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環境省大臣記者会見・談話等>事務次官会見要旨

大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成20年12月11日(木))


1.次官会議案件等概略説明

 今日の事務次官等会議の案件は政令が1件だけで環境省に関係するものはございませんでした。
 COP14ですが、AWG-KPとAWG-LCAが行われていましたが、現地の日付で昨日12月10日にAWGとしてはまとまったということです。AWG-KPの方の結論文書では、非常に注目を集めました25~40%削減という問題については、バリ会合の表現通りになっております。すなわち、潜在的損失を限定するためには附属書Ⅰ国が全体として排出を2020年までに1990年比25~40%削減が必要とのIPCCの報告書を認識する、というバリ会合での結論の再確認をしたと承知しております。それから、AWG-LCAでは、議長が各国の提案を取りまとめたペーパーが発出されて議論がされたということです。
 これからAWGのスケジュールですが、来年3月29日~4月8日はボンで開き、次の6月1日~6月12日もボンで、まだ決まっておりませんが8月~9月に何処かで開催して、11月30日~12月11日はコペンハーゲンでCOP15の中で開くことが決まりました。AWG-KPの方は、3月の会議までには中期目標設定についての状況について各国から情報提供をするということです。AWG-LCAの方は、各国が出した意見をまとめたいわゆるマシャドペーパーが今回議論されたわけです。次の3月の会議の時には、意見の一致点はどこで、意見の相違のある分野はこういう分野、そこはどういうオプションがあってギャップがあるというところまでまとめて議論することとなり、次の6月は交渉ペーパーを提示して議論しましょうということまでスケジュールが決まったということであります。私どもとしては、これまで言ってきたことをワークショップ等でも色々主張をいたしましたし、次のAWGの会合日程など大きなスケジュールが決まったということでありますから、来年に向けて協議をしていくベースキャンプと言いますか出発点ができたと思っております。11日、12日の閣僚級会合は、大臣が出席しますから、大臣からも来年の交渉に向けてモメンタムを高めるような方向で十分に発言をしていただきたいと思っております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

質問
COPについてですが、現地の報道では、昨年と同じもので落ち着いたということで、当初の案より後退したのではないかとされておりますが、次官の受け止めをお聞かせいただけますか。

→お話しは、主としてAWG-KPの結論文書の理解だと思います。私どもとしては、結論文書も大切ですが、今年は来年の交渉に向けて必要な事柄をきちんと主張しておくということも大切であったわけでありますので、ワークショップなどで、世界全体で半減する必要、セクトラルアプローチに基づいてきちんと積み上げをしていくなどの点を主張できたことが大事な点だと思っています。それから、結論文書の理解ですが、現在それぞれの国の立場が相当離れている中でまとめられた文書で、来年にかけて会議を重ねていくわけですから、この時点で決定的な内容のものができるわけではありません。後退したかどうかという認識ですが、AWG-KPの結論文書のパラ6と8、9を一緒に並べてみてもらう必要があると思います。25~40%の中期目標に関する議論については、バリと同じ表現になったということでありますが、ここはIPCCが、きちんと引用してありまして、世界で半減するということと、10~15年の間にピークアウトしなければならないということ、25~40%削減の3つがパラ6に盛り込まれています。その上で、パラ8では、最近の科学的知見を尊重するということが、書き込まれております。そして、パラ9で削減ポテンシャルとか有効性、効率性、コストベネフィットといったものの分析をきちんとやりましょうということですから、いわば積み上げをしっかりやろうということが書かれたわけです。つまり、まずはIPCCの報告を再確認し、その上で科学的な知見を尊重し、かつ、きちんと積み上げをやっていくと書かれておりますので、私どもとしては、COP15に向けての議論をしていくために必要な要素であると私どもが考えていたことが、全11項目の文章の中にきちんと書き込んでいただけたと思っております。まだAWGですから、さらに閣僚級会合でも大臣から我が国の思いを強く言っていただいて、さらにモメンタムが高まればと思っております。
 どんなやりとりがあったなどご関心があると思いますので、後刻地球環境局から細部について取材を頂く機会をセットしていただければありがたく思います。

質問
大臣が出発される前に次官と地球環境局長が麻生総理の下を訪ねられたと思いますが、その時に総理から何か指示がありましたでしょうか。

→基本的には総理に今までの方針をきちんとご説明をして、総理からは、日本の主張をしっかりとして、リーダーシップを発揮してくるよう言われました。

質問
中期目標の検討委員会が今月にも開かれると思いますが、国内の中期目標設定に対して影響が出てくると思っておりますが、どうお考えでしょうか。

→官邸の方で懇談会を設けていただいて、福井座長にもお就きいただいてこれから議論を始めるということであります。そこでは、モデルを使って、色々なケースについてよく解るようにオープンな議論をしていこうということで始まっており、非常に大切なことだと思っております。一方でAWGなどの動き、スケジュールも大体年4回やるというイメージはあったと思いますが、一つ一つの日程が確実になってきましたので、来年の交渉スケジュールということも睨みながら官邸の方でも色々なモデルの積み上げに基づくしっかりとした議論を進めていただけると期待しております。

質問
3月までに状況報告をすることになっておりますが、それまでには検討委員会で何らかの方向性を出したうえで政府として決定していくべきとお考えでしょうか。

→中期目標の議論については、それぞれの国別の目標なり自分の取組を明らかにして交渉を進めていくことは必要なのですが、ただし、COP15の交渉全体に至る過程の中でどこでいつどのようなことを言うべきかについては、かねて全体の進展に資する形で進める必要があると申し上げてきました。米国、中国、インド、主要排出国がみんなが入って枠組みができるというのが、究極の願いですから、その願いに向けて進むようなやり方で中期目標の議論をしたいというように思っております。後で細かい議論を聞いていただければ良いのですが、3月の時に中期目標に関する情報を出すということでありますが、これは必ずしも、結論の数値を出すことに限られているわけではありませんので、その時点でどういう積み上げ、どういう議論をしているということについて、我が国の取り組みをきちんと情報提供して、貢献していきたいと思っております。各国取り組みかたが違いますので、我が国は、モデルできちんと積み上げた議論をして、その内容を示すことで、多くの世界の国が入っていける枠組みができる、そういう議論に資するということも良く睨みながら対応していきたいと思います。3月という日程に機械的に拘束されて中期目標の数字が出てくるということではないと聞いております。

質問
一つの考え方として、新興国が次期枠組みに関与する条件として先進国が中期目標を明示することを揚げているパターンが多いと思いますが、交渉の進展に資するという意味では早く言った方が良いという考え方があると思いますがいかがでしょうか。

→各国の非常に大きな引っ張り合いの焦点として、一方で、世界全体で2050年までに半減していくということは、途上国も含めてみんながやらなければいけないということが非常に強く示唆されますし、他方で期目標の議論の中で良く出されております25~40%削減の議論は、まず先進国が約束したらどうですかという主張が色濃いということで対極にあると思います。先進国と途上国の間でそれこそCOP15に目掛けてどういう交渉の模様を作っていくかということがみんなの頭にあるので、それぞれがその立場で主張してきて、最後にはIPCCにそれぞれ書いてあるのだからということで結論文書が落ち着いたと思います。そこから先、どういう風にやっていくのかは、もちろん私どもも考えますが、日本だけではなく、主要なプレーヤー、それぞれの議長国等がみんなで考えていく必要があると思います。先ほども申し上げたとおり、科学的知見に基づくということときちんと積み上げようではないかということで進めていくなら、優れた技術やエネルギー効率を持ち、現実のデータに基づいてみんながどうやったらやっていけるか分析するようなことは日本の得意なところであります。そのときそのときの議論をどうするかもありますが、色々なモデルを動かしたり、技術を提示したりして、材料をどんどん提供していくというのは、日本の貢献として王道と思いますので、絶対にやっていくべきだと思います。 

質問
排出量取引の試行的実施の締め切りがまもなくですが、今の状況はいかがでしょうか。

→実務的には、毎日確定的にチェックをしてまとめることにはなっていません。環境省だけではやれないので、きちんとした数でフィックスして言えないのですが、これまで出てきたのは一桁だけではなく、昨日までに十単位だったと思います。12月12日と一つ区切りにしていますので、今日、明日にかなりの数の申し込みがあると期待しています。

質問
明日になれば何かしらまとめたものが出てくるのでしょうか。

→いずれまとめる必要はありますが、各省等と調整をしなければなりませんので、いつまとめるということは、今日の段階では申し上げられません。

質問
分権委員会の第2次勧告についてですが、他省では反発などがあると言われておりますが、環境省の受け止めはいかがでしょうか。

→環境省としては、その内容について真摯に内容を勉強して検討するという段階です。

質問
9日の朝に怪我をしたとみられるトキについてのその後何か情報はありませんでしょうか。

→私は、10羽放鳥して以来、生命の力は偉大であると申し上げておりましたが、怪我をしたと聞いて、生命は偉大であるとともに、自然というのはなかなか厳しいと深く感じました。今、どんな状態かを確認をすることが一番基本でありますし、昨日も専門チームの他、市民の方々を含め30名程度の方で探していただいたのですが、情報は得られませんでした。今日も専門チームを含め20名位はいらっしゃって、さらにご協力いただける方 がいれば増えると思いますが、最後に確認された場所の辺りで状況確認を続けております。何らかの情報が得られたら良いと思っておりますし、専門家の方やご協力いただいている方には大変感謝をしております。今の段階ではどこでどうしているかの情報は得られておりません。

(了)

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