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中央環境審議会総合政策・地球環境合同部会
第6回環境税の経済分析等に関する専門委員会議事録


平成17年7月28日(木)

環境省総合環境政策局環境経済課

午前10時00分開会

○鎌形環境経済課長 おはようございます。ただいまから環境税の経済分析等に関する専門委員会の第6回会合を開催させていただきます。
 まず、7月20日付の人事異動で事務局の幹部がかわっておりますので、改めて紹介させていただきます。
 小林地球環境局長です。

○小林地球環境局長 環境管理局長をしておりましたけれども、7月20日付で地球環境局長の方に移りました。引き続きよろしくお願いいたします。

○鎌形環境経済課長 次に、寺内総合環境政策局総務課長です。

○寺内総合環境政策局総務課長 よろしくお願いいたします。

○鎌形環境経済課長 岸本総合環境政策局総務課調査官です。

○岸本調査官 岸本でございます。

○鎌形環境経済課長 それでは、神野先生、よろしくお願いいたします。

○神野委員長 それでは、委員の皆さんにはお暑い中ご参集いただきまして、本当にありがとうございます。伏して御礼申し上げます。
 本日は、これまでと同じように12時を終了予定としておりますので、審議についてご協力いただければと思います。
 本日、お手元に議題が行っているかと思いますけれども、前回にも予告をいたしましたように、今回は第1回目の会議以来、皆様にご審議していただきました内容につきまして、一度議論を一通りまとめておきたいというのがきょうお集まりいただいた趣旨でございます。その整理のポイントにつきまして、メモという形で取りまとめていただきましたものを事務局の方から説明をしていただいて、その上で皆様方のご意見やご質問をいただいて、ご審議いただきたいというふうに考えております。
 それでは、事務局の方からご説明いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○鎌形環境経済課長 それでは、ご説明いたします。
 お手元の資料でございますけれども、今回まず、資料番号はございませんが、資料という形で、これまでの議論の整理(メモ)という形のものがございます。今、神野先生からお話がありましたように、これまで5回にわたってご議論いただきました内容につきまして、事務局なりに整理させていただいたというものでございます。それから、あと分厚く参考資料というものが置いてございます。参考資料、全体180ページ程度のものでございますけれども、幾つか分かれておりますが、まず1枚目に目次がございまして、全部で4つのグループにとじてございます。それで、これらはこれまで事務局が提出させていただいた資料、これにご指摘を踏まえて若干の修正を加えて束ねているというものでございます。これまでの審議では、こちらも資料ができたものからご議論いただくという形で少し順不同ばらばらでございましたけれども、項目ごとにまとめているというものでございます。修正点などにつきましては、具体的なご説明の中で、適宜触れていきたいというふうに思います。
 全体の構成としては、環境税の位置付け、それから環境税の効果、それから環境税の影響とマクロ経済・産業に与える影響、こういうような3つの組み立てをしてございます。
 まず、1ページ目でございます。環境税の位置付けということでございますが、(1)経済理論における環境税の位置付けということでございます。一番初めにご議論いただいたことでございますけれども、まず環境負荷への価格付けとしての環境税ということで、ピグー税、ボーモル=オーツ税と、こういった理論的なところから資料を出させていただきました。これらの理論につきましては、いずれも環境負荷に価格付けを行うことにより、環境負荷をもたらす行為を市場に内部化していくと、こういうねらいだということでございます。
 それから、この件に関しましては、1980年代後半から地球環境問題の顕在化ということで、OECDにおきまして、経済的手法について技術革新と行動の変化に対して強い誘因を与えて、費用に比して効果的に環境上の目標を達成するものということで、その使用が推奨されているということでございます。
 それからもう1点は、汚染者負担の原則を実現するための財源調達手段としての環境税、こういう考え方でございます。OECDによる汚染者負担の原則の確立というものがございます。それから、1970年前後からフランス、オランダで導入された排水課徴金ということでございますけれども、これを実際に予測して分析いたしますと、現実の政策としては外部不経済を内部化する手段というよりは、むしろ環境保全費用の公正な配分原理として機能してきたということであるというような分析ができるかというふうにございます。
 ここに参考資料Iの1とございますが、参考資料のところにそのときに提出した資料を束ねているということでございます。
 それから、2ページ目にまいりまして、日本における経済的手法ということでございまして、環境問題解決のためにさまざまなものが導入されているということをレビューしたものでございます。自動車税のグリーン化、家庭ごみの収集の有料化、こういったものは価格付けによって行動変化をねらいとする。それから、必要財源への充当をねらいとしたものとして、公害健康被害補償制度に基づく汚染負荷量賦課金、三重県などで見られる産業廃棄物税、高知県などに見られる森林環境税、こういったものが挙げられております。それで、それぞれ分析をしたわけでございますけれども、[1]の自動車税グリーン化導入後、その対象車種の登録台数や車種数が増加しているということ。それから導入による価格差のみならず、導入すること自体が一定の効果を及ぼしている、こういったことも示唆されております。
 それで、この点につきまして、若干資料を修正しておりますのでご紹介しておきますが、参考資料の7ページをお開きいただけますでしょうか。
 自動車税のグリーン化に関して、いわゆる三つ星とか四つ星とか対象車種がどのように登録の台数が推移しているかという表でございますが、一番上の表でございますが、当初、いわゆる旧三つ星、四つ星だけの表を掲げておりましたので、ここでいいますと、濃く塗った部分だけの表を出しておりました。ということで、例えば右側の端の方ではがくんと落ちていくというようなグラフだったわけでございますけれども、その後、一体減ってどうなったのかというようなご指摘もございましたが、新しく導入されました新三つ星とか新四つ星のデータを加えまして、いずれにしても、この税制が進むことによってこういった対象車種が引き続き伸びているというようなグラフに変更しているというものでございます。
 それでは、もとの資料に戻らせていただきます。
 次の2ページ目の真ん中あたりでございますけれども、ごみ収集の有料化につきましては、いろいろな自治体がございますが、既存の研究レビューの結果として、おおむね平均2割前後の家庭ごみの減量が見られるということが示されているということです。それから、[3]の汚染負荷量賦課金については、公害防止協定というものがその削減の主な原因とはあったんですけれども、部分的にインセンティブ効果も見られるという分析がございます。それから、[4]の産業廃棄物税につきましては、最終処分場の減少についてある程度の寄与をしたという調査がございます。こういったものを環境税の検討の参考ということでございますけれども、仕組みとか対象とか国民の受けとめ方とか、さまざまな違いについては留意する必要があるということ。
 それから、また後に述べます炭素税のような手法というものが我が国でほとんど採用されていないということは温暖化のための政策手法の開発余地がまだ残されているということの示唆をされているということでございます。
 それから、3ページ目にまいります。
 欧州の事例でございますが、環境税の位置付けということで、ドイツ、オランダ、イギリス、デンマーク、スウェーデンの事例を取りまとめたということでございます。このうち、オランダ、イギリス、デンマークでは、二酸化炭素への価格付けによる効果を主たるねらいとしての導入がなされたということございますが、税収の主要な部分は所得税、あるいは社会保険料の軽減ということに充てられておって、これは税収のリサイクルという形の税収を還元する手法として用いられるという分析ができようかと思います。
 それから、ドイツでございますけれども、温暖化対策の観点のみならず、その所得税や社会保険料の軽減を含めた環境税制改革の一環として導入されたと、こういう特徴がございます。
 それから、スウェーデンでございます。飯野先生からもご報告いただきましたけれども、所得税の高いというような問題、そういうゆがみというのが問題となっていた、こういう認識のもとに所得税の大幅減税と、その一方で間接税の増税、二酸化炭素の関係では炭素税ということでございまして、これがパッケージとしての税制改革であるということでございます。
 次に、4ページ目にまいります。
 税制全体の中での環境関連税制の位置付けに関する議論への展開ということでございます。先ほど、スウェーデンやドイツでは税制改革の一環としての導入ということがあったわけでございますけれども、さまざまな税制全体の構造の中でどう見るかというような論じられ方もあるということでございます。
 ここにポツを3つ掲げてございます。既に資料として出させていただいたものからの引用でございますけれども、例えば、いわゆる社会的共通資本の混雑現象に対する料金というような考え方ということでございまして、こういったものが、税制の新たな公正課税の原則として今の汚染者負担の原則を位置付けていくということ。それで、環境税が社会的共通資本の維持管理手段として本格的に位置付けられるというような流れを示しているということでございます。
 それから、2番目のポツはいわゆるグッズ減税、バッズ課税というような考え方でございます。
 それから、3番目のポツでございますけれども、環境・エネルギーの関係の税を導入して所得税、法人税、付加価値税などの既存税を引き下げるという、税収中立的な環境税制改革、いわゆる税制のグリーン化という観点の論じられ方ということでございます。
 この点につきまして、参考資料でございますが、若干資料を追加いたしましたので、参考資料の16ページをお開きいただけますでしょうか。
 税制全体の中での環境関連の税の位置付けということの一つの資料といたしまして、ここに掲げておりますのは、我が国日本におけます国税の関係での収入の内訳というものの変遷をグラフにしたものでございます。それぞれどれくらいの割合をどういった課税が占めているかということでございます。もう既にご承知のとおりでございますけれども、これは1870年からのデータでございますけれども、土地の課税から始まりまして、奢侈品などの課税、それから個人所得、法人所得、こういったさまざまな変遷が見られるということでございます。
 環境関連ということでは、そういったくくりは特にないわけでございますけれども、エネルギー、自動車というところがそれに関連してくるかというふうに思われますけれども、エネルギーというのは上から3つ目の部分で横に縞の線が入っているもの、自動車はその下の黒く塗ってある部分ということでございまして、近年それなりの位置を占めておりますが、シェアとしては上下しているというような状況がうかがわれます。これも、さまざま税全体の構造が変遷しているという中での議論があるという意味での資料としてつけ加えさせていただきました。
 それでは、またもとに戻りまして4ページ目でございますけれども、以上のようなことで環境税の位置付けというのは汚染物質排出量の価格付けとしての環境税、それから財源調達としての環境税のほかに税制のグリーン化など税制全体の中での環境税といった議論もありますので、こういった今後の議論に当たりましては、さまざまな位置付けがあり得るということを踏まえる必要があるということでまとめてございます。
 次に、5ページ目にまいります。
 環境税の効果というところでございます。
 課税による効果があるかどうかということにつきましては、昨年、環境税をめぐる議論におきまして、昨年来の原油価格高騰に伴うガソリンの上昇があるのだけれども、それでもガソリンの需要減少につながっていないので、環境税を導入しても効果がないのではないかと、こういうような議論がございました。それから、昨年、環境省が提案したような環境税ですと、低い税率だということで、これは効果がないのではないか、こういうような指摘がございました。
 この点についての分析でございますが、以下、弾力性などの分析をしてございますが、調査の分析の留意点といたしましては、エネルギー需要というのはエネルギーの価格そのもののほかに景気、所得や気候などの要因が影響を及ぼすと、こういったものを考慮することが必要ということ。それから、短期影響、長期影響、それぞれ考える必要があるということでございます。
 それで、まず価格弾力性の分析でございます。これはさまざまな論文のレビューというものを提出させていただきました。ここでは、まず例えばということでございますが、天野委員の提出資料からの引用でございますけれども、ございますように過去25年分のデータを使用した分析ということでございますけれども、短期の価格弾力性、この表の一番下でございますけれども、マイナス0.1、それから長期マイナス0.467ということで短期に比して長期にはこういったような効果があるというような試算ということでございます。
 これは一つの試算の例示ということでございますが、6ページ目に行きまして、その他全体で7つの分析についてのレビューをいたしたところでございます。このレビューでは短期の弾性値は非常に低くて非弾力的ということ、それから、長期は短期に比べて大きく傾向が見られる。各試算の平均はマイナス0.2からマイナス0.8程度ということでございます。
 長期に関しては、省エネ機器買いかえのインセンティブ効果なども含まれるためではないかということです。ただ、この試算についても、実際には非常にばらつきはありますので、試算の幅の大きさということは十分精査した上で分析を深める必要があるということでございます。
 それから、幾つかの論文のレビューをさせていただいたときに、その論文の短期とか長期の意味づけというものが明確ではないのではないかというご指摘もいただいておりました。そこで、参考資料の62ページでございます。62ページをお開きいただけますでしょうか。ちょっと詳細な説明は省略させていただきますけれども、それぞれの論文にもう1回当たりまして、長期というのはどれくらいなものなのかとかいうことをとってまいりました。必要に応じて論文の執筆者にも実際に当たりまして、確認をとって、調べてこれを表にしているというものでございます。それぞれの論文で短期とか長期とか言われるものについて、ここで整理させていただいたということでございます。
 それでは、またもとに戻らせていただきまして、本体の6ページでございます。長期の弾性値の関係でございますけれども、技術の開発や普及の効果が含まれるから当然高くなるということで、これでは必ずしも価格の変動に起因するものではないというご指摘もございました。そういうご指摘ございました。それで、これに関しましては後に触れますが、環境税の技術開発に及ぼす影響もあるということ、あるいは税による省エネ機器買いかえのインセンティブは、何もしなかった場合の技術開発や普及とは別に存在すると考えられるということで、完全に長期の価格弾力性が短期の価格弾力性より高いことを全く否定するというものではないのではないかというようなことでございます。
 それから、次でございます。
 経済モデルによる分析ということでございますが、1つはAIMのモデルによる分析をしたということでございます。ここでございますように、炭素1トン当たり3,600円の税を課して、その税収すべてを対策に用いたということでやりますと、2010年度において9.5%分の削減という試算がございます。これは、京都議定書の目標達成計画のエネルギー起源二酸化炭素の目標値にほぼ相当するような削減効果がモデル上計算されるということです。このモデルにつきましては、下の注にございますけれども、短期的なエネルギー価格の変化による価格の変化は想定していないということでございますが、想定しているのはエネルギーを消費する技術や製品の買いかえというものが生じる、これを考慮したということでございます。こういった意味で制約の多い試算ということでございますが、比較的低率の税率での効果が出ているということでございます。
 次の7ページにまいりまして、後藤先生から前回ご報告いただきました部分均衡モデルのGAMESということでございます。これにつきましても、炭素1トン当たり1万円程度の税を課すということで1、0%分の削減ということが試算されています。このGAMESの試算では環境税課税に伴うエネルギー供給面での資源・技術代替とか、あるいは産業部門における生産調整、民生部門における省エネ、輸送燃料の抑制とか、AIMモデルとは異なる調整メカニズムというものが考えられている一方で、税収はその対策に用いるということにはしていないという意味で、AIMの試算とは違いが出ているということでございます。
 それから、もう1点、効果についてはアンケート調査による分析でございます。前回紹介させていただきました環境税でエネルギー価格を2%、10%上昇させた場合、あるいは環境税とは明記せずにエネルギー価格を2%上昇した場合、行動がどう変わるかということでございます。結果については、前回お示ししたとおりでございますけれども、これにつきましては、再度、分析中でございます。佐和先生のご協力をいただきまして、分析しているところでございますので、次回ご報告させていただきまして、その結果を受けてここに書き込みたいというふうに考えてございます。こういった形で価格弾力性、経済モデルアンケート調査といったことでの分析ということでございますけれども、環境税の価格上昇に伴う効果というものとは別に、エネルギー価格そのものの変化とか為替レートの変化、あるいは全体エネルギー政策等による変化、こういったようなもので価格の上昇下落というのが起きるということが考えられるものですから、そういった影響は別途考慮すべきということがございます。
 それから、次のページへまいります。
 アナウンスメント効果ということでございます。アナウンスメント効果については、2つ目の○でございますが、従来、この中央環境審議会の施策総合企画小委員会で議論されてきたものをここに引用してございますけれども、国の施策として温暖化対策税制、環境税を導入するということが広く認知されることで、また国民一人一人が税の負担を感じ、化石燃料の使用を抑制すべきことが認識されることで温暖化対策を普及させる原動力となる、こういうようなアナウンスメント効果ということが書かれてございました。これをもう少し詳細に分析していくということでございますけれども、いろいろな観点がこの中に入っているということでございます。
 一般的に金融などでの分野でのアナウンスメント効果といいますと、事前告知の効果を持つアナウンスメント効果ということで論じられているということでございます。税を導入するということが事前に告知されるということで、企業や家庭などの納税者が将来の行動を決定していく際に、いろいろな条件を考慮しますが、その条件にある程度の確実性を与える。値段が上がるのだということに確実性を与えるということで、さまざまな行動の調整の際のシグナルというようなものになっていくことをアナウンスメント効果というふうに呼ぶということでございます。下に注がございますけれども、このアナウンスメント効果というものも、まず事前の告知ということで効果がございますが、その注の4行目の後半部分からですが、「政策実施後もアナウンスメントを受けて開始された調整は続く」ということで、これがアナウンスメントの後期効果というふうなことで呼ばれるということでございます。
 これに比して、アナウンスメントから実施にかけてのものはアナウンスメント伝播効果ということで、ディフュージョン・エフェクトというふうな分類ができるということでございます。
 それから、また上に戻りまして、最後の○でございますけれども、市場におけるエネルギー価格の一般的な変動、それから環境税のように長期にわたり政策として行われる価格上昇との間での効果との違いということがまず挙げられます。これは、やはり環境税というものを認識するということで、短期的な価格上昇かもしれないような市場の変動とは違うもの、環境税による価格上昇は一定期間、一定価格上昇するという見通しがきくという反応ということが考えられます。これにつきましては、小委員会の取りまとめでアナウンスメント効果の中に含めておりましたが、これは価格上昇に伴う見通しの変化ということで、価格上昇の効果による一部ということも考えられます。これは分類をどうするかということでございますが、いずれにしても、環境税にはこういった効果があるということを踏まえて議論する必要があろうかということでございます。
 それから、9ページ目にまいりまして、実際のアナウンスメント効果の事例の報告ということでございます。イギリスの気候変動税のアナウンスメント効果について、増井先生からご報告いただきました。ここでは、14.6%の削減分のうち13.8%分がアナウンスメント効果ということで、これは事前告知に関するアナウンスメント効果と、それから導入後の継続したアナウンスメント効果というものの分析となっているということでございます。下にも3ということで、それについての注をつけてございます。
 それから、次に日本における一般廃棄物の有料化という点でございますけれども、有料化の事例の分析の中から、アンケート調査でございますけれども、有料化の時点での行動ということで、手数料の支出を節約するために減量化する人の割合、それから、資源のむだ遣いをなくして自然環境を守っていくと、そのためにごみを減量するのだというその割合を比較すると、後者の方が多いと。そしてその後、有料化してからしばらくたった後の調査でも、後者の割合がさらにふえたと、こういった例が多いということでございまして、金銭的な動機でのごみ減量ということもございますが、ごみ減量そのもののためにごみ減量するのだというような市民の意識という面での効果もここに示唆されるということでございます。
 それから、アナウンスメント効果に関しては、さらにアンケート調査の分析を次回入れたいというふうに思います。
 それから、こうしたアナウンスメント効果ということで、これは環境税の導入が消費者に認知されるということが必要なので、こういったことについての啓発が必要ということでございます。それから、その下に参考資料IIIとあって「一般廃棄物の有料化の事例」と括弧して書いてございますが、これは○の2つ上にあるべきところを場所を間違えておりますので、訂正させていただきます。
 それから、10ページにまいります。
 環境税の技術、産業構造に与える影響ということでございますが、これまでの議論の中でも技術を開発するインセンティブになるのではないかということで、そういった技術開発・普及が促されることで環境ビジネスを初めとする産業振興ということで、産業構造の持続可能なものへとの変化、こういったものになるのではないかと指摘がなされてきています。この点についても検討したわけでございますが、まず、IPCCの第3次報告書ということでございますが、新技術を採用するためのインセンティブは直接的な規制よりも市場に基礎を置いた方策の方が大きいと、こういうようなことでございました。
 それから、次に実際の環境税の影響ということで、ドイツ連邦環境庁が行ったヒアリングということでございます。企業に対して行ったものです。これにつきましては、二酸化炭素低減に資する事業を行っている事業者、自社の商品が有利になったとか、あるいは自社の業績が上った、こういったようなアンケートの回答があったということでございます。
 それから、産業界の動きということでございますが、G8の気候変動ラウンドテーブル、24の世界的企業による集まりでございますが、ここでも市場に基づくメカニズムを活用した政策枠組みが技術革新を促進する上で最も期待されると、こういうようなことがございました。このようなことでございますが、さらに技術の普及段階への環境税の貢献とか、あるいは産業構造全体にどういった影響を与えるのかということについては、まだ分析が不足しているということでございます。
 11ページ目にまいります。環境税額の転嫁ということでございます。これにつきましても、原油価格の変動がガソリン、軽油などの石油製品の小売価格にどう影響するかということの分析をご紹介いたしました。多くの石油製品においては、原油価格の変動が小売価格にほぼ転嫁されているということが見てとれますが、電力とか灯油など転嫁が見られないというものも一部にございました。ただ、これは季節による需要変動というものもございますし、あるいは電力の場合には発電に用いるエネルギーが多様なので、原油価格のみの影響ということではないということでございますので、引き続き精査が必要ということでございます。
 それから、一つ留意しておく必要があるのは、税導入の場合には価格上昇が広く知れ渡るということ、それから、税による一定のコスト上昇が継続的に続くということがあらかじめ明らかになるということで、原油価格が変動しているということとは異なるということで、価格転嫁についてもその点は留意しておく必要があるということでございます。
 それから、この価格転嫁ということに関しては、仕組みを検討する上で十分考慮すべきということで、例えばレシートに環境税額を記載するということなどは、消費者の環境税に対する認知、理解を高めていくということで、有効ではないかということでございます。
 それから、12ページ目にまいります。マクロ経済と産業に与える影響ということでございます。
 (1)経済モデル分析でございます。AIMモデル、GAMES、それぞれでございますが、AIMモデルの場合には、先ほどのケースで年率GDP0.03%ポイントの減、GAMESモデルの場合には年率0.02%ポイントの減という分析でございます。
 それから、業種別の影響でございます。これにつきましては、前回でございますが、税額と売上高、経常利益の各業種の経営指標、こういったものを比較したということでございます。各業種の売上高上位10社のうち、データのあるものをサンプルとして整理して、かつ昨年11月に環境省が提案した環境税の案を仮に導入した場合を例に、その影響を試算したということでございます。
 ここにグラフを掲げてございます。具体的な数字は前回のものを資料として参考資料に加えてございます。この点で1点留意が必要なのは13ページ目の上の注の部分でございますが、省エネ法のデータということでございますので、これはいわゆる工場でのデータです。そういう意味で、オフィスなどで使われる業務部門の分、それから裾切り以下の部分は入っていないということで、実際よりは税額は少なめに算出されているということに留意が必要です。
 この結果によりますと、軽減措置を講じなかった場合には、エネルギー多消費産業において売上高に占める環境税額の割合が比較的高いということ。紙・パルプで0.4%超、それから繊維・衣料、窯業土石、非鉄金属で0.05%を超えると、こういうような分析でございます。ただ、これも昨年提案されていた軽減措置を行うということによって、かなり減ってくるということでございます。紙・パルプ0.16%、繊維・衣料0.12%などという形でございます。
 それから、鉄鋼業に関しては、省エネ法のデータ開示がなかったということでございますので、別途環境報告書の記載によってCO排出量を把握いたしまして、同様の試算を行ったということでございます。やはり鉄鋼業の場合、軽減がなかった場合に他のエネルギー多消費産業以上の負担になってくるということ。それから、軽減をすれば相当程度負担は減じるというような試算がございます。具体的な数字は参考資料に掲げてございます。
 それから、次に産業連関分析から製品価格、この場合、生産価格でございましたが、その上昇がどうなるかという分析を行いました。前提は、先ほどと同様に昨年11月の環境省が提案した環境税と同様の案ということでございます。軽減措置を講じる前にはやはりエネルギー多消費型の素材産業、金属製品、運輸について、製品価格の上昇率が比較的高くなると。0.03から1.10%の水準ということでございます。それで、昨年提案されていた軽減措置を講ずるということで、これらの業種も全体として0.3%以下の価格上昇率になるということでございます。
 それから、加工組立産業である機械製造業、あるいは運輸部門を除いたサービス業というものは比較的上昇率が小さいということでございます。これらを見ますと、エネルギー多消費産業には、ほかに比較して環境税の影響が大きい業種があると。この点については、政策的対応を十分に検討する必要性が示唆されるということでございます。
 それから、もう1点、影響ということで、エネルギー価格が変わると素材製品や運送費に転嫁がなされるかということの分析もしてみましたけれども、鉄鋼やナフサなどは転嫁がなされているという一方で、セメント、製紙パルプ、あるいは貨物輸送といった面では転嫁がなされていないというような違いが出てまいります。こういった価格転嫁がなされないということは環境税が価格で転嫁できないということで、コストの上昇をみずから吸収する必要性が大きくなる、そういった業種が出てくるということでございます。そういった意味で、影響が出てくるところが大きいということが考えられます。
 ただ、留意すべき点は全体の製品なりサービスのコスト全体の中でのエネルギーコストが占める割合、これが低いか高いかというのにかかわってきますので、さらに分析を進める必要があるということでございます。
 次に、国際競争力への影響、開発途上国への生産の移転ということでございます。環境税が産業の国際競争力を劣化させて開発途上国へ生産が移転してしまうのではないか。また、その結果、二酸化炭素の排出量が開発途上国においてふえる、いわゆる炭素リーケージというのが生じて、結局、世界全体で排出削減にならないのではないかと、こういうような指摘がございます。この点に関しまして、IPCCのレポートでございますけれども、京都議定書目標達成というもののために先進国が税導入などの対策を講じた場合どうなるかということでございますが、幾つかの試算がありますので、それをIPCCにおいて引用してレビューしたということでございますが、先進国の削減量を100といたしますと、途上国に移転するのは5から20%ということで、結局全体としては削減が進むという指摘でございます。あと、直近のモデル試算につきましても、国立環境研究所の藤野研究員からご報告いただきましたけれども、おおむねこの範囲におさまっているというような結果でございました。ただ、このリーケージに関する分析については経済全体に関するものでございますので、個々の業種で見れば、例えば鉄鋼業などのエネルギー多消費産業ではどういう影響が出てくるか、大きい影響がある場合があるということには留意する必要がございます。
 それから、もう1点、国際競争力の問題といたしましては、その緩和の手法としての国境税調整ということについてもご議論いただきました。この国境税調整につきましては、アメリカで化学物質やフロンについて行った事例を紹介させていただきました。その一方でこういったものがGATTに抵触するのではないかとか、二酸化炭素を対象として行う場合、対象となる物品が幅広くなって、行政コストがかかり過ぎるのではないかというような指摘もございます。このため、技術的に困難か否かというような検討とともに、さらにこういった国際競争力の影響の緩和という観点からは、税率の軽減措置なども含めてさまざまな手段の実施可能性などを総合的に検討していく必要があるということでございます。
 以上が、整理ということでございます。以上です。

○神野委員長 どうもありがとうございました。
 この間、事務局には精力的に動いていただきまして、膨大な資料とそれからこれまでの議論をおまとめいただいたわけでございますが、大きく3つの部分になっておりまして、まず環境税の位置付け、それから効果、それからもう一つは影響といいましょうか、マクロの経済と産業に与える影響、この3つの大きな分野から成り立っております。
 これは、これまで皆様方から出していただきました議論をこの3つの領域にわたってまとめたものでございますので、これまでご発言いただいた内容と誤解を受けているとか、あるいは漏れていて重要な意見があるというようなご指摘をいただきながら、議論を進めていきたいと思います。
 とりあえずでございますけれども、まず第1の環境税の位置付けについて、今申し上げましたようなご意見や、あるいはご質問がございましたら、表現の仕方その他もあるかと思いますので、ご質問をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 いかがでございましょうか。天野先生、どうぞ。

○天野委員 1ページの「汚染者負担原則を実現するための財源調達手段としての環境税」と、こういう書き方なんですが、2つ目の段落でおっしゃろうとしていることは理解できなくもないんですけれども、もともと汚染者負担の原則というのは財源調達ではなくて、要するに市場メカニズムが失敗を起こしているのをどうやって是正するかということを考えた原則ですので、財源調達の手段が汚染者負担の原則だというのは、少し議論としてはおかしいのではないか。
 それから、もう一つは、「環境保全費用の公正な配分原理として機能してきた」という表現ですけれども、これは汚染者負担原則というのは、もともと市場機構を改善しようという意味ですから、公正さを確保しようという趣旨とは基本的には違うと思うんですね。ですから、そういうふうなとらえ方というのは日本の環境政策の中ではそういうご意見もありましたし、歴史的にそういう取り扱いをされてきたということはあるんですけれども、国際的にこれを主張するというのは非常におかしな印象を受ける人が多いのではないかというふうに思います。これは意見ですから、どういうふうに反映されるかということは私は別に気にしませんが、そういうふうなことで私は意見が違う、こういうことを申し上げます。

○神野委員長 事務局、書き方も今のようなことは十分配慮した上でということになりますよね。

○鎌形環境経済課長 まず、汚染者負担の原則を実現するための手段ということで書かせていただきましたけれども、その汚染者負担の原則というのは先生おっしゃるとおりのことだと思います。それで、それを実際に実現するためにいろいろな手法があるとは思うのですけれども、そういう中で、例えばこの排水課徴金などは汚染者負担の原則を実現する一つの手段として位置付けられるのではないかということでございます。
 ですから、汚染者負担の原則そのものが財源調達と直接、常にどういう場合でもリンクするということではないのではないかと思います。そういう意味では、先生のおっしゃっていることとは変わりないとは思います。いずれにしても、その記述につきましては趣旨を踏まえて調整したいというふうに思います。

○神野委員長 よろしいでしょうか。
 ほかに。金本先生。

○金本委員 経済学者が集まって経済分析ということなんで、表現の仕方についてはあいまいなもので学問的に正しいということを主張していることがないようにしていただきたいと思います。
 その一つの例として、「自動車税のグリーン化については、導入自体が一定の効果を及ぼすということも示唆されている」という表現になっているのですが、資料を見るとそれを正当化するきちんとした実証がないというふうに見受けられます。このグリーン化自体がどれだけの効果を持ったかということについてはいろいろな意見があって、グリーン化税制でなくてもさまざまな基準の前倒しでメーカーは反応していたわけで、グリーン化で何十万か補助金がもらえるから頑張ったということについては、いろいろな意見があるという状況だと思います。こういったことについて、もう少し注意深い表現をしていただきたいということです。それが一つの例です。
 あと、気になったのは、私、AIMモデルを非難するわけではないのですが、6ページの最後のところの書き方ですが、「比較的低い税率での効果が検証されている」というふうに書かれておりますが、AIMモデル自体は実証モデルではないんですね。それなりにカリブレートしてパラメータを設定してシミュレーションしたというだけなんで、これはそのカリブレーションの仮定が正しければ正しいのだけれども、それが正しいという検証は何もされていないということですので、こういう書き方はまずいのかなというふうに思います。基本的にいろいろな文献を引用されておりますが、その文献自体が正しいという保証は必ずしもないということですので、その引用の仕方とか表現の仕方について十分に気をつけていただきたいと思います。
 あと、ちょっとそれとは性格が異なりますが、13ページで前回も若干話題になりましたけれども、産業で価格上昇率が大きいものがあるというところで、政策的対応を十分に検討する必要性があるというあいまいな表現なので、これは何とでも読めるんですが、エネルギー多消費型産業で価格が上がって、そのことによって需要に影響するといったことが、例えば環境税の期待される効果、主要な効果の一つですから、こういう価格上昇がそういう実はプラスの面を持っているということをきちんと指摘しておいていただきたいというふうに思います。
 とりあえず以上です。

○神野委員長 どうもありがとうございました。
 今の意見で、佐和先生、特に何かコメントございませんか。よろしいですか。自動車税関係、その他の効果については……。

○佐和委員 効果のところに既に話が入っているわけですが、最初は位置付けについて。

○神野委員長 位置付けなんですけれども、表現その他について、つまり計量的に明確に分析できないけれども、ほぼこの委員会などで認識が一致した点は書かせていただいてもいいですよね。計量的に分析しにくいことがありますので。それから学問的にといいますか、必ずしも明確に挙証されている、いないようなことについての書きぶりについて注意をするようにという理解でいいですね。

○金本委員 前者も本当に合意がとれているのかということについて、必ずしもわからないと。

○神野委員長 それは書き方については気をつけます。つまり反対意見も、あるいは疑問も出されたというようなことについての書き方は気をつけますが、具体的に今指摘されているような2ページあたりのことについては、少々議論が佐和先生との間にあったような記憶があるのですが、今のご意見は、自動車税のグリーン化の効果については必ずしも一定の効果が示唆されているというふうに書いてあるんで、一定の効果が示唆されているとは言えないというご指摘だったんですけれども、もちろんこれは表現をぼかすにしても……。

○佐和委員 「示唆されている」というふうに。

○神野委員長 「示唆されている」との表現が強いということですよね。

○金本委員 そうですね。

○神野委員長 ここについては少し議論があったものですので、ちょっと確認しただけですが、特になければ、金本先生の意見を踏まえてこちらでも考慮したいと思います。
 ほか何かございますでしょうか。後藤先生。

○後藤委員 少しマイナーな点かもしれませんけれども、先ほど天野先生から財源調達のための環境税というようなお話がありましたね。財源調達というと、どうもちょっといろいろ政治的な意味合いも考えると聞こえがよくないんですが、環境税の魅力的なポイントとして、一時二重配当論というのが議論されたと思うんですね。ですから、例えばここのところそういう文脈で書かれるとどうかなと思うんですよね。価格効果が期待されると、一方税収はさまざまなゆがみを是正したり、環境対策にも使うことができると。ちょっと書き方ですけれども、もし環境税というもののメリットをアピールしたいというのなら、そういう書き方があるのかなという気がします。

○天野委員 そうなると、汚染者負担原則は外した方がいいですね。汚染者負担原則は一つですけれども、もう一つは今おっしゃったようなことで……。

○神野委員長 ちょっと財源調達手段ということを強く打つかどうか、ちょっと考えて……。

○鎌形環境経済課長 ちょっと再度検討してみます。

○神野委員長 我々の言葉で使えば、収入目的税よりも作用目的税だという側面を強く印象づけた方がいいかもしれないということですよね。ちょっとそれは、ご指摘を踏まえて表現を考えさせていただきます。

○山地委員 今のに関連しますけれども、要するにこのセクションで一番大事な、結論めいたところが4ページの一番下にあるわけですよね。そこには、今、後藤先生がおっしゃったようなことが入っているのではないですか。価格付けとしての環境税と財源調達と環境税、それから税制のグリーン化の税制全体の中での環境税、3番目のポイントを言われたわけですよね。それに対応するのが、1ページ目のところに、その3つが読めないということだと思うんですよね。だから、冒頭のところで結論のところに当たる部分に対応する表現があれば、それでおさまるのではないかと思います。

○神野委員長 ちょっと、そういうのを含めてまとめ方について気をつけて、あとは表題のつけ方で大分イメージが違いますので、整合性がとれるような形にしたいというふうに思います。
 天野先生。

○天野委員 第1節でということだったんですけれども、ずっと後ろの方で……。

○神野委員長 ちょっと後で戻っても構いませんが、後でまたまいりますので。当面、よろしいですか、第1章については以上のまようなご意見を。
 既に第2章などについてもご意見いただいておりますが、続いて第2番目の章になりますけれども、環境税の効果について何かございましたら。
 天野先生、どうぞ。

○天野委員 幾つかあります。まず、6ページの3番目の段落だと思うんですけれども、2行目に「必ずしも価格の変動に起因するものだけではない」という指摘があったと。これはそのとおりなんですが、ここで取り上げられているのは、いろいろな価格の変動に起因するものの効果をどう計測するかという話なんですね。ですから、その計測されているものは価格の変動に対する反応を計測している。そうしますと、それ以外にいろいろな要因があるんだということであれば、それは追加の要因であって、一番下の行の「長期の価格弾力性が短期の価格弾力性より高いことを否定するものではない」というのは何か変なんですね。つまり、追加の効果があればもっと大きくなるわけですから、どういう意味でこういう結論を導かれたのか、これは相当書き直しをしていただかないと論旨が通らないというふうに私は思います。
 それから、同じようなことが7ページの下のところにあるんですね。要するに、価格の変動というのはいろいろな原因で起こりますと、環境税以外にもエネルギー価格とか為替レートの変動で起こると。しかし、ここで言っているのは、そういうさまざまな要因で価格が変動したときに需要がそれにどう反応するかというのを価格弾力性というのはとらえているわけですから、いろいろなもとの要因が、例えば環境税であるとか、為替レートであるとかというのが、その価格に及ぼす影響以外のルートを通して別途需要に影響するというのであれば、それはそれとして分析をする必要があって、事実、後ろの方では、環境税というのはそれ以外の価格を通すこと以外の効果があるという記述があるわけですから、ここの趣旨も、こういうことをもちろん考慮する必要はありますけれども、それによって価格分析の影響は変える必要はないというのが私の意見です。
 それから、アナウンスメント効果については、いろいろなご説明を追加していただいて、これはこれで私は理解できると思いますが、ただ、日本の国内でさまざまなアナウンスメント効果という言葉の使い方があってというのを整理していただいているのですけれども、外国でこういう使い方はは余りないと思うんですね。ですから、そういう意味で、多少説明が詳しくなったので私はこれはこれでいいかと思いますが、むしろ私、ここで追加したいのは、本来のアナウンスメント効果を政策論として主張する一つの非常に大きな意義があって、それは実際の政策の実施よりもかなり先立って1年とか1年半とか、かなり長期に前もってこういう政策を実施しますという予告をするわけです。予告するということは、それに影響される人たちの対応の時間的な余裕を与えるということですので、普通、政策論でこのアナウンスメント効果というのを議論するのはそういう対応の必要性があるような、つまり被規制主体がかなり影響を受ける、経済的な負担をこうむる政策については長期なアナウンスメント期間を置いて、そして負担の軽減を図るという、そういう使い方をするというのが施策論では強調されますので、むしろアナウンスメント効果によって効果が高まるのだということも、もちろん大事かもしれませんけれども、本来のそういう政策上の配慮、それをどこかに書いていただきたいというふうに思います。
 それから、10ページですが、この点は大変重要なご指摘で、普通環境税について技術革新を誘発するとかイノベーションを促進するという効果が強調されるわけですが、事実、英国が気候変動政策を策定するときの非常に重要な根拠としてこれを挙げているんですね。つまり、英国の気候変動政策は経済的手法をかなりたくさん盛り込んだ政策パッケージ、経済的手法だけではありませんが、そういうものを大量に含んだ政策パッケージをつくったと。その根拠は、英国の産業の国際競争力を強化するためであるということをちゃんと明言しているわけです。ですから、そういう点で、経済的手法というのが産業にいろいろな負担を与えるという議論もあるんですけれども、逆に産業の国際競争力を強めるという効果を強調しているわけですが、こういう認識は経済的手法を採用する、あるいは現にしている国々では共有されているわけですね。逆に言いますと、これをしないでほかの国がどんどんこれで先行しているということは、何年かたってみると経済的手法を採用していない国の産業の国際競争力は非常に落ちた状況に行くだろうということを意味しているわけですね。その辺のことを少し書いていただけないかなというふうに思います。
 以上です。

○神野委員長 ここはどうしましょう。事務局の方からちょっと説明していただきましょうか。

○鎌形環境経済課長 今の例えばイギリスの事例に関しましては、他の文献なども、恐らくマーシャル・レポートとかそのあたりも見てみたいと思いますけれども、ご趣旨に沿ったものがあれば引用するような形にしたいと思います。

○神野委員長 それから、価格以外の要因についての表現ぶりなどのご指摘だと思いますが、いずれにしても、ここは指摘があったということなのですけれども、結局、技術開発や――この前の部分を受けてわけですよね。ちょっと表現部分、誤解のないように……。

○鎌形環境経済課長 これも整理し直します。

○神野委員長 整理するということぐらいでしょうか。
 それから、アナウンスメント効果その他については、私ども財政学の方でも租税論として使う場合もありますので、できるだけここでは注意してそれぞれ定義しながら書いていただいたつもりでございますので、まだちょっと不足であれば少し考えさせていただくということでよろしいですか。

○天野委員 ちょっとすみません。アナウンスメント効果について書き直してくださいと言っているのではなくて、アナウンスメント効果というのは、要するに被規制主体の負担を削減するために長期の猶予を与える手段としての性格があるということを書いていただければ、特に環境税というのはそういうタイプの政策ですので、アナウンスメント効果が発揮できるような、つまり政策をやりますよと言ってから実際に実施が1年ぐらい後になると。例えば、2006年にアナウンスして2007年から実施が始まるというふうなことをやるというのが趣旨ですので、そういうことが何も書いていないわけですね。ですから、それを書いてくださいと、こういうことなんです。

○神野委員長 はい、わかりました。では、それをちょっとここにノートしておいていただければと思います。
 ほかにございますでしょうか。佐和先生。

○佐和委員 まず第1点は、6ページの上から3つ目のパラグラフなんですけれども、ここも何かちょっと表現として、こういうふうな議論があったことは確かなんですけれども、何か表現としてわかりにくいというか、書き方がちょっと変だなという感じがするのは、要するに長期の弾力性は確かに高いと。しかし、これは価格の変動に起因するものだけではないというふうに、そういう指摘があったと。価格の変動にのみ起因するものではないというのだとすれば、では一体何によって起因されているのかというと、多分消費者の、つまり言いかえれば消費者の行動の結果だけではなくて、例えば非常に燃費効率のいい車なんかはどんどん売り出されるから、おのずからという意味なんでしょうね。しかし、それは物は考えようで、ここにも若干触れられているように、やはり環境税の導入が生産者側に対しても低燃費車、省電力設計の家電製品の開発をモチベートするという意味で、そういう効果も一切合切を含めてだというふうに考えればいいのではないでしょうか。だから、こういうことを一々書かなくてもという感じですね。
 それから、9ページの一番最後の3行ですが、さっきも天野先生が触れられたところですが、これは結局アンケートで2%電力料金等が上昇したときにどういう行動をとりますかという質問と、それから環境税によって2%上昇したときにはどうしますかという2つのケースを比較しているわけですね。まだ、その比較自体の結果が出ていないけれども、喜ばしい結果が出るであろうという前提のもとに書かれているので、これだけ書かれていると、出ない可能性も十分あると思いますけれども。
 とりあえず以上です。

○神野委員長 これは一応先生のご努力でやられているところですので、結果を踏まえて適切に表現をしたいというふうに思います。

○金本委員 よろしいですか。さっきから、天野先生、佐和先生と議論がありました6ページの3番目のパラグラフの話ですが、「長期の弾性値は」という書き方をしているので、訳わからなくなっているんですね。これは長期の弾性値の推定値がということだと思います。いろいろな研究が出ている……。

○佐和委員 どこですか。

○金本委員 6ページの上から4番目のパラグラフです。「また、長期の弾性値は」というところですね。これは、いろいろな研究で出されている推定値が高くなっているんだけれども、これは推定のときに除外変数バイアスがあったりとか、いろいろなことでバイアスを持っているかもしれないと。ほかの要因があって高くなっているということについての修正が必要かもしれないという議論があったのではないかと思います。そういう書き方、この「短期の弾性値は」、「長期の弾性値は」というふうに書かれているのは、すべて「推定値は」ということで、それがわかるように書いていただければ、それで、もう少し書き加えていただければわかるようになるんじゃないかと思います。

○神野委員長 ここも、ちょっと供給があるか、それを含めて、さっきの佐和先生のご指摘が……。

○佐和委員 確かに推定値と書いた方が意味が明解にはなると思うんですが、推定値が高いということが、何か長期ですから、何年もかかってですから、だんだんいわゆる生活習慣が変わっていくとか、あるいは新しい機器に取りかえるとか、それから生産者の、供給者の側が非常にいい機器を提供するようになるとかという、それやこれや全部含めて長期の弾性値と言っていいんですよね。

○神野委員長 おっしゃるとおりで、ちょっと……関連ですか。

○山地委員 関連です。

○神野委員長 どうぞ。

○山地委員 今の議論は、昔、AEEIと言っていたんですね。Autonomous Energy Efficiency Improvementという議論が随分あって、フリーランチだとかどうかと。つまり価格が一定であっても一定の技術進歩で技術の効率がよくなるということで、例えば省エネ傾向があるとかということは、タイムトレンド項を入れると価格とまた別にとれるとかそういう話があった。それの議論だと思う。だから、長期の弾性値というときも、どういう式を推定するかによって要因項を幾ら入れるかによって、価格に係る係数のところは変わってくるわけですよね。だから、私はどう書いていいかわからないけれども、ただ、価格以外にもAEEIのような技術進歩のトレンドによって、省エネが起こるというような効果が推定の仕方によっては含まれてしまうということだと思うんですよ。

○天野委員 違うんですよね。

○山地委員 違いますか。

○天野委員 つまり、ここで推定しているのは、これは推定の仕方によりますから、おっしゃるようにその方程式に何が含まれているかによりますけれども、価格変動に対する反応以外の要因ができるだけないように、ほかの変数をコントロールして推定するのは普通ですね。ですから、AEEIみたいなトレンド項は別にトレンド項を入れればとれるわけですから、そういうことをしないで推定をすると、価格変動ではないのだけれども、反応があたかも価格変動に反応したように推定されてしまう。これは推定の仕方がまずいわけですね。
 ですから、ここに取り上げられているペーパーは全部推定の仕方が悪いんだという前提で議論すれば、そんなことになるんでしょうけれども、それは本来の趣旨ではないと思うんですね。ですから、ここは価格変動に起因するものだけではないと書いてあるのですが、推定はその価格変動に起因するものだけを取り上げようとして推定しているわけですから、そうではないよというとペーパー全部を否定することになるんですね。ちょっとおかしいですね。

○神野委員長 和気先生、どうぞ。

○和気委員 今の議論で、どういうふうに考えるかにもよるんですが、少なくとも市場のシグナルとして価格が使われているわけですから、市場の価格は供給と需要の中で供給関数と需要関数の中で決まってくるわけで、それが税によって価格が変動するのは別として。そうしますと、当然、需要者のビヘービアと供給が、特に収益関数を含めた供給のビヘービアとの総合関係の中で最終的には需要量なり供給量が決まるという、これが市場メカニズムですので、ですから、オートナマスかどうかというのは、どの時点ではかるかは別として、やはり全体的に価格が長期において省エネに影響を与えたということであれば、それは価格の効果というふうに長期的には考えていいのではないかというふうに私は思います。

○神野委員長 後藤先生、どうぞ。

○後藤委員 いいですよ。時間がなければ。

○神野委員長 いいです。意見を全部伺った上で集約しますので。

○後藤委員 弾力性のところは、やはり何となく変な感じがしますよね。もう少し、専門家を入れて詳しく書けると思うんですよね。短期の弾性値でも、これはだれがやっても同じデータを使うわけですから、こんな範囲がごちゃごちゃと出てきたら何か変だなと思うわけですよね。ですから、技術進歩を入れるとこうなるとか、こういう形でやるとどうなるというのをもうちょっと細かく入れて説明。
 それともう一つ、素人さんにアピールするためには、単純な価格の変動とエネルギーの需要の変動を書いたグラフなんかをひとつ参考にここへくっつけてみていただけるともうちょっと視覚的にもわかりやすいのではないかという気がします。

○金本委員 ここの表現でいろいろ気になることがたくさんあって、消費の価格弾力性と言ったときに、需要の弾力性なのか供給の弾力性なのかということが全く定義されていませんし、今さっき私が申し上げた、推定値の問題なのか真の弾性値の問題なのかということもちゃんと書かれていないというところで、もう少し精査をして書き直していただけたらと思います。

○神野委員長 最初のご指摘にも通じますけれども、ここら辺は学問的にといいますか、制度といいますか、学問的にきちっと定義しなければならないような話についてはきちっと書いて、あと読み込み方については、別途、別な表現で書くということにさせていただければと思います。

○鎌形環境経済課長 もう1回書き直しまして、次回までに各先生方にもごらんいただいてご指導を受けたいというふうに思います。

○神野委員長 場合によって割れているところについては、そのまま併記させていただくような形にさせていただければと思います。

○鎌形環境経済課長 わかりました。

○神野委員長 ほかにございますでしょうか。

○山地委員 このまとめについてどうこうというわけではなくて、前回、後藤先生のGAMESモデルについてちょっと私がコメントして、実は個人的にレスポンスいただいたので、少し申し上げておいた方が情報としていいかと思ったので。
 7ページの一番の上の項のところですけれども、これはこれでいいと思うんですけれども、私が申し上げたのは、燃料間代替の効果のあらわれ方がちょっと変ではないかと。つまりLNGが随分減り過ぎであり、LNGは本来はもっと相対的にふえてもいいのではないかと申し上げた。
 私、結局、後藤先生からのメールで理解しましたけれども、結局このモデル構造の中で、燃料間代替の表現が大分縛られているということがわかったんですね。それだけちょっと、私の理解を2つ申し上げて、もし違っていたら後藤先生に追加してもらいます。
 1つは、電源構成の扱いのところで設備の変数しかないんですね。電源構成というのは設備と利用率があって、それで電力量が出てきますけれども、そうすると、今持っている既設設備の中で値段が変われば安いものを余計動かすということが起こるわけですけれども、それがモデルの中にないものですから、非常に代替関係が弱い。設備で決まってしまうものですから、以前決まった電源構成からなかなか変わらない、これが1つ。これは相当大きいと思います。LNGは設備利用率の関係をすごく受けます、石炭の関係ですね。
 もう一つは、石油精製の収率ですけれども、これもフィックスされているんですね。そうすると、石油精製のガソリン部分というのは、自動車用需要は必ずガソリン系、軽油ですから、収率をフィックスされるとそこで石油の需要が決まってしまうわけです。そうすると、必ず重油が残りますから、その部分が石油が減ってこないということになっていて、そういうモデル構造上の問題があるということはわかりましたので、ここはここをどうこうということはないですけれども、情報としてお伝えしておきたいと思います。

○神野委員長 ありがとうございます。
 後藤先生、特にいいですか。
 佐和先生、どうぞ。

○佐和委員 さっきの議論の蒸し返しで、簡単なコメントなんですけれども、技術進歩というのは、放っておいても燃費効率を改善する方向に動くという保証はもちろんないわけですね、言うまでもなく。ですけれども、オイルショックまでの技術革新というのは、より早くとか、より大きくとか、より強くということで、いわゆるエネルギー効率という点では、むしろ悪い方向にどんどん行っていたわけですね。オイルショックで石油やガソリンの値段が上がったことによって、初めてその技術開発、技術進歩の座標軸に変化が起きて、より燃費効率のいいとか、あるいは費用対効果において望ましいとかというような方向に、いわば技術進歩の座標軸が変わったと。
 そして、80年代半ばからしばらくの間、原油価格がどんどん下がっていったときには、また余り燃費効率は気にしなくなったんだけれども、そこでにわかにCO問題というのが出てきて、それで再び燃費効率の改善という方向に技術革新の座標軸が向かい始めたというふうに考えれば、技術進歩というふうに一言で言ってしまうのではなくて、少なくとも今の技術進歩というのはそういう方向にあると。それをさらに加速するという効果が環境税にあるだろうということですね。それが1点。
 それから、天野先生がおっしゃっていた事前のアナウンスメント効果というのは、典型的な例が消費税の値上げですね。98年度からでしたか、3%から5%に引き上げるということは1年か2年ぐらい前からわかっていて、そしてみんなすごく買い急いだわけですね。買い急いだ結果として、たしか96年度、97年度の経済成長率というのは結構高かったんですよね、消費が伸びて。ところが、それの反動で98年度以降マイナス成長になったと、そういうのが典型的なアナウンスメント効果ですね。

○天野委員 自動車の燃費効率の話なんですけれども、これは実際のデータとしてあるわけですね。新車の燃費効率、それから平均の燃費効率、私はデータをいろいろ見ましたら、非常にきれいなサイクルを描いているんです。ですから、燃費効率というのはもちろん技術がよくなれば改善されるのですけれども、実際に出てくる燃費効率というのは車の大きさだとか、どういうものが附属されているかということでいろいろ変わりますので、最終的に使用者が使うときの燃費効率というのは一律によくなっていくわけではないんですね。
 これは、エネルギー価格との関連をごらんいただくとすぐわかりますけれども、オイルショックのときには非常に改善された。しかし、86年に暴落しまして、もとに戻ってしまったわけですね。その後の期間というのは非常に悪くなっています。ですから、燃費効率というので技術進歩が図られるときと技術退歩が起こっているときがあるわけですよ。それも非常に価格の変動に少しずつ遅れながら反応しますので、非常にきれいなサイクルになって、1990年代の半ばぐらいからまた上がり始めると、今度はまた改善の方に向かっていると、そういうようなことがありますので、技術の進歩という概念と燃費効率をいきなり結びつけるのは非常に危険でして、むしろ私は、燃費効率は価格に反応して変化しているといった方がいいと思います。実際、推定すると非常にきれいに価格効果が出てきます。

○佐和委員 それと、今おっしゃったような、そういう時系列的な動きというのは、特にバブル経済の87年から90年ぐらいのときに、物すごく車の大型化と、それからいわゆるリクレーションビークルみたいなものが猛烈な勢いで普及したということで、1台当たりの燃費効率が悪化していると。
 その反面、最近は小型車志向が強くなってきて、結果的に――ですから技術は別に変わっていないんだけれども、どういうサイズの車がよく売れるかということによって、また随分違ってくるわけですね。

○天野委員 だから、燃費効率は技術ではないんですね。

○佐和委員 ですから、それは今言われたように、どういう自動車を買うかというのは消費者のビヘービアの方ですからね。

○天野委員 つくる方もよく売れるものをつくる。

○佐和委員 そうなんですね。そこが重要なことだと思うんですよ。だから消費者先行で、消費者主権とまでは言いませんが、消費者がどんな車を欲しがっているかというのを見て、生産者側は、例えば燃費効率のいい車をプリファーされるとすれば、そういう車の開発に一生懸命にお金をつぎ込むということですね。

○藤井委員 2つちょっとコメントをしたいと思うんですが、1つは、2ページ目の一般廃棄物の例が書かれていて、これはどなたの論文なのかちょっとよくわかりませんが、ごみ収集の有料化について、おおむね2割ぐらい減量が見られるというふうに書いてあるんですが……。

○神野委員長 すみません、2ページですか。

○藤井委員 2ページです。2ページの真ん中辺ですかね。[2]のごみ収集の有料化についてはという……。

○神野委員長 前のところに戻ってですね。いいです、構いません。

○藤井委員 これは、ここで引用されている論文を含めて、その後、例えば北大の吉田先生なんかも書いていらっしゃいますが、僕も最近700市町村か何かのデータの結果を見たことがありますが、平均値でせいぜい10%というのがいいところではないかと思うんですね、ごみ減量だけを見る場合はですね。これは有料化が小さな市町村から始められて、減量効果の大きな地方の方から始めているので、都会になるほどなかなか減量率が低いという傾向があるのを反映しているのではないかと思いますが、私の実感ではそうだと思いますので、論文等を引用いただければというふうに思います。

○神野委員長 正確を期したいと思います。

○藤井委員 先ほどから、天野先生、佐和先生が言われている技術開発の話も、技術開発の話は10ページになりますでしょうか、直接的な規制よりも市場に基礎を置いた方策の方が大きいと言われているという、引用されているので、これは経済分析の会議ですので、それで構わないかと思いますが、実証的な議論は随分いろいろ多様に行われていて、前にもちょっと引用しましたマイケル・ポーターというアンチ経済学者ですが、ポーターが94年ぐらいに出した、規制の方がむしろインセンティブが大きいのだという議論がかなり大きな反響を呼んで議論されていますので、主張としてはこれでいいと思いますが、そういう論争があるということについては触れておいていただければというふうに思います。
 以上です。

○神野委員長 何かありますか。

○鎌形環境経済課長 先ほどのごみの有料化のところでございますけれども、引用した文献は参考資料の10ページから11ページにございますものなんですが、これは2001年の論文ですが、いろいろその後もございますでしょうが、またちょっと教えていただいて、それで加えていきたいというふうに思います。

○神野委員長 幾つか例が引けると思いますので。
 関連して、はい、どうぞ。

○金本委員 ポーター仮説のお話について、有名な人が言ったので有名になりましたけれども、あとからの実証分析の結果によると必ずしもサポートできないという人はかなり多くて、書き方について私もそういうふうな書き方をされているという認識はなかったんですが、ちょっと注意深く書いていただければと思います。

○神野委員長 これも気をつけるようにいたします。

○藤井委員 結論としては、書き方としては異論ありません。ただ、そういう論議があるという話は加えておいていただければと思います。

○天野委員 今の関連ですが、ポーター仮説は環境政策をちゃんとやればそれによって経営者の方の利益も上がるし、環境もよくなるという議論だと思うんで、別にそれを規制でやるか経済的手法でやるかということまで指定はしていなかったと私は理解しているんですけれども、それでよろしいですか。

○藤井委員 いえ、経済学者との論争では、よくデザインされた規制の方がむしろ技術進歩が高いんだという議論だと思います。

○天野委員 ですから、よくデザインされたレギュレーションというのが、ダイレクトレギュレーションとは必ずしも言っていない。つまり、レギュレーションとはダイレクトとインダイレクトと両方あって、インダイレクトというのは経済的手法ですから。

○藤井委員 経済的手法と論争していますので直接規制……。

○天野委員 いや、経済的手法と論争しているのではなくて、経済学者はどんな手法であれ、要するに環境負荷を下げるようなことをすれば利潤は減るだろうと。だけど、ポーターは利潤を減らさないで、利潤もふえて環境負荷も下がることが起こるんだと。そこで論争になっているわけですね。ですから、環境政策をすることによって、何で経営者の利潤が上がるのだというので経済学者が反発しているということですから、直接規制をしろという話では私はなかったと思うんです。

○藤井委員 私の理解では、直接規制と理解していたので、ごめんなさい、もう一度読み直してみます。

○天野委員 確かによくデザインされた環境政策という言い方です。

○神野委員長 後でまたちょっと調べて、正確を期すような形で書きかえたいと思います。
 増井先生、何かございますか。

○増井委員 11ページ目のところなんですけれども、上から3段目ぐらいですか、原油の価格転嫁とは異なるところということで、先ほど後藤先生の方から二重配当のような話もあるということでしたけれども、そういう意味からすると、単に税によるコスト上昇というのが継続的に続くというようなことだけではなくて、税収として資金が国内にとどまります。原油価格の高騰の場合には転嫁分がすべて海外に流れてしまいます。ひょっとしたら、産油国なんかが日本製品を買ってくれるというようなことがあるかもしれませんけれども、そういうお金の流れの違いというふうなことも一言書いておいた方がいいのではないかなというふうに思います。
 先ほど、金本先生の方から、6ページのところのAIMモデルで検証されていないのではないかというご批判を、いただきました。確かに検証まではしていませんけれども、ある前提条件、ある仮説のもとに立てば、こういうふうなことも必ず言えるということで、これは本当に表現の仕方だと思いますけれども、そこは「検証」ではなくて「示唆」でいいのかなとは思っています。いずれにしても、こういう前提のもとに立てばこういう結果が出るという、その一例を示しているということで、そういう意味では意義があると思っております。
 以上です。

○神野委員長 どうもありがとうございました。
 いずれにしても、今のような問題については、ご関係の先生にそれぞれちょっとご意見を伺って、限界その他含めて書き方、書きぶりを考えさせていただくというふうにいたします。
 そうしたご注意でも構いませんが、何かございませんか。後藤先生。

○後藤委員 先ほど、山地先生の説明ありがとうございました。そのとおりですので、その部分を少しつけ加えてください。
 それから、一つお願いですが、私のモデルの結果、炭素税とCOの排出がどのくらい削減、ここのところが強調されているんですが、うまく伝わらなかったのかもしれませんが、私が前回報告させていただいたその報告の第1のメッセージは、マクロ的な経済的影響というのと、部門間の不均一と、これがトレードオフにあるというのが一つの大きなメッセージなんですね。金本先生には前回ちょっと補足説明していただきましたが、マクロ的にかなり効率的にやろうとすると、やはりエネルギー産業に頑張ってもらわなければならないと、こういうことを示しているんですね。ですから、そうした不均一をどうにか緩和するという、そういう補足的な補完措置とつながってくると、そういう文脈で報告させていただいたので、その部分が全くないので、私はそちらの方をむしろ書いていただければというふうに思います。

○神野委員長 わかりました。
 ほかにございますか。中上委員、よろしいですか。

○中上委員 こういう経済的なものは私の不得手な分野で余りコメントすることはございませんけれども、価格弾力性、所得弾力性の話は民生の家庭部門でもよくこういう分析をされるわけですけれども、日本の家庭用の需要の場合には、成熟化したマーケットであれば非常に価格にセンシティブになるかもしれませんが、発展段階にあると違う要因が強く働きますから、そう意味では余りなじまない部分があるのではないかというのが私の一つの感想です。
 もう1点は、ごみのところで、今、藤井先生からもございましたけれども、いわゆるリバウンド効果みたいなのはないのかなと。瞬間的にはそういう傾向が強く出ても、長期的になるとどういう、逆に振れることがあるのではなかろうかという話。これはよくタクシー料金が値上げしたらすぐ需要が落ちるけれども、長期的には結局はもとの木阿彌といいますか、同じようになってしまうという話がよくエネルギーのときも議論されましたけれども、そういったふうなことはないだろうかというのが個人的にはちょっと気になりました。

○神野委員長 ありがとうございます。
 それでは、また第2章の方に、あるいは第1章の方に戻っていただいても構いませんが、第3章の方のマクロ経済及び産業に与える影響の方に移りたいと思いますが、いかがでございましょうか。
 天野先生、どうぞ。

○天野委員 一番最後のあたりで、余り大きなポイントではないと思うんですが、14ページの下から2つ目の○がありまして、国境税調整のことが書かれています。議論の整理全体で、やはり後藤先生のペーパーなんかでも出ていますけれども、全体的なマクロの影響とは違って特定の分野に負担が集中するという問題があって、それをどういうふうに緩和するかというのがかなり大きな主題になっていると思うんですね。国境税調整というのは、もともとそういうふうな環境政策が国際競争力に与える影響からなくなってしまう、あるいはとりにくくなるということを防ぐための一つの手法として考えられているわけですけれども、現状はGATTに抵触するのではないかという指摘があるわけですが、国際的にこれだけ経済的手法が温暖化対策に使われるということになりますと、現状ではそういう対策をまとめてとる国というのは、大体先進国なんですね。GATT、WTOというのは全部の国が加入しますので、当然、上に書いてあるような影響が出てくると。だから、それを現状のGATTの規定とか解釈のままやれば、必ずこういう問題が起こりますので、環境政策の方が引っ込まざるを得ないという状況になっているわけです。
 ですから、これは国際的な条約の話ですので、むしろEUとかカナダとか、米国が参加するかどうかはわかりませんけれども、実際にフロンの場合にはやっておりますので、そういった国々と日本なんかがリーダーシップをとって、国際貿易投資に関する政策と国際的な環境政策との整合性をどういうふうにとったらいいのかという議論をそろそろ始めるべきだと思うんですね。ですから、日本は大体受け身でして、国際的な議論が進めば日本はそれに対応するというスタンスで来たわけですけれども、今回は、やはりある意味で日本にこういう点でリーダーシップをとってもらいたいと私は思うわけで、そう意味で国際的な対応に向けた努力が必要だという指摘をしてもいいのではないかという気はしております。これでは余りにも何か後ろ向きなように思います。
 以上です。

○神野委員長 国境税調整について、飯野先生、何かございますか。私も、東京大学法学部の増井教授などの国境税調整の専門家などに聞いてみても、税理論的にインパクトと負担の関係での調整はともかくとしてもなかなかやりにくい、かつ環境税に関しての租税法論的な意味での議論は余り進んでいないということなので、課税上ないしは租税法の議論上に余り抵触するような議論をとれないんですが、何かございますか。

○飯野委員 私に聞かれてもちょっと困るんですけれども、我が国は今まだ環境税も入っていないので、入っている国もやっていないようなものを、また入れる国が考えるというのはちょっと私には早過ぎるので、その答弁は勘弁してください。

○神野委員長 わかりました。では、これも少し慎重に考えて配慮したいと思います。

○和気委員 WTO、GATTのグローバーな枠組みで国境税調整を議論するのはかなり先の話かもしれないですが、一つの事例としては、間接税については、貿易については減免という間接税扱いという考え方も当然あるかなというふうに思います。
 それからもう一つは、グローバーな枠組みというよりは、むしろ例えば地域間の自由貿易協定の中に、市場を統合していく中でどの公平な競争が域内で起こるかというときのイシューとして十分に日本型発信ができるのではないかというふうに思います。
 ですから、例えば日本とペルーとか、日本とタイとか、韓国とか自由貿易協定、二国間、マルチもあるかもしれませんけれども、そういう中でのイシューとして、EUの中で議論したものとはまたちょっと違うかもしれませんけれども、地域的なアプローチもあり得るかなと。ここに書く、書かないは別として、そういうふうな視点はあり得るというふうに思います。

○神野委員長 どうもありがとうございます。
 佐和先生。

○佐和委員 12ページに棒グラフがございますね。要するに、課税額・納税額、対売上高比率のグラフ、産業別のグラフ。それから、次のページの真ん中よりやや下のところに、製品価格の上昇率がどの程度かというのが出ていますね。これは完全に線形といいますか、リニアといいますか、要するにこれは炭素1トン当たり2,400円という税率で考えましたと。これは仮に2万4,000円になればすべて10倍になるというふうに、そう思っていいわけですか。もちろん、そのとき電力とかそういう2次エネルギーに欠けているとか、そういうケースがいろいろあるので、そう話は簡単ではないかもしれませんが、ほぼ、おおむねそうだと考えていいわけですか。

○鎌形環境経済課長 おおむねそうなります。そのときにいろいろな需要が変わるとか、生産量が変わるとか、そういうものはなしに、今の生産量で言えば、おっしゃるとおり10倍になるということです。

○佐和委員 つまり、2,400円だと価格の上昇も0.0からたかだか1.1%というのはかなり低いわけですが、この辺はよくわかりませんけれども、要するに税制というのは新たに導入するときというのは、当初のうちは低い税率から始めるべきであるというようなことなんでしょうかね。

○神野委員長 今の件で何かございませんか。いいですか。いずれにしても、考慮させていただきます。
 ほかに何かございますでしょうか。

○山地委員 細かいところで恐縮なんですけれども、12ページの一番冒頭のマクロ経済の影響のところのAIMモデルとGAMES、両方ともというか、AIMのところの2行目の最後のところ、2010年におけるGDPに与える影響は年率0.03%ポイント減と書かれている。要するに、成長率に対して影響を書いてあるわけですよね。だけど、2010年におけるというと、何か水準みたいな気もしますよね。下は明らかに年率、成長率に対する影響ですよね。私は、どうも成長率に対する影響というのは余りピンと来ないんですね。デフォルトがが幾らだったか、それに対してどれくらいかというのがあるでしょうけれども、もちろん水準だって同じことなんですけれども、もともと幾らで何パーセントだけど、水準で書く方が、少なくとも上側の表現は2010年におけると言われると、水準だと思ったのに、その後を見ると年率と書いてあって2006年から2010年の平均と書かれていると、理解はできたのですけれども迷いますよね。できれば、水準と成長率と両方書いてもいいと思うんですけれども、多分、この文書表現は紛らわしいので、調整していただきたいと思います。

○佐和委員 恐らくここは、正確に言うと、2006年から2010年の平均年率0.03ポイント下がるということですね。だから、年率これこれ減というよりはやはりきちっと平均年率で。
 それから、確かに山地さんがおっしゃったとおり「2010年におけるGDPに与える影響は」という、これも明らかにおかしいですね。

○神野委員長 ありがとうございました。ほかに何かございますでしょうか。よろしいですか。
 まだ時間がございますので、全体を通してでも構いませんし、また次回一応のまとめを出したいと思いますので、まとめに当たっての構成その他にかかわってくる問題でも構いませんから、どうぞ。
 飯野委員、どうぞ。

○飯野委員 前半で非常に議論がございましたけれども、計量分析というものをどう考えるかということで、ここでは全く計量モデル分析をなさる方と、それにやや冷ややかな目で見ている経済学者との間での議論が行われたと思います。
 私自身は、金本先生とやや近い立場にあるのですけれども、このメモを一体どういう目的で書くかということによってかなり違ってくるだろうという気がいたします。経済学者の集まりであるという立場からこのメモを書きますと、金本先生も言われるようにもっと正確に、しかも計量分析をなさる方とややそれに批判的な人たちとの意見をうまくまとめた形でまとめないと非常によくないメモになるだろうという気がいたします。
 しかし、それにこだわればこだわるほど一般国民の理解が難しくなる文章になりますので、私自身の考えでは、ここではできるだけ経済学者の議論をお互いに矛盾しないようなものをつくって、逆に今度はそれを国民向けに発表するときにはもっとわかりやく、少々表現はあいまいになっても、もっとわかりやすく発表しないといけないと思うんです。ですから、その辺をうまく使い分けないと、ここで正確に議論すればするほど国民にはわかりにくい結論になりますので、その辺をどうぞお考えいただきたいというのが私の希望です。

○神野委員長 これは、とりあえず次回中間取りまとめ的なことをやる際にはどうしましょう。つまり、最終的に何かの形で出すときに使われる場合には、国民向けというか、それも考慮しないとだめだと思いますが、中間的な取りまとめのときにここで経済学者の研究を踏まえた取りまとめにして、それを中心にしますけれども、しかし、それが国民にもメッセージとして、そこから政策的なメッセージが伝わるような形で、非常にアンビバレントなことを切り抜ける形で入れるか、それとも前者だけに、これはあくまでも親委員会の資料的なものだというふうに……。
 はい、どうぞ。

○田村総合環境政策局長 きょういただいた議論をいろいろ整理、あるいはご相談して、もう一度きちっとした形で見ていただこうと思っておりますけれども、基本は、今、飯野先生がおっしゃったように、もちろん経済分析のため環境税を見ていこうということでございますから、そこはいろいろな委員の方からお話があったように正確性も期さなければいけないし、具体的にきちっと書かなければいけないところもありますが、できるだけ注に落とすとか参考集とか、いろいろな形で全体で正確性は保つようにして、本文自体はできるだけわかりやすさということを中心にやっていきたいと思います。
 ただ、いずれにしろ答申とか何かというふうな形よりも、議論の整理という形でまとめたいと思っておりますので、きょう見ていただいた形とそう大きく変わるようなものとは考えておりませんけれども、全体の表現等でわかりやすさの方をむしろ重視して、正確性とかいろいろご議論あった点は十分気をつけながらやっていきたいと思っております。

○金本委員 私が、こういう実証分析とかモデル分析を冷ややかに見ているというわけでは実はなくて、計量経済学的なものも少しやったり、あるいはAIMモデルのようなでかいものではないですが、シミュレーションモデルもやったりしていますので、かえって非常に気にしているということで、経済学者がやっていることが不用意に全くの真理であるというぐあいに書かれてしまうと経済学者自体のクレディビリティーがなくなってしまうし、またモデルビルターのクレディビリティーもなくなってしまうということで、その辺はきちんと書いていただきたいと。
 やはり特に両方やっていますと、なかなか自分自身、本当に良心に恥じなくこれが正しいというのは難しいということがありまして、推計結果にかなり幅があるということがございます。そういうものをわかった上で政策を考えていただきたいということです。特に余りこういうのに詳しくない政策現場の方々は、白黒が経済分析でつくというふうに思われていることがあるのですけれども、そんなことはなくてなかなか難しい。アナウンスメント効果なんかについてもこれはありますとか、ありませんとか、そう簡単に言えるわけでもございませんし、実際のやり方次第でまたこれは変わるということでもございますので、そういうことが国民に対してわかるような形にしていただきたいということです。

○神野委員長 ほかにご注意いただく点やご意見はございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、いずれにいたしましても、それぞれご発言をいただいた趣旨、その他については全く曲げるつもりはありませんので、ご発表いただいた件や、それからご主旨を正確に書きながら、かつ私のような素人でもというふうに言った方がいいかもしれませんが、わかるような形でまとめさせていただいて、なお正確をというか、そこに書かれていることを裏づけることを知りたい場合には、それができるような資料で裏づけるような形にまとめさせていただくというような方向でいいですか。それでまとめさせていただいて、わかりやすさということも重視しながら次回まとめたものをお出しをさせていただければというふうに考えております。
 特にご注意がなければ、きょうは珍しくというか、予定時間前に終わっているんですけれども、議論の内容については質的にも量的にもたくさんのご意見をいただきましたので、事務局の方で再度整理させていただいて、かつ宿題というか、佐和先生にご苦労をおかけしておりますアンケート調査の結果については、これは、まとめ方は事務局と私の方に……、何かございますか。

○佐和委員 一体何をやっているのかということを簡単にご説明しておきますと、要するに、例えばこの参考資料の75ページに、エアコンを使わない季節はコンセントからプラグを抜くと、またブレーカーを落とすというようなことを必ず実行する、つまり答えが5通りあるわけですね。そして、それぞれの1,600人の回答者がそれぞれ4つのグループに分かれているわけですね。つまり、全く何も変化がないというとき、税をかけると価格が上がるというようなことが全くないときにどういう行動しますかと。それから2つ目のグループは、環境税のせいでエネルギーの価格が2%上がったらどうしますかと。それから3つ目のグループは、10%上がったらどうしますか。そして、4つ目のグループは、さっきもちょっと申し上げたことですけれども、要するに単に為替レートの変動等々の結果として、理由は問わず2%エネルギーの価格が上がったらどうしますかという4つのグループがあるわけですね。
 そして、それぞれ男女とか所得階層とか年齢もありましたけれども、そういういろいろ属性の違いがあるわけですね。ですから、結局、多項ロジットモデルというのを、男女とか所得階層とかいろいろなものを説明変数の中に取り込んだ上で、ですから、それは何のために説明変数に取り込むかというと、そういう属性の違いをいわば取り除いて、そして純粋にさっきの1、2、3、4のグループに分けられたところで、一体その比率が、例えば1枚めくっていただければ、1グループと2グループと3グループと4グループについて、「必ず実行する」と「ときどき実行する」人の割合が出ていますが、この比率を属性の影響を除いた上で推定し直すと。そうすると、もっとクリアに差が出るのではないかというふうに期待しております。

○神野委員長 どうもありがとうございました。ご苦労をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。
 それを踏まえて、その部分を補わせていただいた上で、きょうのご議論を踏まえたまとめを次回出させていただくということにさせていただければと思います。
 次回でございますけれども、8月4日、木曜日、10時からで、場所の方はまたもとに戻って、環境省の22階の第1会議室でございますので、ご出席の方をよろしくお願いいたします。
 それでは、以上をもちましてきょうの会議を終わらせていただきたいと思います。
 どうもお暑い中、ありがとうございました。

午前11時45分閉会