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大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成20年11月13日(木))


1.次官会議案件等概略説明

 今日の次官会議等案件は、法律案が1件、政令が2件ありまして、環境省に直接関係するものはありませんでした。
 私どもの方から発表等を行う事柄ではありませんが、取材を沢山受けておりますので申し上げます。今日はチッソの平成20年度の中間決算が発表されます。午後から発表されるので、私が事前に中身を言うことはできませんが、決算を見てどうですかという質問をされておりますので、申し上げます。20年度上期の中間決算について私の知っている限りでは、一番大事な患者補償の確保ができる水準かということについては、問題はないと思っております。ですから、中間決算があってどうですかということについての問題点は、その財務内容というよりも懸案になっている与党の救済策についてはどうなのかということだと思います。私どものスタンスはかねて申し上げているように、チッソの方が考え方を変える必要があるということですが、チッソは現段階では考え方を変えてはいないと理解しております。これからどうすれば打開できるかについては、私どもは引き続き検討するということでありますが、チッソが今の考え方に固執し続けるのであれば、私どもの方から色々検討して申し上げても空回りするだけで、状況は変わらないと思います。
 チッソの中間決算を迎えるこの日についてどのように受けとめているかということで言えば、補償の確保については問題がない、救済の問題については、再度申し上げますがチッソが考え方を変えない限り、チッソ自身も展望が開けず、行き詰まってくるということを強調しておきたいと思います。
 私からは以上です

2.質疑応答

質問
今の話しでここ数年を見ていてもそれなりの良い数字が出てくると思いますが、環境省として従来の姿勢を変えるということはありませんか。

→チッソが対応すべきと言っている時点で中間決算日が来てしまったわけですが、同じ態度で望みたいと思っております。ただ、現に救済の実現に向けて成果があがっていないので、どうすれば打開できるかを当然検討はしております。しかし、チッソが考え方を変えなければ空回りするばかりですから、私どもからどうこう申し上げるのではなく、チッソが考え方を変えるということをしなければ、チッソ自身は展望が開けず行き詰まっていくでしょうから、チッソが考え方を変えることを望むということに尽きます。

質問
チッソが今の考え方を変えないのなら、チッソには展望が開けないという話しがありましたが、具体的にはどういうことを指しているのでしょうか。

→水俣病の問題について、今望むべき理想の姿を考えますと、まずは、既に認定された患者の方々への補償の確保があり、次に、二点目は、現在救済を求めていらっしゃる方々、裁判をしていらっしゃる方々もいるわけですが、私どもは与党のPTの方針に従って連携を取りながら、今救済を求められている方々について解決が図られ、今度こそ最終的な解決に至るということが2番目に大事なことです。三点目に、チッソは当然その解決に向けて必要な費用負担の責任を果たし、責任を果たした上で水俣の地域に優れた技術を持っている有力な企業として生きていくということがあるべき姿だと思います。それを目指して、色々な当事者が努力をするということが必要なわけでございますから、チッソは何らかの考え方を変えて、あるべき姿に向けて努力をするという気持ちになってもらうことがどうしても必要だと思います。そういう努力をしなければ、チッソ自身の色々な希望があっても何も進まないと思います。

質問
チッソ自身の希望とは、分社化のことを指しているのでしょうか。

→全部です。基本的には、チッソ自身もすべての紛争が終決して、優良な企業として存続することを希望しておられると思っております。

質問
チッソに対しては、これまでと同じ態度で望みたいというお話がありました。今日、熊本県から県議会の水俣病の委員長が来て早い解決に向けて大臣に申し入れをすると思いますが、それを受けて何らかのもっと強い態度で望むとか、あるいはその支援策あたりを変えていくとかありますか。

→熊本県においても現在のチッソの態度に対して大変問題視をしておりまして、不満に思っておられます。早い解決を心から願われており、熊本県がそのように強い気持ちをもたれるのは当然だと私も理解をしております。熊本県も色々な論点を言っておられます。支援にしても熊本県議会自身は支援策も含めて、とにかくチッソに解決に向けて努力してもらうことを迫るという態度を取っておられます。そういうことも含め、あらゆる事を素材にして私どもも色々検討をしていくということだと思いますが、それをどういう検討をして何をするのかというのは、チッソが何らかの解決に向けて努力をするという議論があってのうえですから、まずはチッソが考え方を変えることが必要だと思っております。何度言われましても、まずはチッソが考えを変えることが先決ということです。

質問
昨日、19年度の温室効果ガス排出量が出ました。昨日も大臣にお話を伺ったのですが、今年度から京都議定書の約束期間が始まっているわけで、色々と課題は多いと思いますが、次官としてどう受け止めておりますか。

→2007年度の速報値ということですが、速報値の限りでは、基準年対比8.7%増ということでありますし、2006年度の確定値と比べるのは必ずしも厳密ではない面もありますが、2.3%増加しているわけですから、数字自体は過去最高のものになります。
 内容につきましては、非常に大きな要因は原子力発電所の稼働率低下ということでありますから、電力会社の方で最大限の努力をしていただかなければならないと思っております。それを除いて原発の稼働率だけを引き算しても若干増えているということですから、懸命に対策は打っておりますが、まだ高い水準であることは間違いがありません。いよいよ第一約束期間としてカウントされる2008年度にもう入っているわけですから、現在の経済の情勢で2008年度の数字がどうなるのかこれから注視していかなければなりませんが、それにしても、1990年に比して、大きく増加した高い水準で第一約束期間に入ってきているのは間違いありません。目標値は5カ年平均の値ですから、それをクリアするということは、2012年に目掛けては、それを超える更に大きな努力が必要だということになります。したがいまして、京都議定書目標達成計画に掲げる数々の対策を懸命に実施することが必要であり、特効薬があるというわけではありませんが、最大限努力をしていくということだと思っております。環境省としても出来るところについては、メリハリを付けて懸命に努力をしていくということが必要かと思っております。
 排出権の試行のように取りかかっている途上のものもありますし、かねて私が申し上げておりましたソーラーを大きく前進させるということについて、だいぶ気運が盛り上がってきたという材料もございますので、様々な努力を出来る限り懸命にやっていくことに尽きると思っております。

(了)

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