化学物質の有害性とは「人の健康を損なうおそれ」、「動植物の生息もしくは生育に障害をおよぼすおそれ」、「オゾン層を破壊し、太陽紫外放射の地表に到達する量を増加されることにより人の健康を損なうおそれ」など、人や動植物に直接または間接的に悪い影響を与えることをいいます。
化学物質の有害性の種類として、代表的なものを以下に示します。
1)発がん性:動物の正常細胞に作用して、細胞をがん化する性質です。
2)変異原性:遺伝物質であるDNAや染色体に損傷を与え突然変異を起こす性質です。
3)急性毒性:単回投与(短時間の持続注入や反復投与)により引き起こされる毒性です。
4)慢性毒性:長期の継続暴露(反復暴露)により引き起こされる毒性です。
5)経口慢性毒性:食物、飲料水または胃内への直接投与により、反復して長期間にわたって体内に入る化学物質による毒性です。
6) 吸入慢性毒性:呼吸によって反復して長期間にわたって体内に入る化学物質による毒性です。何らかの障害が発生したときの濃度を発生した事象の種類別に示します。
7) 生殖/発生毒性:生殖細胞の形成から、交尾、受精、妊娠、分娩、次世代の発育、成熟に至るまでの一連の過程のいずれかの時期に作用して、生殖や発生に有害な影響を及ぼす毒性です。
8)催奇形性:化学物質が次世代に対して先天異常を引き起こす性質です。
9) 感作性:皮膚・気管等を刺激し、アレルギー様症状を起こす性質です。
10) 生態毒性:生物や生態系に対する影響です。
出典:化学物質ファクトシート 環境省 から抜粋