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環境省大臣記者会見・談話等>副大臣記者会見要旨

大臣記者会見・談話等

田島副大臣記者会見録(平成22年1月7日(木))


1.発言要旨

 あけましておめでとうございます。記者クラブの皆さんには昨年大変お世話になりましてありがとうございました。政権交代後、初めての年越しでございますけれども、18日から開会予定されております通常国会に向けてしっかり準備をし、臨んで行きたいと思っておりますし、また今年は、とりわけ生物多様性条約の第10回締約国会議が愛知県名古屋市で開催されます。議長国としての責任を果たすことを含め、精一杯務めてまいりたいと思っておりますし、それ以外にも温暖化対策のCOP15のフォローアップもしっかり務めあげていかなければなりませんし、また特措法に基づく水俣病被害者の救済措置の実施等々も、年末に再度熊本県、鹿児島県を訪問させていただいた経験も踏まえて、今後は救済措置を早急に積み上げていくこと等々も含めて取り組んでいきたいと思います。山積する課題ばかりではありますが、是非また記者クラブの皆さんの御理解と御協力をいただきながら精一杯務めていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 冒頭私の方からは、今週末9日土曜日からですけれども、週明けの12日火曜日までドイツのベルリンに出張させていただきます。冒頭申し上げました生物多様性条約締約国会議COP10を議長国として日本で開催させていただくわけでありますけれども、今年は国連が定める国際生物多様性年ということで、このオープニングを記念する式典がドイツ・ベルリンで開催されます。ドイツのメルケル首相からも招待状をいただき、政府を代表してという形で出席させていただくことになっております。折角の機会でもありますので、ドイツ政府の関係者、国連の関係者とも個別にお出会いをさせていただき、今調整中ではありますけれども、ドイツの環境大臣他、生物多様性条約の事務局長など精力的に会談を重ねて、このCOP10の成功に向けた足がかりを築き上げて行きたいと考えているところでございます。私から冒頭皆さんへお伝えする点は以上でございます。後は質問をお受けさせていただきたいと思います。

2.質疑応答

(問)水俣病なんですが、和解に向けた事前協議の、大体どのような日程で今後進められていかれるのかということと、一時金の額というのが今後焦点になっていくと思うのですが、5月1日の慰霊の日を前には決めておかなければならないと思いますが、大体どれくらいまでに決定されるのかお聞かせできますでしょうか。

(副大臣)私どもは、まず5月1日の慰霊式には既にその救済手続き等々ができるようにしたいと年末皆さんにお示しさせていただきました。これは、私どもがこの特措法に基づいた救済措置を実施していくための覚悟と決意を表すつもりで申し上げたところでございます。当然そこから逆算してまいりますならば、つい先だって考え方については、お示しさせていただきましたものの、まだ検討中となっております、今御質問にもありました一時金や療養手当等々、早急に詰めていかなければならない課題等々もございます。いつまでにというようなスケジュール感については、おおよそ5月1日に実施できるような状況から遡っていくと、皆様も御推測はいただけるのではないかと思いますが、具体的にこの日までということについては、私ども環境省だけが決定していく、強引に進めていくものではありませんので、慎重かつまた皆さんからいただいた御意見等々をしっかりと踏まえて調整をさせていただきたいと思いますので、詳しい詳細の日時、日程等については、この場ではちょっと控えさせていただきたいと思っております。

(問)協議の日程なのですが。

(副大臣)既に地元紙ではもう報道されたりもしている部分ではありますけれども、和解協議云々の話については、先方不知火会が11日に集会をお開きになられて、そこでその和解協議を進めるかどうかどうかの決定がなされるとお伺いをしているところでございます。現段階では、まだその結果が正式に私どもの方に参ってはおりませんので、どのような方向に進んでいくかについては、今この場で述べるのは適切ではないと思っておりますが、その御決定と言いますか、集会の話の状況等々については、ちょうど11日は、私はドイツに行っておりますので、電話等々で連絡を聞かせていただいて、またその段階でどういう結果になるか分かりませんので、それを受けた形で皆さんの方にコメントさせていただければと思っております。 

(問)COP10の関係でドイツに行かれるということで、ドイツの環境大臣、事務局長など精力的に回られるということですが、一番訴えたいことというのはその中でどういうことでしょうか。

(副大臣)とりわけ2010年目標の評価とポスト2010年目標というのが今回10月に開催いたしますCOP10の大きな議題になってまいります。昨日付けで条約事務局の方に議長国として日本案を既に提出させていただいたところでございますが、私どもがこの生物多様性の確保のスピードがとりわけ希少種、また絶滅危惧種等々の減少が非常に加速度的に悪くなってきている状況であります。これはいわゆる先進国と途上国がどのような形で合意に持ち込めるのか。また、ばくっとしたイメージ、総論だけではなく、具体的な手法として個別目標の設定等々にどこまで合意できるかという点が問われているかと思います。ちょうど2年前に開催されたCOP9、ボンでの決議も踏まえながら、今度はやはり大きな節目、ポスト2010年目標を設定するという大事な会議でもありますので、まずは諸外国の考え方を一定聞かせていただきながら、迎えるCOP10に備えられるように準備を進めていくための基本的な見解をきちんと意見交換をしていきたいと、まずは考えているところであります。これからドイツだけでなく、いろいろな諸外国、主要幹部とも意見交換を重ねてCOP10を迎えなければならないと思っておりますので、まずは、国際生物多様性年のオープニングとして、まず第一歩としての外交デビューでありますから、そこはあまり機を追わずにまず順序立てた形でのこの会議の成功に向けた一歩としての位置づけで迎えたいと思っているところです。

(問)水俣ですけれども、今後チッソの支払い能力云々の話が出てきて、交渉あるいは話し合いを進めなければいけないかと思うのですけれども、これに関してはチッソとは既に何か話し合いの場は持たれているのですか。

(副大臣)年末から本日にかけては、まだ私自身お出会いはさせてもらっておりません。しかしながら、今後考え方に基づいて具体的な部分については当然、検討を更に進めていかなければなりませんので、その折々に、いわゆる負担いただくチッソ側にも、報告そしてまた話は持ちかけていかなければならないと思っております。

(問)法律ですと分社化はもちろん救済が終わってからということになるかと思うのですけれども、支払い能力の面から見るとやはり、また改めて国からの借金ということになるのではないかなと思うのですが、この点はいかがですか。

(副大臣)その点についてはまだ具体的な方向性が決まったわけではありません。私どもも、この特措法に基づいた形での救済措置の実施がやはり何より急ぐべきことだと思っておりますので、その点についてはチッソ側の状況等々も含めて、今後まだまだ検討しなければならない課題だと思っています。

(問)COP10に行かれるということで、目標はドイツの意見を聞いてもう反映させたという形で改訂を去年の段階でされたということで、今回ドイツに行くということで言うと、まだまだ日本の出した案については、2020年の段階で止めるっていうことは謳ってないんですけども、その辺についてはどのようにお考えですか。

(副大臣)そこについては、ニュアンスの違いも含めて現実にどこまで即した目標を設定できるかが私はポイントだと思っております。ドイツのように非常に野心的なお考えを持っていらっしゃることに対して、理想的ではあるものの、現実この2010年目標の達成状況等々と照らし合わせても、果たして今後10年間でドイツが言うようにストップさせる、若しくはそれ以上に豊かなものにしていくということが現実問題として考えられるかどうか、私はそこは冷静にやはり見ていく必要があろうかという風に思います。今回のこの日本提案の内容、部分部分についてまで詳細な議論ができるかどうか、まだ現段階ではちょっと分かりませんけれども、ドイツの考えるこの生物多様性条約のポスト2010年目標についても、どのようなお考えであるのかその詳細な部分、また背景等々についても十分に聞くチャンスとして今度の訪独をとらえているところであります。行った段階で、その状況はきちんと把握して帰りたいという風に思っているところです。
 必ずしも日本提案がそのまま今度のCOP10の決議として、すべて一語一句違わずにいくともいかないとも限りませんので、その点についてはCOP10の成り行き等々を占う意味でも、ドイツ側の意向であるとか考え方については十分聞いてくるチャンスとして受け止めてきたいと思っているところです。

(問)火曜日に総理に日本提案についての説明に行かれたかと思うのですけども、総理から何か指示が出ましたか。

(副大臣)総理も非常にこの生物多様性に対しては関心が深くいらっしゃいまして、過去に私どもが生物多様性基本法を議員立法で出させていただく折にも、いろいろと説明もさせていただいてきた経緯があります。やはり、今回出させていただく日本提案の部分については、まだまだ、ばくっとしたイメージが先行しているような印象があって、これで本当に止まるのかというような御心配を正直されていたのも事実でございます。ただ、日本が議長国としての責任を果たさなければならないという御認識に立っていただいておりますので、是非省の中で関係省庁での今、副大臣等会議等々も昨年末に立ち上げたところでありますので、しっかり連携をとって頑張っていただきたいというアドバイスを頂戴したところであります。

(問)ポスト2010年目標も大事なんですが、多分世界的にはABSのルール作りという方が非常に関心があって、COP15でも先進国と途上国、途上国と途上国間で揉めたように非常に紛糾が予想されると思うのですが、ABSに関しては環境省が、経産省がそれを仕切るということなのでしょうか。

(副大臣)いいえ。環境省でもちろんやらせていただきます。ただ、私どもも先ほど申し上げた、年末からスタートさせていただいているいわゆる関係副大臣等会議を今後、定期的かどうかはちょっとおいておいて、開催は今後頻繁にやらせていただきまして、経産省もそれからまた文科省も農水省もそして財務省も外務省ももちろん含めてですけれども、関係するCOP10、またABSに絡むところについては、省庁間の連携をきちっと深めさせていただきまして、国益を損なうことのないような結論を導けるように、今後は連携をしっかりと取っていきたいと思っているところです。まだ省としての意志決定等々も、これからまだまだ各省のいろいろな利害関係等々にやはり絡んでまいりますので、しっかりとした議論を重ねていくようにしていきたいという、今はそんな段階です。

(問)水俣病に戻りますけれども、年末に行かれた時にですね、救済方針の考え方を出されましたけれども、改めて現地でお話を伺われて、整理されて、課題として考え方を変えるようなことで認識されたことがありましたら教えてください。

(副大臣)まだ訪問して日が経っておらず、しかも年末年始の休暇があったものですから、まだ省内できちっと年末の訪問を総括している今日ではありません。が、あの時ちょうど現地を後にする時に、ぶら下がりの記者の皆さんからの質問にお答えさせていただきましたが、あの2日間でお伺いした患者団体、被害者団体の皆さんの意見が、非常に多様であるということを深く印象として持ちました。原因企業であるチッソに対する感情も被害者団体によって非常に違います。また、今回の救済措置に対するお考えも、また私たちの考え方に対する受け止め方も、随分団体によって違うということが明らかになったと、私は印象として持ちました。それだけに、この救済法に基づく救済措置をこうしたいろいろな考え方のある団体の皆さんの違いを乗り越えて、一緒に救済をしていくために、相当また腐心をしなければならないことがいくつか出てくるかと思います。それだけに、意見を聞けば聞くほど、いろいろな御意見もまた出てくるこれは当然だと思いますけれども、それを理由にすることなく、私どもで断言をいたしました5月1日の慰霊式には、もう既に救済措置の事務手続きがスタートしている段階へ持ち込めるように、今後はピッチを上げていきたいという風に思っているところであります。
 まだ今、年末の訪問での様々いただいた御意見を整理させていただいているところでございますので、今の段階では個人的な率直な感想として今申し上げた程度でございますが、御理解いただきたいと思います。

(問)今、アセス法の改正の議論をやってますね。それで生物多様性基本法にも書いてあるし、戦略アセスメントを導入する話もあって、その中で、公共事業についてはやっていけるんじゃないかという方向で議論されているかと思うんですが、いわゆる民間事業者、具体的には電力事業、風力会社なんかですが、その辺に関しては、副大臣はどのようにお考えでしょうか。

(副大臣)これまで民間事業等々についても、それこそいろいろな事例で、環境省としてその問題が指摘されながらも意見を申し上げたり、またその事業のあり方等々に具体的な提案等々をする機会が無かったのもこれまた事実でありますし、これから先、民間事業等々についても、どういった形でSEAを導入していくことが望ましいのか、また今回の環境影響評価法の見直しを通じて、何らかの形でこの様々な問題として指摘されている部分が解決できるのかどうか、現在まだ議論を重ねている段階であります。私どもとしても将来にとって、いい結果として事業展開ができるように、そのための法改正だという位置づけで今、検討を重ねております。
 よく私が引用させていただいているのには、事業を急ぐあまり、急いて事を仕損ずることのないよう、また急ぐのであるならば、急がば回れということわざに則った形で、この環境影響評価法の改正が理解をされるように、今検討を進めている段階でございます。
 抽象的でございますけれども、お許しをいただきたいと思います。

(問)石綿の関係で今年、石綿肺の症状を対象にするかの問題があると思うんですが、例えばその見直しが今年進めていく年だと思いますけれども、それについての方向性はどうか。お考えを持っていらっしゃればお願いします。

(副大臣)現在、中環審に諮問をさせていただいて、小委員会の中で議論を重ねていただいているところであります。今回は小委員会のメンバーにも今までとは違う古谷さんにお入りいただいたり、ある意味では多面的な視点で、今回のこの指定疾病の追加の問題についても御議論いただいているものと承知をしているところであります。
 この指定疾病の追加が一定の結論を見い出していただきますと、今御指摘いただいたように、ちょうど法制定後5年以内の見直し時期に差し掛かってまいりますので、これにつきましては、これまで民主党としてマニフェストや政策インデックスの中にも謳わせていただいてきた、石綿被害者の救済の基本法の制定も含めて、総合的にこの救済全体の見直しを今後御議論いただきたいという風に思っているところでございます。まずは、この小委員会での議論に今は委ねているところでございますので、折々に私も出席させていただきながら、各委員の先生方の御意見を聞かせていただきつつ、党としてのこれまでの考え方、そして今までのこの救済についての省の対応の現状、そして5年間での問題点の洗い出しも含めて、総合的にやはり今後検討しなければならないと思っているところであります。

(以上)

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