、それを減らしていかなければいけないことの必要性が益々高まっているかと思います。この検討会もまさにそういった点に密着した取組であると考えております。
- 議事に入りさせていただきたいと思いますが、今日は大きく2つに分けてご議論いただきます。前回、あるいは昨年度以来議論いただいてきました日常生活CO2情報提供ツールについて、まず半分くらいの時間を使ってやらせていただきまして、後半は家庭での温室効果ガス排出量の見える化に関するモデル事業、これは実際に機器を設置していくつかの家庭でのエネルギー消費量の実測の調査を行ったり、省エネ行動を実践して頂いてその効果がどの程度あるのかを実測するという2つがございますけれども、これについて議論していきたいと考えております。限られた時間ではございますが、皆様の活発な議論をお願いしたいと考えております。それではまず議事の1としまして、日常生活CO2情報提供ツールにつきまして、資料2に基づいて事務局より説明をお願いいたします。
【議題1】日常生活CO2情報提供ツールについて
○事務局
○森口座長
- ありがとうございました。只今資料2について説明いただきましてこのあと委員の方々からコメントを頂きたいと思いますが、最後のスケジュールの所で、モデル事業の対象世帯に試験的に運用してもらうという話がありましたが、例えば前回委員が使ってみることはできないか、ということが出ましたけれどもこれについてはいかがでしょうか。
○事務局
- 説明には漏れましたが、是非委員の方々にはご参加頂いてご意見をいただければありがたいと考えております。
○森口座長
- ありがとうございました。今確認いたしましたのは資料の2の1、この細部については実際に使って頂きながらコメント頂くことになっておりまして、今日は時間が限られておりますので全体の流れ、構成等について重要な点を中心にご指摘いただきたいと思います。資料2のスライドの1番に全体の流れをお示し頂いておりまして、家計、くらし、家電の3分野ですね、ちょっとこのネーミングがこれでいいのかということにつきましては、また議論があるかと思いますが、家計全体の話、暮らしの中での省エネの工夫・行動のようなもの、それから特に家電製品に着目したという大きな3つの流れで前半を作って頂いております。後半部はエコでおとくなヒント集と、資料でいいますとスライドの18番以降は見える化に関する資料ということになります。
- 前回から少し時間が空いてやや忘れている部分もあるかもしれませんし、一方井委員は今年度第1回目の会合はご欠席ということもございます。どこからでも結構でございますので、お気づきの点ございましたらご指摘頂ければと思います。いかがでしょうか。それではまず一方井委員からお願いいたします。
○一方井委員
- 京都大学の一方井でございます。前回欠席いたしましてすでに決着のついているお話があるかもしれませんけれども。つまらないことなのですが、4ページ目の属性の設問で部屋の構成を訊いていてこれが非常に違和感があったのですけれども、これを訊いて後の解析で大事でしょうか。バス・トイレ・洗面所がない家はまずほとんどないと思いますし、これは下宿みたいな所を想定されているのでしょうか。それから自動車とかその他交通が部屋の構成の中に入っているのも何かちょっとという感じがいたします。
- それから6ページ目で、支出額を入れるとCO2排出量が出るということですが、水道料金などは基本料金とその使った料金、比例的な料金とはかなり乖離していると思いますが、その辺りは実際の料金体系を考慮した上でCO2排出量を出されているのか、単に金額比例をしているのかという点です。
- 8ページ目の所で、これは任意ということですけれども詳細に穀類から肉類から全て記入できるようになっていますけれど、これはちょっとあまりにも無理があるのではないかと、ちょっと直感ですけれども。むしろこれを聞くぐらいならば10ページのくらしの見える化の方でいろんな定性的な行動についての問いがありますけれども、食品に関しては地産地消のものを選んでいるかですとか、なるべくフードマイレージの短いものを選んでいるかとか、そんなような事を訊くぐらいのほうがいいのではないかと思いますけれども。
- 9ページ目ですけれども、「やったね!先月より減ったよ」というのがありますけれども、これは項目によっては正しい場合もあるのですが、特に光熱関係は季節によってかなり違う面があって、例えば夏場はシャワーだけ、冬場はお風呂に入る回数が多いからとかそういった季節性があるものを無視して、いきなり先月と比較してどうかというのが出てしまうとまずいかな、という気がします。
- 10ページ目の上の機能のところに、「家庭内のシーン毎に、CO2削減行動をチェックする」とありますけれども、シーンというのは英語から来ていると思いますが、人によっては何だこれはと思われる方もいらっしゃるのではないかと。これは表現上の問題ですけれども。以上でございます。
○森口座長
- ありがとうございます。まとめていくつかご質問いただいて後でお答えいただくことにしたいと思います。それでは多田委員お願いいたします。
○多田委員
- 私もちょっと細かい所ばかりで恐縮ですが、発言の観点としまして、やはり出来る限りやさしく平易にするというのが大事であるというポイントからいくつかコメントをしたいと思います。
- 例えば、7ページの黄色い[3]のところでオフセットといきなり出てくるのですが、わからない人にはわからないという懸念がございます。
- 9ページのところで、やはり難しくてわからないのではと思うのが[1]の「平均値対象選択」ですとか[3]の「デフォルト」ですとか、もっと分かりやすい言葉にしたほうがいいのかなという気がします。他にもちょっとあるのですけれど用語の優しさみたいなところを配慮されたらいかがかなと思います。それから18ページのところもあるのですけれどもこれは今申し上げてもよろしいですか。それとも後にしたほうがよろしいですか。
○森口座長
- とりあえず前半部分の所についてだけにしたいと思います。
○多田委員
○森口座長
○辰巳委員
- 私も今一方井委員がおっしゃった4ページの自動車についての位置付けが、ここに入るのはやはりどうかと思っています。今回暮らしの中の家庭が対象ですので自動車は大きく取り上げないという前提であるとは思うのですけれども、やはり家庭からのCO2というのに自動車が抜けるといいますか扱い方の軽さが気になるという感じがいたします。なかなか深くというのは難しいかと思いますけれども。
- もうひとつ同じ4ページのところで、部屋の構成がいろいろ書かれておりますけれども、玄関を入れて欲しいと思います。玄関というのは結構皆さん一晩中電気を点けているんですね。私も地方の人と話す機会もあるのですが、例えば北海道などは、電球型蛍光ランプはなかなか点かないし、寒いこともあって玄関では駄目で、どうしても電球にしますというようなことを聞くんですね。ですから長く点けているということがあったりするとやはり気になるなと思っておりまして、玄関の照明のところについてもあったらいいなと思います。
- それから21ページで、住宅設備と住宅創エネと分けてありますが、そのように分けるのであれば、エネファームは住宅創エネのところに入るのではないかなと思ったのですけれども。お湯を使うという捉え方であればエコキュート、エコジョーズと同じでもいいかもしれませんけれども、電気を作るというように考えるのであれば創エネかなと思いました。
- 22ページのスケジュールのお話ですけれども、改修して確定すると一般の人にオープンになるということでしょうか。そうなると皆さん登録して使っていただくことになるのでしょうか。そのあたりのところちょっときちんと理解していなくて申し訳ないのですけれども。
- それから11ページのところで、CO2を5キロ削減して価格で300円節約と書いてあるのですが、ここがよくわからなくて、そうしますとキロあたり60円ということになります。どのように計算されているのかお教えいただければと思います。
○森口座長
- どうもありがとうございます。続きまして本藤委員お願いいたします。
○本藤委員
- 最初に全体の印象を申し上げますと、前回拝見した時にかなり盛りだくさんで分かりがたいかなという感じがありましたが、非常に整理されてきたかなと思います。ただそれでも個人的にはややまだ難しいのかなと思いますが、その辺りはやってみて直していけばいいのかなと思います。ただやはり気になったのが、これは情報提供ツールであって目指すところは行動変化をもたらすということにあると思います。したがって、いかなる情報を与えればいいのかという明確な視点でもう少し設計されたほうがいいのかなという印象が多少あります。
- 簡単に2点ほど申し上げます。具体的に申し上げた方がいいと思うのですが、1点めは12ページをご覧ください。私はこれは非常にいいと思いました。この12ページでは、[2]で家庭の見える化で現状が与えられて、暮らしの見える化で何をやったかどうかについて[3]でどのくらい変化があったのかが見えるということは非常に重要で良かったと思いました。ちょっと話がはずれるのですけれども、資料4の最後のページに、「冷蔵庫のデータが一番変化があり楽しい」と書いてあります。これは非常に重要で、現状を見える化するよりも変化を見える化する方が、行動変化にはつながりやすいという意味でそこを是非強めていただきたいと思います。なかなか難しいですけれども。
- それから2点めですが、これもちょっと難しいですけれども、10ページをご覧ください。これはくらしの見える化ということですが、先ほど一方井委員からもご指摘ありましたが、ここに出ているのはすべてエネルギー関連のものであって、くらしで削減する行動、例えば食の変化とかそういったものがあまり入っていない。そういったエネルギー関連の項目だけではなくてそれ以外も是非入れていただきたいと思います。というのも多分エネルギー関連のものは、この後でご紹介ありますように、省エネナビなどで実際に見える化できるわけです。それに対して、食べ物を変えるとか服を変えるとかそういったものまでは測れない。つまりこういったシミュレーションモデルには非常に重要になってくるわけです。したがって、そこの部分をもう少し間接的、より見えない環境負荷のほうを見える化していただきたいなというのが、これは難しい注文なんですけれども、是非お願いしたいと思っております。
○森口座長
- ありがとうございました。いくつかご指摘いただいた点は取り入れて頂ければいい話ですが、最後に本藤委員その他の委員にご指摘いただいた、暮らしの見える化の中でエネルギー以外の話を入れるかどうか、というのはかなり大きな話でございまして、これまでにも申し上げたかと思いますが、地産地消は本当にエネルギーが少ないかCO2が少ないかということも客観的に評価していかなければならないと思います。これは別途、カーボンフットプリントの取組も経済産業省さん主体で進んでいるということでありますが、前回までになかなかまだそこまでのデータが揃っていないのではないかという議論があったかと思います。ちょっとそこは中期的な宿題にさせていただかざるを得ないのかな、今年度の仕様の中にはそういった部分は入っていないというのが私の理解でございます。ただやはり情勢の方も変わっております。光熱費だけで下げられるのかどうかというところもあるかと思いますので、ちょっと重い宿題になるかと思いますが、環境省と事務局にご相談いただきたいと思います。もう1ラウンドくらいまだ言い残していることがおありかと思いますので、今までで回答いただける範囲で手短に事務局からお願いできますでしょうか。
○事務局
- 一方井委員からの、部屋の構成で自動車が入っているというご指摘でございますが、今ちょうど画面に出ております10ページのくらしの見える化のシーンごとと説明しておりますが、その「シーン」に対応しております。つまり最初の属性の所でない部屋はこのくらしの見える化で選択肢として出てこないというリンクを考えております。自動車が部屋の中に入っていたり、シーンという言葉が混在していたりという用語が統一されていないところもありますが、先ほどご指摘いただきました、自動車の位置づけ、「シーン」、部屋の構成というのは、用語の統一で解決可能であると考えております。
- 2点目の水道のCO2排出量ですが、今回は金額で比例的に算出することを考えております。もちろんかなり地域的なばらつきはありますが、全国平均でやる以外の方法を考えついていないというのが現状です。
- 3点目の家計の詳細入力について難しいのではないかとのご指摘ですが、確かに詳細入力は難しいと考えておりまして、利用者の方にはまず大分類である食費、住居費、家具家電等というような家計簿入力に対応するような項目を入力していただくことを考えております。ただし、例えば肉から魚へ食生活を変えることでCO2を減らそうと考えた人がいた場合、その取組をこの家計簿で反映できるように、詳細な入力項目を設けているというのが主旨でございます。
- 9ページのCO2排出量結果についてですが、確かに「やったね!先月より減ったよ」と書いてありますが、当然エネルギーは特に季節の変動がありますので単純に冬から春になるにつれて何もしていないにもかかわらず減っていくというのは正しくないので、そこは留意して説明を加えていきたいと考えています。
○森口座長
- 辰巳委員にご指摘いただいた、手続がオープンになるかどうかという点についてはいかがでしょうか。
○事務局
- 今年度中にモデル世帯からの意見を反映して、次年度から一般の方向けの試験運用を開始する予定としております。その際には一般からご参加いただいている方からも、意見を収集していくことを考えております。
○森口座長
- 時間も限られておりますので、ちょっと私からまとめさせていただいて必要に応じて事務局へお尋ねしていきますが、辰巳委員からご指摘ありました、11ページのところのCO2何キロだからいくら節約というお話は、これはCO2の値段ではなくて光熱費の節約分であるという理解でよろしいでしょうか。
○事務局
○森口座長
- これは仮想の数字ではなくてなかなかいい数字を出して頂いていると思います。電力とガソリンはだいたいこんな数字になります。こういう中で少し金額あたりの削減評価を行うということで、たまたま電力とガソリンはいろいろな事情から実際の消費者の購買価格はだいたいこんな数字になりますので、ほぼ実態の数字になっていると思います。
○辰巳委員
- もしそうならそういう説明をして欲しいですね。やはりCO2取引されるという話とごっちゃになりかねないと思いますので。
○森口座長
- そうですね、節約金額と書いてありますのでむしろ進んだ方々はそういうところへ思いが及ぶわけですけれども、むしろCO2が減ることよりも家計でいくら節約されるかということを知りたいということがあります。そういう家計上の節約ということかと思いますのでCO2の価格ではないということを明確にして頂きたいということだと思います。
- 委員の方から用語についてまだわかりにくいですとか、用語のブレがあるとかという点については私も気になっておりまして、そういった今日ご指摘いただいたところも含めまして別途必要がありましたらご指摘頂きたいと思います。
- またちょっと気になっておりますけれども、自動車に関する定義に関するブレが随所に見られまして、例えば光熱費の中に入っていたり、別途の品目で交通自動車等となっていてこの自動車等とはいったい何なのかとか、ちょっと迷うような気がします。事務局の得意な分野との関係もあるかもしれませんが、やや家電に偏り気味でそれ以外の部分の定義に少しブレがあるかなという気がします。その辺り少しブラッシュアップして頂きたいと思います。
- 本藤委員からは全体に関して非常に貴重なアドバイス頂いたと思いますので、これについては反映をして頂きたいと思います。個別のことで何か答え忘れていることございせんか。それでは本藤委員それではお願いします。
○本藤委員
- 関連して少し具体的に可能か否かという判断をお願いいたします。変化を見せるということで、「家計の見える化」と「くらしの見える化」とが連動するというのは非常に良いと思いました。それに対して16ページをご覧頂きたいのですが、よくわからなかったのですが、「家電の見える化」は「家計の見える化」とは連動していないと見てよいのかどうなのかということですね。具体的には16ページの[2]が「家計の見える化」で算出したCO2。[3]とこれは連動しているのでしょうか。もし連動していない場合、別データを入れて変な不整合が出ないかどうか。例えば[3]のほうが大きくなってしまうとか妙に小さくなってしまうのか、それがあるのか否かというのが1点めです。
- もう1点続けてよろしいでしょうか。10ページをご覧ください。先ほど森口座長から基本的にはエネルギー関連機器の行動だけでとお伺いしたのですが、例えばこの辺は森口座長が良くご存知と思いますけれども、肉食を週3回から週1回にする、野菜ではビニールハウスを露地栽培にするとか、わりと具体的に数値が出そうなものがあるのかなと思いますけれども、そういったことを試験的に取り入れるということは可能かどうかということです。といいいますのは、こういう事を気がついていなかった人に気付かせるという意味で非常に重要かなと思いますので、しつこいようですけれどもその2点についてよろしくお願いいたします。
○森口座長
- 1点目に関しましては私も気になっていたところなのですが、これは連動しているかどうかですね。連動はしていないのだけれどもあえて連動していないものを同じ画面に表示をして、不整合がないかどうかを気付いて頂きたい、そういうような意味でしょうか。これ両方とも実態データでしたでしょうか。[3]はカタログ値でしたでしょうか。
○事務局
○森口座長
- ですから例えば夏にエアコンをガンガンつけているような所で実態の電気料金から求めたものが[2]で、[3]については実測しているわけではないんですね。
○事務局
- カタログの年間値を12で割った月別消費量で、テレビと冷蔵庫と蛍光灯を積み上げております。
○森口座長
- ですから連動といいますか[2]は電気代の実額で、[3]はカタログ値に基づいてこう使っているとこうなるというはずだという数字ですので、不整合がでることはあり得るし、あるならあるなりにそれを見て頂こうという主旨で、このような画面設計をして頂いたというように理解しております。よろしいでしょうか。
- 2点目につきましてはどうでしょうか。事務局からもなかなか答えにくいとは思いますけれども、本藤委員も良くご存知だと思いますけれども、先ほど事務局から肉から魚への発言がありましたが、これは若干不用意な発言でございまして、魚の場合遠洋漁業はCO2をたくさん出しているというようなことがありますから。あとはバウンダリーの話がありましたけれども、これもあまり詳細なことを議論していないですが、日本のCO2の議論をしているのかあるいは輸入に伴って海外で出るCO2の話もやっているのかですとか、非常にテクニカルな話でなかなか悩ましいところなのですね。例えば今の電力の排出原単位は日本で出た分の話をしておりまして、例えば天然ガスの産出国で出た分をカウントするというのは今はやっていないわけですね。ですからそういったバウンタリーの問題が出てきますので、食料品の話が非常に関心が高いということは良くわかるんですけれども、その辺りのルールを決めないまま数字が出てしまうというのは、やや一人歩きする部分があるのかなと。食生活についての数字というのは非常に慎重に扱わなければならない部分もありますし、一方でカーボンフットプリントの検討も行われている中で数字の出し方が難しいというのが私の印象ですけれども。
○多田委員
- ちょっと確認なんですけれども、10ページの所のくらしの見える化ですけれども、これはいわば定性的といいますか、こういうことをやっていますかと訊いて、それに合う何か一定の数値を想定して掛け算をする、ということですよね。実際に答えられた方が本当にそれをやっていたかどうかまでは確認をするわけではない、という意味では大雑把な数字であると思います。それくらいの感じで言えば、食の方ももちろん現実の数字は無理だと思いますけれども何か一つくらいあってもいいのではないかなと思います。確かに地産地消だと難しいと思いますが、ビニール栽培と露地ものというのはかなり明確にエネルギーの差はわかっていて、私が聞いた話ですと10倍くらいの差があるということなんですけれども、やはり定性的という意味で一つくらいは入れてもいいのではないかと思いますけれども。
○森口座長
- この件につきましては、私のほうで引き取らせて頂ければと思います。多少の棲み分けといいますか、いろんな事業の間での整合性もかなり気をつけなければならない所だと思っておりまして、食の部分に関しましては当然農林水産省さんも独自の取組をなさっていることもありますので、こういったところはどの数字を当てはめるのかということに関しては、慎重に議論してなくてはならないかなと思っております。座長としての立場とそういうLCAの研究をやってきた立場と両方あるんですけれども、またそこの部分かなり熱心にやっておられる方々もいらっしゃいまして、イメージで語られていることと実態が違うという数字も随分出てきているものですから、そのあたり是非慎重に進めさせて頂ければと思います。多田委員から何か続きのご発言ございますか。よろしいでしょうか。それでは予定時間はほぼ来ているのですが、ちょっと事務局の方で説明し忘れた部分ですとかツールのアニメーションですか、デモンストレーションの予定があったということですが短時間であれば今お願いしたいと思いますが。
○事務局
○森口座長
- ありがとうございます。ちょっと後半の議題にも関わるのですが、最終的にはこのツールは広く公開していろいろな方々に使っていただくということですけれども、まず使っていただくモデル事業の対象世帯が例えばどういう年齢層の方々が使うのかといったこともあります。そういったところで今作って頂いているような画面設計がユーザーの好みにうまく合うのかどうかというあたりも、使って頂く中で様々な意見が出てくるのでいろいろと工夫して頂いているということでこざいます。それでは一方井委員お願いいたします。
○一方井委員
- 18ページ以下のところで2点ございます。「CO2見える化って何?」でありますとか「より省CO2の商品・サービス選択が促されることが期待される。」となっているのですけれども、先ほど本藤委員もおっしゃいましたように、選択も大事であるけれども行動自体が大事だと思うんですね。ですからただ単に商品・サービスの選択のところだけではなくて、行動が変わるという点についてもっと書いていただければと思います。
- それから家庭部門でCO2が増えていくことは勿論正しいのですが、これについては原単位ですとかいろいろな話がございますので、より正確に言いますと1人あたりCO2が増えているということを強調して書いた方がいいのでないかと思います。18ページの右のところに円グラフがありまして、光熱費とか食費とか書いてありますけれども、これは費用が増えているのが問題なのではなくて、CO2が増えていることが問題なんですね。例えばCO2が出ないような食品で、費用がある程度高くても買うということもあっていいわけですから、費用=CO2であるという見方でない方がいいと思います。
○森口座長
- 18ページのグラフは、費用から算出したCO2のシェアで見ているということなんだと思いますが、その辺りにつきましてもまだまだ伝わりにくい部分もあるかもしれませんので、今後ブラッシュアップしていきたいと思います。前半部分説明を丁寧にして頂いた所もありまして、少し時間が押しておりますので議題2に進ませて頂きたいと思います。
【議題2】家庭における温室効果ガス排出量の「見える化」に関するモデル事業について
○森口座長
- それでは議題の2「家庭における温室効果ガス排出量の「見える化」に関するモデル事業について」に移りたいと思いますが、資料5に基づいて、始めにまずごく簡単にモデル事業の概要について事務局から説明いただいた後、本モデル事業に参加していただいている三洋ホームズ株式会社の船曳様から住宅全体の電力消費量の計測・表示システムなどについて、また、横浜市地球温暖化対策推進協議会の佐藤様から本モデル事業に参加した感想や体験談などを簡単にご紹介いただきます。その後、資料5に戻りまして、本モデル事業の夏期実験の結果について事務局から説明していただきます。
○事務局
○三洋ホームズ株式会社船曳氏
○森口座長
- 大変短い時間で恐縮でございます。手短にご説明いただきましてありがとうございます。それでは引き続き佐藤様お願いいたします。
○横浜市地球温暖化対策推進協議会佐藤氏
○森口座長
- 貴重なお話どうもありがとうございました。ご質問あるかと思いますが、事務局からの説明を引き続き行いたいと思います。資料5になります。時間が押しておりますのでなるべく手短にお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○事務局
○森口座長
- ありがとうございました。3件続けて発表いただきましたが、特に実測の方は夏場、冷房期に何とか間に合うように実験を始めていただいたわけですが、幸か不幸か今年の夏はあまり暑い日がなかったことですとか、あるいはコンセントの差込口がなかなか合わなかったりですとか、初期トラブルがいろいろとある厳しい中でこれだけの資料を間に合わせていただきましたわけでございます。あらかじめお断りしております通り、暫定値ということで今日は時間も限られておりますので、あまり今日この段階で出ている数値の細部についてはご議論いただくというよりは、思ったようなデータが取れているのか、あるいは実際にデータを取ってみてこんな感じであったのかというようなことを3件の発表につきまして委員の方々からご質問・ご意見頂戴いただければと思います。いかがでしょうか。
○本藤委員
- 単純な質問からさせて頂きます。まずクーラー、テレビ等は1世帯で複数台ある場合もあると思いますが、今回は一台のみ測ったのか、それとも全ての台数を測ったのかそれをまずお伺いしたいというのが1点目です。
- それから2点目ですけれども、クーラーを使うときに扇風機を併用している方がいらっしゃいますけれども、扇風機はさほどワット数は大きくはないですが、その増加分は考慮されているのかどうかをお聞きしたいと思います。
○事務局
- まず1点目のご質問ですが、テレビ、エアコン等は1台を計測しております。その際には、できるだけ主として利用しているものを選んで計測しております。また、2点目の扇風機につきましては、今回その増加分は考慮しておりません。
○森口座長
- 計測器の台数の制約ということもありましてクーラーは1台ですか。
○事務局
- クーラーは1台です。それから補足いたしますと、三洋ホームズユーザー様宅につきましてはエアコン全体ということで計測しております。
○森口座長
- あらかじめ計測器が仕込まれている所は全体のデータが取れるのですが、新たに計測していただいた所については1世帯あたり1つの製品について1個ずつの計測ということですね。他にいかがでしょうか。それでは多田委員お願いいたします。
○多田委員
- 私も単純な質問なんですけれども、横浜市の事例については「やっていて楽しかった」というような感想が来ていて、こちらの環境省の方ですとやってみた場合にこういう場合が難しかったとかありますけれども、楽しかったのかどうかというのは今後重要であると思いますので、その辺りコメントが取れていれば少し聞きたいと思いますけれども。
○森口座長
- 環境省の実験はまだ始めたばかりでこの後やって頂くのだと思いますが、初期的なコメントは何かありますでしょうか。それはまだアンケートを追って行う形なのでしょうか。リアクションとか何かフィードバック頂く仕組みが今の時点でありますでしょうか。
○事務局
- フィードバックということですと、参加者の方からいくつかお話を伺っておりますけれども、例えば佐藤さんのお話と同じような報告がありまして、テレビの明るさに関してその方は明るさセンサーを入れていたとおっしゃっていたのですけれど、それで消費量が全然違うということでびっくりなさってこれから下げようと思った、というお話を頂いたことがあります。
○森口座長
- 資料5の4ページ目で、アンケート調査の対象世帯の全体像の説明を頂いておりまして、今日は横浜市さんに代表で状況をご説明頂きましたし、また三洋ホームズさんからもご説明頂いたのですが、それ以外にも埼玉県、沼津市でも実施いただいているということで、そういった所からの生の声を今後事業にうまく反映して頂きたいと思います。これはまだこの後中間期、暖房も冷房も要らない季節それから暖房期と続きますので、そういった期間を通じてまたいろいろな声が聞こえるのではないかと期待しております。それでは一方井委員お願いします。
○一方井委員
- 三洋ホームズさんの説明を大変興味深く拝聴いたしました。こういう方向へ進んでいただければいいなと考えておりますけれども、これはお答えいただける範囲で結構なのですが、コスト的にはある程度割高にはなるけれども、後でその省エネ分で取り戻すことができるということなのか、あるいは最初から相当努力なさってあまりコスト高にならず提供できるのかということが一つです。
- それから、横浜市さんのモデル実験も興味深かったのですけれども、最後の10ページに、「買い物をしたときだけ7℃に上げている。」というコメントがあるのですが、この意味がちょっとわからなかったのですけれども。
- 最後にモニターの明るさについてですね、ここに今パナソニックさんが来られているのでちょっとお伺いしたいのですけれども、こういう明るさを下げるというのは果たして省エネ行動であるのかということをちょっと思っておりまして。何を言いたいのかと申しますと、先日省エネを凄く頑張っていらっしゃって地域に普及していらっしゃる町の電気屋さんがいらして、その方がおっしゃるには最近皆さん薄型テレビで大型のものを買いたがると。電気屋としては大きいものを買ってもらった方がいいんだけれども、消費電力が増えるのは何かズキッとくると。自分は必死になって考えて顧客さんには、「テレビは大きいのでいいものを買ってください。ただし、いいプログラムで短い時間だけ見てください」と言って薦めているんだ、というんですね。何といいますか、質を落とせばもちろん省エネにはなるんですけれども、そういう方法というのは私はちょっと引っかかるという感じがするんですけれども。
○森口座長
- ありがとうございました。今の3番目のお話につきましてはいろいろと議論がありそうで、時間があればやりたいのですがちょっといろんなところへも波及しそうな感じがします。三洋ホームズさんと佐藤さんからそれぞれお答えいただけますでしょうか。
○三洋ホームズ船曳氏
- コスト的にはやはり本機器を設置するということでいくらかかかっておりますが、当社比でいいますと、従来から緊急地震速報ですとか家族の見守りとか簡易な防犯機器を設置しておりましたので、その機器の代替として今回のエネルギーの見える化がさらにパッケージ化されたものを入れるということで、それほど大きなコストアップはありませんで5万円程度で抑えております。また、この機器にグリーン電力証書というシステムを入れておりますので、そこでもお約束は出来ませんけれどもある程度のグリーン電力証書の売買による収入をお客様にお返ししていくということの方策によって、コスト的には限りなくゼロに持っていく事ができるのではないかということでお客様にご提供しております。以上です。
○森口座長
- ありがとうございました。それでは佐藤さんお願いいたします。
○横浜市協議会佐藤氏
- この7℃に上げるというのは、孫が来ると買い物をたくさんして冷蔵庫に満タンに詰めるので温度が上がってしまうということなんですけれども、それですと下げるということですので、これはちょっとおかしいですね。
○森口座長
- これは7℃くらい上がってしまうということでしょうか。
○横浜市協議会佐藤氏
- そういうことだと思います。上がってしまうけれども3~4時間後には2~3℃に下がるということですね。書き方がちょっとおかしかったですね、大変申し訳ございません。
- それから、横浜市の場合の感想を聞いていると、あまり室温を下げるということではなく自分達が快適に暮らしていても、あまり影響がなかったということでした。
○森口座長
- ありがとうございました。それでは辰巳委員お願いいたします。
○辰巳委員
- 感想なんですけれども、テレビの実測調査の結果の中の一日当たりの視聴時間の長さにちょっと驚いてしまったんですね。私などは見ない方なんですけれども、結構10時間とか12時間、14時間、16時間となっていて、先ほどありましたけれども明るさの調節は面倒なんですね。一回設定してしまえばそれでいいのですけれども、外の明るさ等で昼と夜の画面の明るさを変えようと思うと面倒なので、明るさの設定だけではなく、工夫の1つとしてはやはり見る時間を短くというのがどうしてないのかなと思っております。見ないのにだらだらとつけっぱなしという使い方が、テレビの一番の問題だと私は思っておりますので、そういうお話を入れていただければ良かったなと考えております。
- 冷蔵庫のデータが一番おもしろいというのは、確かに変化が大きいのでということだと思うんですけれども、夜中に温度が上下するという、一定でモーターが入る時と入らない時というそういう意味ですよね。それがどういう理由からおっしゃったのかちょっと説明がわからなかったのですけれども。
○横浜市協議会佐藤氏
- これは感想をいろいろと言って頂いたということだけですので、今まで知らなかったデータが上がったり下がったりしたのを見て、それをどうやって工夫したらそのようにならずに、上がったとしても上がる率が低く抑えられるのかという、ちょっと内容を少なくするのかとかまだそこまではいっておらず、感想がありましたということです。
○森口座長
- ありがとうございました。辰巳委員からのご指摘は大変重要であると思っておりまして、スライドの24枚目のところですね。事前に事務局からいろいろと相談の資料を拝見したのですが、結構こういうことをやってくださいと言った結果どれだけ減ったかというところに力を割いてございまして、そのこと以前にまず今どうなっているのかという実態のデータをせっかく測っているわけですからそれを入れてくださいとお願いをして、ちょっと直前に差し込んだものですから、あまり解析まで行っていないところがあります。中には20時間ついているというのもありますね。先ほどすでにコメント頂いたところなんですけれども、私もちょっと面白いかなと思ったのは、画面サイズとか分かっていますので、大きなテレビが長い時間点いているのかとかいろんなクロス集計も出来ると思いますので、まだ1つの季節の集計ですがかなり長期のデータが取れますので、相当貴重なデータの蓄積になるのではないかと思います。そういった解析についても次回以降見せて頂けるのではないかと思っています。ちなみに環境省の方でテレビの視聴時間について何か呼びかけをしたということはございましたでしょうか。なかなか国民生活に密着したところですので言いにくい部分もあると思います。
○事務局
- テレビをこまめに消してください、という省エネ行動は今後やる予定になっております。今回は明るさを抑えてくださいということにしました。また明るさを抑えると見づらいということで、元に戻したという方もたくさんいらっしゃったということも補足いたします。
○森口座長
- 試験法といいますか、エアコンや冷蔵庫の試験法と、実際の使用実態ということでいうと、どちらかというとエアコンは実際の使用実態よりもたくさん使っているような設定になっていることがあります。テレビですと今どのくらいでしょうかね。4.5時間くらいですよね、普通の試験法ですと。そうすると、実態はもっと見ているということですから、そういう前例でいえば省エネのものに買い換えるということは相対的な問題ですので、もし買い換えた結果長い時間ついているということになれば、結局トータルはリバウンドしてしまうのかなという気がしますし、自動車などでもそうですけれども、固定費が高いですのでせっかくいいものを買ったのだから、なるべく使った方が得だという消費者感覚もあると思いますので、やはり24ページのグラフはある意味衝撃的な数字かもしれません。大変急かしてしまい申し訳ありませんでしたが、まだ10分くらい時間がございますので、委員の方からご意見いかがでしょうか。それでは本藤委員お願いします。
○本藤委員
- コメントさせて頂く前に今の視聴時間についてのお話ですけれども、世帯属性に注意したほうがいいのではないかと思います。例えばかなり在宅時間が長い世帯に偏っていますと当然視聴時間は長くなりますので注意したほうがいいと思いました。
- 次に今後調査を続けていく上でこんなことをしていただいたらありがたいな、ということを申し上げたいと思います。今回は機器を中心として実測ということで非常にいいデータが集まってきたと思いますが、一方で一方井委員からもご指摘ありましたように、機器の実測調査プラスもう少し行動の方の調査もしていただいたらいいかなと思いました。具体的に申し上げますと、事務局からお配り頂いた資料5の22ページをご覧下さい。下のところに「省エネナビによる電力消費量の確認状況」というのがござまして、「みんなで確認した」「あなたのみ」「誰もしない」となっているんですね。私や他の方の研究でもそうなのですが、家庭内のコミュニケーションが行動変化にとって非常に重要です。ですからそのコミュニケーションが取れているのか否かというところをもう少し調べていくと、減った家庭と減らなかった家庭の分析がより深くなるのではないかと思いました。今後もしアンケートが取れるのであれば是非お願いしたいと思います。
- それから同じような事ですけれども、三洋ホームズさんの方で資料の最後の15ページになりますでしょうか、「ネットタウン省エネ競技会」ということで他の方と比較が出来ることになっています。これも非常に重要でもう70~80年代の研究でも明らかになっているのですが、コミュニティの中で比較検討していくとより省エネ行動が進むということはもうご存知の通り非常にありますので、これは機器の設定によって出来る出来ないがあるかもしれませんけれども、省エネ競技会は大きな影響を与えたか否かということについてアンケートが取れると今後どのように調査を進めたらよいかということについて非常に大きな示唆が得られるのではないかと思います。以上でございます。
○森口座長
- 大変貴重なコメントありがとうございます。他にいかがでしょうか。本藤委員ご指摘の22ページ省エネナビの電力消費の確認状況ですが、全然見ていない人が3割もいるのか、というのがやや事務局としてはがっかりされたのかなと思いますけれども、もう少し時間をかけていけばこの数字が変わっていくのか、あるいは逆に段々飽きてきて時間を重ねるともっと減ってきたりということもあるかもしれませんね。はいどうぞ。
○本藤委員
- 最初に機器の台数をお聞きしたのは、もしかすると自分の部屋で自分だけが興味があってやっている方ですと大きい削減が出ている場合もあると思うんですね。ですから誰のクーラーやテレビで、コミュニケーションがどの程度あるか、というのがもし調べられるとより良いデータが得られると思いました。以上です。
○森口座長
- ありがとうございました。予算上の制約がいろいろあるかと思いますが、子供部屋に1つつけてみて兄弟で競ってもらうとかそういった事は今の制約ではなかなかできないということですね。やはり調査の目的として狙っている所に対するハードウェア上の制約があるのかなと思っております。
- それから世帯属性のお話もありまして、視聴時間もこういうことになったのは恐らく調査に協力して頂ける世帯ということ自体がある程度限られてしまうので、事前に事務局にもお願いしたのですが、今回の調査結果全体を見て日本の代表値であるというような誤解がないようにしなければいけない、むしろこうした調査では捉えられない部分の実態がわからないと本当の意味での家庭部門の削減にはなかなか繋がっていかないんだろうなと思いますけれども、そういったことがデータ蓄積の中でも見えてくるかなと思っております。前半部に戻って頂いても結構ですので全体を通して聞き漏らした点、言い残した点等ございましたらどうぞお願いいたします。
○一方井委員
- 今回の調査はパソコン、メールを主として使用されておりまして、年配の女性の方であまりそうしたものを使われないということが先ほどもちょっと出ましたけれども、ただ一方、別の調査では一番関心の低いのは20代男性ということなんですね。60歳以降の女性は全体的に環境問題に関心が高いというお話もありますので、若い方に期待すると言う意味ではこういうツールを使用する調査というのも良いのではないかと思いますが、全体としてみた場合に、ちょっとこうした手法に偏るのはちょっと残念だという気がしております。
○森口座長
- ありがとうございます。この見える化という事業は大きな枠組みの中で動いておりまして、環境省としても日常生活分科会と事業者分科会と2つでやっておられて、別途経済産業省でやっているものもあって、ちょっと先ほど食品のところでは私の考えを強く出し過ぎたかもしれませんけれども、それぞれいろいろな役割分担の中でやっていくんだろうと思っております。また、この環境省の日常生活分科会の中でももう少しやれる事もあるのでないかなと思っておりまして、このあたりは毎年の仕事のスペックが決まった中で事務局はやっていくということもありますが、そろそろ見える化をもっと全体的に展開していく為には何をやるべきかということについて議論をしなければいけないんだと思うんですね。辰巳委員からご発言頂いた後で環境省に細部をお尋ねしたいのは、これは分科会でやっておりますけれども、そもそも親委員会というのがありましたよね。先ほど一方井委員のおっしゃった様な話はそこで議論すべき話のような気もします。分科会の事務局はあらかじめ決められた事以外の事をやるのはなかなか難しいと思いますので、そういう意味で見える化の戦略全体をどう進めていくのかという議論を経過報告も含めてやっていただいた方がいい様な気がします。最後に環境省の方からその辺りお話頂ければと思います。それでは辰巳委員お待たせいたしました。お願いいたします。
○辰巳委員
- 冷蔵庫の使い方の話で20ページのところですけれども、どういう問いになっているのかなと思いまして見てみますと、開閉回数について「少なめ」「普通」「多め」となっていますが、普通と書いている方がもの凄く多いんですね。自分は普通の事をしていると大抵の人は思うんですね。ですからこのあたりどのように質問されたのかなというのが気になりました。扉の開閉は一番消費電力に関係してくると思いますので。
○森口座長
- ありがとうございました。このあたり事務局からいかがでしょう。
○事務局
- 委員限りの資料なのですが、参考資料の2としてアンケート調査票がございます。そちらの夏季調査2ページ目Q2-2の[1]で冷凍冷蔵庫の扉の開閉回数に関する質問をしております。
○森口座長
- 特に何も情報を与えていないということですよね。何も情報与えていなくても「詰め込む方だと思う」という方の数字はそれなりに大きく出ているんですね。これは客観的なデータは取れているのでしょうか。開閉の回数のセンサーはついているわけではないですね。
○事務局
○森口座長
- ということで、自分の意識と消費電力との間に差異があるかどうかみたいなものを探れるかどうかということで恐らくこういう質問を設定したと思いますけれども、まだまだきめ細かくできることはありそうですね。だいたい予定の時間が来ておりますがよろしいでしょうか。ちょっと全体の進行の不手際で非常に押せ押せになってしまいましたが、本日は非常に盛りだくさんの内容でございましたので、限られた時間の中でご指摘頂けなかった所もあろうかと思います。資料を当日ご覧になって隅々まで見えなかった所もあるかと思いますので、各委員におかれましては今日言い残したところがございましたら、早めに事務局までご指摘頂ければありがたいと存じます。最後の点につきまして環境省の方からお答えいただけますでしょうか。
○環境省横井補佐
- 本日はいろいろとご議論いただきましてありがとうございました。この日常生活分科会では今日ご説明がありました通り、ツールですとか家庭に省エネナビを設置してCO2削減効果を把握するといった事業を進めております。一方で事業者分科会の方でもリアルタイムな見える化ということに焦点を当てまして、別の名称のモデル事業等を進めております。今までは各分科会におきましてそれぞれについて検討してきましたけれども、今後結果がある程度まとまってきますので、日常生活分科会と事業者分科会の親委員会であります戦略会議の方に上げましてそれらの結果を報告すると共に、只今お話のあった見える化全体の進め方についてもご議論いただく場を設けさせて頂きたいと考えております。
○森口座長
- よろしゅうございますでしょうか。事務局の方から何か説明漏れ等ありますか。それでは今日は大変短い時間の中で濃密な議論をいただきましてありがとうございました。次回の分科会は、中間期、つまり非暖房期・非冷房期の実験結果の取りまとめ状況を見ながら開催したいと考えております。開催の目途が立ちましたら、委員の先生方の日程を確認の上、開催日をご連絡させていただきます。ありがとうございました。本日はこれにて閉会とさせて頂きます