アメリカ合衆国

令和3年3月31日
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環境問題は、国民生活へ直接の影響を及ぼす問題であるだけに、近年、この問題に対する国民の意識と関心はますます高まってきています。日米両政府も、在日米軍に関する環境問題を非常に重視しており、在日米軍施設・区域内の環境管理について、見直しを繰り返しながら厳しく取り組み、在日米軍施設・区域の周辺への影響をできる限り小さくするよう不断に努力しています。
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例えば、在日米軍は、施設・区域内の環境管理を行うに当たり、JEGS(ジェグズ)(Japan Environmental Governing Standards)と呼ばれる環境管理のための基準を作成し、この基準に基づいて環境管理行動を取っています。
 JEGSは、米国防省が策定した基準に沿って、環境に関する日本の国内法上の基準と米国の国内法上の基準のうち、より厳格なものを選択するとの基本的な考え方の下に作成されています。また、平成13年8月には、環境分科委員会の下にJEGS作業部会が設けられ、JEGS見直しに関する日米間の協力強化が図られています。
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平成12年9月には、在日米軍施設・区域に関する環境問題についての情報交換や施設・区域への適切なアクセスの提供等を謳った「環境原則に関する共同発表(仮訳英語版)」が発出されました。この「共同発表」は、「施設及び区域に隣接する地域住民並びに在日米軍関係者及びその家族の健康及び安全を確保すること」を目的とし、「管理基準」、「情報交換及び立入」、「環境汚染への対応」、「環境に関する協議」の4点を柱としています。
 また、平成14年12月に行われた日米安全保障協議委員会(いわゆる「2+2」)において発出された共同発表でも、日米間で環境分野において更なる努力を行うことの重要性が確認され、日米合同委員会において環境分野での建設的協力を継続することの重要性が強調されました。
  • 環境原則に関する共同発表(平成12年9月11日)(仮訳英語版
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平成27年9月28日、日米地位協定の環境補足協定(日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定を補足する日本国における合衆国軍隊に関連する環境の管理の分野における協力に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定)の署名が行われました。環境補足協定の概要は、以下のとおりです。
  • (1)情報共有
     両国は、入手可能かつ適当な情報を相互に提供する。
  • (2)環境基準の発出・維持
     米側は、「日本環境管理基準(JEGS)」を発出・維持し、同基準は、両国又は国際約束の基準のうち、最も保護的なものを一般的に採用する。これは、漏出への対応・予防に関する規定を含む。
  • (3)立入手続の作成・維持
     日本の当局が次の場合に米軍施設・区域への適切な立入りを行えるよう手続を作成・維持する。
    • (ア)環境に影響を及ぼす事故(漏出)が現に発生した場合。
    • (イ)施設・区域の返還に関連する現地調査(文化財調査を含む。)を行う場合。
  • (4)協議
     環境補足協定の実施に関するいかなる事項についても、一方からの要請により、日米合同委員会での協議を開始する。
 環境補足協定は、日米地位協定締結から55年を経て初めての取組であり、環境基準や立入りについて、法的拘束力を有する国際約束により規定を設けたことは、日米地位協定の内容を所与としてその運用の在り方を在日米軍との間で決める従来の運用改善とは質的に異なるものです。政府としては、本協定に基づき、環境対策の実を挙げるべく、引き続き努力していく考えです。
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