有害大気汚染物質排出抑制対策等専門委員会(第1回)

1.日時 

令和4年9月30日(金)14:00~15:42

2.場所

WEB会議

3.出席者

(委員長)鈴木 規之
(委員) 井上  薫   尾崎  智  加藤 みか
     亀屋 隆志   菅田 誠治  萩野貴世子
     林 由香里   細川 秀一  松本  理
(環境省)針田  大臣官房審議官
     福島  水・大気環境局総務課長
     松浦  水・大気環境局総務課課長補佐
     平山  水・大気環境局総務課係員
     太田  水・大気環境局大気環境課長
     堤   水・大気環境局大気環境課課長補佐
     奥野  水・大気環境局大気環境課課長補佐
     粟飯原 水・大気環境局大気環境課係長
     成川  水・大気環境局大気環境課係員

4.議題

  (1)有害大気汚染物質排出抑制対策等専門委員会の設置について
  (2)酸化エチレン対策について
  (3)その他

5.配付資料

資料1-1   中央環境審議会大気・騒音振動部会の専門委員会の設置について
資料1-2   有害大気汚染物質排出抑制対策等専門委員会の設置について
資料1-3   中央環境審議会大気・騒音振動部会有害大気汚染物質排出抑制対策等専門委員会委員名簿
資料2-1   酸化エチレンの使用・排出実態及び排出抑制対策について
資料2-2   事業者による酸化エチレンの自主管理促進のための方向性について(案)
資料2-3   事業者による酸化エチレンの自主管理の促進の仕組みについて(案)
資料2-4   事業者による酸化エチレンの自主管理促進のための指針(案)
 
参考資料1   中央環境審議会関係法令等
参考資料2   今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(諮問)(平成7年9月20日付け諮問第24号)
参考資料3   有害大気汚染物質対策について(これまでの経緯)
参考資料4   排出ガス中の酸化エチレン暫定測定方法
参考資料5   自主管理計画に基づく有害大気汚染物質対策の評価等について(中央環境審議会大気環境部会有害大気汚染物質排出抑制専門委員会)
参考資料6   有害大気汚染物質の自主管理促進のための指針の策定について(通知)(平成8年10月18日付け環大規第205号)

6.議事

【太田大気環境課長】 それでは、定刻となりましたので、ただいまより中央環境審議会大気・騒音振動部会第1回有害大気汚染物質排出抑制対策等専門委員会を開催いたします。
 私は、本日の司会を務めさせていただきます環境省水・大気環境局大気環境課長の太田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、Web会議での開催とさせていただいております。
 会議中、音声が聞き取りにくい等不具合がございましたら、事務局までお電話もしくはWeb会議のチャット機能にてお知らせください。
 なお、本日の会議は、中央環境審議会の運営方針に基づき公開とさせていただいており、環境省のYouTubeチャンネルでライブ配信を行っております。
 Web会議の開催に当たりまして、通信環境の負荷低減の観点から、音声と資料映像の中継といたしますので、あらかじめご了承ください。このため、議事に入りましたら、カメラ機能は通常オフにしていただきますようお願いいたします。ご発言の際は、画面上の挙手ボタンを押していただき、委員長からのご指名を受けた後、マイクをオンにしてご発言いただきますようお願いいたします。また、ご発言後はオフにしていただきますようお願いいたします。
 それでは、会議の開催に当たりまして、環境省大臣官房審議官の針田から一言ご挨拶申し上げます。
【針田審議官】 ただいまご紹介いただきました環境省の針田でございます。
 本日は、お忙しい中、ご参加いただきまして、誠にありがとうございます。
 有害大気汚染物質につきましては、平成8年の大気汚染防止法の改正により制度化されたものでありまして、有害性の程度や健康リスクがある程度高いと考えられる優先取組物質につきまして、科学的知見に基づき、順次、環境基準や指針値を設計するとともに、事業者による対策等を進めてきた結果、大気環境中の有害大気汚染物質の濃度は概ね改善されてきていると考えております。
 一方、例えば、優先取組物質の一つであります酸化エチレンにつきましては、近年、国際がん研究機関(IARC)が、人に対する発がん性があることを示しており、我が国におきましても、化審法の3省合同会合において、吸入経路の発がん性として有害性評価値が示されるなど、人リスクが徐々に明らかになってきているところでございます。
 そこで、有害大気汚染物質の排出抑制対策につきまして、専門的、自主的な事項を検討することを目的に、本年8月の大気・騒音振動部会におきまして、本専門委員会の設置がされたところでございます。
 本日は、その第1回目の会議でございますが、酸化エチレンにつきまして、現状について説明したのち、事業者による自主管理の促進のための取組につきまして、ご審議いただければと考えております。忌憚のないご意見をいただくとともに、時間の許す限りご審議いただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 本日は、どうぞよろしくお願いいたします。
【太田大気環境課長】 続きまして、本日の出席者のご紹介をさせていただきます。
 第1回目の専門委員会でございますので、委員の皆様方と事務局の紹介をさせていただきます。五十音順にご紹介させていただきたいと思います。
 まず、国立医薬品食品衛生研究所の井上委員でございます。
【井上委員】 よろしくお願いいたします。
【太田大気環境課長】 次でございますが、日本化学工業協会の尾崎委員でございます。
【尾崎委員】 よろしくお願いいたします。
【太田大気環境課長】 東京都環境科学研究所の加藤委員でございます。
【加藤委員】 よろしくお願いいたします。
【太田大気環境課長】 横浜国立大学の亀屋委員でございます。
【亀屋委員】 よろしくお願いいたします。
【太田大気環境課長】 国立環境研究所の菅田委員でございます。
【菅田委員】 よろしくお願いいたします。
【太田大気環境課長】 同じく、国立環境研究所の鈴木委員でございます。
【鈴木委員】 よろしくお願いします。
【太田大気環境課長】 なお、鈴木委員におかれましては、中央環境審議会の運営規則の規定に基づきまして、大気・騒音振動部会長より、本専門委員会の委員長のご指名を受けていらっしゃいますので、ご報告させていただきます。
 続きまして、大阪府環境農林水産部の萩野委員でございます。
【萩野委員】 よろしくお願いいたします。
【太田大気環境課長】 全国地域婦人団体連絡協議会の林委員でございます。
【林委員】 よろしくお願いいたします。
【太田大気環境課長】 日本医師会の細川委員でございます。
【細川委員】 よろしくお願いします。
【太田大気環境課長】 最後に、国立環境研究所の松本委員でございます。
【松本委員】 松本です。よろしくお願いいたします。
【太田大気環境課長】 以上、本日は10名の委員の皆様方全員にご出席いただいておりますこと、ご報告させていただきます。
 続きまして、本委員会の事務局をご紹介させていただきます。
 先ほど、ご挨拶いたしました針田大臣官房審議官でございます。
【針田審議官】 よろしくお願いいたします。
【太田大気環境課長】 また、大気環境課からは、私、太田と堤、奥野、粟飯原、成川が、総務課からは課長の福島、松浦、平山が出席しております。
 続きまして、本日の資料の確認をさせていただきます。
 委員の皆様方には、事前に電子ファイルで資料一式を送付させていただいておりますが、資料は1-1から2-4、参考資料は1から6でございます。今、画面で議事次第の配付資料のページを投影させていただいていますが、そちらのほうでご確認いただければと思います。
 なお、不備がございましたら、事務局までチャットなどでご連絡いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、これ以降の議事進行につきましては、鈴木委員長にお願いしたいと思います。
 鈴木委員長、よろしくお願いいたします。
【鈴木委員長】 改めてお願いいたします。鈴木でございます。
 皆様には、ご多忙のところ、お集まりいただきましてありがとうございます。中央環境審議会大気・騒音振動部会長より、本専門委員会に指名された鈴木でございます。よろしくお願いいたします。
 専門委員会の司会は初めてでございますので、不慣れのところもございますが、何とぞ円滑な審議にご協力いただきますようお願いいたします。
 では、早速議事に入らせていただきます。
 まず、議題の(1)有害大気汚染物質排出抑制対策等専門委員会の設置について、まず、この検討を進めるにあたりまして、本専門委員会で何を議論するのかを確認しておきたいと思います。事務局からご説明をお願いいたします。
【奥野課長補佐】 環境省大気環境課の奥野から、専門委員会の設置について、資料1-1から1-3を用いて説明させていただきます。
 まず、資料1-1をご覧ください。
 「中央環境審議会大気・騒音振動部会の専門委員会の設置について」でございます。
 中央環境審議会議事運営規則第9条第1項において、部会は必要に応じ、専門の事項を審議するため、専門委員会を設置することができることとなっております。冒頭の挨拶でも説明がありましたとおり、有害大気汚染物質排出抑制対策等専門委員会の設置につきましては、本年8月25日に書面開催されました大気・騒音振動部会の結果、9月5日に設置が了承されましたので、1の委員会に新たに追加されております。
 本専門委員会における所掌事務につきましては、次のページの7のとおりでして、有害大気汚染物質の排出の抑制等に関する専門の事項を調査するということになっています。
 なお、有害大気汚染物質による健康リスクの評価につきましては、一つ上の6有害大気汚染物質健康リスク評価等専門委員会において審議されるため、本委員会では扱わないこととして役割を明確にしております。
 続きまして、資料1-2を用いて、本専門委員会が設置された趣旨、背景等について説明させていただきます。
 1設置の趣旨でございます。
 平成8年の大気汚染防止法の改正により、有害大気汚染物質対策の制度化がなされ、同年10月の中央環境審議会答申「今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(第二次答申)」において、有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質及び、その中で有害性の程度や健康リスクがある程度高いと考えられる優先取組物質が掲げられました。
 優先取組物質につきましては、科学的知見に基づき順次、人の健康を保護する上で維持されることが望ましい目標値である環境目標値を設定するとともに、事業者による様々な自主的な排出抑制対策が推進された結果、目標量を上回る排出量の削減が図られ、大気環境中の濃度も概ね改善されるなど、一定の役割を果たしてきました。
 一方、現時点で環境目標値が設定されていない物質につきましては、有害大気汚染物質健康リスク評価等専門委員会における設定に向けた検討と併せて、排出抑制対策を推進する必要があることから、本専門委員会が新たに設置されました。
 本専門委員会では、2の主な調査検討事項に記載のとおり、有害大気汚染物質の排出抑制対策の検討やモニタリング体制のあり方について調査検討を行うことになっています。
 資料1-3につきましては、先ほどご紹介させていただきました本専門委員会でご審議をいただく先生方の委員名簿となっています。
 説明は以上となります。
【鈴木委員長】 はい、ありがとうございました。
 それでは、ただいまの資料1-1から1-3につきまして、ご質問、ご意見がございましたらお願いいたします。ご発言される際は、挙手ボタンを押していただくか、お名前を名乗っていただきますと私が指名いたしますので、その際にご発言をお願いいたします。いかがでしょうか。
 では、尾崎先生、お願いします。
【尾崎委員】 資料1-2のところなんですけども、私、今、調査検討委員会のほうに参加しているということで、今回、対策専門委員会は初めて参加させていただくんですけども、一番下のパラグラフのちょっと上のところに、「排出抑制対策を推進する必要がある」というふうに書かれているところがあるんですけれども、これは、その今ある調査検討委員会のほうに働きかけるのか、国に働きかけるのか、団体に働きかけるのか、そこら辺がちょっと分からなかったので、ちょっと教えていただきたいなと思うんですけれども。
【奥野課長補佐】 ご意見ありがとうございます。
 この排出抑制対策につきましては、排出抑制をどのように進めていくのかといったところを、この専門委員会でご審議いただきたいということで書かせていただいております。後ほどご説明させていただきますけれども、この有害大気汚染物質の排出抑制につきましては、国、地方自治体、業界団体の皆様方、事業者の皆様等、皆で削減対策を進めていきたいと考えております。
【尾崎委員】 ご回答ありがとうございました。承知しました。
【鈴木委員長】 はい、ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
(なし)
【鈴木委員長】 はい、どうもありがとうございました。では、もしご質問・ご意見がないようでしたら、次の議題に移らせていただきます。
 では、次の議題の(2)酸化エチレンの対策についての議題に移ります。
 本議題は資料が多いので、まずは資料2-1について、事務局からご説明をお願いいたします。
【奥野課長補佐】 それでは、資料2-1を用いて、酸化エチレンの使用・排出実態及び排出抑制対策について説明させていただきます。
 本日、有害大気汚染物質のうち、酸化エチレンの大気汚染対策についてご審議いただくため、その背景、酸化エチレンの使用・排出実態、排出抑制対策について、まずは説明をさせていただきます。
 酸化エチレンの説明を行う前に、大気汚染防止法で、酸化エチレンが該当します有害大気汚染物質について説明させていただきます。
 有害大気汚染物質は、平成8年の大気汚染防止法の改正により、「継続的に摂取される場合には人の健康を損なうおそれがある物質で大気の汚染の原因となるもの」と規定されておりまして、中央環境審議会の答申において該当物質が選定されています。選定に当たっては、他の化学物質関連施策との整合を図りつつ、有害性、暴露性の判定等を行い、まずは、有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質、A分物質を選定することとしておりまして、現在、248物質が選定されています。このうち、健康リスクがある程度高いと考えられる物質をB分類物質、優先取組物質として、さらに、その中で排出を早急に抑制する必要がある物質をC分類物質、指定物質として選定することとしております。現在、優先取組物質として23物質が、指定物質として3物質が選定されておりますが、酸化エチレンは、この中で優先取組物質に該当しております。
 なお、分類ごとに、国、地方自治体、事業者の役割がそれぞれ定められておりまして、優先取組物質につきましては、国は環境目標値の設定を、地方自治体は常時監視・モニタリングを、事業者は排出抑制対策を、それぞれ実施することになります。
 3ページですが、優先取組物質の環境目標値をまとめております。環境目標値とは、健康リスクが高いと評価される物質について、人の健康を保護する上で維持されることが望ましい大気環境濃度で示された目標値です。環境目標値としては、現在、環境基準及び指針値が定められており、平成9年以降、科学的知見の集積された物質から順次、設定が進められております。酸化エチレンにつきましては、左下の環境目標値未設定の物質に含まれますが、現在、この設定に向けて検討を進めているところでございます。
 4ページ以降は、酸化エチレンの説明となります。酸化エチレンの概要ですが、酸化エチレンは、別名エチレンオキシド、エチレンオキサイドとも呼ばれておりまして、国際がん研究機関(IARC)の発がん性分類において、「ヒトに対する発がん性がある」とされるグループ1に分類されています。
 物理化学的性状は左下のとおりでして、常温では無色の気体として大気中に存在します。
 加水分解による半減期を右の図で示しておりますが、半減期は、pHと温度に依存しており、20℃の環境下の場合では、pHが7であれば20日程度ですが、pHが2の強酸であったり、pHが13の強アルカリの条件下では、1日から2日となります。
 5ページですが、酸化エチレンの大気環境中濃度と国内生産量を示しております。
 左側のグラフが大気環境中の酸化エチレン濃度の推移となります。大気環境中の酸化エチレン濃度は、平成12年度から令和2年度にかけて、長期的に見れば低下傾向にございますが、参考までに、化審法上のリスク評価(一次)評価Ⅱにおいて、平成30年に導出されております有害性評価値(0.092μg/m3)と各地点の測定結果を比較したところ、下表のとおり、有害性評価値を超過している測定地点数は令和2年度の実績で237地点中26地点となってございます。このような結果から、酸化エチレンの排出抑制対策の取組を加速させる必要があると考えております。
 酸化エチレンの国内生産量は右側のグラフになります。国内生産量は、概ね80万トンから100万トンの間で変動しておりまして、ほぼ横ばいという結果となっています。
 続きまして、酸化エチレンの用途となります。酸化エチレンは、化学工業において、石油から酸化エチレンを製造し、界面活性剤やエチレングリコールなどの合成原料や、医療機器等の滅菌・消毒ガスとして用いられています。滅菌・消毒ガスの具体例としては、医療機器製造業が、製品を出荷する前に実施する滅菌であったり、病院や滅菌代行業が行う使用済み医療機器の滅菌などが挙げられます。
 続きまして、酸化エチレンの使用実態となります。平成29年度から令和元年度までの滅菌・消毒用酸化エチレンの出荷量と使用量のグラフとなります。このグラフですが、出典に記載の業界団体によるアンケート結果を基に作成しておりまして、左側のグレーの縦棒が出荷量、右側の色が分かれている縦棒が使用量となります。この結果より、出荷量と各業界団体における推計使用量の合計が、それぞれ約1,000t/yで、概ね一致していることから、本アンケートを実施いただいた業界団体で、消毒・滅菌の使用実態をおおよそ網羅できているものと考えられます。
 続きまして、排ガス処理装置の効果について、環境省が令和元年度、2年度に実施した結果を用いて説明します。
 下の表ですが、医療機器等製造業、病院などの業種区分ごとに、排ガス処理装置を設置している事業所と設置していない事業所の排気口濃度を令和元年度に、敷地境界周辺環境の大気環境中濃度を令和2年度に、それぞれ測定した結果を掲載しております。
 なお、敷地境界と周辺環境につきましては、4方位4地点ずつ測定を行っています。
 この結果、各業種とも、滅菌装置からの排気口濃度は、排ガス処理装置を設置している場合の方が、設置されていない場合に比べて大幅に低いことが確認されます。また、敷地境界や周辺環境の濃度も、排ガス処理装置が設置されている場合の方が、設置されていない場合に比べて低い傾向であることが確認されました。
 以上の結果から、排ガス処理装置を設置することが、大気環境中酸化エチレン濃度の低減に効果的であると考えることができます。
 なお、本調査の中で、酸化エチレンを水に溶かして排出する病院において、その排水が流れる敷地内の排水ますの直上の空気を測定したところ190μg/m3と高い濃度が確認され、排水経路中から再揮散する可能性が示唆されることも確認されました。
 続きまして、9ページですが、こちらは、環境省が、令和2年度に、酸化エチレンを製造・使用する事業者が立地する化学工業地帯において大気環境中濃度を測定した結果となります。この結果から、この地域は5ページにお示ししました全国の大気環境モニタリング結果の平均、令和2年度は0.07μg/m3ですが、この値と比べて全体的に高いことが確認されました。
 また、図の赤枠になりますが、酸化エチレンを製造・使用し、その排ガス処理を行う事業場の排水を処理する下水処理場の敷地境界で最大1.9μg/m3が検出されました。
 なお、令和3年度の追加調査において、その下水処理場の脱臭装置からの排ガス中の酸化エチレン濃度を測定したところ、最大4,500μg/m3という結果がございます。
 続きまして、10ページですが、酸化エチレンの業種別の大気・水域排出量の推計結果となります。こちらのグラフですが、業界団体のアンケートやPRTRの届出データから、平成30年度の大気・水域への排出量を推計した結果となります。平成30年度の酸化エチレンの排出量は約280tで、このうち、全体の約3分の1、36%が医療機器等製造業、同じく、約3分の1、32%が病院、医療関連サービス業が全体の6分の1の17%、化学工業とその他の製造業が残り約6分の1となっておりまして、この結果から、全ての業種において、酸化エチレンの排出量を削減していく必要性というのが示されていると考えております。
 続きまして、酸化エチレンの排ガス処理方式と排ガス処理装置の設置状況についてです。酸化エチレンの処理方式としては、主に4つの方法があります。酸化触媒により酸化エチレンを分解する触媒方式、酸化エチレンガスを燃焼させる燃焼方式、それらを組み合わせた触媒燃焼方式、また、薬液にガスを通してエチレングリコールに加水分解するスクラバーなどの加水分解装置などがございます。このうち、触媒方式、燃焼方式、触媒燃焼方式につきましては、メーカーのカタログ値によると、除去率は約99.9%となっています。
 下が業種別の排ガス処理装置の設置状況でございます。業種ごとに設置率に差異がございます。病院においては、病床数が増えるにつれて排ガス処理装置の設置率が高くなるという傾向が確認されています。設置率ですが、まだ低い値の業種もあるという状況です。
 12ページでは、業種ごとの排ガス処理方式の割合を示しております。医療機器製造業、医療関連サービス業、病院では、青色の触媒方式や緑色の触媒燃焼方式が主流であるのに対して、化学工業ではオレンジ色の加水分解方式が主流という結果でした。
 ここからは参考となりますが、13ページに、本年3月にとりまとめを行いました排ガス中の酸化エチレンの暫定測定方法、14ページに、条例において酸化エチレンの大気排出に関する規制を行っている5都府県の規制内容についてまとめております。
 なお、酸化エチレンの暫定測定方法につきましては、参考資料4として添付させていただいておりますが、こちらの方法を用いて積極的に測定を実施いただくよう、本年4月に、業界団体や自治体に依頼したところでございます。
 資料2-1の説明は以上となります。よろしくお願いします。
【鈴木委員長】 はい、ありがとうございました。
 それでは、まず、ただいまの資料2-1のご説明につきまして、ご意見、ご質問等をお願いいたします。挙手ボタン、あるいはご発声でお願いします。
 じゃあ、尾崎委員、お願いします。
【尾崎委員】 ここの円グラフの10ページと、棒グラフ7ページのところですね、ちょっと感じるところがあるんですけど。この7ページ目のところの使用量ですね、これ、青が医療機器等製造業ですか、で、赤が病院。あと、緑のところが医療関係サービスということで、大体その令和元年度で見てみると、968tという形で数字が上がっているんですけども、それに対して、この10ページ目の円グラフですね、これの、多分同じ色で、多分カテゴライズされているんだと思うんですけど、青、赤、緑というところで、99、88、47というところで、合計すると234tですね。で、これは、考え方としては1,000tを購入して、234tを、まだどこかに排出しているという感じというふうに理解することができますよね。で、その残りというのは、これは確実に処理されたというふうに理解すべきなんでしょうかね。
【奥野課長補佐】 ご質問ありがとうございます。
 7ページでお示ししておりますのは、この事業で使用されている量、12ページでお示しさせていただいていますのが、大気中に実際に排出されている量でして、この差分については、処理施設の効果がでているというふうに考えております。
【尾崎委員】 で、その12ページ、今、処理方法のこの円グラフがあって、大体こういう形で燃焼処理されているという形を、この割合と転化率って多分あると思うんですけど、そのところで計算すると、大体このマテバラというんですかね、その確かめ算というか、そこら辺は合ってくる形なんですかね。1,000t入れて234t出ていますよと。で、その残りの750t、760tぐらいは、この12ページ目の、いろんな、あらゆる処理方法によって除外されているということであると、大体こう感覚的に合ってくるという、そんな感じなんでしょうかね。
【奥野課長補佐】 1点、説明を補足させていただきますと、7ページにつきましては、説明のところでも書かせていただいているんですけれども、滅菌・消毒用の酸化エチレンに限られた量になっています。
【尾崎委員】 青いところですか。
【奥野課長補佐】 青と赤と緑です。
【尾崎委員】 ああ、なるほど。
【奥野課長補佐】 出荷には化学工業は含まれていないようになっています。
【尾崎委員】 まあ、そうですね、化学工業は234tの中に入ってない、入れてないんで、あれなんですけども、それでも大体の処理方法で、転化率がこのぐらいということで計算すると、大体合ってくるのかなというのをちょっと知りたかったんですよね。
【奥野課長補佐】 そうですね。
【尾崎委員】 ちょっと時間があるときに、また教えてください。
【粟飯原係長】 こちら、粟飯原から回答させていただきますと、こちらの転化率ですが、7ページ目の使用量のグラフ、及び11ページ目の排ガス処理装置の設置率のデータが載っております。こちらの設置率のデータ及び酸化エチレンの使用量、こういったところを使いながら計算させていただいた円グラフになっておりますので、その意味では、排ガス処理装置の設置の実態と、この使用量を踏まえて、この円グラフを作っているというようにご理解いただければと思います。
 以上でございます。
【尾崎委員】 ガス処理の方法の割合はそのまま、くればいいんだけど、その、いろんな各業界にわたったその酸化エチレンが、ちゃんとそういった処理を経て、こういう形に最後、落ちていますよというところが、ちゃんとそれが合っているのか、つじつまが合っているのかなというのが、ちょっと知りたかったんですよ。最後のこの12ページ目のところに関しては、それは直上のところの設置率とか、その除去率から多分計算ができると思うんですけどね。で、それとこの実態の、そのなりわいを、なりわいにしている量がちゃんと合っているのかなという、そういうことをちょっと質問したかったんです。
 ちょっと、だからぶつ切れになっているなと、それぞれが。だけど、ずっとこう上流から流していったときに、ちゃんとその最後、出ていく、大気なり水域に出ていくところの量が、その設置率、除去率の数字と合っている、合っていますかということをちょっと聞きたかったんです。
 多分、今、答えられることじゃないと思うんで、また時間があったら教えてください。
【奥野課長補佐】 はい、またご説明させていただこうと思います。
【鈴木委員長】 はい、ちょっと事務局では、今日かどうか分かりませんが、必要に応じて検討してください。
 尾崎委員ありがとうございます。また……
【尾崎委員】 ちょっと、もう一個あるんですけど、よろしいでしょうか。ちょっとお時間、申し訳ないんですけど。
 5ページ目のところの上のところに有害性評価値というのがありますよね、0.092というのがあるんですけども、ちょっとこれは、私は、もうど素人なんで、よく分かりませんけど、これと、何というんですかね、これは、もう端的に言ったら、暴露をした、この、0.092よりも数字が、その環境値がその人間がいるところで低かったら、リスクはないというふうに、そういう理解ですよね。
【奥野課長補佐】 そうですね。
【尾崎委員】 そうですね。で、ここのところで、こういう数値が既に決まっているにもかかわらず、今度は、その指針値ですか、指針値、11物質に指針値が決まっているやつがあるんですけど、ここに入れるに当たって、0.092を、また新たに変えていくような動きになるんですかね。なるとすると、何か、この有害性評価値というものの意味は何なんですかということですね。指針値とその有害性評価値のこの関係性というのがよく分からなくなっちゃうなという、そんな気がするんですけども。
【奥野課長補佐】 説明させていただきます。
 有害性評価値ですが、化審法上の第二種特定化学物質への指定等への規制権限の行使の必要性について判断することを目的に、段階的情報収集に基づいて実施される、人健康影響に関するリスク評価において導出される値でして、TDIやADI等に相当するものでございます。
 最新の有害性評価値は、化審法リスク評価において導出されているものですけれども、化審法に基づく有害性評価値の設定の方法というのがございまして、大気汚染防止法に基づく有害大気汚染物質に設定される環境基準や指針値等の環境目標値とは少し位置づけが異なるものであるというところはご理解いただきたいと思っております。環境基準値や指針値の環境目標値については、現在、科学的知見を収集し、検討を進めているところでございます。
【尾崎委員】 あれですか、その化審法に基づくデータと、環境に関する、その対するその値というのは同じじゃなかったでしたっけ。違うものなんでしたっけ。環境にも適用するというような、そういうイメージだったんですけども、そういう理解だったんですけど、違いましたっけ。
【粟飯原係長】 もちろん、化審法のほうで調査いただいている諸々の情報については参考とさせていただきつつも、大気環境中の目標値としてふさわしいような値を導出するべく検討しているというように聞いております。
【尾崎委員】 ダブルスタンダードがあるというふうに理解すればいいんですか、ここは。
【粟飯原係長】 ダブルスタンダードと申しますか、この環境目標値については、あくまで大気環境中の目標値ですね。化審法の有害性評価値については、化審法に基づく流通規制ですとか、物質の取扱いを検討するための値というように聞いております。ですので、例えば、アクリロニトリルでは指針値と有害性評価値で異なる値が出てきているといったようなことが起きていたりもします。
【尾崎委員】 そういうのはまれですか。まれではない、まれ。
【粟飯原係長】 今のところ、その優先取組物質かつ優先評価化学物質で、そういった評価がされているもの、それくらいしかないというようには聞いております。
【尾崎委員】 まあ、アクリロニトリルに相当するような、ちょっと特異性があるという、そういう理解でよろしいんですかね。
【粟飯原係長】 指針値なり環境基準なりが出た場合には、そういったことが起きるかもしれませんが、現時点では、何とも言えないというのが正直なところでございます。
【尾崎委員】 ああ、そうですか、はい、分かりました。すみません。
【奥野課長補佐】 化審法と大気汚染防止法上の算出の仕方がそれぞれあるということで、ご理解いただければと思います。
【尾崎委員】 ありがとうございます。
【鈴木委員長】 はい、ありがとうございます。重要なご議論、どうもありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 亀屋先生、お願いします。
【亀屋委員】 はい、ありがとうございます。横浜国大、亀屋でございます。
 ちょっと違った質問になりますけれども、5ページ目で、酸化エチレン濃度が少しずつ減ってきているのは見てとれるわけなんですけれども、この原因としては、その排ガス処理装置等の普及が進んできたというような理解で捉えておけばよろしいでしょうか。いかがでしょうか。
【奥野課長補佐】 
 そうですね、この酸化エチレンにつきましては、既に大気汚染防止法上の優先取組物質に該当しておりまして、事業者も、自主的に対策を進めているというところがございます。そういった中で、排ガス処理装置の設置率が上がっていたりとか、あと、より処理効率が上がるような施設を導入いただいたりといったところで、濃度が下がっていると認識しております。
【亀屋委員】 はい、分かりました。ありがとうございます。
【鈴木委員長】 はい、ありがとうございます。
 それでは、加藤委員、お願いします。
【加藤委員】 今の亀屋先生のご質問にも関係するのですが、私も、この5ページの大気中の酸化エチレン濃度の減少傾向というのは、東京都のデータを見ても、同様に減少傾向にあるのですが、その理由が、大気のPRTRの排出量のデータを見ても、同じように排出量も減少傾向にあるということから、今、お話があったような排ガス処理装置の設置ですとか管理の方法が進んできたのかなというふうに思っております。そこでご質問したいのが、11ページの業種別の排ガス処理装置の設置状況なのですが、こちらは何年の設置状況なのでしょうか。
【粟飯原係長】 こちら、粟飯原から回答します。
 令和元年度及び2年度に、このアンケート調査を実施していただいておりまして、その結果をまとめたものがこちらになっております。
【鈴木委員長】 そうすると、過去は、もう少し設置状況が低いというようなデータもあるというところになるんでしょうか。
【粟飯原係長】 環境省として持っているデータとして、排ガス処理装置の設置状況のデータは、この時点のものしかないところでございます。
【加藤委員】 これから排出抑制対策などを考える上で、どういったところが効果的なのかということを、現在、減少傾向が見られている中で、その辺りも少し解析されるといいのかなと個人的に思いました。
 以上です。
【奥野課長補佐】 ありがとうございます。
 排出量だけではなくて、こういった処理方法の変動といいますか、移り変わりも調査していきたいと思っております。よろしくお願いします。
【加藤委員】 ありがとうございます。
【鈴木委員長】 ありがとうございました。
 尾崎委員、もう一度でしょうか、お願いいたします。
【尾崎委員】 今のデータは、環境関係の化学業界のところのPRTRのデータと、このページ、5ページ目の右肩下がりのデータは非常にリンクしておりまして、我々も平成12年、2010年ぐらいから、相当自主的に下げてきたと、そういう自覚がありますので、ここら辺の、その右肩下がりに関しては、化学業界における対応が、ちょっと大きいんじゃないかというふうに考えております。
 以上です。
【鈴木委員長】 ご知見ありがとうございます。
 じゃあ、萩野委員、お願いします。
【萩野委員】 萩野です。
 処理装置をつけるというのが確実だと思うんですけれども、そのスクラバー、加水分解方式で、中性条件下では、また大気中に再拡散するというふうに書いていまして、どこかの説明でも、排水経路中から再拡散する、再揮散する可能性があるというふうにあったんですけれども、この最後の排ガス処理装置設置状況の化学工業が、80%が、この加水分解方式を取り入れているということなんですね。で、酸性スクラバーでしたら確実だと思うんですけれども、この加水分解方式80%の内訳として、酸性スクラバーなのか、中性スクラバーなのか、その辺は把握されていますでしょうか。
【粟飯原係長】 こちら、大気環境課の粟飯原から回答します。
 酸性スクラバーか、アルカリ性のスクラバーかというところは把握できていないというところでございます。といいますのも、このアンケート調査の中で聞いていく中で、そのpHまでは聞けていないと。なので、pHも運転管理の状況によりまして強酸性とは言えないような濃度・pHで管理されているようなものもあったり、状況によって排ガス処理したい物質が酸化エチレンだけではないということもございますので、なかなか、酸性か、アルカリ性かという二択では聞きづらいだろうと思います。
 以上でございます。
【萩野委員】 承知しました。
【鈴木委員長】 はい、よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
(なし)
【鈴木委員長】 もし、特にないようでしたら、次の議題、資料5に進めさせていただきます。
 私の感想ですが、今回は非常に詳細に調べていただきまして、もちろん、全てが完璧じゃないところもあるのかもしれませんが、そのぐらいしっかりと対策を考える上で、貴重な資料を出していただいたのかと思っております。いろいろご指摘、ご意見いただき、ありがとうございました。
 それでは、次の資料のご説明のほうに移らせていただきます。
 資料の2-2から2-4までの説明をお願いいたします。
【奥野課長補佐】 それでは、資料2-2から資料2-4について説明をさせていただきます。
 まず、資料2-2、事業者による酸化エチレンの自主管理促進のための方向性について(案)について説明します。
 議題(1)の、本専門委員会設置の趣旨の中でも説明させていただきましたけれども、有害大気汚染物質対策につきましては、「事業者による有害大気汚染物質の自主管理の促進の仕組みについて」に基づきまして、事業者団体が自主管理計画に基づきまして排出抑制対策を講じ、国が審議会等における取組状況のチェック・アンド・レビューを実施した結果、取組対象物質の排出量が減少し、大気環境濃度が着実に改善されています。
 一方、酸化エチレンにつきましては、先ほど、資料2-1でご説明させていただきましたとおり、事業者等により大気排出抑制に向けて様々な取組が実施されているものの、大気中のモニタリング結果において、参考までに有害性評価値と比較すると、その値を超過している地点が多数確認されているという状況でございます。そのため、事業者における酸化エチレンの大気排出抑制をより推進する必要があると考えております。
 そこで、事業者による酸化エチレン自主管理の方向性の論点としまして、2点書かせていただいております。
 まず、1点目ですが、事業者による酸化エチレン大気排出抑制をより一層推進し、酸化エチレンの大気中濃度の低減を着実に図るため、過去の有害大気汚染物質対策のスキームを活用すべきではないかということでございます。
 具体的に言いますと、資料2-3のとおり、後ほど詳細説明をさせていただこうと思いますが、「事業者による酸化エチレンの自主管理促進の仕組みについて」、資料2-4の「事業者による酸化エチレンの自主管理促進のための指針」を作成することで、自主管理を促進すべきではないか、と考えております。
 また、2点目ですが、事業者団体による自主管理計画の計画期間をどれだけの期間で計画を策定いただくのかという点につきましては、過去の有害大気汚染物質対策を参考としまして、まずは3年間、令和5年4月から令和8年3月までとしてはどうか、という点を挙げさせていただいております。
 それでは、具体的な資料2-3、2-4の説明をさせていただきます。
 まず、資料2-3ですが、事業者による酸化エチレンの自主管理の促進の仕組みについて(案)でございます。
 こちらは、平成8年に取りまとめを行いました過去の有害大気汚染物質の取組スキームを、酸化エチレンの内容にリバイスしたものになっています。前段部分につきましては、今まで説明してきました大気汚染防止法に基づく有害大気汚染物質の取組の経過や酸化エチレンの現状と自主管理促進の必要性について記載しておりますので、説明は省略させていただきたいと思いますが、酸化エチレンについては早急に排出抑制が必要である状況から、本仕組みを構築し、事業者における酸化エチレンの自主管理促進を図っていきたいというものでございます。
 下記に、各主体の役割を順番に記載しております。
 まず、①ですけれども、国は「事業者による酸化エチレンの自主管理促進のための指針」を作成し、事業者団体や地方公共団体に通知して協力を求めます。
 ②ですが、これを受けまして、事業者団体は、指針を踏まえ、事業者における自主管理の計画的実施を促進するために業種毎の「自主管理計画」を作成します。
 ③事業者は、その自主管理計画を踏まえまして、令和7年度末を目途とする客観的排出管理目標等を定めて自主管理を実施し、その達成状況を毎年度評価します。
 また、④ですが、地方公共団体において、事業者の自主管理の実施に資するよう、事業者に対して大気環境モニタリング結果の提供に努めることとしております。
 ⑤ですが、事業者団体は事業者の自主管理の実施状況をフォローアップして、その結果を国に報告し、国はその報告を大気環境状況のデータ等とともに審議会等に報告した上で、公表するものとさせていただいております。
 次のページのところで、ただし書きを書かせていただいております。②、③につきまして、会員事業者が多い等の理由で、酸化エチレンの排出実態の把握が現時点で困難な事業者団体もあると聞いておりまして、そういったところにつきましては、可能な範囲で排出実態を把握した上で排出抑制に向けた取組方針の作成に努めることを注釈として記載させていただいております。
 続きまして、資料の2-4、先ほどの資料2-3の取組①で国が定めることとしております「事業者による酸化エチレンの自主管理促進のための指針」の案でございます。
 本指針は、酸化エチレンの製造、使用等を行う者が実施すべき対策の考え方等を定めたものでございます。
 1に対策の基本的考え方をまとめておりまして、「事業者は、大気汚染防止法第18条の42に基づき、酸化エチレンの大気への排出の抑制を目的として、排出の状況を把握するとともに、排出を抑制するために必要な措置を講ずる」こととしておりまして、2で具体的な対策を掲げております。
 具体的な対策ですが、(1)情報の把握、モニタリングの実施等、(2)客観的目標の設定等、(3)排出抑制対策の実施、(4)情報の提供等という4項目を実施していただくことになります。
 まず、(1)情報の把握、モニタリングの実施等ですが、事業者は、酸化エチレンの製造・使用等の状況を把握し、物性・毒性情報等の関連する情報を入手しまして、取り扱う関係者に周知すること、また、酸化エチレンのモニタリングを適宜行い、排出状況を十分に把握し、排出抑制対策の実施に活用することとしております。この際のモニタリングには、国が定める測定法を参考に、排出の状況を把握するに当たっては、PRTRの届出の算出方法等を参考にすることとしております。
  また、地方公共団体が事業所周辺でモニタリングを実施している場合には、事業者は、可能な限りその測定結果の活用に努めることとしております。
 (2)客観的目標の設定等ですが、事業者は、その属している業種又は類似した業種において策定されている自主管理計画を踏まえ、酸化エチレンの大気への排出抑制対策として、令和7年度末を目途とする排出原単位の低減、排出量の削減等の客観的排出管理目標を定め、その達成状況を毎年度評価することとしております。
 (3)排出抑制対策の実施ですが、事業者は、その排出管理目標の達成を図るため、自主管理計画を踏まえまして、排出ガス処理装置の設置等も含めまして、現時点で利用可能な排出抑制技術の活用や、下水道及び公共用水域への排出の抑制等に努めるとともに、使用実態に応じて製造工程の変更であったり、代替物質の使用等の適用可能な対策をとるということとしております。
 最後、(4)ですが、情報の提供としまして、事業者は、取引関係がある関係事業者等に対し、酸化エチレンについての自主管理の実施の周知・要請、安全情報・技術情報の提供等を積極的に行うということとしております。
 資料2-2から2-4の説明は以上となります。よろしくお願いします。
【鈴木委員長】 はい、ありがとうございました。
 それでは、ただいまの2-2、2-3、2-4のご説明につきまして、ご意見、ご質問等をお願いいたします。
 萩野委員は下げ忘れでしょうか。でしょうかね、ありがとうございます。
 では、亀屋委員、お願いします。
【亀屋委員】 はい、ありがとうございます。
 まず、事業者によるその自主管理促進を促すといった、その考え方とか仕組みとか、その辺については異論はないところなんですが、ちょっと文言のことでお伺いしたいんですけれども、資料の2-3の①、②では、その指針を作成して求める相手が事業者団体とこうなっていて、それから、自主管理計画を作成するのも事業者団体となっているところなんですが、資料の2-4にいきますと、今度、事業者団体という言葉がなくなって、全て相手が事業者ということになるんですけれども、この辺は何か整合を図っておく必要というのはないんでしょうか。
【奥野課長補佐】 ご意見ありがとうございます。
 事業者団体の方で、まず自主管理の促進のための自主管理計画を策定していただいて、③に書いておりますとおり、事業者において、それを踏まえて対策を講じていただくということになります。その対策の考え方等につきまして、事業者向けに資料2-4でまとめさせていただいておりますので、使い分けはさせていただいております。
【亀屋委員】 そうすると、報告とかをするのも、これ、事業者が報告をすることになるんですか。それとも、事業者団体さんが、事業者団体さんの責任で取りまとめを行って、報告をするということになるんでしょうか。その辺を、ちょっと指針のほうに反映させておく必要があるのか、ないのかということをお聞きしたかった次第であります。
【奥野課長補佐】 事業者の方で対策を取っていただき、その結果を事業者団体に報告していただきます。その取組内容は⑤で書かせていただいておりますとおり、事業者団体がその事業者の取組をフォローアップして、国に報告をしていただくという流れになっております。
【亀屋委員】 分かりました。そうすると、すなわち指針の中に事業者団体という言葉は必要ないということでよろしいですね。
【奥野課長補佐】 はい、そのように認識しております。
【亀屋委員】 はい、分かりました。
 それから、今度は違う質問なんですけれども、こういった自主管理を求める、ご協力いただくに当たっては、その関連する事業者団体様に、広くご参加、ご対応いただく必要があると思うんですけれども、具体的に、どこまでの団体になりそうなのか、また、その範囲といったようなものを、今後どういった形で手続を踏んで広げていくことになるのか、その辺の手順というのはどういうふうになるんでしょうか。
【奥野課長補佐】 
 資料を共有させていただきます。先ほどの資料2-1ですけれども、こちらの6ページに、酸化エチレンがどういうところで使われているかという用途を整理しています。こちらで、ほぼ酸化エチレンの使われているところが把握できていると思っておりまして、酸化エチレンの製造であったり、酸化エチレンを中間物として使用する事業者の業界団体や、酸化エチレンガスを滅菌・消毒ガスとして使用する製造業、病院・滅菌代行業などの業界団体など、まずは酸化エチレンを大気中に排出する可能性のある事業者団体を網羅的に把握し、取組をお願いしていきたいと考えております。
 酸化エチレンの使用用途を把握できておりますので、その業を所管する関係省庁等とも連携して、業界団体を特定していきたいと考えております。
【亀屋委員】 なるほど、分かりました。
 ちょっと、また今ので、もう少し細かいところになるかもしれないんですけれども、そうしますと、その事業者団体ベースでの取組が難しいといったような、いわゆる、そのアウトサイダーといったような問題は、今回のこのエチレンオキサイドについては、ほぼないというふうに考えてよろしいんでしょうか。つまり、そのアンケートにご協力いただいた事業者団体さんに属さないような関連の事業者というのもほとんどいないというふうに考えておいてよろしいでしょうか。
【奥野課長補佐】 滅菌・消毒用途につきましては、こちら、資料2-1の7ページになりますけれども、この出荷量と使用量がほぼ一致していることから、本アンケートを実施していただきました業界団体に協力いただければ、おおよそカバーできるものと考えております。
また、アウトサイダーは本当にいないのかというお話ですけれども、このアンケート結果から、ご協力いただいた業界団体で、おおよそカバーできていると考えております。
 ただ、PRTRの届出情報などから、これらの業界団体に所属していない事業者で、排出量が多い事業者も存在するということは承知しておりまして、これら事業者に対しては、環境省が直接アプローチしていきたいと考えております。
 また、それでも把握できない事業者につきましては、業を所管する厚生労働省などの関係者と相談をしていきたいと考えております。
 以上となります。
【鈴木委員長】 はい、亀屋先生、よろしいでしょうか。
【亀屋委員】 はい、ありがとうございます。
【鈴木委員長】 どうもありがとうございました。
 そうしますと、次は、手を挙げるが入れ替わっていますけど、まず、尾崎委員でしょうか、お願いします。
【尾崎委員】 ありがとうございます。
 今の亀屋先生のご質問と同じ、この7ページ目のところなんですけど、資料の2-2のちょうど真ん中ぐらいに、事業者における酸化エチレン大気排出抑制を云々と書いてあるんですけど、やはりアウトサイダーが物すごく気になるんですよね。
 で、事業者におけるというところが非常に問題で、年間500kg未満を取り扱っていない方は事業者というのか、ちょっと分からないんですけども、その方は、もうのべつ幕なく大気放出できるという、そういう理解ですよね。で、先ほどのグラフのところにもあるんですけど、やっぱり出荷量に対して、やっぱり使用量というんですか、それが若干20tから40tぐらい少ないじゃないですか。そこら辺のところまで、隅々まで、これをやらないと、事業者と呼ばれる方々の対応を取ってみたものの、先ほどのグラフをちょっと出していただきたいんです。対応を取ってみたものの、やっぱりまだ減らないなということで、また違う手をやらざるを得ないという、一番、例えば、令和元年でも968t使用に対して、986tね、出荷しているというのもありますし、平成29年においては、結構その差額はもっとあると、40tぐらいあるということがあって、やっぱりこういうところのこの何ですか、重箱の隅かもしれませんけど、ちゃんと抑えていかないと、しっかり、真面目にやった、やっているところが何か損を見るというか、そういうことになりかねないので、ちょっと注意していただきたいなというのが1点あります。
 それから、ちょっとこれはやり方とか、文言のところなんですけど、2-4のところの(2)のところの令和7年末を云々というところから始まって、排出原単位の低減、排出量の削減等の云々とあるんですけど、これの、並列でどんどん読んでいくと、これは、排出原単位の低減&排出量の削減等というふうに見えちゃって、両方何かやっていかないように見えるんですけど、要は、大気のほうからしてみれば両方、どっちかをやれば排出量が削減されるわけですよね。ですから、このカンマとチョンは、「または」にしていただいたらというふうに思うんですよね。あらゆる手段がやっぱりあるはずなので、それはもう自主的に事業者のほうに任してもらいたいなとそういうふうに思います。
 それから、1番のところで質問なんですけど、このモニタリングを適宜行うということに関して、これは粟飯原さんが多分一番詳しいんじゃないかと思うんですけど、酸化エチレンのこのモニタリングは月に一遍ですよね、これやられているのは。
【粟飯原係長】 そうですね。
【尾崎委員】 で、これをやるに当たっては、やっぱりデータのその整合を取るためには、やっぱりこの観測点で多分やるんだと思うんですけれども、そこの周辺の事業者、病院だったり滅菌だったり、化学工業だったり、工場だったりですね、というところに歩調を合わせて、タイムラグを発生させないようなところでデータを取っていかないと、そのデータが生きないというふうに思うので、ぜひ、周りのその自治体から声をかけるのか、業界団体から声をかけるのか、ちょっと分かりませんけど、ちょっと歩調を合わせながらやった方がいいんじゃないかというふうに思います。
 以上です。
【奥野課長補佐】 ありがとうございます。3点ご意見いただいたと思っております。
 まず、1点目のアウトサイダーの話ですけれども、大気汚染防止法では、事業者による自主的な取組というのは、特に除外規定がなく、みんなで取り組むものとなってございます。ですので、今回の酸化エチレンの対策等につきましても、業界団体に属していない事業者についても、できる限り対策を取っていただけるように、我々としても、先ほども申し上げましたとおり、把握できるところについては環境省が直接苦労するなり、また、色々な業を所管する関係省庁とも相談をしながら、不公平が生じないような、そういう対策を進めていきたいと考えております。
 2点目ですけれども、この資料2-4の(2)のところ、何を目標にしていただくのかということで、例示的に原単位の低減であったり、排出量の削減ということを並列に書かせていただいているのですが、誤解が生じているということであれば、書きぶりを含めて、一度、より分かりやすいように検討をさせていただきたいと考えております。
 3点目ですが、地方公共団体が実施するモニタリングと事業者の測定のタイミングが合わないともったいないんではないか、というご意見につきましては、ご指摘のとおりかと思っておりまして、どういうふうにすればうまく進めていけるのかといったところも、今後、意見交換等をさせていただきたいと考えております。
 以上となります。
【尾崎委員】 ありがとうございました。
【粟飯原係長】 少し補足しますが、この地方公共団体における有害大気汚染物質のモニタリングにつきましては、我々のほうで事務処理基準ですとか、モニタリングの地点設定のガイドラインというものも発出させていただいておりまして、その中で地点のどういうところを選べばいいのかと、例えば、固定発生源周辺の調査をする場合は、どのように考えればいいのか等をお示しさせていただいているところではございます。
 その中で、日常的な状況、平均的な状況を把握していただこうというのが、このモニタリングの大きな意義かと思っておりまして、具体的なところは地方公共団体の皆様にご判断いただくことにはなろうかとは思いますが、その平均的な状況を把握できるようにモニタリングしていただきたいというようには考えているところでございます。
 補足は以上でございます。
【尾崎委員】 ありがとうございました。
【鈴木委員長】 ありがとうございました。
 それでは、萩野委員、お願いします。
【萩野委員】 今、モニタリングの話が出ましたけども、この資料2-4の事業者による指針は、事業者さんが、自分のところの排出ガスの状況を把握するために排ガスを測定するという意味の、ことだと思うんですね。通常モニタリングといいますと自治体が、先ほど説明がありましたように月一回、法に基づいてやっているモニタリングを、法に基づいてやる測定をモニタリングと言っているんですけども、ここに書くべきは、モニタリングという言葉ではなくて、事業者による排出状況の把握、あるいは排ガスの測定、そういう文言に変えたほうが適当ではないかと思います。
【奥野課長補佐】 ご意見ありがとうございます。
 いただいたご意見を踏まえまして、地方公共団体のモニタリングと事業者が実施する測定が分かりやすいよう、検討をさせていただきたいと思います。
 
【萩野委員】 よろしくお願いします。
 もう一点なんですけども、大阪府というのは、条例に基づきまして処理装置をつけるように義務づけをしているところなんですが、それでも、環境中の濃度が有害性評価値、これを超える地点というのが何か所かありますので、ここに示された方向性のとおり、個々の事業者さんによる自主的な管理の促進、それによる排出抑制を進めていくということは必要だと思っております。
 で、その実効性を高めるためには、やっぱり国のチェック・アンド・レビューというのが非常に大事だと思うんですけども、それが仕組みの中に書かれていないんですが、仕組みの中にチェック・アンド・レビューという言葉はないけども、この5番ところで、国はしっかりやりますというふうに理解してよろしいでしょうか。
【奥野課長補佐】 
 資料2-3の⑤のところで、事業者団体の取組状況を国が報告を受けまして、審議会等に報告ということを書かせていただいていますが、そういったところで、しっかりチェック・アンド・レビューをしていきたいと考えております。
 また、後でご報告させていただこうと思っていたんですけれども、今後、そういうチェック・アンド・レビューのやり方につきましても、この専門委員会でご審議いただきたいと考えております。
 以上となります。
【萩野委員】 了解しました。ありがとうございます。
【鈴木委員長】 はい、ありがとうございました。
 それでは、松本委員、お願いします。
【松本委員】 松本です。
 先ほどの亀屋先生のご意見とか、今の萩野先生のご意見とかともちょっと関連するかと思うんですけれども、資料2-4の指針に、事業者という言葉しかなくて、事業者団体という言葉はなくてもいいというようなお答えでしたけれども、環境省さんのほうの、資料2-3の⑤の「事業者団体は事業者の自主管理の実施状況をフォローアップして、~」という内容は、やはり指針に載せたほうがよいのではないかと思いました。
 また、自主管理促進のための指針ということですけども、先ほどの国の役割についても、指針に何らかのことは記載されているほうがよいのではないかと思いました。
 それから、資料2-4の(3)のところにあります排出抑制対策なんですけれども、1ページ目から2ページ目にかけて、「排出ガス処理装置の設置を含め、現時点で利用可能な排出抑制技術の活用や~」というふうに書いてあるんですけれども、実際には、排出ガス処理装置の設置以外に、どのような排出抑制技術があるのかということを、教えていただきたいと思いました。
 以上です。
【奥野課長補佐】 
 2点ご意見いただいておりまして、まず、2点目、排ガス処理装置の設置以外にどのような削減対策、排出抑制対策があるのかというところですけれども、酸化エチレンの使用の管理、運転方法等によって使用量自体をそもそも減らすということであったり、また、酸化エチレン以外のものに代えるという代替といったところも、排出抑制につながるものと考えております。
 もう1点のところにつきまして、指針に国や事業者団体のことを盛り込むべきではないか、というご意見かと思いますが、資料2-3のところで全体の取組、国であったり、事業者団体の役割の中で、事業者団体は事業者の取組を吸い上げていただいて、それを国に報告をし、国もしっかりチェック・アンド・レビューをするという、そういう流れ、それぞれの役割をしっかり明記したいと思っておりまして、資料2-4につきましては、事業者の取組を中心にまとめさせていただいてございます。
 資料2-4のところに書けるのかいうところは一度検討させていただきたいと思います。
 以上となります。
【松本委員】 分かりました。
【鈴木委員長】 よろしいですか。はい、どうもありがとうございました。
 では、井上先生、お願いします。
【井上委員】 はい、ありがとうございます。
 私も、さっきから議論に上がっているアウトサイダーについて気になっていたところなんですけれども、この資料2-3のつくりが、その事業者団体あっての文章になっているつくりになっていると思っていて、アウトサイダーについては、今後、なるべく手広く声をかけていくということだったんですけども、そういうことを考えると、このつくりで大丈夫かなというのが1点と、その目標を設定するという記載がありますけども、その目標というのは、何か具体的に数字を設定していただくのか、国がここまで頑張ってくださいというのか、その辺りのプランというのは、何か具体的にあるのでしょうか。その辺を教えてください。お願いします。
【奥野課長補佐】 はい、ありがとうございます。
 まず、2点目につきましては、目標につきましては、具体的な数字など、基本的には事業者団体で作成いただくものですので、国が定めるものではないと考えております。ですので、具体的な数字も含めて、事業者が自主的な取組として、まず、ご検討いただくことになると考えております。
 もう1点、アウトサイダーですけれども、先ほどからお伝えしておりますとおり、今回のスキームにつきましては、事業者団体の方で、まず自主管理計画をつくっていただいて、それに基づいて事業者に取り組んでいただくという話ですけれども、そこに属さない事業者につきましても、それは別途、国で把握しながら、対策を進めていきたいと考えております。
【井上委員】 追加のコメント、よろしいでしょうか。
【鈴木委員長】 はい、ありがとうございます。
【井上委員】 ありがとうございます。
 さっきのアウトサイダーについて、パワポの資料で示していただいたところは、主に病院などの医療関係のデータもあったかと思うんですけども、そこには、パワポの最初のほうの資料にあったような、例えば動物病院であったり、文化財の燻蒸等で使うような業界とかも入っているのかということを教えていただきたいのと、目標についてですけれども、今までの別の物質の管理に、排出抑制の対策に当たっても、今回の案と同じように、事業者が目標を設定している状況で減ってきているという体制ができているのか。つまり、目標設定を事業者に任せるというのは、何となく人任せ感を感じてしまうんですけど、事業者に任せても減るという体制ができているのかというところを教えてください。
【奥野課長補佐】 ありがとうございます。
 まず、ご意見いただきました1点目、動物病院の業界団体であったり、文化財の業界団体等ですが、そういったところにつきましても、酸化エチレンは基本的に、今、使われていますので、使われている業界団体については、働きかけをしていきたいと考えております。
【粟飯原係長】 すみません、補足させてください。こちらの次のページにお示ししておりましたグラフに、この文化財の燻蒸用途ですとか、動物病院の関係が含まれているかというご質問だったかと思いますが、出荷量の線、こちら、日本産業・医療ガス協会様のデータになっておりまして、こちらには入っているものというように考えております。
 一方で使用量につきましては、当該事業者の業界団体様からのデータを頂いておりませんので、入っていないものというように考えております。その意味で申し上げますと、出荷量と使用量の差は、ほぼほぼないといいますか、おおよそは1,000t/yで一致しているというような状況でございますので、使用量としては僅かだろうと想像しているところでございます。
 補足は以上でございます。
【奥野課長補佐】 今ここに集計をしている業界団体以外のところの使用量というのは、それほど多くはないとは思うんですけれども、この自主的な取組は進めていただきたいと考えております。
 もう1点、事業者の目標設定が、事業者様任せで問題ないのか、というところにつきましては、業界団体とも意見交換をさせていただきながら進めていきたいと考えており、しっかり大気中の濃度が下がっていくように進めていきたいと考えております。
 以上となります。
【鈴木委員長】 はい、井上先生、よろしいでしょうか。
【井上委員】 ありがとうございます。
 先ほどのグラフが下がっていて、かつ、今のところの有害性評価値よりも低い箇所が減っているということを目指していたと思うので、はい、以上です。ありがとうございます。
【鈴木委員長】 ありがとうございます。
 では、菅田委員、お願いします。
【菅田委員】 はい、ありがとうございます。菅田です。
 こういった資料2-4のような指針を出したときに、物事がどう動くかというのがちょっと疎くて分かっていないかもしれないんですが、私が、この指針を読んだ感想は、各事業者さんは、具体的に何を目指して自主的な管理をすればいいのかが、これで伝わるのかどうか、具体的でないように感じてしまったわけです。それで、お尋ねしたいのは、例えば、指針にもう少し何か具体的に書き込むことが可能なのかとか、あと、こういう指針を出すときには、実際にはいろんな参考資料をつけて、もうちょっと伝わるようにするのか、そういったところをお尋ねしたいと思います。
 といいますのは、地方公共団体によるモニタリングで、その目標値を下回るというのは必要だとは思うんですけれども、健康影響を考えると、実際には、各排出口濃度とか、敷地境界での濃度といったものがある程度低くないと、十分ではないと思いますので、その辺りの考え方とか、方向性をどうやって示すのかとか、示さなくていいのかというのが根っこにあっての質問です。
【奥野課長補佐】 
 指針の中でもう少し具体的に記載し、事業者に伝わるようにというご意見かと思うんですけれども、排出抑制対策につきましては、現状のところでも説明させていただきましたとおり、処理装置がついていない事業者が多いということから、まず、設置を少しでも進めていただきたいということを対策で書かせていただいております。
 ご指摘の具体的でなくて伝わりにくいのではないか、といったところにつきましては、この指針の中で書き込むべきなのか、またご提案がありましたが、別のものでしっかり伝わるように伝えるべきなのか、少し検討させていただければと思います。
【菅田委員】 はい、ご回答ありがとうございます。そのようにお願いします。
 なんかこれを見て一律、業界一律何割減みたいに向かうよりも、例えば、処理装置の設置割合を大幅に増やすといったほうが多分望ましい方向だと思いますので、そういうのが伝わるようにという思いで質問しました。
 どうもありがとうございました。
【奥野課長補佐】 ありがとうございます。
【鈴木委員長】 はい、ありがとうございました。
 ほか、いかがでしょうか。
(なし)
【鈴木委員長】 もしないようでしたら、ちょっと私から一つ確認させていただきたい。今、幾つかこの資料2、3、4の質問がありましたが、これは、たしか過去に、ほかの物質について自主管理の取組を業界にお願いしたときとほぼ同じ構造になっているのではないかなと思うんですが、それは正しいでしょうか。
【奥野課長補佐】 はい、間違いないです。
【鈴木委員長】 それには、例えば、幾つかご質問がありました2-3で事業者団体が書いてあり、2-4には事業者と書いてあるという辺り、多分、たしかほかのものもそうだったような気がするんですが、大体同じでしょうか。
【奥野課長補佐】 参考資料6で、平成8年に有害大気汚染物質の自主管理の指針をつくった時の資料をつけさせていただいておりますが、この3ページ目のところが、「事業者による有害大気汚染物質の自主管理促進の仕組みについて」となっています。この冒頭部分は違うんですけど、基本的には、その「記」以降の立てつけは、基本的には変わっていないというものになっています。
 また、指針につきましても、対策の基本的な考え方や、具体的な対策、事業者が取り組むべきこととして4点書かれてあります。この構成は変えず、酸化エチレンの現状に合うように、文言を修正させていただいており、基本的には変わらないということでございます。
【鈴木委員長】 はい、分かりました。
 そうしますと、確かに私のような研究者が見ると、結構行政的な文章だなとは思いますが、過去に、この文章の構造をもって自主管理が、ほかの物質については有効に機能してきたということだと私は理解しましたので、まず、その意味においては、資料2、3、4の基本的な立てつけについて、事業者団体、事業者様のお役割についてはもちろん、あるいは国の役割について、基本的には、この方針について、非常に重大な問題はないのではないかなと私は理解いたしましたが、その点については、まず先生方はよろしいでしょうか。
 たくさんのご指摘いただきまして、ご指摘の点は、多分、全てごもっともではありまして、自主管理の取組でやっていただきたいところではありますが、全体としましては、この資料の作り方においてご懸念の点は、大体、恐らく、ちゃんと物事がうまく進めば、削減に結びつくことが期待できるのではないかと私は思いましたが、よろしいでしょうか。
 萩野委員、お願いします。
【萩野委員】 資料2-3で、ただし書があるんですけども、事業者団体と事業者さんの役割がそれぞれ書かれている中で、このただし書は、事業者団体の中でも、なかなか把握が困難な場合は、可能な範囲で取組方針の策定に努めることということで、事業者団体が取組方針をまずはつくるところから始めてねという話だと思うんですけれども、この傘下にある事業者については、どうこうするという書きぶりがないので、これは、もう役割分担を同じように考えて、取組方針についても、事業者団体は、その傘下の事業者さんについても、それをしっかりと周知して、取り組んでもらえたらということが、そういう意味が含まれているというふうに分かるように、ちょっと書きぶりを、何か足したほうがいいのではないかなというふうに思うのですが、どうでしょうか。
【鈴木委員長】 事務局、どうでしょうか。検討されますか。
【奥野課長補佐】 そうですね、基本的には、ただし書きにつきましては、今の内容でいきたいと思っています。今、書いている内容で読めると思っております。
【萩野委員】 分かりました。
 ただ、それであっても、事業者さんに対しての自主的な取組は求めるということですね。
【奥野課長補佐】 そうですね、はい。
【萩野委員】 了解いたしました。
【鈴木委員長】 松本委員、お願いします。
【松本委員】 ありがとうございます。
 今のただし書のところなんですけれども、この文章、曖昧で分かりにくいというか、何でこんなことが書いてあるんだろうという印象があります。「会員事業者数が多い等の理由で、酸化エチレンの排出実態の完全な把握が現時点で困難な事業者団体」というのは、具体的にどういう団体なんでしょうか。
【粟飯原係長】 こちら、粟飯原のほうから回答させていただきます。
 まず、具体例を出すのは差し控えさせていただきたいとは思いますが、今回、今までの自主管理計画では、化学工場ですとか、製鉄所ですとか、大規模なプラントが多く入っていたというように承知しております。
 一方で、今回、大変小さな事業者が多いですとか、場合によっては、町なかにある工場だったり、事業者だったり、そういったところからも酸化エチレンが出てくるといったような状況だと承知しております。
 このような状況でございますので、排出源の数がかなり多いものというように考えております。その関係で、なかなか業界団体によっては会員の事業者数が大変多いというような話も聞いているところでございまして、もちろん、完全な計画をつくっていただくのが当然望ましいとは思いつつも、まずは排出抑制対策に取り組んでいただきたい、この方針に乗っかっていただきたいという思いが環境省としてはあるところでございます。そのような意味で、このただし書のほうをつけさせていただいております。
【鈴木委員長】 はい、何か追加説明がありますか、いいですか。
 松本委員、いかがでしょうか。
【松本委員】 はい、一応了解しました。
【鈴木委員長】 多分、私の人生経験の範囲では、こういうことが書いてあるというのは何かやっぱり事情、現実がありまして書いてあるのかなと思うんですが、しかし、現在としては、排出を進めていただくということは各業界さん承知されているのではないかなと思っております。そういう意味を込めた文章であるということかなと思うのと、いや、そうでないと困るんですけれども、そうであると思っております。よろしいでしょうか。
 はい、加藤委員、お願いします。
【加藤委員】 細かいところになるのですが、資料2-4の情報の把握、モニタリングの実施のところについて、中小の事業所となると、実際に排ガスを測定するのは、かなり負担も多いところがあるのかなと想定されます。
 そこで(1)の文章ですが、酸化エチレンの排ガスの測定をして、排出抑制対策の実施に活用することというところにつながった、その後ですね、「排出の状況を把握するに当たっては、PRTRの届出の算出方法等を参考にすること」という記載が、今回加わっているんですけれども、こちらについては、実際、いろんな意味で受け取られるのかなと思っております。
 例えば、PRTRの対象とならないような中小の事業者に対して、このような届出の算出方法を参考にして、年間の排出量を把握しましょうということなのか、もしくは、モニタリングなどが負担な場合は、年間の排出量などを調べて、拡散モデルなどで、実際にどのぐらいの濃度になるかというのを予測もできるので、モニタリングしなくても、こういったものを活用しましょうと言っているようにも受け取られるかなと思うのですが、こちらの文書は、どのような意味で、加わったのでしょうか。
【奥野課長補佐】 今のご指摘の点につきましては、両方の面を持っております。PRTRの対象外の事業者においても、PRTRと同様の算出方法で排出量を把握していただくというのも方法の一つではありますし、ただ、それに限らず、ほかの方法で算定ができるということであれば、モニタリング以外の方法でも算出をしていただくということで、こういうPRTRの統計の算出方法等を参考にすることという文言を書かせていただいております。
【加藤委員】 そういったところが明確に分かれば、事業者も理解が進むのかなと思いました。ありがとうございます。
【奥野課長補佐】 ありがとうございます。
【鈴木委員長】 はい、ありがとうございます。
 今のところ、ほかにないので、徐々に時間も近づいてきておりますので、取りあえずこの会合としての方向性を多分決めなければいけないんですが、私としては、今の議論を伺った限りでは、まず、資料2、3、4の基本的な構造に関しては、幾つかありましたが、決定的な問題は多分なさそうだということで、私は理解しております。
 それで、しかし具体的な指摘、私が目についた、気がついたところがありましたので幾つか申し上げますが、目標設定がよいのかという、事業者さん任せで本当に大丈夫なのかとか、できるのかというご指摘があったと思いますが、これは、自主管理ということであるから、逆にそうでなければできないというところでもありますし、そうでないとやりにくい事業者さんもいらっしゃるんだと私は想像しますので、かつ、この、多分似た書き方で、過去、ほかの物質について、ここの自主管理の枠組みが機能してきたのと同じように、機能してくれるであろうと期待して、特段ここでは記載しないというのでいいのかなと私は思っております。
 それから、もう一つは、事業者団体のアウトサイダーがいらっしゃるんじゃないかというご指摘がたしかあったと思いますが、それは、もちろん非常に重要なご指摘であるんですけれども、事務局のほうで、すでにお答えになっておられるように、資料2の前段の資料のほうで、出荷量と、特に、少なくともこの過去、あまり分かっていなかったところのこの滅菌・消毒用途に関して、出荷量と、アンケートでご回答いただいた量がほぼ一致していると、この量は一専門家としてみれば、私としては結構よく一致しているところだと思いますので、もちろん、この何十トンかの差はございますから、そこは実際に何か存在して、アウトサイダーという可能性は、もちろんゼロではございません。ゼロでないということはあるかもしれませんけども、今のところ、ここはある程度の蓋然性をもって一致していると考えてよいのではないかなと、一専門家として私は考えます。
 その観点からするならば、アウトサイダーに関しては、いらっしゃるかもしれませんが、非常に重要な見落としは多分、今のところはなさそうだと思ってよいのではないかと思っております。
 ただ、対策を進めていく中で、ご指摘があったように、やっても下がらないとか、例えば、起きてきたならば、そのとき、またアウトサイダーをきちっと点検しないといけないかもしれませんが、今の瞬間は、この根本的な方向性を変えるほど重大なアウトサイダーは多分、あまりなさそうだと思ってよいのかなと思っております。
 この辺りの認識に関しては、およそこんな感じで私は理解しましたが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
【鈴木委員長】 はい、どうもありがとうございます。
 もし、そうしますと、あと、私が見た中で、もしかしたら資料修正と思った指摘は、まず、モニタリングに関して、行政の行われる環境モニタリングと、こういうモニタリングの違いはないのかというご指摘がございました。それはそうかもしれませんとは思います。
 それから、排出原単位の削減、それから排出量の削減等についても、この並列の仕方が何か分かりにくいというご指摘が少しあったように思います。これも、私が読む限りでは、しかし、これは比較的、表現に関してはちょっと考えたらいいのかもしれませんが、表現を少し、もしかしたら工夫すれば、あるいは十分であるかもしれないし、このままでもいいかなという気もしますが、その辺りについての検討を、そのレベルの検討ではないかと思いましたが、そんな理解で大丈夫でしょうか。
(異議なし)
【鈴木委員長】はい、ありがとうございます。
 で、もしそうであれば、どうもご議論ありがとうございました。ここまでのところで、多分、残った論点は、今の表現上の幾つかの修正、あるいは検討が、もしかしたら必要かもしれないということかと思いますので、あえてこれについて、もう一度議論するというほどのことではないかなと思います。ですので、どうでしょうか。この事業者における酸化エチレンの自主管理の促進については、まず、本日いただきました、ご意見については本当にありがとうございました。大変貴重なご意見、ご指摘、ご議論いただいたかと思っております。ご意見を踏まえまして、事務局で必要な修正を少し試みていただきまして、しかし、恐らくそこは細部修正にとどまると思いますので、修正につきましては、委員長の私にご一任いただくということでよろしいでしょうか。
(異議なし)
【鈴木委員長】 はい、どうもありがとうございました。
 では、そのように進めさせていただきます。
 私が決めるのではない、これは事務局が答えなきゃいけないのかな、かもしれませんが、私としては、そう理解いたしましたので、事務局でお答えください。
【奥野課長補佐】 多数の貴重なご意見をありがとうございました。先ほど、委員長からも、今後の手続の話がありましたけれども、本日いただきましたご意見を踏まえまして、事務局のほうで検討させていただいて、委員長ともご相談の上で内容を確定しまして、また、委員の先生方にも見ていただきながら、来年4月から、自主管理計画にも続く事業者の排出削減の取組が進むよう調整してまいりたいと思います。
 ありがとうございます。
【鈴木委員長】 はい、ありがとうございます。よろしくお願いします。
 それでは、最後の議題(3)のその他のほうに進めさせていただきます。
 その他につきまして、事務局から何かございますでしょうか。
【奥野課長補佐】 本日は、事業者による酸化エチレンの自主管理の促進についてご審議いただきまして、誠にありがとうございました。専門委員会の次回のご報告ですが、12月頃に第2回の専門委員会を開催させていただきたいと考えております。ただ、年末になってきますので、幅を持たせて次回の開催について調整をさせていただきたいと思います。
 第2回では、指針に基づく事業者の取組の評価、チェック・アンド・レビューについてご審議いただきたいと考えております。追って詳細な日程調整を送らせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
【鈴木委員長】 はい、ありがとうございました。
 以上で、多分、予定された議題としては終了となりますが、全体を通しまして、ご意見、ご質問等ございますでしょうか。大丈夫でしょうか。
(なし)
【鈴木委員長】 はい、どうもありがとうございました。
 では、ないようでしたら、本日予定の議題は、これで終了いたしました。どうもご協力ありがとうございました。進行を事務局にお返しいたします。
【太田大気環境課長】 本日は、長時間にわたってのご議論、どうもありがとうございました。本日の議事録につきましては、事務局のほうで案を作成し、各委員にご確認いただいた上で、環境省ホームページにて公開する予定としておりますので、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の専門委員会はこれで終了させていただきます。本日はどうもありがとうございました。