近年、住宅を高気密化することや、化学物質を放出する建材や内装材を使用することにより、新築や改築後の住宅やビルなどで、これら化学物質により室内空気が一定の濃度レベル以上に汚染され、居住者が様々な体調不良を訴える事例が報告されています。
それらの症状は多様で、症状発生の仕組みをはじめ、未解明の部分も多く、また様々な複合要因が考えられることから、「シックハウス症候群」と呼ばれています。
「シックハウス症候群」は、こうした健康障害の総称として使われる用語です。なお、欧米ではシックビル症候群(SBS ; Sick building syndrome)あるいはビル病と呼ばれています。
現在、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、p-ジクロロベンゼン、エチルベンゼン、スチレン、クロルピリホス、フタル酸-n-ブチル、テトラデカン、フタル酸-2-エチルヘキシル、ダイアジノン、アセトアルデヒド、フェノブカルブの13物質について室内濃度指針値が定められています。また、個々の物質とは別に室内空気中の総揮発性有機化合物の暫定目標値が設定されています。
出典:化学物質ファクトシート 環境省