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環境省大臣記者会見・談話等>事務次官会見要旨

大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成21年8月31日(月))


1.発言要旨

 8月31日の事務次官等会議でございますが、一般案件、先に閣議決定された案件の御紹介がございました、公務員の給与改定、賃金が下がるという話ですが、これについての御説明がありました。また、政令が1本でございます。案件が割と少なくて比較的早く終わりましたが、特に環境省関連の案件はありませんでした。特に私の方から申し上げることはありませんので、私の方からは以上でございます。

2.質疑応答

質問
昨日の衆院選挙で政権交代ということになりましたけれども、率直にどう受け止めているか御感想をお聞かせください。

前の小泉さんの選挙の時もそうですが、非常に国民の選好、選択が鮮明に出たなぁと思いました。もちろん、前から記事はたくさん出ていましたが、蓋を開けてみたらそのとおりということで、そういう意味では非常にはっきりした結果だと思いました。民主党の政権になるわけですが、大変国民の強い、大きな負託に則っての政権が運営されるということだと思います。環境についても、公約等々で書いてありましたので、そういう意味で言いますと、環境に関しても強い負託の基で、強いリーダーシップが発揮されるのではないかと思いました。

質問
早速、政権が代わったら、公約が実行に移されていくと思いますが、まず90年比25%削減を中期目標にすることを掲げておりますが、今までのモデル計算をやり直すとか、そのような御予定はありますでしょうか。

これも噂と言いますか、新総理が国連総会等に行かれた時に日本のポジションをしゃべられるというような可能性もあるやにいろいろなところで言われておりますから、そういう意味で言えば時期的には急ぐテーマだと思いますが、如何せん、新政府がどう進めていくかは御指示を踏まえてやっていかなければいけない、大変機微に渡る話だと思いますので、私どもの方で計算をするということは直ちには考えておりません。御指示を待ってということです。

質問
高速道路の無料化ですが、NGOなどからは、環境政策と逆行するという批判がありますが、これについての効果の検証などをされたりすることはありますか。

それも特にしておりません。御案内のとおりで、暫定税率の引き下げの時に従前計算したことはありますが、前にも申し上げたとおりですが、政策が環境に与える影響というのは、それぞれの政策によって違うわけであります。もし、CO2が増えるというような政策をするのであれば、逆にCO2を減らすような政策をして全体としても目標にはめていくことが大事だと思っております。どういう風に今後なっていくか、新政権の御指示を待って、私どもとしては環境保全に遺漏の無いようにいろいろ提案して、御議論していただければと 思っております。今すぐ無料化したらCO2はこれだけ増えると計算することは、予定はしておりません。

質問
今回の選挙でこれまで政策を進めてきた与党、環境省に関しては大臣以下、衆・参の環境委員会、環境部会経験者の方が落選したり、一方で対立する民主党の方が新しい人を含めてどういう人員になるか分かりませんが、事務方としての今後の政権に対する基本的な心構え、期待、不安、どういうことをして欲しいという要望があればお願いします。

基本的な心構えということでありますが、選挙結果の感想みたいなことになってしまうのかもしれませんが、明治以来長く続いた官僚制の打破ということも言われたわけです。その結果を踏まえた国民審判だったと思います。環境省は、ご覧のとおり、比較的新しい役所でございますし、国民目線でやってきたつもりではありますが、更に独りよがりで良かれと思ってパートナーの相手である国民の人たちが、一生懸命環境を守ることについて、あまり環境省がお役に立っていなかったとしたら、それはいけないことで、初心に返って、もう一度国民目線で考えなければいけない、と。基本的な心構えということで思ったところです。
 それから、個別の選挙結果については、この立場として何々先生がどうということは申し上げることは出来ないと思います。国民の審判でございます。私どもとしては、たしかに環境にお詳しい先生方がたくさん落選したことは承知しておりますし、環境に熱心が故でそういうことになったと思いたくもありませんし、思っておりませんが、それだけ国民の審判が厳しかったと思っております。与野党何であれ、環境にお詳しくて、識見のある先生方がたくさんいて、政策を揉んでいただくということは大変ありがたいことだと思っております。そういう意味で、かねていろいろ識見のある先生が退場されたということであれば、新しい人がリーダーシップを発揮して、引っ張っていっていただけたら大変ありがたいと思っております。
 期待することということですが、先程の繰り返しになりますが、環境省としては、国民目線でやってきたつもりでありますから、是非、新しい目でこういう風にしたらもっと環境保全が進むということをどしどし教えていただければありがたいと思います。

質問
民主党の菅さんが予算の組み替えについて言及しております。今日、概算要求の締め切りですが、これについてはどうお考えですか。

新政権でどういう御方針でその予算を組み替えるかの御指示が何れあると思っております。ですから、現在の7月の閣議決定に基づいてその枠の中では環境省として最善のものとして提案をさせていただきます。前にも申し上げたとおり、年末までのいろいろな情勢の中でより良いものに直していくというのが、通常のプロセスであります。その中で例えばもっと横並びで減らせ、環境は増やせというような御指示はあると思っております。その指示に応じて最善のものを提案していくことに尽きると思っております。そのような指示が来ましたら対応したいと思っております。

質問
ただ、この時期からの組み直しとなりますと、かなり異例の措置ではないかと思いますが、時間的に、事務的にどういう風に、つまり年末までに間に合うのでしょうか。

これから予算の説明をしてだんだん詰めていくのですから、できるのではないかと思っております。もう一つは、景気も悪いですし、そういう意味では一刻も早い、通常のペースで予算編成をするのが必要だと思っております。ですから、答えからすれば、できるし、やらなくてはいけないと思っております。

質問
先程、事務次官会議で各省の次官が集まられたと思いますが、予算の組み替えという話がありましたが、前後の雑談なり、会議の中で民主党政権誕生に係る話題というものはありましたでしょうか。

今日は会議自体が短かったのと、防衛省の次官の交代がございましたので、御挨拶がありましたが、印象的には非常に静かな会議でした。隣の人とは「円滑な政権交代をしなければいけないよね」という話をいたしましたが、その中には含みとして、予算の話などはあるのでしょうが、特段、皆で議論をしたということはございません。

質問
会議の中では話題になっていないのでしょうか。

会議の中では話題になっておりません。会議では、先程申し上げましたように大変案件が少なかったのですが、一般案件が1件と政令が1件、報告事項、例えば物価や求人倍率の話など経済情勢の御報告を聞いただけで、会議の中では具体的に選挙の結果や政権移行の話はありませんでした。

質問
重ねてお尋ねしたいのですが、今回民主党が脱官僚支配という言葉を旗印として政権を担うことになったわけですが、環境省として、あえて懸念していること、心配していることはありませんでしょうか。

私ども固有の話としては、正確に言えば無いと思います。ただ、なるべく国民に近い役所でありたいと思っておりましたが、それが足りないという御指摘は受けることはあるのかと思いますので、直すべき事があれば直していこうと思います。特に困ったなぁということではなくて、環境保全のためには、環境を使うそれぞれの人がきちんと役割を果たすことが重要でありまして、何か環境省がたった一人のリーダーで、自分の言うことを聞けとやってきたわけではありませんので、そういう意味で言えば、文化的には方向が違うとは思っておりません。なお徹底しなければいけないとは思っております。

質問
今回の選挙戦といえば、各党がマニフェストに環境政策を掲げておりましたが、どういうような議論がなされて、今回の選挙戦における環境問題の位置づけは、どういうものだったと思いますか。

後半になっていろいろな新聞で、環境でそれぞれの方向は各党似ていたと思いますが、こういうところはちょっと違うねということが説明されたり、やはり、ちゃんとした目標、より厳しい目標ということになるとそれなりに国民の負担といいますか、担うべき事が増えてくると解説をされるようになりましたが、それ自体が選挙結果を分けたということには至っていないと思います。福祉や年金がありますが、後半の方では環境にも目の行き届いた報道はあったかと思いますが、それが直ぐ投票に結びついたかどうかは私には分からないところがあります。

質問
仮の質問で恐縮ですが、先程の25%削減の話で、9月下旬の国連などの場で、もし新総理が25%の話をした場合、日本の交渉戦略や国際交渉全体に与える影響があるのかないのかの所見をお願いします。

それは、仮定の話なので分かりませんが、現在の政権の下でも真水の15%というのは第一段の話で、今後いろいろな議論があれば、それに積んでいくということもあるというニュアンスでお話してきましたので、そういう意味でいえば、右と左が全然違う話をするということではないという気もしております。今後の交渉の作戦上、建設的に早めにやっていった方がよいというような御判断があれば、そういう話をされる可能性はあると思っております。それによる日本の交渉上のポジションというのは、にわかに分かりませんし、どういうお話をされるかによって違いますので分かりません。いずれにせよ、どんなお話をされるのであれ、ポジティブな反応がいただけるようなお話をするというのが、12月までのプロセスを考えれば大事かなと思っております。

質問
改めて、官僚政治打破を掲げる民主党の大勝ということですが、他省庁も含めて、官僚主導と呼ばれたこの政治体制のどういうところが、国民に受け入れなかったと次官自身はお考えですか。

環境事務次官としてお話する話ではないような気がするので、全く個人的な意見として、自分個人としてどう思うのかということでよろしいでしょうか。あまり事務次官会見の話ではないかもしれませんが、やはりお役所としては、今までした決定の尊重とか、いろいろな意見のある人に目配りをするということなので、だんだん打つ手が減ってきてしまうということがあるのではないでしょうか。簡単に言えば、前例踏襲といいますか、前例でもないのですが、いろいろなことを考えて、皆に公平ということで来たので、悪く言えば既得権擁護や護送船団と言われるようになってしまったのではないかと、これは全くの個人の意見でございます。

(了)

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