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環境省大臣記者会見・談話等>大臣記者会見要旨

大臣記者会見・談話等

小沢大臣記者会見録(平成22年8月31日(火))


1.発言要旨

 私から2点御報告をしたいと思います。まず、今日の経済対策の基本方針についてであります。昨日総理から、経済対策の基本方針についてが示されました。追加経済対策を考える上では、環境の視点が必要だということを一貫して申し上げてまいりまして、その意味では、住宅・家電のエコポイント事業は、環境政策の観点に加えて新規需要の創出にも高い効果もある案件でありまして、そういった話が盛り込まれておりますことは良かったと思います。具体的な、この間から話が出ているような買換え需要にするのかとか、そういう内容に関しては、今後詰めていくということになります。私としては、環境政策に必要な観点、さらに加えて今回は、経済対策上の観点も加味して、案件を提出してまいりたいというふうに思っています。特に私の方は、先ほども指示をさせていただいたのですが、即効性が高い施策として、温暖化対策に積極的に取り組もうとする事業者に対し、設備投資の促進を図る無利子融資事業の継続という話を、政府にも申し上げ、加えて、ここのところは議論もあるところかもしれませんが、日銀が昨日、新しい特別枠10兆円を加味するという話がありましたので、そちらの方とも議論をしてみたいという話を、先ほど申し上げたところです。まあ日銀はぎょっとしてしまうのではないかと思いますが、とにかくタマは投げろという指示を出させていただきました。
 この問題についてもうひと言付け加えておきたいと思います。基本的な考え方のところで、デフレ脱却が当面の目標という話が一番目にあって、これは私が環境大臣になって以来、一貫して主張してきた話でありますので、大変、これが第一番目に挙がるというのは良かったと思っておりますが。今日も閣僚懇で申し上げてまいりましたけれども、この場合のデフレ脱却という話が、ここに、需要面を中心とする政策によりと。2011年度中に消費者物価上昇率プラスにし、という書き方になっているのですが、いわゆるデフレギャップという議論でいう、政府が行うべき実需に対する政策と、今、先進国の中で我が国が唯一、物価がマイナスであるという、本来日銀が責任を持つべき金融政策の面と、明確に2つに分けて考えるべきだという意見を申し上げました。それに対して直嶋大臣が、私の言う話が大変重要だということで補足をしていただいて、私自身も言ったのですが、現在のデフレ状況の下においては、0.1%の政策金利も、依然として実質金利高だと。だから円高が起こるのだという話を申し上げたわけでありますけれども、そういった話を改善していくことが重要だという意見の補足がありました。これは金融的側面ということでありまして、そういった話を、政府・日銀、一体となって取り組むことが極めて重要だという話を、私も申し上げ、直嶋大臣もおっしゃり、政府全体として共有できたのではないかと思っております。どうか皆さんも、その辺り踏み込んで記事をお書きいただきたいとお願い申し上げます。
 それから中国出張の件でありますが、8月26日から29日まで中国・北京を訪問して、日中ハイレベル経済対話に参加するとともに、関係大臣と会談を行いました。経済対話では、コベネフィットアプローチ、黄砂・海洋ごみの発生源対策、エコタウンに関する都市間協力など、そういった進捗状況をお互いに高く評価しあって、一層の推進を確認をいたしました。また、COP10の成功に向けた協力を再確認して、さらにまたCOP16の成功に向けて建設的な意見交換を行いました。周生賢環境保護部長との会談では、COP10の成功に向けた協力、水環境協力、水銀対策、黄砂への対応、コベネフィットアプローチ、エコタウンに関する都市間協力などについて、一層の推進を確認をいたしました。ちなみにこれは、若干我田引水でありますが、全体会合の中でも周生賢部長からは、日本の小沢環境大臣のリーダーシップが大変素晴らしいという、固有名詞を挙げた発言があって、皆、おおっとなったところでありまして、私としては、大変気恥ずかしい、嬉しい思いをさせていただきました。張平国家発展改革委員会主任との会談では、COP16の成功に向けて協力を確認したほか、ここから重要なのですが、二国間又は地域内で温室効果ガスを共同で削減する新たな仕組みや、両国が検討中の排出量取引について情報交換を進めることといたしました。加えて申し上げますと、京都議定書の延長問題に関してはかなりの激論を交わしましたが、依然として溝は埋まりませんでした。それから賈治邦国家林業局長との会談では、日中共同トキ保護計画の更新に合意、その場で署名を行いました。以上です。

2.質疑応答

(問)いくつかお伺いします。9月2日、3日、ジュネーブで非公式閣僚会議が開かれます。気候変動、生物多様性、両方とも開かれるわけなのですけれども、ここでどのような議論を期待されるでしょうか。あるいは、副大臣に対してはどのようなことを。言い付けるといっては何ですけれども。
(答)はい。今も、実は事務方の皆さんとも議論していたのですけれども、まずはこれ、気候変動と生物多様性、両方の会議になりました。元々は、私の意識としては、生物多様性の会議という意識でありまして、ここでCOP10の10月に向けて、どのような状況になるかの、ある意味では最終確認の場かなと思っておりまして、副大臣、あるいはまた地球審が、是非この場面で、COP10に向けて、あと何が必要か、我々が何をしなければいけないか、それを判断する材料をしっかりと把握してきてもらいたいと。もちろん日本の立場、意見を申し上げるのは当然のことでありますが、それを把握する場にしたいというふうに思っています。気候変動の話がその後から入ってきたようですが、これはCOP16に向けての1つの一里塚だという話でございますので、そこは通常どおりしっかりと対応してくれると思っています。いずれにしても生物多様性に関しては、この後ガボンでアフリカ諸国の会議が開かれて、そこには南川地球審に行っていただくことになっておりますが、その辺りを含めて、いよいよ10月に向けての状況を判断してもらいたいと思っております。これは付けさせていただいていると思います。この日程は、付けて皆さんに配っているのでしょうか。
(事務方)今日、勉強会がございますので、そこで。
(答)はい。ということでございます。

(問)中国出張に絡む話なのですけれども、先ほども強調されましたように、国連のCDM以外の二国間の協力体制について、今後情報交換するということですけれども、具体的に何か取組といいますか仕組み作りで、日中で何か協力するとか、そういうところまで踏み込まれたのでしょうか。
(答)もちろん具体的なプロジェクトは、唐山のいわゆるエコタウンの建設とか、そういう話はあるのですけれども、そういうものへの協力と、この二国間の排出量を共同で削減することによる仕組み作りとは、まだ、直接そういうリンクをした話にはまだなっていません。そういう意味で言えば、この前、5月に、解振華さんに私が申し上げ、今回その上司の張平さんに申し上げ、話がスタートした段階だということだと思います。ちなみに直嶋産業大臣も同じ視点で張平さんと議論も行ったというふうに聞いております。

(問)中国でですね、京都議定書の延長に関して、かなり激論を交わしたと、これをもう少し具体的に、どういったやりとりが有ったのか教えて下さい。
(答)主張は今までのとおりです。温暖化をストップさせるために、排出量の多い国々にしっかり入ってもらう形でですね、やっていかなければ、排出量の規制にもならないし、温暖化も止まらないと。ですから、まさに米国、中国が、立場としては同じ立場じゃないんですけど、入るような枠組みでなければ意味がないという主張を私は一貫して、してるわけですね。ですから京都議定書の単純延長は、意味が無いので、日本としても認められないという意見が強いと。ただまあ、現時点で、最終どうなるかという話までですね、きちんとした形で政府で統一見解として決めているわけではないですが、そういう意見が極めて多いし、今までも一貫してそう主張しているという言い方をしました。中国のほうは、基本的には京都議定書というのは大変な努力の蓄積でできている話なので、まずこれは延長していこうと。加えて、中国も米国が入ってくるということはなかなか難しいだろうと。だけども米国は京都議定書の枠組み外で、なんらかの削減宣言とかいうものを行ってもらって、そういった形で地球全体で取り組んでいけばいいじゃないかという言い方ですね。自分の国に関しては、御承知のとおり原単位でやっていくと、40%から45%減らしていくと、これをちゃんとやるから、それで理解しろということですね。そういう意見が平行線ということですね。

(問)先ほど、温室効果ガスのですね、新しいクレジットについても、現行のCDMについての批判の一つは、実施地域が中国、インド等に偏っているという話があったと思うのですが。今回の新しいクレジットを、例えば中国と話合いを進めるということになると、そういった批判には応えられないのではないかと思うのですが、例えば新クレジットの実施地域として、大臣が主に考えてらっしゃる地域というのはどの辺りになるのでしょうか。
(答)今回は中国と話ししたわけですから、中国との関係を念頭に置いているわけですが、当然のことながら、中国とそういう話がうまく進んでいく過程においては、他のアジア諸国含めてですね、そういう話も出てくるということは十分考えられると思うんです。要は国連のCDMというのは、地域として中国、インドという批判もありますが、元々、要件的に大変使いづらいという話もあって、それを若干要件を拡大していくということが必要ではないかと、実質的に言えば、温室効果ガスが削減できるプロジェクトであれば、追加的であるとか、追加的でないとかというよりも、地球のためにいいじゃないかという実質的な見方が必要なのではないかと私は思っています。

(問)今日の午後、中環審の小委員会で、排出量取引の原案を提出されると聞いております。総量削減と、それから原単位、有償か無償かというのを組み合わせて提出されると聞いているのですが。内容の目的とですね、今後の経産省もしくは政府内とのすり合わせ、一本化の方向性について教えていただきたいのですが。
(答)中身の話はですね、プレスのみなさんから御質問が有れば、事務方としてもお答えをしてきたようでありまして、それはそれで、いくつかの報道にも既に載っているということです。おおよそ、別にそれは間違いではなくて、A、B、C3つの案を出すということであります。ただ、まとめ方としてはですね、まだ、環境省として、どうしてもこの方式でというつもりではなくて、あくまでも専門家のみなさん達の議論に委ねているわけでありますので、例えばA’方式というのが出てくるかもしれませんし、B’方式というのが出てくるかもしれませんし、そのまとめ方に関しては、まだ、そこは専門家のみなさん方の議論に委ねたいと思っております。そこで、中環審としての案がとりまとまればですね、これは、経産省は経産省でスタートしておりますし、また、金融庁のほうも、ずっと排出量取引制度は勉強してきていただいているやに聞いておりますし、政府の中で統一的なものを目指していくいうことになります。その目指していくやり方としては、どういうやり方になるのかということですが、9月の前半に、関係閣僚で集まろうじゃないかという話がございまして、その関係閣僚プラス、戦略担当大臣、あるいはまた官房長官も入るのかもしれませんが、そこは、内閣官房のほうに委ねているわけでありますが、そこで少し、論点を整理していきたいと。私のほうは論点整理と同時に、今後の進め方の仕組みづくりを是非そこで議論したいというふうに言っているわけでありまして、前に有った副大臣級会合のような形になるのか、あるいはその関係大臣会合をもう少し、定期的に増やすようにするのか等々含めて議論したいと。いずれにしても、政府の中でこういった温暖化の問題を議論する場面をですね、早急に作らなければいけないと私としてはずっと主張してきたつもりでいますので、それがようやくスタートできるというふうに思っています。

(問)それは排出量取引に関わらず、税とかCOPに向けた取組とか、全体を。
(答)もう全部ですね。

(問)今日の午前中に、小田急線の騒音訴訟の判決があって、原告側の請求が一部認められたんですけども、この受け止めと、小田急側に何か指示をされる御予定はあるのでしょうか。
(答)すみません。ちょっと中身承知してなくて。
(事務方)まだ来ていません。国が被告に入っていないので、ちょっと情報が分かりません。
(答)被告に入ってないの。
(事務方)入っていません。小田急だけです。
(答)ちょっとまだ中身が分かってませんので。

(問)クライメートゲート事件と言われているものに関してですが、昨日、IACという国際的な学術団体が、IPCCにはやっぱり改革が必要だという提案をまとめたのですが、それの受け止めをまずお願いします。

(答)常に、あらゆるところがそうだと思いますけれども、改善に向けてですね、取り組んでいくことが重要だと思っております。パチャウリさん自身も、10月の釜山ですか、IPCCの総会までに、その勧告を受けた議論をして、具体的な対処方針を検討することになると思うという認識を昨日表明しているようでありますので、そういった形で、更に信頼感を高める努力をしてもらいたいというふうに思います。ただ、問題は、是非みなさんにも御理解をいただきたいのは、今回の報告書の中でも、いわゆる温暖化が人為的行為によって行われたかどうかに関しては、特別なコメントをしていないということでありますので、更なる改善というのは、常にやらなければいけないと思いますが、そういった本質的な部分での批判が出たわけではないという点は重要だと思っています。

(問)それに関連して、参加国として体制改善の何か具体的な提案を日本国としてするおつもりはありますか。
(答)今までもパチャウリさんと、南川地球審が議論をしてきておりますし、私としても、総会までの間にですね、何が必要か少し整理をしてみたいと思っています。必要であれば、当然意見を言っていきたいと思います。

(問)昨日、菅首相とですね、鳩山さんが会われて、挙党一致で協議の合意できたかと思うのですが。今日は小沢さんと菅さんが会われるということで、大臣として何を期待されるのか教えて下さい。
(答)僕が一貫して言ってきているのは、大変重要な円高、あるいはまた、景気含めて局面でありますので、民主党がとにかく一体となって、国民生活のために頑張るという体制をつくることが重要だと。そのためには、いわゆる、選挙があれば、それはそれでよし、選挙がなければ、それはそれでよし、選挙があっても大事なことは、終わったらノーサイドだという言い方をしてきておりますので、そういった意味では、一体となって民主党が取り組んでいける体制ができるということは、私としては歓迎したいというふうに思います。具体的な中身は、トロイカプラスワンという話が出てきておりますけれども、そこのところに関しては、原則はそれで結構だと思いますが、そこから先の話で、具体的に人事がどうなるとかいう話は、まだ全く話し合われていないというふうに総理も主張しておりますので、そこは私としても、虚心坦懐に見ていきたいと思ってます。

(問)小沢一郎さんに、今日の夜の会談で、出馬を取りやめていただくことを期待する声もあるんですけども、その辺りはいかがでしょうか。
(答)僕はそこは、さっきも言ったように、政治家小沢一郎氏の判断だと思っておりまして。そこは、外から意見を言うのは、私としては控えたいと思います。

(問)トキの保護計画なんですけども、中国側からのプロジェクトをですね、今回やったわけですけども、何か期待はあったのかどうかと、大臣として例えばトキをですね、日本に持ってきて欲しいとかですね、そういう話が出たのかどうかについて。
(答)まず、後半のトキを日本に持ってきて欲しいみたいな話はしませんでした、今回は。トキの保護計画に関しては、賈治邦局長が大変期待をしてくれてまして。昼食会を行ったのですが、その昼食会の席で、自分の職員達に向かって、日本の、今のトキの孵化を始めとする対応が大変素晴らしいと。是非、中国はこれを見習うべきだという話を懇々と言ってくれてました。更にはまた、地域としてのですね、トキを有効に活用した地域としての取り組み、佐渡の話ですね、私がしましたら、それも大変評価をしてくれて、一言で言えば、生物多様性、自然を守っていくという話と同時に、経済効果。トキというものをきっかけにした、トキの米とか、そういうものが大変国民から評価を受けているという話をしましたら、それも職員に向かってですね、そうだろう、そうだろうと。盛んにそういう話もされてました。だから大変期待も大きいだろうというふうに思います。

(以上)

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