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環境省大臣記者会見・談話等>大臣記者会見要旨

大臣記者会見・談話等

小沢大臣記者会見録(平成22年5月21日(金))


1.発言要旨

 閣議後の御報告を申し上げたいと思います。まず閣議案件でありますが、本日、石綿による健康被害の救済に関する法律施行令の一部を改正する政令を閣議決定いたしました。これはもうすでに皆さん方に発表しているとおりでありますが、本政令は、石綿被害救済制度の救済給付の対象となる指定疾病に、著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺及びまん性胸膜肥厚を追加するものであります。今後とも、労災保険給付等の対象とならない被害者については、石綿健康被害救済制度による着実な救済を図ってまいりたいと思っております。それが1点です。
 それから2点目ですが、5月22日、23日、北海道・千歳市及び苫小牧市で開催される第12回日中韓三ヵ国環境大臣会合に出席をいたします。今回の会合では、昨年10月の日中韓サミットでの首脳からの御指示により、三ヵ国で初めて「三ヵ国共同行動計画」を策定・署名する予定であります。私からは、中国、韓国に対し、東アジア共同体構想の実現に向けた環境分野での連携強化、2番目に、COP10、COP16に向けた協力、3番目に、黄砂等の越境汚染問題の対策強化などを申し入れるつもりでおります。
 それから次に、マイボトル・マイカップキャンペーンということで、先週政務三役会議後にお話ししたとおり、環境省では、誰もが簡単に実践できるリユースの具体的な取組として、本年6月から、マイボトル・マイカップの普及促進のキャンペーンを始めることといたしました。マイボトル・マイカップの取組については、スターバックス コーヒーやタリーズコーヒー、エクセルシオールカフェなどで割引をするなど、国民の取組を後押しする動きも始まっていますが、環境省としても国民の皆さんに、マイバッグと同じようにマイボトル・マイカップの取組が広がっていくよう、キャンペーンを始めることとしたものであります。ちなみに割引は、タリーズコーヒーが30円、その他が20円。このマイカップを持っていくと、コーヒーが30円引き、20円引きになるということでございまして、このキャンペーンでは、マイボトル・マイカップが利用できるお店の情報提供などを行うほか、6月5日、6日に代々木公園で開催するエコライフフェアでキックオフイベントとしての出展や、大学での実証実験を行っていきたいと思っています。
 また、本日初めて発表させていただく、キャンペーンのロゴマークがこれであります。このロゴマークが付いているお店にいくと、マイボトル・マイカップが使えると。更にはまた、いろいろな割引制度もあるということで、是非これをやってください。ちなみに私のマイボトルということで、生物多様性のマークを入れて、ということであります。
 それから、「国際生物多様性の日」。これは5月22日でありますけれども、毎年世界各地で記念行事が開催されます。生物多様性条約事務局は、この日に木を植える活動を「グリーンウェイブ」として、世界的に参加を呼びかけておりまして、木なのに「ウェイブ」というのは変ではないかという話でありますが、木を植えてくる、それが波のように世界中をまわるという話のようでありまして、日本では「グリーンウェイブ2010」として、国土交通省、林野庁とともに呼びかけを行っています。私は、明日北海道で開催されるTEMMで、中国、韓国の環境大臣と共に植樹をしたいと思っております。田島副大臣は東京のお台場でこの行事に参加をし、植樹をしてもらうことになっています。ぜひ皆さんもやっていただきたいというふうに思います。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)石綿なのですが、改めて、今回2つの疾病が追加されたことの意義と、それ以外の疾病の今後の救済のスケジュール、方向性について教えてください。
(答)先般も申し上げましたけれども、この2つの疾病に関しては、当初から検討していた案件でありました。今までそういったものに対する、いわゆるデータの蓄積がまだ不十分であるということの中で、そういったことも整ってまいりましたので、追加決定をさせていただいたということであります。そういったことで、苦しんでいらっしゃる皆さんの救済に適応できることを期待したいと思いますし、それからあと、全体の見直し含めて、今、中環審の方で協議をしておりますので、さらに抜本的な改革が必要であるかどうかを含めて、それはそちらの方で引き続き検討を行っていきたいというふうに思っています。

(問)明日からの日中韓の環境大臣会合ですが、大臣として特に、韓国、中国に対して、この部分については強くお話をしたいというところがございましたら。
(答)まず1つは、東アジア共同体という話を、環境の分野で、私の方から御説明というか御提案というか、させていただきたいというふうに思います。それが1点と、それからあとは具体的な話で、黄砂、酸性雨、それから海岸漂着物、こういった対応を三ヵ国でしっかりやっていこうという呼びかけをしたいというふうに思っています。また、今の具体的な話に関しては、いろいろな皆さんから、そういったことに対する要請も来ておりますので、そういったものも披露しながら、三ヵ国で良い協調体制が取れるように、良い結果が出るように頑張りたいと思っております。

(問)COP10について日中韓の協力とか、取組というのはどのような形で。
(答)具体的な話を今お願いしているということでもないのですけれども、これは御承知のように日本が議長国でやりますので、是非その盛り上げを含めて、中国、韓国の皆さんに御協力をいただきたいということだと思います。

(問)特に、こういうプロジェクトを協働で、COP10に向けてあるいはCOP10をきっかけに進めようという話はまだ出てきてない。
(答)今のところはありません、まだ。

(問)日中韓のでバイの会談も予定されてますけれども、それぞれテーマなどというのはあったりするのでしょうか。
(答)それはもちろん、黄砂などは、ある意味で言うと、韓国も大変被害を被っているわけだけれども、原因はどうもその辺ではないわけだから、そこは中国の皆さんとよく話をしなければいけないとか、それは若干特性は違うのではないでしょうか。

(問)改めてになりますけれども、石綿の判決と今回の改正との関連を、この前も御説明されたと思うのですが、改めてよろしくお願いします。
(答)判決と今回の改正という話は、これは別に直接的な関係はありません。

(問)昨日、広島地裁で国道2号線に対する賠償命令が出ましたけれども、その受け止めをお願いしてもいいでしょうか。
(答)要は、騒音の被害の、騒音の基準ですよね。70デシベルという、いわゆる騒音環境基準を決められているわけでありますけれども、昨日の地裁判決では65デシベルというのが受忍限度という話で数字が出ています。70デシベルに関しては当方としての根拠があって、家の中で45デシベルになるように屋外で70デシベル以内という話で基準があるわけでありますが、65デシベルという値を地裁が決められた根拠というのが判決文の中には明確では無いようなので、更にそれの根拠になるデータ等を、地裁のいろいろな資料の中にあるのかどうか、それを調べさせていただいて、今後の対応を決めていきたいというふうに思っています。

(問)トキの件なのですけれども、今回また失敗したのですが、カラスに次々やられていて、一部の中にはカラスの数のコントロールというか駆除なんかもという声があがっているのですけれども、大臣としてはどのようにお考えでしょうか。
(答)さっき閣議の前にも、前原さんから「残念でしたね」という声もかけてもらったのですけれども、その時に彼も言っていたのは、だから自然の中では絶滅したのでしょうかねという話もあって、本当に難しいところですよね。ただ、人工飼育の方は順調に今年も50羽くらい多分ふ化していくのだろうと思っていますが、さらなる野生化の中で、努力は続けていきたいというふうに思いますね。
 トキの問題も含めて、まさに生物多様性のある意味では本当に重要な一環ですからね。更に自然を豊かにしていくという、回復していくという働きかけの一つだと思って頑張りたいと思います。
(問)カラスを駆除するとか、そういうのはちょっとまだあれですかね。
(答)そこまでまだ具体的な話にはなっていないのですけれどもね。

(問)先ほどの地裁判決のことに関係して質問なのですけれども、65デシベルという判決が出されるのは95年に続いて2度目だと思うのですけれども。
(事務方)国道43号の判決の中にも出ていますが、ただ、値の計算の仕方が違う値で出ております。65デシベルという同じ数字なのですが、元々の計算の仕方が違うのが、43号判決でも出ております。
(問)基準見直しについての具体的な検討というのは、まず訴訟の判決をしっかり読み込んだ上で、具体的な検討をするかどうか含めて決めるという理解でよろしいでしょうか。
(答)はい。それで結構だと思います。根拠のところを少し精査したいということです。

(問)参院選の日程がもう固まってきたみたいな報道もあるのですけれども、今の段階での党勢というか、与党としての情勢分析はどういうふうに認識していらっしゃるのですか。
(答)そこは報道で僕も見ていますけれども、正式に、内閣とかあるいは党からとか、そういう形ではまだ出ていないですよ。元々の会期がありますので、環境省としては、その会期内に予定した法案をしっかりあげていくということで元々やっておりますので、それはそれで良いと思っているのですが。特に5月末の週から6月の最初の週辺りは、いろいろな野党の皆さんの攻勢も考えられますので、しっかり気を引き締めてやっていくということにつきるのではないでしょうか。

(以上)

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