【開会】
○ 事務局
- 定刻となりましたのでただ今から温室効果ガス「見える化」推進戦略会議第3回日常生活からの温室効果ガスの「見える化」に関する分科会を開催いたします。本日の審議は公開とさせていただきます。
- 資料の確認をさせていただきます。資料1:日常生活CO2情報提供ツール(仮称)の仕様等について、資料2:日常生活から排出される温室効果ガスの「見える化」に関するモデル事業の進め方について、資料3:ユビキタス特区における「環境立国プロジェクト」について、資料4:『ASP・SaaSによる環境家計簿の実証』プロジェクト、資料5:『電力線通信(PLC)を活用した家電状況モニタリングサービスの実証』プロジェクト、参考資料1:日常生活CO2情報提供ツール(仮称)の表示例、参考資料2:日常生活CO2情報提供ツール(仮称)の入力項目一覧(例)です。
○ 森口座長
- 年度末のお忙しい中お集まりいただきありがとうございます。今回は幸い全委員ご出席ということで、よろしくお願いします。本日は通常ご出席いただいております委員のほかに、日常生活からの温室効果ガスの見える化に関して事例発表を行っていただくために、総務省情報流通行政局情報流通振興課様、ビジネスオンライン株式会社様、パナソニック株式会社様にもご出席いただいております。
- 本日は議題は大きく分けて3つあります。まず議題1:日常生活CO2情報提供ツール(仮称)について、事務局より説明をお願いします。
【議題1 日常生活CO2情報提供(仮称)ツールについて】
○事務局
- 資料1、参考資料1、参考資料2に基づき説明(省略)。
○ 森口座長
- 参考資料2は技術的な事になるため、主に資料1と参考資料1を中心にこの後ご議論いただきたいと思います。前回は前のバージョンを提示し、各委員から貴重なご意見をいただき、その点はかなり反映されていると思いますが、いつもの通りご発言の方はネームプレートをお上げください。
○ 近藤委員
- やや技術的な話になるかと思いますが、家計簿のCO2削減結果とくらしの排出削減の結果について、くらしについては機器の種類、使用頻度など詳細な入力項目がありますが、それらが互いに矛盾しないような根拠となる数値は既にできていると理解してよいのでしょうか。
○森口座長
- 互いのというのは家計簿とくらしの矛盾がないかという点でしょうか。厳密に言うと難しいテーマかと思いますが、事務局からご説明ください。
○事務局
- 家計簿は産業連関表に基づく貨幣換算のため総量全体は合うかと思います。くらしのほうは、各機器別の固有単位に基づく数値のため一致するとはいえない場合もあります。モデル事業では、家庭での実測とともにツールを試用しながら、使い勝手も含めてツールのデータの不一致などについては適宜確認、修正し工夫していきます。
○ 辰巳委員
- いくつか質問がありますが、まず電気の使用料からCO2量を換算するということは電気の原単位を使うということでよいのでしょうか。また、参考資料1のp.7「もったいない家族」は人によってとり方が違うので言葉を変えたほうがよいかと思います。「エコ家族」はよいけれど、それに対する言葉があればよいのですが。
- また、例えばエコ発電を私は使用しているが、そういったものは数値的に反映されるのでしょうか。
○ 事務局
- 最後に太陽光発電の使用については既に組み込んでありますが、実測についてはモデル事業のデータを今後反映していきたいと考えております。
○ 辰巳委員
- 太陽光発電については、余った発電量が売電された量、電力会社から買っている量は見えますが、発電しながら使っている時に相殺されている量は測定できないのではないかと思います。この相殺量の貢献分は高いと思うのですが、見えないなといつも思っています。
○ 森口座長
- 太陽光についてここで詳しく議論する時間はないと思いますが、それぞれ疑問がある箇所があるかと思います。太陽光に関しては、固定価格買取価格への動き、地域性もあるためあまり細かくできず、かといって全国平均といったカタログ値も不親切なため、一つ一つにどこまで踏み込めるか分からないですが、そういったより詳細な検討できる全体としての仕組みは用意できているつもりですので、最後に説明してもらいます。
○ 一方井委員
- p.7に左側では、パソコンの電源をこまめに切れば年間16,560円節約できるとあり、右側では、TV、パソコンを使わないときは電源を切れば2,000円しか儲からないとなっており、同じパソコンという言葉がでているので理解しづらくなっています。原点をどこに置くのか整理が必要かと思います。
- このほか前から気になっていることは、2006年は家庭部門の排出量が下がった年ですが、2007年は逆に上がっています。2006年は暖冬であったこと、2007年は原発の稼働率が悪かったことが要因ですが、このような家庭の努力に比例しない排出量の変化があるため、家庭内で削減しても排出量が増加することについて、この点気にしておいたほうがよいかと思います。
○ 森口座長
- 資料はイメージのため、数値の精査はできていませんが、辰巳委員にも以前ご指摘いただいた、さまざまな数値を引用するとお互いの数値が合わないことがあります。このため、資料に盛り込む情報はパブリックコメントにかけると資料にも記載しているとおりです。
- 2点目の電力の排出係数については、あちこちで議論がなされていますが、消費側の努力を評価する上では排出係数は固定したほうが分かりやすいです。他のこととも関わるためこの場でどうするか言い切ることはできませんが、何もしないでも排出量が増減することは十分留意し進めることといたします。
○ 多田委員
- 参考資料1、p.5は瑣末なことかもしれないが、上部に生ごみの関する記載についてはごみが少なくなるよう買いものするということで整合性が取れていますが、左側の環境負荷の商品を選ぶ点については、これはこれから肉付けされるものだと思いますが、FSCなど他のラベルもあるため、情報が足りないと思います。また、環境ラベルが貼ってあればよいというものでもなく、フードマイレージなど色々な問題があるため、環境によい商品を選ぶのは重要であり関心も高いが、割かれている情報量が少ないかと思います。
○ 麹谷委員
- 前回欠席したため、議論が既にあったのであればよいですが、いくつか質問があります。見える化についてくらしと家計簿を推進していくなかで、入力した人数や成果が分かる仕組みになっているのでしょうか。取り組む人のインセンティブを与える仕組みであるとよいかと思います。その延長線上として、p.4のチームマイナス6%と連携しいかにアピールするかが今後の検討課題と考えていますが、具体的な取り組み例があれば教えてください。
○ 森口座長
- 一点目は恐らく次の議題のモデル事業とかかわりますが、現時点で答えられる範囲で事務局から回答ください。
○事務局
- 資料1、p.2に記載したとおり、環境家計簿入力のあとデータが蓄積される仕組みになっています。家計簿機能の比較については、ホームページ上でランキングなど自分の努力が分かるような構成を考えています。
○森口座長
○ 麹谷委員
- 蛇足ですが、注目を集めるきっかけや仕組み作りが重要だと考えます。例えば、小学校間で競わせるなど、注目を集める仕掛けを是非考えていただきたい。
○森口座長
- 前回のご指摘を踏まえ、トップページから下の構造については前回に比べれば整理されましたが、まずはトップページまでにきてもらうものが課題だとも前回ご指摘があったかと思います。また、辰巳委員からも前回子ども向けのページがほしいとのご意見がありました。比較的易しいトップページを作り、より深く入っていけば専門性が高まる構造というものになっていますが、そうではなく別途子ども向けのページがほしいという、前回同様のご指摘が今回もあったことを念頭においてほしいと思います。
- 家計簿については、議題3にも若干関係してくるため、先に進んで後ほど全体についてまたご質問をいただく時間を残すということでよろしいでしょうか。
- 議題2に移らせていただきます。本日の議題2は、来年度から実施されるモデル事業について、前回から情報提供いただいておりましたが、今回改めて資料2でご説明いただきます。
○事務局
○ 森口座長
- 委員の方々のコメントの前に確認したいのですが、事業実施スケジュールの公募とありますが、これは事業主体の公募を書いているのでしょうか。情報提供ツールは分かりますが、モデル事業も主体を公募するのでしょうか。そのモデル事業に参加されるご家庭は公募されるのでしょうか。
○環境省
- 実施主体が決まり次第、主体と相談しながら公募していきますが、基本的には公募していきます。
○森口座長
- 4月はそれぞれの事業の請負事業者を公募し、実際の実測調査に参加する家庭は、モデル事業が始まってから家庭の公募もありうるということかと思います。
- ご説明いただいた資料2モデル事業についてご質問をお受けしますがいかがでしょう。
○ 一方井委員
- それぞれの洗濯機や冷蔵庫などに消費計をつけるのでしょうか。またそれらの大もとにもつけるのでしょうか。質問の意図は、この作業はとても面倒なことなので、自身が参加するインセンティブがあるとすれは、電力計をもらえることだと思いますが、電力計が高いのであれば難しいのでしょうか。
○事務局
- まだ案ですが、電力計を差し上げる方向で考えています。
○森口座長
- ご質問に関係しますが、電力計は精密で大きいものから簡易なものまでさまざまありますが、記録が取れるものが少ないかと思います。たくさん需要があれば、安く作れるようにもなるので需要とも関係すると思いますが、一世帯についてはどれくらい設置する予定でしょうか。主要なものを測定する予定かと思いますが。
○事務局
- 100V用に2台、エアコン用に1つ設置する予定です。
○ 森口座長
- 全て測れる訳ではないということでしょうが、細かいことはこれからとして、全ての機器に設置するわけではなく、個別機器につけるのか蛸足につけるのか、どういう設置方法を予定しているのでしょうか。
○事務局
- 個別の機器に設置し、付け替えて使用してもらう予定です。
○ 森口座長
- 連続測定できるものは限られてくるということでしょうか。一方で電力会社の請求書の合計で分かるものもあるため、解析に手間がかかるかもしれません。
○ 麹谷委員
- まだ詰めきれていないと思いますが、情報ツールとモデル事業については公募があるとの説明があり、その次の段階で一般参加家庭への参加募集をするとありました。しかし、全国平均のエリアの広さを考えると200で妥当なのでしょうか。標準世帯の考え方など、内容を検討されているようなら教えてください。
○ 環境省
- 10地域、20世帯くらいを考えています。さらに20世帯の中でもでもさまざまであるため、資料にも次年度への継続の可能性があると記載しています。実際は、大変な事業なので実施してくれる方を探しながら、まずは10地域20名程度でできないかと考えています。明確な根拠がある訳ではありません。
○ 森口座長
- 今の話は代表性というよりも予算制約上これくらいしかできないのかなと思いますが、代表性ということになると、統計として捕らえている状況調査もあるため、そういった従来から行われている統計調査の解析と、ボトムアップの測定とをどこかで整合性を取っていかねばならないかと思います。200世帯では代表性としては足りないため、より多くの世帯で実施してほしいというのであればそういう声をあげていっていただくということかと思います。
○ 辰巳委員
- 座長のお話と同じく従来からあるデータも使ったほうがいいと申し上げたかっただけです。
○ 森口座長
- 課せられた課題をこなすので精一杯かと思いますが、研究
- 調査レベルでも既に実施されたものもあるため、先ほどの家計簿のデータの整合性とも関わるかと思います。走りながら考えることもあると思うが次第に充実させていってほしいと思います。
○ 辰巳委員
- 参考資料1のエコ家族ともったいない家族とありますが、エコ家族をどのように探し出すのでしょうか。自己満足でもいいから自分はすごいんだと評価されるのかと思いますが、その時の基準となるものは、今のモデル事業でうまくでてくるのでしょうか。
○ 森口座長
- 200世帯の中にそういう世帯が入るのかというご質問でしょうか。というよりは、全国的に広くそういう世帯を把握しているのかということでしょうか。
○ 辰巳委員
○ 森口委員
- それも含めて公募したらよいと申し上げましたが、電力計がもらえるとなると人数が増えてしまうため、抽選になると、逆にそういった家庭が必ず選ばれないかもしれません。何かお答えいただけることはありますか。
○ 環境省
- 資料2、p.1の説明にありましたが、太陽光発電が設置されている家庭を含めていきたいと考えていますが、そういう家庭はかなり省エネに取り組んでいると思われるため、トップランナーデータも得られるのではないかと思います。
○ 森口座長
- 「もったいない家族」のネーミングはさておき、もったいない家族を探して参加していただくほうが難しいかもしれません。そのあたりは工夫していただきたいと思います。
- モデル事業の実際の具体的な進め方については、今年度と来年度の実施については微妙な点もあります。モデル事業の実施自体については大まかな枠組みを決めてはいますが、今年度の回では具体的な実施内容は絞れないという理解でしょうか。
- このほかモデル事業の実施についてご意見がなければ、具体的な取り組みのご紹介があるため、これまでの議題にあった家計簿の話や消費電力の実測に関係するため、先に進めさせていただき、これまでの議題について総合的に追ってご議論いただきたいと思います。
- 本日の議題3はその他とありますが、決してその他ではなく本日のメインであって議題の名前のつけ方が失礼であったかもしれませんが、総務省のユビキタス環境立国プロジェクトにおいて、日常生活の見える化と連携を取るべき事例が2件ありますのでご紹介させていただきます。全体で20分程度でよろしくお願いします。
○総務省
○ ビジネスオンライン
○ パナソニック
○森口座長
- どうもありがとうございました。大変興味深い、具体的な、近未来的な事例のご説明をいただきました。家計簿をつけるのも大変だし、電力量を測るのも大変だという議論があった後にこのような事例をご紹介いただけると、違った展望が開けてきます。委員の皆様、ご質問いかがでしょう。
○ 辰巳委員
- 思いついたとおりに述べてしまいますが、当初は誰もデータを入れないだろうという話をしていましたが、ビジネスオンライン様についてはそういう意味では恐ろしい世の中だと思ったのが第一印象です。完全に消費者を囲い込めるため、事業者のほうが積極的だろうと思いますが、これが果たして公平な世の中なのかという気はします。広がることによってよくなる事かと思いますが、とにかく驚きました。
- 家電の話は、まさに消費者ニーズのある製品安全についても情報提供できるため魅力を感じました。自分の機器を登録しておけば、製品情報を即座に教えてもらえるシステムがあるのはCO2の話とは違いますが関心を持ちました。
- 最後のページについて、私の団体では商品のライフサイクルを知って商品選択をしようと推し進めています。ビジネスモデルと書いてはありますが、商品のライフサイクルからいえば、購入からではCO2の情報としては不足ではないでしょうか。カーボン
- フットプリントの話にもあるように、商品のライフサイクルという意味では資源調達から見るべきかと思います。今回の話は家庭で使用される電気、エネルギーのCO2排出なのでやむをえないのかもしれませんが、本当の意味のライフサイクルの視点が必要かと思うが今回は対象外なのでしょうか。
○ 森口座長
- 最後のご指摘の点は大変大事かと思います。参考資料1、p.6に環境省のしんきゅうさんの話がでていますが、基本的には同じ話題だと思います。使用段階だけを見てCO2排出量が下がるため買い替えを促進していいのかという議論があります。
- 製品を製造する段階でエネルギー、資材を使いCO2を排出するため、買い替えのサイクルが早くなればその分製品製造時のエネルギー消費量は増えることになります。ランニングだけを見るのは、買い換えることで沢山物を売ることにつながるという批判が既にあります。
- パナソニック様のお立場としてはこういう書き方になるのかもしれないですが、本当の意味でのCO2削減、ライフサイクル全体を見たことにはならないという点について、何かご意見あるでしょうか。
○パナソニック
- ご指摘の通りのため、そういう形のコンテンツがあれば出していくべきだと考えています。このようなモデルが事業として成り立つときに、一番お金が動くところは買い替えの差分が明確に自分の機器で分かる点で、そこに今年度は目がいきすぎました。カーボン
- フットプリントなどのデータベースがきちんとできていれば表示していくことになると思うため、次年度以降の活動の参考にしていきたいと思います。
○森口座長
- パナソニックの別の部署で、ライフサイクルで別途計算しておられるのを存じ上げているため、そういうものを取り込んでいければ辰巳委員のご指摘も含めて胸を張って削減できたという議論ができるかと思います。そういう点も含めて膨らませていただきたいと思います。
○ 一方井委員
- 同じくパナソニックの事例を大変興味深く拝見しましたが、これからのビジネスモデルとして物を売るのではなくサービスをという考え方があります。その点から言えば、全面的に物を売るのではなくリースとしたほうがいいのではないでしょうか。自分の持ち物に情報が出たり入ったりすることには抵抗がありますが、パナソニックの機械であれば多少安心感があります。そういったビジネス展開はあるのでしょうか。
○ パナソニック
- なかなか答えづらい問題ですが、パナソニックはナショナルショップという強力なチャネルを持っていることから、体質的に売り切りが中心となります。しかし、オリックス様など中間企業が台頭してきている中、そこに物を出さないかと言うとそういう訳でもないですが、パナソニック自体がリースやレンタルを提供するのはなかなかハードルが高いというのが正直なところです。レンタルリースのプレイヤーの台頭は当然新しいマーケットだと見ています。
- 資料の最後にある、ABCのBにワランティ保障と記載しています。つまり製品が1年間保証で終わるのはおかしいという議論を内部で行っていますが、製品の寿命は何年使用したかで決まるため、この点はレンタルやリースに向くモデルであり、我々のプラットフォーム上ではその点をうまくビジネスモデルとして形成できたらと考えています。
○ 森口座長
- 私からビジネスオンライン様の事例について質問したいのですが、なぜ沖縄になったのでしょうか。
○ ビジネスオンライン
- 総務省のユビキタス特区事業の特区地域が北海道か沖縄に指定されていたためです。沖縄の方は特に家計簿をつける率が悪いとあったため、あえて沖縄で挑戦し、そこで全世帯の1%でも導入されれば全体としての角度が上がるのではないかと考えました。一方で沖縄は電子マネー普及率が高く、EDYが多く普及しています。委員からジャスコの囲い込みになるというご指摘がありましたが、WAONだけのための事業ではなくEDYやナナコなど色々なカードと連携し、できるだけ自動化するという試みであるため、電子マネーの普及率も踏まえて沖縄で実施しています。
○ 森口座長
- ありがとうございます。もう一つ囲い込みと関連して伺いたいのですが、消費者はいろいろな場所で買い物をするため、ジャスコにいけば家計簿がつけられるというのであれば囲い込みになります。同じ議論はレジ袋についてもあり、レジ袋がもらえる店ともらえない店もあります。地域一体で取り組んでもらうことが重要ですが、一方である地域で全部できれば全国展開も簡単になるかと思います。そういう意味で囲い込みとは別として、ある地域で広く様々な店舗に参加してもらうことは、技術的にも関係者の理解などについても、那覇の事例から考えると消費者の何割くらいカバーできるのでしょうか。
○ ビジネスオンライン
- 全店舗での実施は全POSメーカーに対応しなければならないため難しいですが、電子マネーにより個人データと結びつけています。小規模店舗でも、電子マネーを使ったPOSを導入できればデータを判別できます。端末自体は10万~20万円で導入できるため、小規模店舗でも導入できるようハードルを下げています。また、小さな店舗ほど導入してほしいという思いが強いため、簡易にできるPOSレジはASP型と言われるWEB型のPOSレジを開発しています。今回は寺岡精工と開発しているが、POSレジ自体の導入のハードルを下げているということです。
○ 森口座長
- 事例紹介については宜しいでしょうか。ありがとうございました。本日予定していた資料説明は以上になりますが、今年度はこれで最後になるため、全体を通じて、また前回、前々回も含めてご指摘いただいたことの積み残しもあるかと思うため、何かございましたらご意見ください。
- 先程の総務省様からのご紹介の際お聞きすべきだったかもしれませんが、総務省事業そのものとしては、来年度はどのように進めて、環境省の事業との関係はどのようになるのでしょうか。規模については、環境省のモデル事業は200世帯という話がありましたが、沖縄の事業はそれより大きな数字がでています。量的なご計画があれば教えていただければと思います。
○ 総務省
- 20年度から22年度までの3ヵ年としています。契約上は、単年度で区切っていますが、継続評価で問題なければそのまま継続します。規模については、環境家計簿に関して今年度は沖縄那覇市で実施し、利用者目標は3000名、50店舗を目標値としています。2月7日現在、徐々に増えて現在300名、10店舗程度となります。
- 来年度以降は、実績を踏まえながら地域的な拡大を図りたいと考えています。今回は電波の利用がしやすいため沖縄としましたが、今後は戦略的に拡大するために次回は都心部や環境意識の高い場所を選ぶといったことを検討しています。
- 世帯数については、他の環境サイトと連携して効果的な世帯数の拡大を考えています。
- PLCプロジェクトは、今年度は実験用のホームですが、来年度以降は実世帯で、来年度以降は100世帯でと考えています。
- 地域一体となってというご意見があったが、おっしゃるとおりかと思います。総務省内にも自治部局もあるため、環境データを自治体の環境施策に使えないか、あるいは消費動向を把握できるデータであるため、地域振興に使うなどという点についても検討していきたいと考えています。
○ 多田委員
- 座長のご意見の繰り返しになりますが、世の中もあまたに環境家計簿があるため、総務省の取り組みを拝見し感銘を受けました。フロントの見せ方や目的は異なって構わないと思いますが、リンクを張って一緒にやっていくことについて、入力項目や換算の計算はできる限り共通化されたほうが後々の比較可能性が担保されベンチマークができるかと思います。この点の配慮や話し合いは進んでいるのでしょうか。
○ 森口座長
- モデル事業はひとつの試行として取り組んでいるのでしょうが、広がれば広がるほど後戻りができなくなるため、かなり早い段階で計算方法などはきちんと定めておいたほうがよいということかと思います。
○ 総務省
- 資料4のp.7に活用させていただいた3EIDのカスタマイズ版がありますが、環境研究所の南斉先生にご協力いただき作成されたものを今年度使っています。環境の連絡会を設けて、南斉先生や環境省の方にも来ていただくため、今後もそうした中で整合性を図りたいと考えています。基本的には総務省の事業に関しては、環境省の事業と整合を図りたいと考えています。
○ 森口座長
- 私も3EIDは共同開発者であり論点は理解しているつもりですが、親検討会での議論でも、今3EIDがあるため使用していますが、それ以上でもそれ以下でもないと思っています。これが一番いいかは分からないけれども、これを日本全国で使っていくには更に突っ込んだ議論が必要かと思います。少なくとも、環境省様と総務省様との間では整合性が取れているけれども、それでよいのかという議論は更にしていかねばならないという、多田委員からのご指摘ということでよろしいでしょうか。
○ 近藤委員
- 今の話と少し関連するかもしれないですが、今後、消費者が購入できる各商品に関して環境負荷の数値が入手しやすくなると思いますが、それに関連して環境家計簿や見える化ツールを使い、消費者が自分の手元にある数値を生かして見える化のトータルの結果に反映させていくことはご計画にあるのでしょうか。
○ 環境省
- 来年度は、まずプロトタイプ版の日常生活情報提供ツールを作り、その中で家庭の取り組みが具体的な電気代やガス代といった、日常領収書で届くものと、実際の省エネの取り組みを見ることで、自分の取り組みが分かるような情報提供型ツールにしていきたいと考えています。
○ 辰巳委員
- 消費者が自分で入力していかなければならないけれども、本当にインセンティブがでてくるのかという点が一番大事なところかと思っています。一生懸命努力する人だけに頼ってデータを作るのであれば少し違うという気もします。事業者に対してはCAPをかけて排出量取引を実施するという話がありますが、消費者についてもそうしたほうがいいとは言いません。しかし、消費者についても今は難しいかもしれないけれども、努力した人が報われるような仕組みを期待したいです。そのためには根拠が必要となるため、データが大切だと考えていますが、何かしらそのようなことにつながればよいと考えています。
○ 森口座長
- 個人レベルの排出量取引を議論する人もいるため、そこまでいくかは別として、何らかの見返りがないが必要だということでしょう。別の場で一方井委員が仰っていた、CO2に値段がつかなければならないということに尽きるのかと思います。
- 消費者が努力して入力していくか、今日発表のあったやや恐ろしい世界だというコメントがあった、情報技術を使って無理せず算定できる世界にもって行くか。それも一つの方向かと思います。これはまだ議論いただく必要がありますが、社会が求めれば技術的にはできるというのが今日のご提案だったかと思います。
- 関係省の方から何かあればお願いします。
○ 国土交通省
- まず、最初のツールについては、今後も家電製品情報なども作られていくことかと思います。例えば、参考資料1のp.17は国交省に関係する点があります。参考資料2には企業名での比較がありますが、企業名で比較することは非常に公平にしなければならないため、この点は利用者がどの程度使用したかが分かればよいかと思うので、原単位を使うほうが妥当ではないでしょうか。また、旅行については船舶も付け加えてほしいと思います。
○ 経済産業省
- 経産省では、CO2の見える化については商品への排出量の表示をカーボン
- フットプリントを中心に進めています。先月9日に我が国における指針を公表し、昨年12月には30社に算定表示した商品を展示しています。この2つの事業を中心に進めてきましたが、今年度は残り1ヶ月で表示を行った商品の試行販売を行い、消費者の反応をみる調査事業を行っておりまして、来年度から本格的に開始するルール化の事業についても進める予定となります。この前段階として事業者の勉強会も年度内に進めています。
- 商品のライフサイクル全体の数字は、今日も話がでましたが正確性などについてもまだまだ課題があるため、数字が見える化されることで事業者が排出の多い箇所がわかり製品開発に役立てることができるという一つの面があります。あるいは数字が商品に表示されることで、表示の方法は様々あるけれども、消費者がどのような商品を買う、利用する、廃棄すると、どれだけ排出量がでるか消費者に情報提供していきたいと考えています。
- 辰巳委員には私どもの検討会にもご参加いただき、消費者が理解してもらうことがなかなか難しいとのご意見をいただいております。このため、今回環境省様が考えられている情報提供の中にも私どもの成果について、実際のデータを数値化してく中で利用していただければ有り難いと思っています。現在は食品や日用品中心ですが、サービスや耐久消費財についても今後展開していく中で各省庁、関係者と協力して事業を進めていきたいと考えています。
○ 森口座長
- ご紹介ありがとうございます。昨年12月エコプロダクツ展のことをおっしゃっていたかと思いますが、私も会場に行きました。大変盛況であったと思います。沖縄の事例でAEONさんの紹介がありましたが、AEONさんも出品されていたため、一方で一品一品の商品に関する算定もし、また一方で今日ご紹介いただいた簡易的な計算方法でレジで購入した商品全ての算定も行っているということでしょう。
- 厳しく言えば2つの数値の違いをどうするかという意見も親検討会で指摘がありましたが、うまく使い分けをし齟齬のないシステムに向かっていければと思います。当面は、各省で平行して取組が進むことになり、親委員会でも再三調整を取ってほしいとの意見がありましたので、関係省庁にはその点連携をお願いしたいと思います。
○ 麹谷委員
- カーボン
- フットプリントの話がでたからという訳ではないですが、カーボン
- オフセットの話はひとつ重要なキーワードかと思います。我々が検討しているのはCO2の見える化であり、そのメリットはコストメリットを示すことで人の行動を促すということかと思います。もう一歩考えれば、排出したCO2をいかにオフセットするかということに、どう導くかも重要かと思います。こことの関係についても引き続き検討をお願いできればと思います。
○ 森口座長
- いまのご指摘について、前回辰巳委員から環境にいいものを購入するという、例えばグリーン電力証書などの購入についてどのように対処されたのでしょうか。既に資料に入っているのでしょうか。
○ 事務局
- いまのところ反映されていませんが、行動を変えるところまでを見える化というのかというと、少し違うかと思いますが、行動を変えるという情報を提供するのかどうかという点については、是非というご意見があれば再度検討させていただきます。
○ 森口座長
- 見える化で止めるというのも一つかと思いますが、せっかくご議論いただき見える化した後、次はどうするのかという意見もあります。よくある議論のため、あえて紹介させていただきませんでしたが、電気代がいくらお得というのがありました。浮いたお金をどうするのかについては、当然リバウンドがあるため、金額あたりCO2排出量が少ない商品の購入に使えば全体としてCO2排出量が減ることになりますが、ゼロになる訳ではなく、浮いたお金は何かに使うことになります。
- このため、この点も含めたお金を使うこととCO2排出量との関係はもう一歩踏み込んだ議論が必要かと思います。親検討会でも稲葉委員からそういったご意見がでていたかと思います。このメニューの中に入りきらないかもしれないけれども、また戦略会議、いわゆる親検討会をご準備されるかと思うため、その点事務局で整理してほしいと思います。
○ 一方井委員
- 森口座長からCO2の値段がついていないという話がありましたが、EUでは、排出量取引制度が注目されておりますが、2013年度以降の政策の枠組みでは、排出量取引ではカバーされないそれ以外の分野も強化する計画になっています。排出量取引は市場ができているため、限界削減費用が大体わかるという前提で実施されていますが、それ以外のところも、それと同等の限界削減費用になるように規制、負荷を調整しようという動きになっています。
- そういう意味では辰巳委員がおっしゃるように、全体がバランスよく負荷がかかるような政府全体としての仕組みを関係省庁協力して作ってほしいと思います。今のままでは、産業界や消費者など一生懸命削減する人に対して厳しい状況ではないかと思います。
○ 辰巳委員
- 参考資料1、p.5はとても重要かと思うのですが、ごみだけの記載でよいのでしょうか。ここでしか買いものの仕方を説明するところがありません。しんきゅうさんやカーボン
- フットプリントなどもここに入るため、ごみがトップというのではなくもう少しこのページをグリーン購入という視点で強化してほしいと思います。
○ 森口座長
- ありがとうございます。このページと買い替えについては、ランニングエネルギーだけを見ていて、リデュース的なものは容器包装のようなものだけを見ているが、そうではなく、そもそも色々なものを購入する時によいものを買ってほしいという、大事な部分がすっぽり抜けているというご指摘かと思います。
- そういうところに個別の製品ごとに積み上げてカーボン
- フットプリントを計算するようなアプローチを進めている経済産業省さんの取り組みとの接点もあるかと思います。その部分が抜けているということかと思うため、経産省のご発言とうまく組み合わせていただいて、両省で役割分担をしながら、全体として消費者からみて過不足なくカバーされているようにというご指摘かと思います。これは親検討会の重要な宿題かと思うため、是非伝えさせていただきたいと思います。
- 本日の議題1、議題2の資料1、2、については、本日更に修正のご意見等いただいておりますが、お許しいただければ座長預かりとさせていただき、適宜関係する委員の皆様とご相談の上、資料1、2、に修正を加え推進戦略会議に報告させていただきます。
- 本日は活発にご議論いただきありがとうございました。今年度はこの検討会としては最終となりますが、これはあくまでスタート地点であり、来年度以降本格的な事業がこれから始まることとなります。三回の分科会に熱心にご参加いただきありがとうございました。本日はこれにて終了させていただきます。