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環境省大臣記者会見・談話等>大臣記者会見要旨

大臣記者会見・談話等

斉藤大臣記者会見録(平成21年4月21日(火))

1.発言要旨

 閣議の案件で特に皆様にご報告することはありません。
私の方からエコポイントについてご報告させていただきます。実は、中小の街の電器屋さんから、今回のエコポイント制度は素晴らしいが既に買い控えが起きている、大手の量販店はそれに対していろいろな対応は可能であるが、我々中小の街の電器屋については死活問題である、という強い声が環境省にも、地元に帰った議員のところにも寄せられました。そこで、早急に買い控えへの対応を取るように週末伝えました。環境省、経済産業省、総務省で検討し、以下のことが決まりましたので発表させていただきます。
 今般のエコポイント制度につきましては、地球温暖化対策、経済活性化及び地上デジタル放送対応テレビの普及に向けた取組を一刻も早く進め、また、一部に見られる家電の買い控えによる実体経済への影響を最小限にするために、可能な限り早期の実施が重要であると考え、事務方に検討を指示いたしました。その結果ですが、補正予算の国会成立が条件となりますが、本制度では、5月15日以降に購入された製品を対象にできるよう、事務方に準備を指示いたしました。昨日、本事業を確実に実行するため環境省、経済産業省、総務省共同のプロジェクトチームを立ち上げたところでございます。現在、事業の詳細設計を急いでいるところでございますが、地域の中小の電器店が量販店に対して不利にならないような公平な制度、また、国民にとって分かりやすく、魅力ある制度を構築できるよう準備を進めてまいりたいと思っております。5月15日以降については、領収証、保証書等を保存しておいていただき、後ほど申請いただければ、エコポイントが届くようにしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。なお、詳細につきましては、11時半から経済産業省において、3省合同で担当者の勉強会がございます。本当は、この記者会見室で行いたかったのですが、経済産業省に行って是非聞いていただければと思います。
 私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)今日から大臣はイタリアに行かれますが、改めて日米共同提案で出される子供の健康と環境への調査について、意義と期待される成果をお願いします。

(答)今回のG8環境大臣会合で子供の健康と環境をテーマに私が基調講演をさせていただき、世界を挙げて調査しようと提案してまいります。最近の調査で化学物質や環境上の物質によって子供達の健康や心に大きな影響が出てきているのではないかと発表されております。これを科学的に裏付けるために我が国では、来年度から6万人規模のコホート調査を実施してまいります。皆様にご協力いただきまして、お腹の中に居る時から12歳になられるまで調査を進めます。日本のみならず、今後世界的にこのような調査を各国でも行っていただき、地球全体で化学物質やいろいろな新しい環境の中の物質による子供への影響を調査しましょう、そして子供達に安全な地球を残していこうということを提案することが私の大きな目的でございます。

(問)G8ですが、改めて温暖化の方で特にどういうところを訴えたいかをお聞かせいただけますか。

(答)温暖化につきましては、セッションが2つございます。低炭素技術と気候変動で、2つとも日本の主張をはっきりと申し上げてきたいと思っています。低炭素技術につきましては、この技術開発に日本が全力をあげること、その技術を世界に普及させていくための資金供与や技術移転の仕組みについて主張するつもりでございます。また、気候変動については、ポスト京都議定書の新たな枠組みの中に全ての主要排出国が参加することが重要で、途上国につきましても何らかの法的拘束力のある義務が課せられるようになること、先ほど申し上げましたが、先進国が野心的な中期目標を掲げ、かつ技術移転、資金供与の面で明確なビジョンを明示することを主張してきたいと思っております。

(問)再びG8ですが、G8の中の気候変動での議論が国内での中期目標の議論にどういう影響があるのか、反映することができるのか、期待も含めて大臣のお考えをお願いします。

(答)昨日、国民対話に参加させていただきました。率直なご意見が聞けて大変良かったと思っております。感じたことの1つに国際社会が日本をどう見ているかについて、国民の皆様にもう少し知ってもらう必要があると痛感しました。G8といいましても20カ国でほとんど環境大臣が出てきます。その方々とのいろいろなやりとりや特に主要排出国、途上国がどういう主張しているか、現実を国民の皆様に知っていただくために、私も一生懸命次の国際枠組みに参加してくださいと言い、向こうの主張もしっかり聞いてきて、国民の皆様に各国はこういう主張である、しかし、日本にとって死活的に大事なのは次の枠組みに中国、アメリカ、インドの主要排出国が入る枠組みを作ることこそが最も日本にとって死活的に重要で、かつそれが公平ということの大前提になりますので、分かっていただくように私も頑張りたいと思います。

(問)今の段階で分かっているバイ会談を誰とやるか教えていただけますか。

(答)リサ・ジャクソンとは決まっていると聞いております。

(問)最終日ですか。

(答)合間をぬってということです。実際の時間をセットするのは向こうに行ってからになりますので、今確定しているものはありません。できるだけ沢山の主要人物とは会って意見交換し、日本の現状と日本の主張をぶつけてきたいと思います。

(問)可能であればのお願いですが、閣僚がどれくらいいらっしゃるか分かれば教えていただけますか。

(答)今、ある程度分かっております。

(問)エコポイントについてですが、先日大臣は、ボーナス商戦までに制度設計を間に合わせたいとおっしゃいましたが、そのスケジュール感に変わりはないでしょうか。

(答)基本的には、補正予算が成立すればできるだけ早く実行に移すということです。先日までは、ボーナス商戦までにスタートを切りたいということでしたが、ボーナス商戦に間に合わせるということでは、特に街の小さな電器店に買い控え等が起きて商売上大変という声が強くありましたので、できるだけ早く実行したいので、5月15日に設定いたしました。先ほども申し上げましたが、予算の成立が前提になりますが、保証書、領収証を取っておいていただき、送っていただければ事務局からエコポイントを送付する形にします。ある意味では、これまではボーナス商戦と言っておりましたが、それを前倒しで5月15日からやると考えていただければよいと思います。

(問)制度そのものを始められる状態にするということでしょうか。

(答)制度そのものは補正予算が成立しなければ始められません。ただし、その補正予算の成立を前提として、買い控えが起きないように5月15日以降購入された方、もし、それ以前に買いたい方については、予約という方法を使っていただければと思います。5月15日以降に買われた製品については、補正予算の成立を前提に、補正予算が成立した後に申請いただき、エコポイントを送付いたします。

(問)エコポイントの遡り規定のような感じですが、何故5月1日とか切れが良い日ではなく、5月15日になったのでしょうか。

(答)1つは全国4万店あると言われております街の電器屋さん等にも不公平にならないよう周知徹底させる必要があること、買われた時には、例えば領収証と保証書と他にも何かあるかもしれませんが、必要になるものを周知徹底させることに時間がかかること、今経済産業省で省エネ基準の変更のパブリックコメントを集めており、省エネ基準が多少変更されると思います。まさに事務方に今朝方まで詰めていただきましたが、その整合性を取るのがポイントだと聞いております。

(問)重ねての質問ですが、制度設計でかなり難しい部分がある。例えば、不正防止やエコポイントの還元商品をどういう物にするなど、かなり制度設計で難しい面があるということでしたが、その制度設計を全て5月15日までに済ませるという基本的な方針ということでしょうか。

(答)制度設計の細部にわたって5月15日までに詰められるかどうかは、今は申し上げることはできません。少なくとも5月15日以降に買っていただいたものについては、エコポイントを付与いたします。制度そのものは補正予算が成立した後、スタートするわけですが、5月15日までに制度の詳細が決まるのが理想ですが、多少残るかもしれません。ただ、先ほどから何度も申し上げていますように5月15日以降に買っていただいたものについては、ちゃんとエコポイントがありますので、買い控えなどがありませんようにということです。もちろん不正防止等についても3省合同の事務局ができまして、必死に制度設計をやっているところです。

(問)昨日4大臣会合があったと思いますが、そこでどのような話し合いがされたのでしょうか。

(答)4大臣会合につきましては、中身を言わない約束になっております。私につきましては、これまでの私の考えを申し上げました。中身ではなく、感じですが、まず各省から基本的な考え方の表明があり、それを巡って皆で議論しました。実質的な議論がかなり交わされて、有益な4大臣会合だったと思っております。そのディスカッションの場でも私は何度か発言させていただき、私の考え方の正当性を主張してきたつもりでございますが、まだ結論を得るところまでは至っておりません。このような会合を何度か開こう、次回の会合は、ゴールデンウイーク明けの5月半ば頃になると思いますが、総理も含めてこのようなディスカッションを更に進めることになりました。中身については申し訳ありませんがお約束ですので差し控えさせていただきます。

(問)大臣ご自身は6つの選択肢の中で具体的にこれをという発言はされたのでしょうか。

(答)具体的にこれだとは発言しておりません。ただ、考え方の道筋はこういう考え方である、そういう道筋で考えていかなければいけないのではないかということで、これまで何度も申し上げております考え方、1番目に科学の要請に応えること、2番目に主要排出国が参加する枠組みであること、3番目に昨日グリーンイノベーションジャパンを発表させていただきましたが新しい日本を作っていく方向性を指し示し、それが経済の活力を生むようなものであることが基本的な考え方で、考えていくべきではないかと申し上げました。

(問)5月半ばの4大臣会合で、中期目標の方向性などは話し合われるのでしょうか。

(答)その内容がどうなるかは私も分かりません。正直申し上げまして、まだ政府部内にも大きな意見の隔たりがございます。したがいまして、まず総理に意見を聞いていただくことになるのではないかと思います。

(問)中期目標を出すタイミングですが、AWG以前なのか、サミット以前なのか、いろいろありますが大臣はどのようにお考えですか。

(答)私としては前回もこの場で申し上げましたとおり、AWGの6月の会合が始まる前に出していただきたいという思いがあります。AWGでの議論の中に日本の姿勢が明確になっていれば、国際交渉もやりやすいですし、また次期枠組みを作るときの説得力にもなるわけです。しかし、いろいろな事情がございまして、それがずれることもあるかもしれません。私としては、是非AWGの前に結論を出していただきたいという思いがあります。そのことも環境大臣としてこういう希望を持っていると伝えてありますし、次の4大臣会合でもそのような話しをしたいと思います。最後は総理のご判断ですので、私から言うことは控えさせていただきます。

(問)昨日も聞きましたが、日立の冷蔵庫について排除命令が出たことの所感とエコポイントを実施するにあたって、省エネ大賞にもかがやいていた賞品が、実はそうではなかったということを二度と起こらせないようにどのような対応をお考えかお願いします。

(答)私も今回の日立アプライアンスの件につきましては、本当に憤りを感じました。皆が1人1人の生活を通じて地球温暖化防止に向かって頑張っていこう、対策をしていこうという純粋な気持ちを裏切る行為ということで許せないと思います。 
対応については、公正取引委員会の対応ですので、準司法機関の対応ですので、そちらにお任せしたいと思います。環境省としては、古紙偽装もあったところでございます。このようなことが起きないように環境省なりにしっかり頑張っていきたいと思います。 具体的に何をするのかを聞かれると、今こうしますということは言えませんが、そこのところはしっかり認識しながら対応をしていきたいと思います。

(問)水俣病ですが、先日、民主党案が参院の方に提出されました。所感をお願いします。

(答)現在、与党案と民主党案が国会に提出されているところでございまして、政府としては、国会でご議論があるものでございますので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。基本的な考え方は何度も申し上げておりますとおり、認定患者の方の補償が確実に将来にわたって行われること、そして救済されるべき方が救済されて最終解決に結びつくこと、それらを支えるチッソが地域に根付いた企業としてこの補償や救済の原資を出し、また地域に根付くことの3つの考え方で我々は対応していきたいと思います。

(問)臓器移植法の改正を今国会中に行うという動きが広がっておりますが、大臣はB案を勧めておられましたが、今の臓器移植法の改正の動きについて大臣の所感をお願いします。

(答)今、いろいろ折衷案が考えられているという報道もございます。一言で言いますとA案は脳死を一律に人の死とする案、B案は脳死を人の死と一律にするには国民のコンセンサスが得られていない、自分の臓器を提供するという考えを持つ人に限って脳死を人の死とする、しかしながら、現行では子供達の臓器移植ができない、その本人意思の原則を堅持しながら、できるだけ子供の臓器移植をできるようにしようと年齢を15歳から12歳に引き下げる案、C案は、基本的には脳死判定を非常に厳格化して、元々脳死による臓器移植に反対している人達が作り上げた案です。基本的な考え方が違っておりますので、この案とこの案を一緒にくっつけるのは、論理的に難しいのではないかと、私自身、B案の提案者として思っております。A案、B案、C案は、それぞれの基本的な考え方はすっきりしておりますので、そのすっきりした考え方で国会で国会議員が自分の考えで討議する、党議拘束を外して党議することの方が1人1人考えなければいけない国会議員にすれば、良い方法ではないかと私は思っております。私自身は、政府の立場にありますので、国会での議案の取り扱い等については言う立場にありません。今は国会におりますので、B案の提案者にもなっておりませんのでこの程度にさせていただきたいと思います。
折角のチャンスですので、何故B案を提案したのかを皆さんに少しお話させていただきます。4年前に与党の中に検討会ができました。臓器移植が少ない、子供の臓器移植ができない、この2つの問題を考えるために臓器移植法案を改正しようということで与党の中に検討会ができ、私は参加させていただきました。公明党から2名出ました。基本的には、与党の検討会は今のA案の脳死を一律に人の死とし、結果として年齢制限が無くなる、つまり家族の同意で臓器移植が可能になるという考え方を作るための検討会でした。私が1年間勉強していく中で、まだA案は日本には早いのではないかと感じ、B案を提案しました。何故感じたかは、2つ理由がありまして、小児科学会という子供の死を見つめてきた学術団体が小児の脳死判定は、非常に技術的に難しいということで、いわゆるB案的なものを提案されておりました。これは、看護協会も同様でございます。そのような学術団体の意見を聞くべきではないかと考えたのが1つです。もう1つは、柳田邦男さんが検討会に来てお話いただいたのですが、人の死にダブルスタンダードがあってよいわけではないのではないか、ある人にとってはこれが死でこの人にとってはこれが死というのはありえない、全ての人に死のスタンダードは一定であるべきではないか、そして、それは脳死であるという基本的な考え方でした。しかし、ここでは省略しますが、柳田さんの話しを聞いて、心臓は動いている、肌も温かい、人工呼吸器ではありますが呼吸をしている方を死として良いのかどうかという基本的な疑問、しかし、脳死は不可逆的な過程ですから、ある意味でお元気になられることはありません。そういう意味で自分の臓器を人の生に役立てたいと思った人にとっては、その脳死を人の死とする、その他の方にとっては、やはりこれまでどおり、心臓停止や瞳孔が開くという三徴候死を死の定義とするというダブルスタンダードがあってもよいのではないか、それが日本文化なのではないかというお話しがあって、死のダブルスタンダードを許す日本の文化に感銘を受けてB案というアイデア持ったわけです。15歳、12歳それが中途半端かもしれませんが、12歳というのは、初等教育を終えた段階で、全ての子供に要求しているわけではありませんが、そういうことを考えることができる子供もいるという意味でB案を提案しました。
与党の検討委員会から2つの案が出てくることに対して、他のメンバーに申し訳ないが私の考えはこうだ、だから私はこの検討会に出て自分として提案すると言いましたところ、他のメンバーから党議拘束を外すものだから、与党の検討会から2案出てきてもよいのではないかということで、検討会からA案とB案の2案が出てきたということでございます。基本的に着実に一歩ずつ進めさせたい思いでございます。現場のお医者さんに聞いた時に、今はA案は、非常に大きなジャンプ過ぎて、臓器移植がかえって混乱する可能性も非常に高い、子供の臓器移植という医療そのものを考えた時に着実な一歩を進める方が長い目で見た時に子供達の命を救うことになるのではないかという現場のお医者さんの意見も非常に強く印象に残るところでございます。そういうことでB案を提案し、それぞれA案、B案、C案の基本的な考え方そのものはすっきりしておりますので、国会の皆さんに判断していただいた方がよいのではないかというのが、私の基本的な考え方です。

(問)確認ですが、折衷案はあるべきではないとお考えですか。

(答)いいえ、いろいろな考え方がありますので、折衷案を否定するものではございません。A案、B案、C案はそれぞれわかりやすい論理でそれぞれ成立しているということでございます。

(以上)

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