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温室効果ガス「見える化」推進戦略会議
日常生活からの温室効果ガスの「見える化」に関する分科会

議事要旨


1.開会

事務局から資料の確認、委員の紹介が行われた。

2.議事

(1)議題1ついて 日常生活分科会の設置について

事務局から資料1に基づき説明が行われた。

(質疑)

-温室効果ガス「見える化」関連事業の今後の予定について-
  • 廃棄物は目に見えるので、減らしたいことが分かりやすい。CO2は目に見えないものなので、これを対象にした「見える化」が非常に重要になってくる(森口座長)。
  • 資料には今年度のスケジュールしか記載していないが「見える化」の事業は来年度も続く予定で、今年度は方向性を決定し、来年度は具体的な事業を行なう予定(馬場課長補佐)。

(2) 議題2 日常生活からの温室効果ガスの「見える化」の進め方について

事務局から資料2に基づき説明が行われた。

(質疑)

-エネルギー使用実態・省エネ性能の「見える化」について-
  • 消費電力測定方法はJISで決まっているが、4ページの図5にあるように、冷蔵庫等のカタログエネルギー使用値と、実使用値には差がある。差が生じる理由(例;冷蔵庫は壁から何センチ離して使用するべきなのに守られていない、食品の詰め方が適切でない)の情報提供をいただきたい(森口座長)。
  • 自動車についてもカタログ値と実使用値の異なるものがあるので情報提供をいただきたい(森口座長)。
-環境家計簿の拡充について-
  • 全体の感想を消費者の立場から申し上げるが、消費者側は細かい記録を取る必要が生じるのか。多くの人が細かく記録を取ることはと思うので、できない人を対象に大まかなものが欲しい(辰巳委員)。
  • 例えば、自動車で買い物に行ったときに、自動車の排出量を小売店が計算する場合、家庭で買い物をする人が自動車からの排出量を計算したらダブルカウントになる。この点は整理して欲しい(辰巳委員)。
  • 情報の記録をあまり細かくしすぎると取組が進まないが、どのように項目を括るかが難しい(麹谷委員)。
  • 日本ではCO2に価格が付いていないので、合理的にCO2排出量の削減が進まない。CO2排出量を削減することが消費者に得にならない状態で、消費者に対して、消費者のCO2排出量が増えているから減らす必要があるというのは負担が大きい(一方井委員)。
  • 京都議定書目標達成計画、排出量取引、及びCDMは全体の排出量を管理しなければならないのでダブルカウントは注意を払う必要がある。しかし、省CO2行動を促すという目的のためには、様々な切り口から算定分野横断的に見てみることがあってもいいと考える。CO2排出量削減の効果が大きい勘所、有効な取組を見せていくという観点からは、両方のデータを見せていくということは意義があると考える。但し、結果的にCO2削減量を積み上げる時にダブルカウントをするのは問題であり、削減量を最終的に積み上げていくときは注意が必要である(森口座長)。
  • 炭素税(円/kg-CO2)を決定すれば、図1を用いて、「家計の購入するモノ・サービスの生産・消費に伴うCO2排出量」にかかる炭素税のモノ・サービスごとの合計を計算することが出来る(森口座長)。
  • 消費者が自分で取組を築いていくだけではなく、例えば、ユビキタス社会と言われるが、消費者が取組と意識しなくてもCO2の排出量が「見える化」されるような方向等、消費者の努力だけに限らない議論をしたい(森口座長)。
  • 製品等について消費の段階より製造段階のほうがCO2の排出が多い場合があるので、消費者が賢い買い物をできるように情報提供して欲しい(辰巳委員)。
-日常生活の排出量の分類と見せ方の整理について-
  • 6ページの「排出量算定に関するガイドラインの整備」、「TV等の広告で比較表示する排出量算定のガイドライン作成」は、そのものに取り組むと読める表現なので表現振りに注意する必要がある(麹谷委員)。
  • 「見える化」の対象として「ホテル・旅館の排出」を挙げているが、その取組内容を再考する必要がある(麹谷委員)。
  • 消費者の行動の中に「その行動を取ると明らかに得になる行動」と、「若干負担になるが、取り組んだ方がよい行動」の2種類があり、例えば、電球型蛍光灯への付け代えは環境へ明らかにプラスになるが、情報や行動のバリアがあって普及しない。よって、そこを新しい切り口として取り組むことができる(一方井委員)。
-今後整備すべき情報について-
  • 食事(外食、弁当等)のメニュー別のCO2排出量の細かい表示というよりは、露地栽培のものか、空輸されたものかという大まかのものでよいのではないか(一方井委員)。
  • 家庭で調理をする場合に省CO2な調理方法についても情報提供して欲しい(辰巳委員)。
  • 自動車は車種だけではなく、使用方法(リースやカーシェアリング)に関してのCO2排出量の違い、コスト等の情報提供をいただきたい(一方井委員)。
  • 借家は光熱費が賃貸料に含まれている場合がある。その場合、借家人には光熱費削減のインセンティブが働かないが、借家人に光熱費を付けるようにするべきであるという考え方もある(一方井委員)。
  • 借家に関しては、エアコン等が最初から設置してある、または、太陽光パネル等が設置してある等、ランニングコストが安い住宅もあり、そちらを選んでもらうようにする方向もある(森口座長)。
  • 住人は電気を買って節電するだけでなく、自然エネルギー等、エネルギーの質も選ぶことができるという情報を提供するとよい(一方井委員)。
  • 住宅で断熱材の使用は重要である。また、住宅の建設を考える際に太陽光発電設備、温熱器の設置も重要な要素である(一方井委員)。
  • 製品の製造方法及び流通段階が、CO2排出量を考える上で重要だと考える。カーボンフットプリントでCO2排出量が出るのは重要で1つの判断材料になるが、各段階が合計されると、どの段階の排出量が多いか分からなくなる。消費の際だけでなく消費よりも資源調達の方がCO2排出量が多い場合あるので、その点も消費者に伝わるとよい(辰巳委員)。
  • エネルギーの直接消費以外のCO2排出量も大きいということは伝える必要がある。親会議では、CO2排出量の約2割がエネルギー消費で、3割がエネルギー以外の購入によるというデータを示してきた。しかし、これを見える化するには細かい作業が必要になる(森口委員)。

(3) 議題3 日常生活CO2診断ツールについて

事務局から資料3、参考資料1、2に基づき説明が行われた。

(質疑)

-日常生活CO2診断ツールの機能について-
  • CO2診断ツールには、環境家計簿を付けて診断する機能と、CO2排出量を削減する取組を提案する機能の2つがあるので、診断ツールが主に見えるという表現振りを考える必要がある(森口委員)。
  • データベースをまず作らないと家庭の大まかなCO2排出量の算定ができないということだと、消費者にとって負担が大きい(辰巳委員)。
  • CO2診断ツールには、個人のCO2削減の成果や、また、CO2診断ツールに取り組んだ人の得になるインセンティブ(例: エコポイント)が含まれていないと、作業が煩雑なので取組を継続してCO2排出量削減まで繋げていくことは難しいのではないか(辰巳委員)。
  • 現在の乗り換え検索に路線別のCO2の排出量を記載するといった、既存のシステムに情報を足していくような取組は行なわないのか(辰巳委員)。
  • 交通関係の話については、もう少し詳しく取り組むのであれば、しかるべき委員の方の追加を考えたい(森口座長)。
  • 交通関係は、カーブや起伏の有無がCO2排出量に大きく効いてくる。路線別、地域別のCO2排出量の算定は非常に大変な作業である(森口座長)。
  • 新幹線に関してはかなり取組が進んでおり、新幹線車両を改造していく中でどのぐらい省エネかについて緻密な計算結果がある。新幹線と飛行機の比較についてはセンシティブな話であるが、このような部分について正確な情報提供を消費者は求めている(森口座長)。
  • 路線別CO2排出量の算定は労力が要り非常に困難なので、もしそれを行なった場合、その算定結果をどのように、どこまで用いるのか、また、それによって実際にCO2排出量削減効果があるのかを検討していただきたい(国土交通省)。
  • 消費者の1日、1年を製品のLCAのように捉え、1日24時間、または、季節によって充分CO2排出量削減努力をしているところとしていないところが分かるとよい(辰巳委員)。
  • CO2診断ツールに廃棄物を入れる必要がある。リサイクルを含め、廃棄の行動をより環境にやさしい方向にシフトしていく必要があるが、廃棄物の捨て方、捨てられた後の自治体の処理の仕方によってCO2排出量が大きく変わる、また、リサイクルした方がCO2の排出量が多いという情報等があり、取るべき行動が消費者に分かりにくい。消費者・家庭が惑わされないように情報提供を行なって欲しい(森口座長、麹谷委員、辰巳委員)。
  • 耐久財の買い替えの問題で、CO2排出量の切り口だけでこの問題を捉えてよいのか(森口座長、辰巳委員)。
  • 資源をCO2排出量に換算することができるという人がいるが、そうは思えない。この点は難しいという印象である(辰巳委員)。
  • 循環型社会の方でも、今年の春に改定された循環型社会形成推進基本計画第2次計画の中で、特に温暖化対策との協調という点がかなり強く書き込まれている。廃棄物・リサイクル対策課もかなり問題意識を持って取り組んでいくと思われるので、両部局で協調して進めて欲しい(森口座長)。
-日常生活CO2診断ツールの使用促進について-
  • CO2排出に関する消費者の理解を国民全体で底上げしないと、環境家計簿のような取組は普及しないのではないか(辰巳委員)。
  • 家庭で毎日データを入力するというとりは、1度行なえば充分CO2排出量削減効果があるというツールのほうが求められているのではないか(森口座長)。
  • 毎日環境家計簿を付けるのがいいのか、「Act On CO2」のように、1度の診断で充分であるという考え方もある(一方井委員)。
  • 努力が足りないとか、頑張れという言葉も厳しすぎる可能性があり、お得なことができるという記載をしないと消費者は付いて来ないかもしれない(森口座長)。

(4) 議題4 その他

-連絡事項-
  • 議事録、議事概要は、委員の確認後、約1週間程度後にインターネットで公開とする。