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環境省大臣記者会見・談話等>事務次官会見要旨

大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成21年4月23日(木))


1.発言要旨

 今日の事務次官等会議の案件は、一般案件が2件、議員提出法律案が1件、政令が7件、配布が1件でした。
 斉藤大臣がG8環境大臣会合でイタリアに行っております。あちらは8時間時差があり、今はサマータイムで7時間時差ですから、ちょうど23日の朝になったところで、議事としては1日目が終了して、2日目の議事がもうしばらくで始まるタイミングだと思います。
 1日目の議事は2つあり、午前中はNGO代表とのセッション、午後のセッションは低炭素技術について、これは新基軸だと思いますが世界の企業のトップも交えて行われたということです。午前中のセッションでは、大臣から、気候変動、生物多様性、それから今度の議題に取り上げていただいた子供の健康と環境の取組状況、それからGIJ、「緑の経済と社会の変革」に関しての紹介をされたと聞いています。午後は、低炭素技術のセッションで、低炭素社会を作っていくためには技術が大切であるということを強調されたということがございます。「緑の経済と社会の変革」を取りまとめたということで自信を持って言っていただけたと聞いています。
 今日のセッションの大きなテーマは、生物多様性と気候変動だと思います。生物多様性については、私どもとしてはそこでCOP10に向けて、各国からお話が出て、議論が盛り上がっていくことを望んでいますし、SATOYAMA等の我が方の取組も紹介されると思います。気候変動については、COP15に目掛けた長いマラソンの1つの過程でございますから、本日は、すべての主要経済国が参加する効果的な枠組がいるということで、今まで我が国が主張してきている点を大臣から主張されるということになると思っています。それから主要国で大臣がおいでのところには、できるだけバイ会談をセットしようという構えでありますので、現地でセッティングをやっておりますから、逐次調節が取れ次第、やっていくということになると思います。英国のヒラリー・ベン環境・食糧・農村地域大臣やCOP15の開催国であるデンマークのコニー・ヘデゴー気候変動・エネルギー大臣といった方は是非やろうということで、だいたいセットできているようであります。その他の主要国ともできるだけセットしてやっていくという構えだと聞いています。
 現段階の情報は以上のようなことです。またよろしくお願い致します。

2.質疑応答

質問
国の中期目標の検討ですが、先日月曜日に国民対話がありまして、様子を見ていると選択肢①と⑥にそれぞれの立場から意見が集中しました。先日は鉄鋼連盟や石油連盟などが1番がいいという積極的な評価をされていますが、今の議論の状況についてどう受け止めていらっしゃいますか。

中期目標については、専門家で議論して、選択肢を提示するというステージが終わって、いよいよ各方面の意見を聞いて、集約していくというステージに移った訳であります。パブリックコメントが5月16日までですから、ここでいろいろな意見が出てくると思います。それからこれに関する意見聴取の会は、東京、名古屋、大阪が済んで、これから5月11、12日と札幌、福岡で計5カ所やるということになります。ご指摘のように、東京では、どちらかと言えばバックグランドが産業界の方は厳しいのは駄目だと①に近い意見を主張されますし、これまで取り組んでこられたNGOの方は厳しい方でやるべきだと⑥に近い意見をおっしゃっているということであります。5月16日までのパブリックコメントのような手続きのところに産業界から意見が出されるかは分かりませんが、今私どもが報道で承知している限りでは、産業界の方はやはり高い目標は厳しいとおっしゃっている方もいるということで、それはそうだろうと思います。まだ選択肢を示した、議論が始まったところでありますから、それぞれ今までの立場で、産業界の方からすればそんなに厳しい目標は難しいと言われ、NGOの方は高い目標を出してリードすべきだと言われるのは当然ですから、それが出揃ったところから議論が始まっていくわけで、各方面の意見を聞きながら議論をしていくためにはどうしても通らなきゃいけない最初のステージだと思います。最終的にどう落ち着けるかということは政府として、総理の判断できちんとおやりになることだと思いますが、国民各層で取り組んでいかなければいけない訳ですから、大いに盛り上がって議論されることが必要だと思いますので、これからもいろいろな意見の盛り上がりということに期待しております。

質問
意見交換会で、大阪、名古屋での様子や話題など次官は聞いておられますか。

全体の仕切りは内閣でおやりになっているものなので、まだ私は聞いておりません。

質問
率直な受け止めをお聞きしたいのですが、極と極を投げ合っているような状況になって、議論になっているのかどうかという気もするのですが、そのあたりはどう落ち着いていくのか、あるいはこれは厳しいとかありますでしょうか。

先ほど申し上げたように、こういう選択肢を示せば、当然両論が出て、それが議論になっていく。その中でさらに少し違ったような意見が出てくるか出てこないのか、それは分かりません。分かりませんけど、意見を聞きながらまとめていくというのは別に多数に従うということではありません。そういう意見を聞きながら政府として、地道な中身の積み上げや内容の検討をしつつ、かつ国際的な目も考えてまとめていくという作業でありますから、そういう作業の過程でどうしても通過しなければいけないステージであり、これから政府内でもいろいろと議論をしてまとめていくということになると思っています。

質問
来週ワシントンで行われるMEFについて、どのような議論がされるか情報がありますでしょうか。

来週27、28日にワシントンDCで第1回のMEFをやります。これがスタートになります。我が国の参加者は外務省の杉山審議官が、環境省の一番精通している森谷審議官が行きます。MEFの私どもの理解としては、前のMEMと違って1つはコペンハーゲンでの合意に向けて貢献するということと、気候変動対策の中身についてちゃんと技術も含めて前進させると言っている点だと思います。米国が積極的に取り組み始めたということで非常に力強いことだと思っています。議題がブレイクダウンされているかと思い、アジェンダなども見たのですが、細かいところまでは言及してはなくて、今申し上げたことに尽きるようです。全体の合意に向けて貢献するということと、実際の対策の技術について情報公開して、前進させようということが縷々書いてあります。ただ、もちろん米国がある種積極的なリードをしていかれると思いますので、我が方もそれに即応して、積極的に議論に参加したいということです。

質問
中期目標に質問が戻りますが、極めて限られた層での議論という印象を意見交換会で受けたのですが、もう少し幅広い国民の意見を拾う必要があると思います。国民生活や家計への影響という部分の分析が非常に限定的で実感が持ちにくいのかと思われますが、どうお考えでしょうか。

専門家がおやりになった分析というのは、ずっと温暖化問題に精通されてきた先生方が中心に様々な意見を議論したということが1つですし、国環研やRITEの作業というのも我が国の中では長期に渡る精密な作業をしてきた訳なので、私どもからすればもっといろいろな事が分かりたいというところがありますが、現段階では専門家のまとめとしては最大限やっていただいたと思っています。したがって、学問的には、モデルにさらに計量的なものを加えるのはなかなか難しいと思います。私どもとしてはグリーン・ニューディールなどの施策で新しく経済を引っ張っていくような局面になればという期待があるということ、専門家の議論の最後のほうでも出ましたが、対策に負担が伴うとしても、放っておいたらそれを越える大きなダメージがあるということは、重要です。ただそういうことを上手に統合して学問的に確実なことを示すのは、難しいことだと思います。そこで、国民各方面、更にマスコミを含めた広い各方面から、学問だけでは解決できない論点について議論が出てきて、それらを踏まえて最終的に賢明な判断をしなければいけない、ここはそういう局面なんだと思います。

(了)

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