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環境省大臣記者会見・談話等>事務次官会見要旨

大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成21年3月2日(月))


1.次官会議案件等概略説明

 今日の事務次官等会議の案件は、一般案件が1件、法律案が9件ありました。9件のうち2件が環境省の関係で、かねて今国会に提出する予定でした土壌汚染対策法の一部改正と自然公園法及び自然環境保全法の一部改正でございます。今日の次官会議にかけさせていただきまして、明日の閣議にかけて国会に提出することになります。
 土壌法改正法案の方は、まず、土壌汚染を把握するための制度の拡充を行い、従来、法律に基づかない調査等により見つかっていた事例をきちんとした位置づけをする、次に規制対象区域を分類いたしまして、汚染の状況に応じた対策を行う、更に、土壌汚染をクリーンナップする際に排出する汚染土壌の適正な処理を確保する、という3点の改正であります。これによって、一層の土壌汚染管理の推進が図れると思っております。
 自然公園法及び自然環境保全法の一部改正は、生物多様性の概念を目的規定に入れて、生態系保全の事業ができるようにする、従来の海中公園地区という制度を改めて海域公園地区にする、ブナの損傷が発見されたことから出てまいりましたが、木竹の損傷行為、一定の地域における悪質な損傷行為をしてはいけない、移入種の問題もあり、元々居なかったような生物種や動物種の放出等を防ぐというものであります。いずれも今日の次官会議にかけました。
 それから、政令が4件、配布が3件でした。案件は以上であります。
 この2法案を今国会に提出を予定しておりましたので、明日の閣議にかかり、法律案の提出期限内に間に合うということで良かったと思います。土壌法案は、最初に作ったときに携わりましたが、この法律は、従来の制度のように煙突から出る汚染物質の削減を図るという性格ではなく、ストック汚染の浄化を手がける法案であり、非常に難しいところがたくさんありました。当時は、法律案としてまとめて提出することが先決ということで提出しましたが、実際に世の中で困っている土壌調査などのうち、法律に直接該当するものはごく一部です。まず出来ることから始めるという範囲で作りましたが、非常に私も気になっておりましたので、今回しかるべき所を改正して、それなりの形にし、きちんとやれる全体像に持って行けるということで非常に嬉しく思っております。
 それから、自然公園法の方は、ブナの損傷の話しもありましたし、是非、規制の強化をして欲しいと思っておりました。元々、国立公園等は、景観保護が主でしたので、昔から、海の中について、環境庁や環境省が色々やるというのは陸上に比べて非常に弱い状態が続いてきたと思います。今日、生態系の保全とか海洋の中の生態系等についても関心が高まってきましたので、私も陸上には保全措置や規制があるのに、海の方はごく限られた規定しかなかったことについて、非常に気になっておりました。今般、海域公園地区ということで海の中についてもしかるべき規制をやるということになったことは、良かったと思っております。これらを国会でしかるべきご審議いただければと念願している次第であります。
 私からは以上です。

2.質疑応答

質問
先日のアメリカの予算教書の中で、排出量取引制度について考え方が示されました。その中でオークション方式や基準年ということが含まれておりますが、この件について、次官の所見をお願いします。

→今、予算教書の中の一部の排出量取引のオークションについてピンポイントでご質問いただきましたが、私は予算教書で環境エネルギー分野の投資等が重要な柱だと謳われたことで、環境対策、環境によって経済を再生していく強い意志がオバマ政策の一環として明示されたことが非常に大きいと思っております。内容については、先日の米国の再生・再投資法案で盛り込まれたことを踏まえ、方向性も今までの大統領選のキャンペーンで示されていたような線で一定の整理がされていると思います。そういう面では、排出量取引についても元々オークション方式が良いと言っておられて、選挙キャンペーンをやっておられる時から同様に位置づけてあるということですから、今までの主張点を全部予算教書という形で位置づけてしっかりやっていくと謳われた、それが大きなメッセージと思っております。更に予算教書の中で大事なのは、包括的なエネルギー気候変動計画を策定すると言っておられます。そういう計画をドライブしていくには、キャップアンドトレードは非常に大事だと言っているのは確かだと思います。議会に対してもキャップアンドトレードの議論を進めて欲しいと言っておられますので、全体像は一貫していると思っております。そういう面では、政策の柱としてキャップアンドトレード制度を位置づけられている、オークション方式をこれまでの考えどおり、前に進めようとしているわけです。今までも言っておりましたが、更にはっきりさせておられました。全体としてオバマ大統領が温暖化対策を進めようとしている強い意欲は現れておりますし、それを予算教書でも更に印象づけられたことは心強い限りだと思っております。ただ、キャップアンドトレードそのものについては、我が方では、現在の試行により、これからきちんと経験を積み上げてやりましょうと言う立場です。いずれにしても米国がそれを含めてしっかりと温暖化対策を進められているということは、非常に心強いことだと思います。

質問
漂流漂着ゴミについて、閣法として出す方針があったと思いますが、自民党の議員立法で出す方針になりました。閣法では出さないことになるのでしょうか。

→2月27日の自民党の漂流漂着物対策特別委員会で、加藤紘一委員長から、今国会にも法案を提出するつもりで取り組むということですし、公明党もプロジェクトチームを作って取り組むということでありますので、与党でご指導をいただいて、これを前進させ、法案化していただけるのであれば、願ってもないことですから、私どもは全面的にご協力をしていくことになると思います。

質問
水俣病の不知火患者会が先週の金曜日に国を相手取って訴訟を起こしておりますが、これに対して受け止めをお願いします。

→多くの訴訟が今あります。訴訟ではなくて、救済を求められている方がいらっしゃいます。だからこそ最終解決を目指すべく与党PTで解決方針を出しておられるわけでございます。まずは、今の与党PTの作業を通じて与党PTの救済策による救済の実現を早く図っていくことが必要だと思います。それに合わせて訴訟しておられる方、いろいろな形に別れて、いくつかの訴訟がありますが、いずれの訴訟についても出来る限り解決を図るというのが、与党PTの方針だと思いますので、そういうことができるのであれば、私どもも努力をしていきます。ただし、事務的で恐縮ですが、もう一つの立場で訴訟そのものについて申し上げるのは、裁判上の立場もありますので、控えさせていただきます。全体として、訴訟している方も含め、最終解決をすべく出来ることがあるなら努力したいということです。

質問
与党PTは、訴訟団体を含めた解決を導きたいということですが、今回も提訴の影響はどうでしょうか。

→提訴されたばかりですから、そこは解りません。

質問
鳥インフルエンザの関係ですが、今のところ野鳥ではないのですが、環境省としては特に何か従来の調査に加えることなどありますでしょうか。

→鳥インフルエンザが発生したときには、状況に応じて何をすべきか、段階に応じてルールがあります。今、農林水産省では検討チームを作って取り組んでおられますが、私どもはこの段階では状況の確認ということでありますので、先週27日以来、あの辺りは野鳥のたくさんいるところですから、野鳥の生息状況の確認や何か異常なことがないかというところをみている状況です。更に強い対応が必要かどうかについては、農林水産省において、感染経路を検討するための高病原性鳥インフルエンザ疫学調査チームで検討が進められておりますので、段々情報が得られてくることを期待しております。これから調査チームで科学的にいろいろとデータが出てくると思いますので、解ることが進展してくれば、それに応じた対応をするというのが今の段階でございます。

(了)

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