化学物質環境汚染実態調査の結果(1995年度)

生物モニタリング

水質・底質・大気などにおける化学物質濃度は、特殊な局地汚染などの外は極めて低いレベルにあることが多いのですが、魚介類や鳥類などの生物には特定の化学物質が濃縮・蓄積され、環境の濃度に比べて高いレベルを示すことが知られています。また、水質、大気などの測定値が瞬間値であり時間的なバラツキが大きいのに対して、魚介類や鳥類の測定値は、ある期間の積分値であり安定していると考えらます。
こうした点に着目し、化学物質による生物の汚染を系統的かつ定期的に測定するため、1978年度(昭和53年度)からこの調査が行われています。

調査の概要
    調査対象地点 ..... 魚類14地点(海域13、淡水域1)、貝類6地点(全て海域)、鳥類2地点
    (地図をクリックすると拡大図がみられます。)
    
        地点一覧表 .. St9503.txt

    調査対象生物種 ... スズキ及びムラサキイガイを中心に魚類8種、貝類2種及び
                     鳥類2種の計12種(→説明)

    調査対象物質 ..... 次に掲げる22種
      ・有機塩素系化合物（19種）
            ＰＣＢ及びその類似物質　２種　ＰＣＢ、ＨＣＢ
            ドリン類　　　　　　　　１種　ディルドリン
            ＤＤＴ類及びその誘導体　６種　o,p'-ＤＤＴ、p,p'-ＤＤＴ、
                                          o,p'-ＤＤＥ、p,p'-ＤＤＥ、
                                          o,p'-ＤＤＤ、p,p'-ＤＤＤ
            クロルデン類　　　　　　５種　trans-クロルデン、cis-クロルデン、
                                          trans-ノナクロル、cis-ノナクロル、
                                          オキシクロルデン
            ＨＣＨ類　　　　　　　　３種　α-ＨＣＨ、β-ＨＣＨ、γ-ＨＣＨ
            フタル酸エステル類      ２種  フタル酸ジ-n-ブチル(ＤnＢＰ)、
                                          フタル酸ジ-2-エチルヘキシル(ＤＥＨＰ)
      ・リン酸トリブチル(ＴＢＰ)
      ・有機スズ化合物              ２種  トリブチルスズ化合物(ＴＢＴ)、
                                          トリフェニルスズ化合物(ＴＰＴ)

    調査結果
      全調査結果
        検体の概要（個体数,性別,体重,体長）

　　　　その１ .. 水分, 脂肪分, PCB, HCB, ディルドリン, o,p'-DDT, p,p'-DDT,
                  o,p'-DDE, p,p'-DDE, o,p'-DDD, p,p'-DDD
        その２ .. trans-クロルデン, cis-クロルデン, trans-ノナクロル, cis-ノナクロル,
                  オキシクロルデン
        その３ .. α-HCH, β-HCH, γ-HCH, DnBP, DEHP, TBP, TBT, TPT

      結果の概要
        全体の検出頻度及び検出濃度範囲(1995)
        各地点別の検出頻度(1995)

        ＰＣＢ測定結果の推移(1978～1995)
        ＨＣＢ   〃    〃   (    〃    )

        ディルドリン   〃   (    〃    )
        p,p'-ＤＤＴ    〃   (    〃    )

        α-ＨＣＨ      〃   (    〃    )
        累積検出割合(1978～1995)

        主要汚染物質の検出割合の推移(1978～1995)
        平均値の経年推移(1978～1995)