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大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成21年1月29日(木))


1.次官会議案件等概略説明

  今日の事務次官等会議の案件は、一般案件が4件、法律案が3件、政令が4件でした。いずれも環境省の直接関係するものはございません。
 大臣のダボス会議の出席については、国会のご了解手続きは済んだようですので、行っていただけると思います。大臣には、気候変動のパズルピースを組み立てると題するセッションに出ていただき、アナンさん、ブレアさん、ゴアさんなど錚々たるメンバーの中で日本の取組みをお話いただくことになるかと思います。いずれにしましても、明日、大臣から熱意をお話いただけると思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

質問
昨日、EUの新提案が出まして、先進国全体で30%削減、あるいは2015年までの排出取引市場を創設するということですが、次官の所感をお聞かせ下さい。

→中期目標の数値の提案及び排出量取引に積極的に取り組むというのは、かねてからのEUの姿勢であり、今年はいよいよ交渉していく年なので打ち出したと思います。形式的にはEU委員会で決まったということで、これからEUとしての公式手続きを始めるということのようですが、EUが内部の手続きを進めて、今年の交渉に向かい積極的に取組む姿勢だと思っております。2020年に先進国全体で90年比30%ということの外、途上国にも対策を採らない場合より15~30%の削減を求めているということですから、野心的なものだと思います。それから、排出量取引は効果的手法であるというのが、かねてからのEUの姿勢だと思いますが、今度はより具体的にOECD全体での炭素市場の構築、オバマ政権との関係でも連携して国際的な市場にまでしていこうということで、より踏み込んだ発展的な方向を示されたと思います。いずれも積極的な取組を示されたものと受け止めております。

質問
日本の中期目標の検討への影響はどうでしょうか。

→日本の中期目標の検討については、官邸の検討会で有識者がいろいろな選択肢を示した形でオープンな議論をし、それを踏まえて最終的には政府で決断するという手順が決められております。そこでは、沢山のシナリオについて仮分析が出来て、さらに沢山のシナリオでやっていても議論が発散しますから、もう少し精密な分析、絞り込みをやろうという作業にかかっております。まずは今取りかかった作業をしっかりやっていただくのが先決だと思っております。

質問
排出量取引についてはいかがですか。

→排出量取引についても我が国は、取りかかるのが遅れているというのが去年の状況であったわけですが、とにかく試行をやろうということで、試行に取りかかり五百数件の申し込みをもらった段階です。それぞれの省庁に別れて、出てきた申請について見ているところですが、いずれにしても年度内には全部きちんと見て、試行がきちんと動くようにしなければなりません。試行で得られる情報、データを踏まえて我が国に適した制度を考えるというつもりで取りかかったわけですから、まずはその作業をやることが大切だと思います。

質問
将来国際的に市場を連携する上で、ヨーロッパはキャップアンドトレード型をやっておりますが、日本の自主参加型の現状の制度では連携しづらいと思うのですが、次官の考えとしては、もし国際連携をするのであれば、キャップをかけて、企業の参加を半ば強制して参加するような動きが出てくるということでしょうか。

→EUは排出量取引という制度が非常に有効と言っておりましたし、2012年までの期間のものをやったということで、次期枠組みの中で排出量取引が主要な手段だと言ってくるのは当然だと思っております。国際マーケットを作るということははっきり言っていなかったように思っておりますが、いずれにしましても、国際マーケットということをかなり強く打ち出し、オバマ政権とも連携すると打ち出してきました。それにオバマ政権は、どうレスポンスするのか、OECDでどういう議論になるのか、という議論はこれから動いていくと思います。まずは、その議論をしっかり見ないといけないと思います。それから、我が国の模索していくものとどうマッチングするのか、しないのかという問題については、我が国はまず試行して、経験の中から我が国に適した実効のある排出量取引はどうなのかを検討することになっておりますので、その作業を片方でやらないといけないと思います。先回りして仮定して、「皆さんがそうなった場合は、どういう制度がフィットしておりますか」という仮定で議論するのは難しいと思います。EUやOECDの提案、国際会議や国際機関でどういう議論がされるかはもちろん注意深くみて、それと併行して、自分達は自分達で今取りかかった排出量取引の試行をしっかりやって、どういう形が良いのかを研究し、作業を進めていかなければいけないと思います。

質問
大臣がダボスで参加されるセッションの詳しい情報を教えていただけますか。

→31日のお昼からのセッションです。テーマは、「The climate change puzzle:Assembling the pieces」と書いてありますから、気候変動のパズル、ピースを組み立てるということでしょうから、提案、問題点、目標値、技術移転や技術などいろいろな要素をパズルとしてどう組み立てたら良いのだろうかということに議論されると思います。
 参加者は、デンマークの首相が議長をされまして、アナン国連事務総長、トニーブレア元イギリス首相、ゴア元アメリカ副大統領、UNFCCCのデブア事務局長、それから参加できる各国の環境大臣、首脳の方が大勢参加されると聞いておりますが、変更があるかもしれません。整理してから資料を提供いたします。

質問
結論が出てくる文書のようなものはありますか。

→ダボス会議は、政府間の国際会議ではありません。政府代表としてガバメンシャルの立場を背負っていって国際交渉をしてまとめるような会議ではありません。世界の政治や経済界の名士が個人で参加して討議、討論するということですから、議長サマリーができるとか成果文書ができるというものではありません。環境問題も大きな問題ですが、国際経済の問題が非常に大きな問題です。いろいろな有力者が来て、何を言う、何をプレゼンして、訴えるかということを注目して皆が見ており、もちろんディスカッションもされます。その中で何を訴えて、どういう姿勢を取っているかをみて、今年のいろいろな国際的な場面でどの国がどういうことを言う、誰がリードするということを占う非常に良い機会になるので、近年世界中が注目する会議になっていると理解しております。

質問
先ほど名前を挙げられた方は、大臣と同じテーブルに出席されるのでしょうか。

→テーブルはいくつかありまして、事務局の方で割り当てられると思います。詳しいやり方は分かりませんが、名士の誰かと斉藤大臣と他国の大臣と経済界の大物ですとかが、いくつかのテーブルに割り当てられると思います。それぞれのテーブルに座るが全体としても動かすということでしょう。それぞれで議論するセッションとそれぞれのところでこんな話しがあったということを全体のところで報告をされるという形ではないでしょうか。

質問
大臣と一緒のテーブルになるのが今、誰かはわからないのでしょうか。

→わかりません。これほど高いレベルではありませんが、私は天津のダボスに行きましたが、参加する人は確保しているが、世界の名士だから来たり来なかったりで、そこを上手くアレンジして組み替えて議論をさせて引っ張っていくというのが、世界経済フォーラムのノウハウと顔であります。どんどんアレンジしては盛り上げていくということですから、おそらく流動的な要素もあると思います。

質問
全体の場で何か演説をするようなことでもないのでしょうか。

→普通のマルチの国際会議のような進み方ではないようです。

質問
それぞれのテーブルで議論をしていくということでしょうか。

→詳細は私にはわかりません。天津に行った時は、大勢マルチで並んでいて、各国の代表団が予め決まったように順繰りに出てきて演説をするという形ではなく、議論をしているような、噛み合ったアレンジをしようという工夫に力点がおかれていました。

(事務方)地球環境局で整理をして資料を提供するようにいたします。

(了)

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