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環境省大臣記者会見・談話等>大臣記者会見要旨

大臣記者会見・談話等

斉藤大臣記者会見録(平成21年6月12日(金))

1.発言要旨

 今日最初に私の方から3点、お話をさせていただきます。
 第1点は、中期目標についてです。今日の閣議後の閣僚懇談会で、まず麻生総理から次のような発言がありました。中期目標の決定を受けて、主要排出国がすべて参加する枠組の成立に向けて、国際交渉に全力で取り組んでもらいたい旨。そして2番目に、国内の削減対策に全省庁が一致協力して取り組む必要があり、各大臣に積極的に取り組んでもらいたい旨。この2点の総理発言があり、それを受けて私の方から、今回の総理のご決断は各方面の意見を聴取され、熟慮の上、決定されたものであり、担当大臣としてこれを重く受け止め、COP15に至る国際交渉に全力で取り組んでいきたいこと。そして、環境省として、日本が世界に先駆けて低炭素社会を構築することが、我が国の経済社会の変革を実現し、ひいては世界の地球温暖化対策への貢献になるものと考えていること。そして、格段の施策の充実・強化が必要でありますので、総理の一層のご指導、そして関係各大臣の一層のご協力をお願いしたいという旨、発言をさせていただきました。それが第1点です。
 第2点目ですが、エコポイントについてです。エコポイントの登録・商品交換の申請につきまして、7月1日(水)から受付の開始をすることと致しました。本日、具体的な申請方法などについて公表したいと思っております。交換商品につきましては、第1回目の募集を昨日まで行っておりました。誠に多くの皆様からご応募をいただき、ありがとうございました。いただいたものを事務局に設置される第三者委員会にご審議いただき、来週中に第1弾の商品のリストを公表したいと考えております。また、申請を行う消費者の皆さんの申請手続きを助けて下さる家電販売店の皆さんを「エコポイントサポーターズ」として登録することとし、本日から募集を開始することと致しました。登録していただいたサポート販売店では、地上デジタルテレビなどの対象製品の購入の際に併せて、その場で手続を行うことにより、省エネ電球などの購入やアンテナ工事などにエコポイントが利用できます。
 これが、エコポイントサポート販売店であることを示すステッカーです。登録して頂いた販売店の皆様には、この店舗表示用のステッカーや店員の方が使える名札などを提供することとしています。店頭にステッカーを貼って頂いて、店員の方に○○電気店エコポイントサポーター、もしくはエコポイントサポーターという名札をして頂くということでございます。
 家電販売店の皆様には、消費者の負担を減らすため、是非エコポイントサポーターズとしてご協力を頂き、さらには地域の核として地球温暖化対策に率先して取り組んでいただけるようお願いしたいと考えております。ご応募をお待ちしておりますので、どうかよろしくお願い致します。詳細につきましては、後ほど事務方より皆様に発表させて頂きたいと思います。以上がエコポイントでございます。
 もう1点は、今週末、明日から北京を訪問します。6月14日(日)に中国・北京で開催される第11回日中韓三ヵ国環境大臣会合に出席する予定でございます。国会のお許しも頂きました。今回の会合では、金融危機に直面する中での環境政策の方向性、日本のグリーンニューディール政策、各国が取っている緑色革命政策やグリーンリカバリーといった政策をそれぞれ各国の状況を話しながら、それぞれ相乗効果で効果が上がるようにしていきたいと思っております。また今般決まりました中期目標などについて、日本の決意と取り組みを是非理解して頂けるように説明をしていきたいと思っております。今後の協力の優先分野について意見交換を行う予定でございます。COP15での公平かつ実効性のある次期国際枠組みの合意とその枠組みへの中国・韓国という主要排出国の参加に向けて、全力を挙げて取り組んでくる決意でございますので、どうかよろしくお願い致します。
 長くなりました。私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)先ほど冒頭に、温暖化効果ガス削減の中期目標について、首相が熟慮の上決断された旨のご説明がございましたが、改めてこれまでの議論を振り返ってのご感想と、今回首相が表明された15%減を出発台にして、どういうオプションを上積みして交渉に臨むべきとお考えかご所見をお願いします。

(答) まず総理のご決断につきまして、科学の要請に基づいたものであることという基本的な考え方が示されております。これは、私として強く総理に繰り返し申し上げてきたことが参考にしていただけたものと考えております。すなわち、2050年の長期目標を達成するために、2030年の数字についても言及をされました。長期的に考えて、科学の要請に基づき2050年に我が国は先進国として60%ないし80%の削減を行わなければならないということに対しての見通し、そしてその見通しの上に立っての今回の中期目標という位置付けでございます。実際の中期目標は、今後の国際交渉で最終的に決まる訳でございます。そういう意味で今回の数字は、その国際交渉のスタート地点、第一歩というように認識をしておりますが、世界各国から日本の考え方が理解いただけるように、私も交渉担当者として、担当大臣として、全力を尽くしていきたいと思っておりますし、明日から中国を訪問して、中国、韓国という主要排出国に対しても、しっかりと日本の考え方を説明してきたいと思っております。  それからいわゆる真水以外のその他の部分についてのご質問もございました。今回の目標は、皆さんもご存知の通り、日本における省エネなどの国内削減分だけ、いわゆる真水だけでございます。従いまして、今後国際交渉の中でいわゆる途上国支援をして、その排出分をカウントする分ですとか、森林吸収源などがこの数字に当然上乗せされてくる訳でございまして、この点についてもしっかりと、特に途上国支援につきましては、今行われているAWGでも、途上国への資金援助、技術供与をどのように行うべきかという議論がされております。そういう中で、先進国として当然の義務である訳でございますが、その義務を果たすと同時に、その努力が日本の削減分としてカウントされるということも非常に重要な点でございまして、その分が今回の真水分に上乗せされる訳ですけれども、そういうことを考慮に入れながら、今後主要排出国が全て参加するひとつの国際枠組みができるように全力を挙げていきたいと思ってます。

(問)中期目標についてですけれども、大臣は以前から野心的な目標が必要だとおっしゃっていました。今回の決まった目標についても、これからも野心的だというように国際交渉で主張されていくおつもりでしょうか。

(答) 今回のご決断は、麻生総理が各方面の意見を聞いて、私も正直申し上げて、連日と言っていいかと思いますが、あらゆる手段を捕まえて、閣議後のちょっとした空いた時間なども、私の考え方を説明してまいりました。主要排出国を組み入れるために野心的な目標が必要であること等を訴えてまいりました。各方面の意見を聞いて、総合的に判断をされたものだと思っております。従いまして、まず国としての決断を各国に理解していただけるように、しっかりと努力をしていきたいし、先ほど申し上げた通り、今回の数字は真水だけのものでございます。この真水に、先ほど申し上げましたような森林吸収源でありますとか柔軟性措置を加えて、これが最終的な数字になる訳でございまして、そういう意味で主要排出国が参加するような形になるようにしっかり頑張っていきたいと思います。

(問)中期目標ですが、早速、ボンのAWG、もしくは北京の方、特に中国が日本の15%という目標は不十分ではないかという趣旨の発言がすでに挙がっています。それについてどう受けとめられるのか、そして今後中国を枠組を入れるために果たして日本がリーダーシップを取れるのか、説得できるのか、その辺りをもう一度お聞かせいただけますでしょうか。

(答)途上国は先進国に対して、90年比40%の削減を求めるとずっと言ってきております。そういう意味からは、途上国の主張は90年比40%削減、05年比にすると50%削減に近い数字だと思いますが、今回の日本の決定はその数字までいっていない訳で、途上国としてはこれまでおっしゃってきたことを考えると、当然これでいいとおっしゃるとは初めから思っておりませんでした。しかしながら、先ほど申し上げた通り、これは真水の努力でございまして、この上に森林吸収源、また柔軟性措置、途上国支援というようなもので、数字の積み増しというのは国際交渉の中で行われる訳でございまして、中国の理解、また主要発展途上国の理解を得られるように私も最大限の努力をし、最終的にインド、そして中国が加わることがアメリカが加わる条件だと言っております。アメリカも加わる枠組みを作らなければ意味がありませんので、正に理解を得るべく努力をしていきたい、明日からもそのために全力を挙げて頑張ってきたいと思っております。

(問)森林吸収源や途上国支援の分を加えれば、最大で何%ぐらいまで数値が上積みできるだろうと大臣はお考えでしょうか。

(答)今具体的にこの場でその数字を申し上げることはできませんけれども、まず国内の森林吸収源をどうするか、それから海外でいわゆる森林伐採を止めることによるプラス分をどうするかという二つに分けて考えなければいけないと思っております。それぞれにこれからの国際交渉でございますけれども、その点については、まず国内対策、国内の森林吸収源をどうするか、これはできるだけ森林対策をしっかり行って、これは地域活性化に繋がることでもございますので、できるだけこの数字が多くなるように頑張りたいと思っております。京都議定書の時よりも、日本の森林は少し歳をとっていき、吸収量が減るということもございますが、これはこれからの森林整備にも関係しますので、今日も閣議後の懇談会で、石破農林水産大臣からそれに向けて努力するというご発言もございました。そういう意味でこの数字がなるべく大きくなるように頑張りたいと思っておりますし、そのことによって日本の山が蘇るということにも繋げていきたいと思ってます。それから海外分につきましては、例えばアメリカは海外での森林減少を防止することによって5%分の排出削減をすると、これは非公式な発言と聞いていますが、そこら辺が相場感なのかなという気もいたしますが、今後国際交渉で決めることということで、しっかりと議論していきたいと思っております。

(問)本日ですが、水俣病関係で与野党の協議が行われる予定になっておりますが、それに関して、大臣の今の所感をお願いします。

(答)私も、今国会でこの法律が成立するよう、私なりに最大限努力をしております。しかしながら、与党と民主党間の話し合いが最もポイントでございますが、論点も整理され、非常に建設的な議論がされているという認識をしております。是非、今国会で成立をし、これまで私が申し上げてきました三つの基本、認定患者の方の補償がずっと確保されること、そして救済されるべき方が能うかぎり救済されること、そしてチッソが地元に根付いた元気な企業で、申し上げた2つのことを達成する力を持ちながら、地域の中で頑張ってもらうこと、この三つが達成されることを心から願っております。私も担当大臣として、全力を挙げたいと思います。

(問)臓器移植法についてですが、確認になりますが、B案の提案者として今もB案を支持するお考えに変わりはないかというところが1点と、今後、採決にあたって過半数に届かずにB案が廃案になった場合、大臣は他に支持する案というものをお持ちでいらしゃいますでしょうか。お持ちであれば、どうなのでしょうか。

(答)私はB案の提案者でございます。B案を支持いたします。そして、すべて過半数に達しない場合、他のA、C、D案の賛成に回る可能性があるのかというご質問ですが、ありません。A案は、脳死をヒトの死とすることのコンセンサスがまだ得られていないということで、私はB案を提案させて頂きました。よってA案に賛成することはありません。C案は、C案が通りますと実質的に日本の臓器移植はできなくなると思います。ということで賛成できません。D案につきましては、子供の自己決定権という基本的な問題が残っておりまして、私は賛成できません。昨日もB案を私と一緒に提案した石井啓一議員が本会議場で訴えていた通り、臓器移植を増やしていくため、そして特に問題になっている小児の臓器移植を増やしていくためには、現場の混乱のない、漸進的な一歩一歩のステップが必要だと、そのために自己決定できる年齢、まず初等教育の終えた12才まで引き下げるということが長い目をみた時の臓器移植を進めることに繋がるという確信がございますので、B案が成立することを心から祈っております。

(以上)

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