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大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成21年2月23日(月))


1.次官会議案件等概略説明

 今日の事務次官等会議の案件は、一般案件が10件です。10件目の案件は、2012年麗水国際博覧会の公式参加ということで、経済産業省が中心に外務省、文部科学省、農林水産省、国土交通省、環境省が一緒になって、公式参加をしようとするものです。
 それから、法律案が4件です。4件目の化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案は、経済産業省、厚生労働省、環境省の関係するものです。いわゆる化審法の改正であります。今日の次官会議、明日の閣議を経て国会に提出することになります。今回の改正は、従来、化審法は難分解性等を有する化学物質に限って対象にしていた化審法を、すべての化学物質について安全管理を行うという思想の下に改正するということが基本であります。一定量以上の製造、輸入を行った事業者に対してその数量等を届ける義務を課するとともに、それを踏まえて国が安全評価を実施することで、我が国の化学物質管理を推進するものであります。2020年までに全ての化学物質による人の健康や環境への影響を最小化する世界共通の目標があり、特に2万種ある既存化学物質についての対応がかねてからの課題ですが、今回の改正によって進めることができると期待をしております。この件につきましての資料提供、勉強会については後刻行わせていただきます。  その他の案件は、政令が1件、配布が1件でした。
 既に報道していただきましたが、前回の会見でもご質問いただきましたUNEPの管理理事会が先週終わりまして、実り多いものだったのではないかと思っております。竹本審議官に全体を指揮していただきましたが、気候変動に関するデンマーク政府主催の非公式会合もありましたし、生物多様性については、政府間科学政策プラットホームという議論をしました。政策と科学との連携強化のためのメカニズムについて議論をしようということで、2009年の早い時期にそのための政府間会合を開催し、生物多様性の政策と科学の連携を図る方策を探るということです。我が方は、いわゆるIPCCのようなものが必要ではないかということですが、どういうやり方になるかはこれからの議論になります。3点目は、水銀に関する決定がなされたということです。先般の私の言い方で良く伝わらなかったのかも知れませんが、我が国は、条約化することに消極的対応はしていません。まずやるべきことを掲げて多くの国に参加してもらい、その中で条約化すべきものをするという主張を行い、そういうことを議論するための政府間交渉委員会の開催が合意されたということです。来年の2010年に委員会を開催し、2009年の後半にはそのための作業部会を開くということでございますので、それにも積極的に参加していく必要があると思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

質問
UNEPの件ですが、竹本地球環境審議官が中国にバイをされたり、COP15に向けて精力的に会談に臨まれたと思いますが、具体的な成果として進んだものがあれば教えていただけますか。

→デンマーク政府は非公式会合をありとあらゆる機会にやっていこうという構えで、今回の会合も議事録など詳細を固めてというものではなく、非公式に意見交換をしていただくということでありますから、何が決まったという性質ではないと思います。先進各国の目標提案を前向きに議論していく姿勢が必要ということ、途上国が自主的に対応をとって行くということを国際交渉で取り上げていくことが必要ということ、対策のための追加的な資金が必要ということが主要課題となって意見交換を深められたと承知しております。

質問
UNEPの水銀規制についてですが、次官のコメントにもありましたが、2013年までの条約を目指すということで合意されておりますが、日本としてこのような決定になったことをどのように受け止めておられるか、条約制定に向けた今後の課題はどういうところかお聞かせください。

→我が国では、水俣病のような水銀を原因とする公害病事件も起こしたわけで、水銀というのは古来から用いられている化学物質でもありますが、きちんとした管理を行わなければなりません。人間の健康、あるいは人間だけではなく生態系にも悪影響を及ぼすものでありますから、きちんとした管理をすることが必要であります。世界各国できちんとした管理をしていく方向で、供給を削減していく、製品にしたり製造していくというプロセスで需要を削減していく、更に、途上国にも管理能力を高めてもらうということが大切ですから、そのようなことを検討要素にして国際条約を作る議論をするということであります。条約が取りまとめられて、今後の世界中の水銀管理の徹底が進むということは非常に重要なことであり、我が国でも積極的に対応すべきことだと思っております。

質問
条約化に向けた課題についてはいかがでしょうか。

→繰り返しになりますが、今年の後半に政府間交渉委員会の優先事項やタイムテーブルを議論するということですから、2013年までどのように交渉するか、討議すべき事項とスケジュールがきちんと決まることが第一です。それから、盛り込むべき事項については、私が聞いているのは、供給削減と需要側の削減、途上国の対処能力の向上です。貿易削減の話しをお聞きになりたいのかもしれませんが、いわゆるエッセンシャルユースというどうしても必要な用途があるということであれば、汚染を起こさないよう、頭から貿易で閉め出してしまうというやり方ではなく、そういうものを使いながらきちんとしたルールの中に飽くまでリスクの管理ができるということを盛り込んでいく必要があると思います。政府間交渉委員会を立ち上げるということになったのですから、そこで議論いただければ良いのではないかと思っております。

質問
24日に日米首脳会談が行われますが、地球温暖化対策の観点からみた今回の会談についての位置づけについてお願いします。

→日米首脳会談については、私からの論評を控えさせていただきます。

(了)

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