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温室効果ガス「見える化」推進戦略会議
日常生活からの温室効果ガスの「見える化」に関する分科会(第2回)

議事要旨


1.開会

事務局から今回初めてご出席の委員の紹介、資料の確認が行われた。

2.議事

(1) 議題1日常生活CO2情報提供(仮称)ツールについて

事務局から資料1、資料1別紙、資料2に基づき説明が行われた。

(質疑)

-日常生活CO2情報提供ツールを広く利用してもらうための方策について-
  • 日常生活CO2情報提供ツールを広く使ってもらうために、「事業者の排出するCO2はよく測られているが、日常生活から排出されるCO2はあまり測られていないので協力して欲しい。」等のメッセージを広める等が必要である(辰巳委員)。
  • ウェブ設計の際日常生活CO2情報提供ツールのターゲットは誰かということが1番大切なポイントである(多田委員)。
  • 現在の日常生活CO2情報提供ツールの設計は環境問題に関して熱心な方が対象のようだが、無関心層にどう広げるかが課題で、この日常生活CO2情報提供ツールのトップページにどのように人々を導くかが大切だ。例えば、紙広告、メールマガジン等を使用することが考えられる(多田委員)。
  • 小学5、6年生対象のウェブページがあるとよい。先生に教材として推薦してもらうのに耐え得るものを作るべきである(辰巳委員)。
  • 日常生活CO2情報提供ツールを上級者編、初級者編、子供編のように複数作ることは可能か。入り口も複数に分かれていた方がよい(森口座長)。
  • モデル事業では対象は環境問題への取組に熱心な方だが、そうすると日常生活CO2情報提供ツールは広まるものになるのか懸念される(森口座長)。
  • 現在の設計は入り口のページが簡単で小学生でも入れるものとし、そこから深く入っていくと難しくなるという構成になっている。環境家計簿についてはエクセルベース等の上級者編を作成することも考えられる(事務局)。
  • 日常生活CO2情報提供ツールの入り口が大切で、省エネ型電球等情報提供のところは「得する窓口」のようなものがあってもよい(一方井委員)。
  • 情報を入力して他の家庭と比較が出来るとよい(辰巳委員)。
  • モデル事業で、他世帯との比較が参加意欲を高めるかどうか調べることができる(森口座長)。
  • 「見える化」という言葉がどの程度一般的なのか疑問である。プライバシーをのぞかれているような気がする(多田委員)。
  • 「見える化」がプライバシーへの干渉といったネガティブな印象にならないように、「見える化」はむしろ得に繋がるのだという上手い出し方が必要である(森口座長)。
-日常生活CO2情報提供ツールの設計について-
  • 日常生活CO2情報提供ツールは、消費者が情報を入力しなくても役に立つような設計であることが必要。今の説明ではまず情報を入力してもらい、CO2排出量を算定し、さらに削減方法を提案するという流れになっているが、何も情報を入力しなくてもCO2排出量の大まかな量、削減方法に関する情報はある程度引き出せる設計になっているはず(森口座長)。
  • この情報提供ツールはこれまでバラバラだった情報を1つに集約したものであり、1つの入り口から入って全部見渡せることだけでも大変価値がある(事務局)。
  • ウェブページは教科書と違い、始めから順に読んでいくものではないので、トップページの分け方は今の4つでなくてもよいのではないかと考える。現在の4つのカテゴリーの中の複数に関係して1つの行動が完結するものが多数ある。例えば、「移動」と「遊び」の項目の中の宿泊はセットになって、「遊び」である(近藤委員、森口座長)。
  • 情報のリンクの様子、どのように消費者に情報を見て欲しいか流れを整理する必要がある(森口座長)。
  • まず全国平均のCO2排出量の円グラフを出して情報提供を行い、CO2排出量削減方法を示す。そして、使用者が既に行っている取組を入れると、使用者自身の実際のCO2排出量に近づいていくという設計だと面白い(近藤委員)。
  • CO2排出量のデフォルト値を示す必要がある。モデル事業でまずそれを行うべきである(森口座長)。
  • 資料1別紙1ページのトップページの「見える化とは?」という説明に、何故住所、住まい、電気料金等を入力する必要があるのか、それがどう使われるかのイントロダクションが必要である(多田委員)。
-「くらし」について-
  • 「くらし」は全体である(辰巳委員)。
  • 資料1の4ページの「くらし」の中の項目で「車にのる」、「家電をつかう」、「ごみを捨てる」は消費者の行動だが、「くらしの環境家計簿」は全体にまたがるものである(多田委員)。
  • 「くらし」はCO2の直接排出をイメージし、「買い物」、「遊び」、「移動」はCO2の間接排出をイメージしている。例えば、現在「移動」には自家用車によるCO2直接排出は含まれていない。しかし、そのような整理は日常生活CO2情報提供ツールの提供側の整理の仕方で、消費者の発想は全く異なる可能性がある。例えば、耐久消費財の購入と日々の使用に関して、ライフサイクルとして1つのくくりで考えることもある(森口座長)。
  • 車に乗ることは「くらし」の中に入ることが多い。「くらし」の中にガソリン代も入れるべきである(森口座長、多田委員)。
  • 「くらし」が消費生活のことだけになっている。パブリックコメントに意見を送る等の消費以外のエコな行動のヒントがどこかにあるとよい(多田委員)。
-「買い物」について-

[1]買い方について

  • 資料1別紙12ページの「買い物の見える化」のところに、レジ袋かエコバック使用かのフラッグを入れるべきである(多田委員)。
  • 資料1別紙12ページ買い物の仕方で、店舗で買うのか通信販売を利用するのかは消費者が選択可能な事柄なので、それを含めるべきである(一方井委員)。
  • 資料1別紙12ページで、何をどう買うかの情報を入力する必要があると、使用者の負担が重い(森口座長)。

[2]食について

  • 「メニューの見える化」には違和感がある(一方井委員)。
  • 調理の仕方によりCO2排出量に違いが出るのは面白いが、「メニューの見える化」は違和感がある。モデル事業で消費者に必要な情報、不必要な情報は何か調べる必要がある(森口座長)。
  • 「メニューの見える化」等は事業者からは情報提供の要望があるので、消費者と事業者向けに入り口を複数作り見せる内容を変える必要がある(事務局)。
  • フードマイレージとCO2排出量は必ずしも比例しないので、丁寧に情報提供をする必要がある(森口座長、安高オブザーバ(農林水産省))。
  • 「旬の食材」については、旬についての情報提供はいいが、旬のものを食べないようにというわけにはいかない。また、メニューの見える化、食品の見える化についても農林水産省も検討しているので、連携を取って欲しい(安高オブザーバ(農林水産省))。
  • 産地は非常に難しい。フードマイレージ、旬、産地等誤った情報が広まると国民生活に影響が大きいので注意する必要がある(森口座長)。

[3]車や家電などの耐久消費財の購入について

  • 「エコ買い」という言葉があるが、頻繁に家電等を買い換えることはCO2排出量削減には繋がらないと思うので何が「エコ買い」か注意する必要がある。100年住宅もある種の「エコ買い」だと思う(多田委員)。
  • ガスを使用した給湯器等の使用についてより詳しく取り上げて欲しい(一方井委員)。
  • 家電の買換えに関しての情報は消費者が一番望んでいるところである(森口座長)。
  • 家電の買換え、使用についてチーム・マイナス6%運営事務局 省エネ製品買換ナビゲーション「しんきゅうさん」 というサイトが12月11日に公表になるが、現時点では消費段階だけが考慮されている(環境省、事務局)。
  • 資料1別紙10ページの「買い物の見える化」のところで、10年に1度等の買い物も含んでいるので、毎月の買い物という表現振りは検討して欲しい(近藤委員)。
  • 資料1別紙15ページの「車」のラインアップには軽自動車も含めた方がよい。軽自動車の燃費は必ずしもエコカーよりよくない(一方井委員)。
  • サンプル画面に記載している料金等は実態にあった数字を使用して欲しい(森口座長)。

[4]住まいについて

環境省Webサイト(http://shinkyusan.com/index.html#/index/top)(2008年12月15日確認)

  • 「住まい」に関しては、持ち家で無い場合も含めて「住まい」の選び方だけにし、何年単位の買い物かは含めなくてよいかもしれない(森口座長)。

[5]その他について

  • 衣食住で食と住については情報提供があるが、衣類については記載されていないがデータはあるのか知りたい(辰巳委員)。
  • 親検討会で資料が出ているが、衣類等を含めると品目が多くなる。または、日用品というくくりならばできるが、そうすると分かりにくいので含めなかったという経緯がある(事務局)。
  • データは産業連関表の3EIDにより計算されており、一通りはCO2排出量を把握しているが、衣類は値段の幅が大きいので難しい。靴下等の消耗品についてのみなら計算できるが、これらのものは輸入が多いので考慮が必要だ。CO2排出量を削減しても、それは日本の削減量には繋がらない(森口座長)。
  • 男性のスーツについてはいかがか(辰巳委員)。
  • 細かくやれば多数できるが、CO2排出量の大きいものから見える化を行っていく(森口座長)。
-「遊び」について-
  • 資料1別紙21ページの「あそびの見える化」の中に会議が入っているが、分類を整理する必要がある。会議は参加者が場を選べないので難しい(森口座長)。
-「移動」について-
  • 宅配便について、「低炭素名輸送の選択促進が目的」とあるが、事業者側からの話である。消費者が、例えば、クール宅急便を使用してはいけない等を促進する意図ではないと思われる(一方井委員)。
  • CO2排出量の差だけを情報提供し、CO2排出量削減方法を示さないと、一方井委員が述べたような弊害が懸念される。消費者だけでできることには限りがあるので、事業者を交えて取組を行う必要がある(森口座長)。
-追加が考えられる情報について-
  • カーボン・オフセットのところで、カーボンフットプリントが表示されている商品を見ることができるとよい(辰巳委員)。
  • 買い物の中にCO2排出量の削減に繋がるような金融商品、グリーン電力証書、エコマーク等、CO2削減につながる商品のカタログがあるとよい(辰巳委員)。
  • 排出量の少ないホテル等へリンクを貼り、消費者はそこを利用するとポイントがたまる、または、お湯を節約すると割引があるといった取組があるとよい(辰巳委員、森口座長)。
  • 今年度の見える化の対象として、ホテルの宿泊などを中心とする。省CO2インセンティブを与える仕組みを事業者と協力して作成していく(馬場課長補佐)。
  • 日常生活分科会と事業者分科会でなるべく接点を持って検討をしていく必要がある(森口座長)。
  • カーボン・オフセットに使用されるVERというクレジットを創出する仕組みが自治体等で行われているが、その紹介、また、それらのクレジットを使ったカーボン・オフセット商品の紹介があると関心が広まると考える(一方井委員)。
  • VER創出と、それを用いたカーボン・オフセット商品についてはヒントの中で情報提供していく(馬場課長補佐)。
  • 国内クレジットを始め様々な取組があるが、それらとの関係も繋げていって欲しい(森口座長)。
  • 車の所持をやめ、駐車場を庭にして木を植える等のより積極的なCO2削減の取組は入らないのか伺いたい(辰巳委員)。
  • 植栽の目的(冷房の節約等)、効果の面で定量化が難しく、不確実なので今回の事業に含めるのは難しいのではないか(森口座長)。
-今後の予定について-
  • 今年度日常生活分科会では日常生活CO2情報提供ツールのアウトラインを決定したい。来年度モデル事業を行う中で情報、意見を集める。アンケート調査と省エネルギーの実測調査を行いつつ、日常生活CO2情報提供ツールを4月から作り始め、完成した時点で来年の中旬からモニター調査に入ることを予定している(馬場課長補佐)。
  • モデル事業のモニター募集の際に、太陽光発電設備やハイブリッド車を持つ方を含めて違いを検討することは予定しているのか伺いたい(辰巳委員)。
  • そのような工夫はできるが検討させて欲しい(森口座長、事務局)。
  • 次回は資料1の改定版と資料2のモデル事業の進め方に関して細部に渡って検討する(森口座長)。

3.連絡事項