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■議事録一覧■

平成19年度中央環境審議会自然環境・野生生物合同部会 
(第2回)議事要旨


1.日時

平成19年11月5日(月)14:00~16:30

2.場所

フロラシオン青山 2F 芙蓉

3.出席者

(合同部会長)

熊谷洋一

(委員)

石井信夫、石坂匡身、石原收、岩熊敏夫、加藤順子、川名英子、隈研吾、是末準、近勝、齋藤勝、桜井泰憲、佐藤友美子、鹿野久男、篠原修、高橋佳孝、田中正、田部井淳子、土野守、土屋誠、中川浩明、中静透、中道宏、服部明世、浜本奈鼓、原重一、三浦慎悟、森戸哲、山岸哲、鷲谷いづみ、和里田義雄(五十音順、敬称略)

(事務局)

環境省:地球環境審議官、自然環境局長、大臣官房審議官(自然環境担当)、自然環境局総務課長、自然環境局自然環境計画課長、国立公園課長、野生生物課長、自然環境整備担当参事官、生物多様性地球戦略企画室長、鳥獣保護業務室長、ほか
農林水産省、国土交通省、文部科学省、経済産業省

4.議事概要

(1)第3次生物多様性国家戦略答申案の検討
  • 全体として非常に良くとりまとめられているが、環境基本計画の4つの理念(「循環」「共生」「参加」「国際的取組」)と生物多様性の保全の取組の関係がわかるように記述すべき。
  • 冒頭のMAなどアルファベットの略語の説明は、初出の部分に記載すべき。
  • 普及啓発にあたっては、メディアを上手に使うことが大切。紙媒体ではなく視覚に訴えるビデオなどを使って学校教育等に提供するなど検討してはどうか。国が直接作らなくても、ビデオのコンテストをするという方法もある。

→「いきものにぎわいプロジェクト」の中で効果的な広報を検討したい。行政だけでなく、民間などいろいろな立場からいろいろなアイディアをいただきたい。

  • どうして100年計画なのか。自然景観が顕著に損なわれたのは戦後の高度成長期以降である。また、地方には各省の仕事がバラバラで降りてくるが、うまく連携してまとめるべき。良い取組について、具体的な取組事例を示した方がわかりやすいのではないか。

→小委員会において100年後のグランドデザインについて議論いただいた。自然を回復するのに要する時間を考慮して100年を見通したうえで、今後5年の施策の方向を示している。また、戦略の中でもいくつか例示をあげているほか、地方版戦略作りの手引きの作成などにあたっても例示などの工夫を考えたい。

  • ヤクシマザル、ホンドザル、ニホンザルなど、箇所によって生物の名前が異なるため、整理するべき。
  • 第1部4章2節の基本戦略において、地形・地質が特記されているが、水や大気の循環も含め、自然環境教育全般を含めるような記述とすべき。
  • 地方版戦略は法定計画など義務的なものにしないと、予算・人材の乏しい公共団体では後回しになる。

→法定計画ではないが、今回の国家戦略に記載し策定の手引きをまとめることで、地方における策定を後押ししたい。

  • 里地里山を残していくとあるが、生活集落が維持できないような限界集落もあるなかで、人口配置の問題も踏まえた記述にするべき。

→里地里山に関連した人口減少の動向を記述した上で、地域の実情にあわせて自然の遷移にまかせたり、里地里山として維持すべき地域を選定することなどを記載した。

  • 日本学術会議からの提案はパブコメに含まれているのか。また、どのような対応をしたのか。

→パブコメ意見に含めて対応した。対応状況の詳細は資料7のとおり。

  • 生物多様性がどのようなもので、なぜ重要かということが記載されていることは前回の戦略からの大きな進歩である。行動計画については内容的に前回の戦略から格段の進歩があるとは思えない。各省庁との連携を深めて、実効のある施策としていただきたい。また、今の行動計画にないものも、点検を踏まえてどんどん追加して取り組んで欲しい。さらに、前回のパンフレットは大変良くできており、今回もいいものを作ってもらうのはもちろん、どのように使うかを十分に考えて欲しい。
  • 自然資源の輸入による地球規模の生物多様性への影響の問題や施策についてもっと記述すべき。

→基本戦略の中で、企業・消費者がとる生物多様性への配慮について記述している。記述の強化についても検討してみたい。

  • 自然ふれあいのNGO連絡協議会としてRACだけ特記しているのが不自然。他の団体名も記述するか、RACを取り下げるかが必要。また、地方公共団体が地域特性に合わせて戦略を作成することの意義や必要性をもっと強調すべきではないか。
  • パブコメ結果を今後の広報にも活用してはどうか。パブコメ対応表を今後印刷する場合は、戦略の部・章立てにあわせて整理するとわかりやすい。
  • 1部の基本戦略と2部の行動計画の対応がわかりにくい。全体を見通せるように整理してはどうか。
  • 里地里山の記述について、市町村は期待を持っているにもかかわらず、国土の4割を占める里地里山のどの部分を保全していくのかが読めない。第2部の具体的施策にはどのような保全策をどの程度行うかを示して欲しかった。

→第2部に記載されているとおり、残していきたい里山を300箇所程度選定するとしている。選定に当たっては、地方公共団体や地域の意向を踏まえて実施したい。

  • 第1部では国以外の各主体の役割の重要性について書いてあるが、第2部(具体的施策)の実施主体は省庁のみ。第2部のまえがきに、「第2部には国の施策を示しているが、地方やNGO、企業の取組の呼び水にしたい」などと記述してはどうか。
  • 今のパンフレットはきれいな写真でポジティブな面を強調しているが、ネガティブな面や、実践的な内容にも焦点を当てた方が役に立つのではないか。
  • 国民ひとりひとりが何をすればいいのかを提示して、自分の問題として感じられるようにすることが必要。
  • 地方でもやる気のある人が多くおり、地域の自主性をどう尊重するか、だれが地域の活動をサポートしていくのかも重要なポイントではないか。

→地域活動における専門家の関与、あるいは専門家と地域の人をつなぐコーディネーターなども基本戦略のなかに取り入れた

  • 第2部漁業の部分だけ、なぜ「里海」という言葉がつかわれているのか。「沿岸・海洋」にあわせるべき。また、温暖化と海洋の関係では、海水温の上昇だけでなく、海水の酸性化についても記述すべき。
  • 市町村においては、山林荒廃・獣害など、様々な課題があり、人的、財政的にも苦しいので、各省横の連携を強化して、対応・支援してほしい。
  • 洞爺湖サミットなどのイベントの機会をとらえて普及広報していくとよい。そうすれば2010年のCOP10の予告となって、生物多様性の問題がかなり論点として出てくるのではないか。
  • 1部の冒頭部分は生物多様性の重要性に関する記述が充実した。もっと強調してもよいくらいである。また、第1部の温暖化について、ある種の生物の個体数の変動などについては触れているが、必ずしも生物多様性へどのような影響を与えるかという話になっていない。
  • 各省庁の許認可などにおいてNGOや企業の取組を阻害することのないような柔軟な対応も必要。
  • 第1部において第2章の現状と課題、第3章の目標、第4章の基本方針のつながりがあまりよくない印象を受ける。

(2)現行の生物多様性国家戦略の第4回点検について

(以 上)