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大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成20年12月15日(月))


1.次官会議案件等概略説明

 今日の事務次官等会議の案件は一般案件が1件、国会提出案件が1件、政令が5件でした。環境省に関係するものはございませんでした。
 COP14が先週終わりました。COP15に向けて、どのように政治的モメンタムを高めていくかということで、論点が整理され、作業計画が策定されたということであり、COP15に向けた第1クオーターとしては、それなりの成果があったと思います。また、大臣が参加されて、閣僚級のセグメントで、2050年までに世界全体の排出量半減を訴えたこと、金融不安の中でも気候変動問題への対策を遅らせてはいけないといった我が国の主張がきちんとできたということでよかったと思っております。さらに大臣には、精力的に8カ国・機関及び米国ケリー上院議員とバイ会談をしていただきました。それから、NGOとの会談もありましたから、計10コマこなしていただきました。去年のCOP13でも多くの大臣バイ会談を行いましたが、それでも5コマでした。COP15に向けた第1クオーターですから、フォーメーションを組み、いろいろな絵柄を作っていくために、今回の斉藤大臣に、多くの方たちと意見交換をしていただいたのは、非常によかったと思っております。
 詳細については、竹本地球環境審議官から報告があります。
 私からは以上です。

2.質疑応答

質問
国内排出量取引について501社の参加があったということですが、これについて、次官の評価を伺えますでしょうか。

→参加社数は501社です。中身としては、主要業界の主要社が入っておりますので、相当の申請があったと思っております。特に排出量の大きい業界の大企業は参加いただいておりますので、排出量のカバレッジからいえば、産業全体の排出量の太宗を占めると思っております。ただ私どもは出来る限り多くの方に参加いただきたいと思っておりますから、今後も参加社数を増やすために、理解を求める呼びかけをいたします。

質問
500社という数は多いのでしょうか。

→相当な数だと思います。個々の具体的な社名が発表されておりますので、これからいろいろな方が評価されると思いますが、私が差しあたり見た限りでは、主要な業界と排出量の多い会社はほぼ手を挙げておりますので、内容的には、そういった中で500社ですので、相当の申請があったと思っております。他社の動向も参考にしていらっしゃる方もいますので、参加社数は、更に増えると思います。これからも是非さらに理解をしてもらって増えていけばいいと思っております。

質問
鉄鋼業界と自動車業界は業界単位で参加申請されておりますが、これに対して政府側としてはどのような対応をしていく予定でしょうか。

→個別の目標などどのようにやるのがいいのかについては、申請内容を見て判断、判定することとなっており、その際、関係省庁とも調整していかなければなりません。今申請いただいた内容でやっていただくのか、何か不都合があるのかについては、今後関係省庁とも連携して判定をしますので、今日の段階では今後の判定を待つということでご理解いただきたいと思います。

質問
今日オーストラリアが中期目標を発表しておりますが、ご所見を伺えますでしょうか。

→その件についてはまだよく研究しておりませんので、次回お話をさせていただきたいと思います。

質問
附属書1の各国から中期目標が出揃いつつあるということですが、その状況についてはいかがでしょうか。

→我が国は、官邸で懇談会を設けて、中期目標に関する議論をしていただいており、その議論の進め方については、いろいろなモデルを用いてきちんと分析することがポイントと思っております。COP14では、中期目標に関する議論が、まず先進国が約束せよという途上国側の主張のシンボルになり、逆に2050年までに排出量半減という長期目標に関する議論が、途上国も含めて削減努力が必要という先進国側の主張のシンボルになった感があります。この議論の押し合いは、COP15に向けて、当然起こるもので、こういった押し合いの中で、更に議論を深めて解決に持っていかなければなりません。我が国としては、全ての国が入る次期枠組みをつくる、それに資するように物事を運んでいかなければなりません。途上国、先進国といった立場の違いによる交渉の押し合いの中で、削減ポテンシャルをきちんと積み上げ、科学を踏まえていろいろなモデルを解き、きちんとした分析を積み上げることが日本の得意とする分野ですから、我が国はそれを発信していくことで貢献出来ると思っております。その意味で懇談会において、モデルや積み上げ、分析などをしっかりやっていくことが大事であると考えております。

質問
我が国の中期目標を提示する時期はいつぐらいでしょうか。

→そこは、まだ官邸の懇談会で、いくつかのシナリオに従ってモデルを解くといったことが始まったばかりですので、これからそれを具体的にどう進めるか整理していただくことで段々と先が見えてくるかと思います。

質問
6月に交渉テキスト、次期原案が出ると伝えられておりますが、COP15までは日程的にきついという印象もありますが、その辺の感覚はいかがでしょうか。

→バリ行動計画に基づき、次期枠組みをCOP15までにまとめることについて、モメンタムを高めることが大切です。従いまして、今回、AWGの日程がそれぞれ、3月末、6月、秋、本番となったわけで、スケジュールが決まったことは非常によいことであります。第1クオーター、第2クオーター、第3クオーター、第4クオーターとそれぞれ決められた枠の中で、もともと立場の違う国が議論するため、シビアな議論になりますが、それぞれの節目でCOP15に向けてモメンタムを高める方向で努力をしていきたいと考えております。

質問
昨日、放鳥したトキが死亡するという残念な結果がございましたが、それを踏まえて今後の対応等をお聞かせいただけますでしょうか。

→このトキは、9日にほとんど動かない状態が見られ、その後所在がわからなくなったメスのトキであります。ペアリングとまでは云えないにしても、放鳥して最初にオス、メスで見かけられたということで期待されていたトキであり、その死亡が確認されたことは非常に残念であります。放鳥以降、トキから生命の力強さを感じるとともに、自然の厳しさも感じさせられました。自然の中に放てば、我々の想像を超えるいろいろなことが起こるわけで、本当に学ぶべきことは多いと思っております。今回のことは、学ぶべき大切なことの一つですので、回収された羽や骨などについては、新潟大学の超域朱鷺プロジェクトチームの協力を得て分析し、専門家の分析結果を見たいと思っております。今後の方針は、12月8日に行われた専門家会合で出していただいたように、やはり出来るだけ自然の営みに任せ、引き続き注意深く観察していくということで対応していきたいと思っております。

質問
12月8日の専門家会合の対応方針の話を伺いましたが、特に観察方法や陣容を拡大するといったことや何かあったときに保護するといった方針の転換は考えられていないのでしょうか。

→詳細については担当者に取材いただきたいのですが、対応方針については、今までの体制を基本にしています。自然に放った以上、我々がすぐに介入するのではなく、自然の中で生命力を発揮してもらい、それを謙虚に学ぶということが基本です。そうはいっても、非常に条件が悪くなったり、怪我などの緊急事態で、保護できる場合には保護することは、考えます。そういったことを頭に置きながら見守っていこうということです。今回このような事件があったからといって、その基本は変わっておりません。

(了)

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