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大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成20年8月28日(木))


1.次官会議案件等概略説明

 本日の事務次官等会議については、政令が3件、人事が1件、配布が1件です。環境省関係はございません。その他、9月1日は政府で防災訓練があるので、しっかりやらなければというお話がありました。環境省も防災訓練をいたします。
 私からですが、昨日の大臣の記者懇にご参加いただいた方々にお礼を申し上げます。ありがとうございました。
 それから、二つお話をしておきたいと思います。一つは、アクラのAWGでございます。まだ一報を聞いたところでありますので、また竹本審議官が戻ってきたらいろいろと取材をしていただければと思っております。12月のポズナンでのCOP14に向けてステップを踏んでいくということですが、その時に、洞爺湖サミットであそこまで高い山に登ったわけですから、ここからは是非高度を失わないように、峰伝いに更に高い山、COP14に行かなければいけないわけです。今回のAWGはそういう最初のステップとして有益だったと報告を受けています。
 その中の大事なことの一つは、我が国の竹本審議官から、G8、MEMの結果紹介をして、特に条約のプロセスに、2050年に半減する長期目標を共有していかなければならないということを、我が方から訴えたということです。
 もう一つは、作業部会は条約についてと京都議定書についての二つがありますが、条約作業部会でのポイントとしては、セクター別アプローチのワークショップも開きましたし、セクター別アプローチの説明をしたことです。いろいろな議論が出て、各国もセクター別アプローチの議論の俎上に乗ってきましたし、世界全体の排出量削減に貢献するということで有効性を主張したわけですが、その可能性があることについては、多くの先進国、一部途上国の賛同も得られたということで、一歩が築けたと思います。
 それから、大いに議論していただかなければいけないという意味で提起したことですが、途上国もそれぞれの能力に応じて、途上国間でも違った削減行動を行うのが普通ではないかという問題提起をしました。もちろん先進国からは賛同する国もありました。途上国は、当然これに対していろいろな反論・議論があったということですが、この議論が始まったということが一つ大事なことだと思っております。
 京都議定書の作業部会では、CDMの問題や森林・土地利用、対象ガスの追加などの議論がされ、対象ガスの追加の議論につきましては、温暖化への寄与など、知見についてさらに研究していくということになったと聞いています。CDMの関係では、特に我が国から主張した点について言いますと、コベネフィット事業を重視してはどうか、環境上適正な管理をしてCCSを活用してはどうか、安全確保を前提として原子力発電を取り上げてはどうか、といったような点につきまして、いずれも各国の出した提案と合わせて、オプションとして取り上げて議論をしていくということになったと理解しています。
 条約作業部会での、長期目標やセクター別アプローチ、途上国の能力に応じてといったような点について、文書になるのかについてですが、今回出たものを議長が責任を持ってCOP14に繋いでいくということで、文書化はいずれされるのでしょうが、最終日の文書として出されるものではないようです。我が方として主張すべきは主張して、議論として取り上げていただきましたので、それらをCOP14に繋いでもらうという一つのステップが踏めたと理解しております。
 この後、まだ日にちは確定しておりませんが、閣僚級準備会合があり、パリで10月22日にワークショップを開きます。前回の5月のときもOECD付属書Ⅰ国の会議の続きとして、そこに出た人が一緒に議論できる便宜としてパリで開かれたのですが、今回も同じような日程になっており、OECDの付属書Ⅰ国の会議があり、そこに関係者が集まってくるので、その続きで22日に開催して、参加を求めていこうということです。
 もう一点、ちょっと個別のことなのですが、しかもこちらから特に発表するタイプの事柄ではないのですが、お尋ねもあったので、一言説明したい案件がございます。チッソ支援の話ですが、本日事務レベルのチッソ支援の連絡協議会の幹事会があります。チッソ支援については、平成11年に抜本支援策として、基本的枠組みが閣議了解で決まっておりますので、毎年は、関係省庁の課長クラスで具体的な額をいつどうするかを決めていくという作業をしています。その協議会幹事会を、本日4時から開催するということです。チッソが債務の償還をする日が、毎年9月と3月に分け、それぞれの月の1日と25日ということで、4期に分けて割賦で償還してもらっているのですが、9月1日がせまっているので今日開くということです。
 チッソへの貸し主は熊本県で、熊本県がチッソに直接貸しているわけですが、熊本県が県議会から厳しい意見書をいただいております。熊本県、環境省で、こういう意見書をもらっているということで、チッソに対して、どういう考え方ですか、ということを聞いておりましたが、チッソは従来の主張を繰り返すだけで終始しております。こういうことではなかなか次の作業がなかなかできないということで、熊本県は、支払い猶予のために県債を発行しなければいけないのですが、現時点では県債の発行に至っておりません。それはそれとして、9月1日がせまってきましたので、チッソ支援連絡協議会の幹事会を開催いたしまして、とにかく9月1日の償還の処理を決めなければいけませんので、県の状況は状況として、処理を決めます。
 その詳しい内容は担当部局に聞いていただければと思いますが、今回の償還のことだけで言えば、チッソが支援策の平成11年の閣議了解に、チッソの負担の可能額の範囲内で支払うというルールがございますので、そういうことで処理することになると思います。ラフに言えば、4分割の今回は支払に支障はないということになると思っております。県債が現時点では発行されていませんので、今後どうやっていくかと言うことですが、閣議了解に基づいて、それぞれが努力しなければいけないということが基本でございますので、関係者が協議の上、然るべきタイミングで幹事会を開催して、確認をしなければいけないと思っております。
 今日時点のこの会議自体は、政策判断をするというものではありませんので、あくまで実務的な、9月1日がせまってまいりましたのでどう処理しておくかの調整でございます。患者補償に支障を来さないようにやっていくということが根本でございまして、これはいささかも変わることは無いわけでございますので、そのことを申し上げておかなくてはいけないかなと思いましたので、特に説明させていただきました。
 私からは以上です。

2.質疑応答

質問
まもなく詳しい説明が官房長からされると思いますが、来年度予算の概算要求について、環境省としてどういう点に気を配って要求したかについてお願いします。

→言うまでもなく、洞爺湖サミットの成果を踏まえて、低炭素社会に向けて進めていくということです。国際面ではCOP14に向けて努力をしていくということでございますが、国内で低炭素社会を築いていく、また、京都議定書の目標を達成していくために、枠を一杯に使って努力をするということに特に配意をしております。
 それから、3R・廃棄物問題解決の推進、COP10を迎える生物多様性など自然との共生の問題をしっかりやっていくこと、安心・安全ということで、大気や水質等それぞれの課題にもしっかり目配りをしていくということで、全体をまとめるとそういうことです。重点課題枠に地球環境の問題も入れていただいて、重点的な予算編成をしていくということでございますので、枠一杯要求させていただいた後は、予算の獲得に向けて最大限の努力をしていきたいと思っております。

質問
チッソ支援の件なのですが、例年のチッソ支援連絡協議会幹事会では、年間のチッソが支払う可能額と猶予額というものを決めていたと思うのですが、今日の会議では、年間の支払額と猶予額というものを決めないということですか。

→細かい資料などは担当に聞いてください。今日の会議では、9月1日にどうしてもらうということは決めます。県債が現時点で発行されていませんから、いずれにしても、今会議を開いて年間のことがすべて決められるという状態にはなっていません。当然、次の9月25日の時はどうするかということがありますから、以後はまた幹事会を開かなければいけないと思っております。

質問
これまでは支払猶予額のうち、8割を国が一般会計で補助して、残り2割を県が県債を発行してチッソに融資して、それをもってチッソが支払うという形をとっていたと思うのですが、チッソに対する県債発行がないとなると融資がない状態になりますよね。そうなると、その2割分はどのように支援するお考えですか。

→そこは今日決める話題ではありません。平成11年の閣議了解があり、その枠組みは変わっていないわけですから、それに向けて皆努力をしなければいけないわけです。ただ、9月1日が支払期限になっているのは、実務的な事柄でありますから、それはそれでおかしくなるといけませんから9月1日のことは決めます。9月1日の支払に支障はないと思いますので、9月1日は、簡単に言えばそれで乗り切ります。年間通じて2割分はどうするかということですが、県債を発行してもらうというのが閣議了解のスキームであり、閣議了解にしたがって皆が努力するのは当然のことですから、これから関係者で努力して調整をしていくということです。ですが、9月1日の前の瞬間には県債を発行していないわけですから、そこは数字が埋められていないということです。

質問
チッソの負担の可能額の範囲で9月1日は支払うというお話がございましたが、それは年間の・・・

→ですから、今回決めるのは9月1日のことを決めればいいわけです。あと3回分がどうなるかという、先のことをお聞きになる気持ちは分かりますが、この幹事会というのは、別に政策や方針などを変えるわけではありませんので、閣議了解があって、それぞれ必要な、県債を出しましたとか、決算の数字がちゃんと出ましたとか、そういう実務的なことを確認して、具体的な数字を確認するだけの役割です。そこは県債がまだ動いておらず年間を通じての確認ができませんので、9月1日の確認だけをします。
 あとはどうなるのかというのは、まだ日にちもあります。県からもチッソに、一切考えは変わらないのですか、ということは言っているわけですから、チッソも含めて、関係者はよく調整・協議をしていただきたい。その場合、あくまで患者の補償に支障を起こさないというのが大前提で、そのために平成11年の閣議了解があるわけですから、その枠の中で、関係者が毎年、毎回きちんと努力をするというわけであります。それは変わりません。

質問
ここまで開催がずれ込んだというのは、やはり県議会の意見書が出た以上、それに対して・・・

→ここまで、一つは救済策についてのチッソの対応、その他、事態に対する考え方について、県とすれば、県議会から意見書もいただいているわけですから、チッソに、それについての考え方を示してください、という話はしておりますが、従来の状態から一歩も出ないまま今に至っております。
 県は県で、県議会から意見書をいただいているわけですから、チッソに、ここまで県議会から言われているわけですがどうなんですか、と聞くのは当然ですから、それを今まで聞いてきました。まださらに聞きたいということだと思いますけれども、9月1日がもう目の前に来ておりますから、9月1日の処理だけはしなければいけませんので、今日、幹事会を開きます。

(了)

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