(1)生物多様性をめぐる最近の動向について(報告)
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- 環境省から、資料1を用いて、事務局から生物多様性に関する国内外の動向・取組について説明。
(2)生物多様性国家戦略の策定について(諮問)
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- 環境省から、生物多様性国家戦略の策定について、平成21年7月7日付けで環境大臣から中央環境審議会鈴木会長に諮問がなされたこと、当該諮問に係る審議について中央環境審議会会長から自然環境・野生生物合同部会に付議されたことについて資料[2-1]、[2-2]により報告。
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- 生物多様性国家戦略小委員会を設置すること、生物多様性国家戦略小委員会の運営方方針について、資料[2-3]、[2-4]のとおり決定された。
(質問)
・小委員会にしては、人数が多いのではないか。
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- 生物多様性の各分野をカバーする専門家に御参画いただくことを考慮すると、このくらいの人数になる。第三次戦略の検討時も20人を超える委員に御議論いただいた。
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- 合同部会長代理は山岸哲委員に、小委員長は熊谷部会長に、小委員長代理は山岸哲委員にそれぞれ決定し、小委員会委員は[別添小委員会名簿]の委員22名に決定した。
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- 資料[2-5]により、今後の国家戦略策定に関する検討の進め方について事務局から説明し、今回の改定においては、第三次生物多様性国家戦略の骨格や計画期間を維持して、COP10に向けた取組の追加等の内容の充実を行うこと、今後4回程度小委員会での御議論をいただいたうえで、年内に合同部会の答申を得て、閣議決定を行う予定であること等を報告した。
(質疑)
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- 「科学的基盤及び科学と政策のインターフェースの強化([資料2-5]3ページ)」として、生物多様性分野におけるIPCCのような組織が必要との説明があったが、すでに取組が行われているミレニアム生態系評価(MA)やそれを受けた里山・里海サブグローバル生態系評価などとの関係はどのように考えているか。
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- 現在、UNEPが主体となって、「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間プラットフォーム(IPBES)」という組織の設立に向けた検討が始まっている。他のプログラムや体制との役割分担や正確づけについても、UNEPが中心になりギャップ分析が進められており、その中で、整理を進めていこうとしているところ。
(3)小笠原の世界自然遺産の推薦に向けた状況について(報告)
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- 事務局から小笠原の世界自然遺産の推薦に向けた状況について報告を行った。
(質疑)
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- 屋久島は推薦書に記載されたクライテリアⅹでは評価されなかった。IUCNのRRDB種がいないことが、その背景にあるようだ。小笠原はⅹで評価してもらえるのか。
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- また、適応放散、雌雄性の分化や草本の木本化は小笠原ではどれも小規模であり、ハワイなどではもっと顕著なものがある。ハナバチ類と植物の共進化など、小笠原でしか見られないものを強調すべきではないか。
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- IUCNのRDB種(VU以上)が57種確認されている。御指摘の点も踏まえて推薦の準備を進めていきたい。
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- クライテリアⅹに関して、アホウドリの繁殖地の回復に向けて取り組んでいる。このような努力も評価されるのではないか。
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- 推薦書案ではすでに記載をしている。
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- 海域の指定範囲について、知床のような海域と陸域のつながりを意識したものにはなっていない。海域設定の理由を聞きたい。
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- 小笠原の3つの価値は陸域にある価値であり、推薦区域も陸域を主としている。南島周辺海域は沈水カルスト地形であり、この地層(南崎層)に多くの陸産貝類の化石相をふくんでおり、推薦区域に含めている。ただし管理計画では、主な対象範囲を推薦区域の外にも広げて設定し、保全管理や各種環境配慮を進めて行く予定である。
(4)その他
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- 事務局から[資料4]により、事務局からトキの野生復帰に関する取組の概要について説明した。
(以上)