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環境省大臣記者会見・談話等>事務次官会見要旨

大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成21年9月10日(木))


1.発言要旨

 本日9月10日の事務次官等会議でございますが、今日は特に環境省関係もございませんでした。一般案件として閣議決定の案件ですが、8月の上旬にあった災害の関係でいろいろ被害を受けられた中小企業等について、災害融資の特別な融資をするといったような閣議決定、それから、政令ですが、激甚災害に指定して補助金のかさ上げをするといったことが同時に行われるという説明がございました。また、人事が3件ほどありましたが、国連の総会に行く事務方の代表等についての発令ということで、外務省の方が60人くらい発令を受けるというような話がございました。以上でございます。
 特に私の方から申し上げることではございませんが、エコポイントの発表が明日あるということで、150万件くらい還元申請が来ているようですが、それについて今、分析をしております。具体的にエコポイントですと一つで二度おいしいと言いますか、省エネ家電を買うこと自体がエコですが、その後またエコポイントを還元して何に使うかということが一つのお楽しみがあるというので、その分析ができましたので発表をさせていただきます。是非聞いていただければと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

質問
先日、鳩山代表が25%の削減を目指されて、改めてのそのお気持ちと産業界とか経済界から厳しいといった意見や二階大臣もその実現は極めて難しいと大臣会見でおっしゃっておりますが、そうした声に対してどうお考えかをお聞かせください。

感想はその時にかなり細かく御質問いただきましたので、いろいろお答えはしたと思います。一つはあの時申し上げましたが、科学を重んじたということで、もう一つは、皆が賛同すれば、ポジティブに考えればそこまでの削減というのを目指していくべきではないかということと、まずはこれだけやりますと下から積み上げるのではなくて、皆が力を尽くせばここまでいってもよいのではないかと先回りした上限と言いますか、候補と言いますか、それを示す交渉スタイルだと思います。前者の方は皆さんもよく御存知だと思いますが、後者の方から言えば、言い方によればいろいろな条件、前提があって初めてそこまで皆ができるということでございますから、これから真水でどれだけ削るとか、あるいは海外排出量でどれだけカウントするのか、削減をクレジットとして見てよいのかとか、吸収の他いろいろな排出量の算定のルールがありますから、そういうものをどうするのかはこれからの交渉事ですから、そこはちゃんとやっていかないとその数字というようにはなかなかいかないので、今後の道のりを皆が、他の国もポジティブに考えていこうということで、力を合わせていくと良いことがあるのかなと、いわば交渉スタイルの提案だったのかなと思っております。
 25%は厳しいということについては、90年比25%、内訳は分かりませんし、いろいろな前提自体が明らかではないので、何とも言えませんが、もちろん厳しいとは思います。ただ、既に閣議決定したことでも日本は60~80%、2050年に削るとか、あるいはG8サミットで先進国が合意しましたように2050年には80%以上の削減をするということを既に言っておりますので、そういうことの道のりとしては決してあり得ない数字ではないと思います。今のままのCOをたくさん出す経済をそのまま保っておいて、その限りで
 COを削るということだとなかなか大変だと思いますが、COを削ることで儲かる経済と言いますか、例えば太陽光発電もそうですし、電気自動車とかもそうですし、いろいろな省エネもあると思いますが、そういうことに経済の姿を変えていかないとなかなか大変だと思います。そういうこともあると思えば、費用と言われているのも投資ですから、ドブに捨てるわけではありませんから、新しいビジネスを生んでいくと思いますとチャンスもあるのかなと思います。いずれにしても容易ではないので、よくどういう具体的に積み上げになるのかの御指示をいただいて、検討しながらこういう風なことをすればできるのではないかということを事務方としては提案していくべきだと思っております。

質問
今の件で次官は真水で何%くらいは可能だと思っておりますか。

それは今何とも予断を持って言うことはできませんが、既に公表資料では国立環境研究所で90年比15%くらいはいくのではないかということは既に発表されております。もちろん費用負担が大変だとか、副作用があるというご批判はあるのかもしれませんが、技術的にはそこはいくのではないかと思います。それ以上もっとやるということは、またいろいろ最近の技術進歩や政策の追加ということでどこまでいくかは計算し直したりしないと分からないと思いますが、既に公表資料ではそういうことが言われているとは思っております。

質問
政策総動員ということが言われておりますが、柱の特徴には地球温暖化対策税というものが有力かと思いますが、今後の税制改正論議をどれくらいのペースでやるべきかと思いますか。 

斉藤大臣からもいろいろ御指導いただきましたが、新大臣が着任していませんのでどういうスケジュールでやっていくかは事務方としてはなかなか俄には言えないと思います。ですから、ストレートなお答えにならないと思いますが、とりあえず今年の夏の税制改正要望につきましては、税制抜本改革の中で温暖化対策税と言いますか、環境税といったものを含めて税制のグリーン化をすべきだと提案をさせていただいております。事柄が税となりますと、そう簡単に結論が出るわけではないと思いますが、一番早いケースでは年末にどういう判断をいただけるか、その後になると次の機会ということになると思いますが、税に関しては年に1回しかなかなか機会がありませんので、その中でできる限り訴えていき、いろいろな方々の御賛同を得られれば、一遍に100点ということはきっとないと思いますが、一歩でも二歩でも前に進められればよいと思っております。

質問
今の税の関連ですが、昨日の三党連立の合意の中では、ガソリン税の暫定税率について触れていないと思います。たぶん連立政権の中でも議論の違いということだと思いますが、環境省としては税制改正要望で出したガソリン税などの暫定税率、少なくとも今の数字を維持することを主張していくことにお変わりはないでしょうか。 

文面は正確に覚えておりませんが、現行の税率を維持することなど、COを増やさない方向で総合的に検討してほしい。自動車関係の税、特に燃料課税について見直しをするというのは、政権のいかんに関わらず、いわば既定方針でございますので、選挙の結果いかんに関わらずおそらく何らかの改革が行われると思います。民主党のマニフェストですと暫定税率廃止ということでございますから、その部分をどうするかという議論が出てくると思いますが、かたや温暖化対策税を導入するということも書いてあるということで、それとその二つの税の関係がどうなるのか、おっしゃるとおりまだ議論されているわけではないようですから、そこがどうなるかは分かりません。私どもとしてはいずれにしても、世界中を見てみますとやはり炭素に負担していただくということで排出削減をしているのが現実でございますので、環境税という手段は非常に重要だと思っております。そういう意味で一つの例示として税率の維持ということもあると思います。全体として税を通じてCOを増やさないような方向で総合的に検討してほしいというのが、たしか税制要望の主文だったと思います。ですから、ある税をつり上げて、それがどうしても下がってはいけないというところまでは書いていないのですが、いろいろな税制はダイナミックでありますから、いろいろな税制で全体としてCOを減らす方向にしていただきたいというのが正直な気持ちです。その気持ちには今も変わっておりません。これから議論することがたくさんあるわけですが、その議論の中でも環境としての、特に環境省の事務方としての職責を大臣の御指導の下やっていくということではないでしょうか。

質問
水俣病を巡る環境保健部長の発言について、全国保険医団体連合会から発言の撤回と謝罪を求める文書が送付されていると思いますが、これについての見解と何らかお答えをなさることが何かあればお願いします。

つき詰めて言うと、言葉が悪いですが「偽って患者になった人がいるのではないか」という誤解を生むような発言だったという御指摘だと思いますが、本人はそういうつもりで、あるいはそういう本心で言ったのではありません。裁判の中で診断書の問題やいろいろなことが争点となっているので、それを被告側といいますか、その立場で「こんな主張をしてきました」と言っているだけで、自分として患者さんに偽りがあるというようなことを言ったのではないと申し上げておりまして、もしそういうことが疑われたのだとすると、大変申しわけないということで、そこはよく重々そういう気持ちではないということを本人もお詫びしておりますし、大臣からもそういう誤解を生むような言い回しはよくないのではないかということで、よくお詫びして真意を説明しろと指示があったわけでありまして、原環境保健部長はそのとおりやっていると思っております。結局、偽って患者となった方がいるのではないかということについて、公害保健行政を預かるトップの人がそういう気持ちだということで疑われてしまったのかなということで、それは重々そうではないことは申し上げておりますので、更に疑念があるというのであれば、私どもとしてもしっかり申し上げていきたいと思います。原環境保健部長だけではなく、大臣も私も全くそのように考えています。偽って患者さんになった人がいるという意味で申し上げたつもりはありませんし、本心そう思っていません。私自身も今回の特措法の関係ではありますが、国会の答弁でも水俣病の被害者さんと思っているのかと聞かれまして、そのとおり思っていますと答弁しておりますし、そういう意味でまだ説明が行き渡らないということであれば、更に説明するということかなと思います。

質問
連合会に対して何らか回答をなさるのですか。

回答するかどうか今は手元にないのでよく分かりませんが、いずれにしてもまだ説明が足りないということであれば、お話していくということだと思います。

質問
25%削減の国民負担の件ですけれども、政府の中期目標検討委員会では25%の場合36万円負担があるということですが、これは真水の場合の計算だと思うのですが、仮に今後国内国外どういうふうに内訳を作っていくかという議論になったときに、環境省として国内15%ならいくら、外から買ってきた森林吸収だといくらと独自に国民負担の額について計算していく予定はあるのでしょうか。

どこまでできるかちょっと今、定かにはできないというか聞いておりませんので分かりませんけれども、ただ前回の官邸で研究したいろんな事例というのはいろんなモデルを比べるためにかなりリジットな仮定といいますか、分かりやすい単純な仮定をおいて計算をしております。そういう意味では今ご指摘の真水という点もあれば、ものすごく高い環境税を入れているのですが、今回もし本当にポスト京都の京都議定書以降の2013年以降の国際約束は決まる、あるいは決めるために検討すると言った段階で入れる案というのは、政策手段としては全部環境税で、それもものすごく高額な環境税ということでやるというふうにもあまり思わないのです。これはいろいろモデルを超えて共通の仮定を入れて検討するという構えですから、そういう意味では大きく環境税になっている、それはそうなのかということもありますし、それからその環境税をとりますと税収が入ってしまう。その返し方の非常に何というかそこでまた政策が入ると自分のモデルのせいでその経済恐慌になったのか、返し方の政策でそうなったのかわからなくなってしまうので、かなり機械的にみんなに同じように平均的に返してしまうというやり方をあえてやっておりますので、そういう中での36万円という数字だと思うので、現実の政策と言うことになりますとご指摘のようにもう少し政策案を入れてやっていかなくてはいけないと思っております。それをどういうやり方でやるかは今ちょっと俄にはわかりませんけれども、この数字自体は比較をするためにかなり形式的にわかりやすい、あまり政策をしないで影響だけを単純に見るという仮定でやったものだというふうに思っております。この数字自体はそういう仮定のものだと言うことを考えなくてはいけないと思っております。

質問
そのあたり36万円というのが多少今の段階ですと一人歩きしまっているというか、7万と36万とさああなたどっち?みたいな誤解を招きかねない状況だと思いますが、形はともかくとして25%削減の場合どんな国民負担があるだろうかというは計算するのでしょうか。

おそらくそれはいろんな国家でもそうでしょうし、民主党の中でお決めになるときもそういう議論が出ると思いますし、政府部内でもでると思いますし、国民とかマスコミとかNGOとかいろいろ聞かれると思うので、環境省の仕事としては前の36万といってのはこういう仮定で言ったのだけれども、今段々わかってきたことになるとこんなことになるということは、やはり説明すべきと思います。金額の大小というものもありますけれども、やはりそれは新しい経済を作るための投資だということです。少ない投資だとあまり経済が変わりませんし、あまり環境で儲かる経済にはならない。みんなが環境のためにお金を使えばそれはそれでまた新しい経済になっていくということでありまして、今回の補正予算の絡みで言えばエコカーですとか、省エネ家電。要するに省エネ家電というのは相当大きく、ご家庭の投資の対象となったということですから、それはそれで意義を感じていただければそれだけの投資をしてくれるのだろうと思いますし、それは経済効果を持つわけですし、また経済効果を超えてCO削減もできるというような、新しいWIN-WINの仕掛けを作ることができるので、やはり単純に額だけではなくて仕掛け、それが良い経済発展につながるというところと抱き合わせて訴えていく必要があると思います。

質問
税のことなのですが暫定税率を廃止するなりした場合に、暫定税率を維持するなり、上げたりしてガソリンとか軽油とか現行税率を維持するということが必要なのか、仮に暫定財率を廃止して同時に環境税を入れるのであればそれでも良しとするのかどちらなのでしょうか。

俄には断じられないというか、税というのは民主主義の一番の発祥の地と言いますか、代表なくして課税なしということですので、いろんな政治的なプロセスで決まっていくのだと思います。私どもとしてはいずれにせよCOを減らすというのに意味のある税にしたいと。今までは税を手段としてCOを減らすということは長らく認められてこなかったわけですが、昨年末の税制改正大綱から税制のグリーン化を使って環境負荷を減らすような施策をして良いことがおおっぴらに認められた。そういう新しい時代にいるのだと思います。そういう意味で、ではどうやって使えばいいのだと、これは教科書があるわけではないので、特に欧州の事例を見てもいろんなやり方がありますので、そういう意味でいろんな工夫の余地はあるのではないかというふうに思います。幸い中環審で税制の専門委員会がございます。それは再度動かし出していろんな御議論をしていただこうというふうに思っております。なるべく現実的で効果のある、そして政治家の方々が「なるほど」というようになるような案を色々考えていきたいと思っております。俄にどれが一番いいだろうということを思っているわけではありません。

質問
民主党の場合すぐに暫定税率を廃止ということを言って、環境税については将来的課題としてタイムラグがあるようなのですが、その辺については望ましい、望ましくないという考えをお聞かせください。

2012年までの効果と、2013年以降の更に深掘りしなくてはいけない時の対応と別れるのではないかと思います。2012年までの達成可能性についてどれだけいろんな政策手段をやらなくてはいけないか、目達計画の秋の見直し、排出量の速報とかいろいろありますので、そういうのでおっしゃるようなスピード感というのは決まってくるのではないかと、今ちょっと俄には論じられない断定できないと思います。少なくとも2013年以降の話としてみればやはりきちんと対策をとっていただくということは必要ではないかと思います。

(了)

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