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大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成20年7月10日(木))


1.次官会議案件等概略説明

 本日の事務次官等会議ですが、一般案件が2件、政令が8件です。特に環境省主請議のものはございません。
 私からは以上です。

2.質疑応答

質問
 昨日サミットが終わって、MEMも同時開催されて、メディアの評価としては、評価できる部分もあるし、新興国とは長期目標を50年半減という目標を盛り込めなくて、なかなか先行き多難という部分もあるという評価も出ていると思うのですが、その辺りはどうご覧になっていますか。

→ 今回のサミットでございますが、一言で言えば、大きな一歩が踏み出されたと思います。
 12月のバリ会合で二つのことが決められたわけです。一つは、主要排出国を含むすべての国が参加すること、もう一つは、2009年のコペンハーゲンでのCOP15までに新しい枠組みを決めること、この二つが大きな背景となっています。そのバリ・ロードマップの中で、1月の総理のダボス演説があり、5月のG8環境大臣会合をはじめとして様々な国際会議が連なり、6月には福田ビジョンも発表され、これらの積み重ねの中で今回サミットをむかえ、首脳レベルで長期目標・中期目標等の様々な課題について、方向が出されたということはやはり大きな一歩であり、成果があったと私どもは思っております。
 長期目標についても、改めて申し上げるまでもありませんが、まずG8として、2050年までに世界全体の排出を少なくとも50%削減する目標を気候変動枠組条約の全締約国と共有し、採択することを求めるという表現ではっきりと出されておりますし、中期目標についても、先進国が野心的な国別総量目標を実施するという言い方になっています。
 MEMにおいては確かにおっしゃられたような面もありますが、長期目標を含むビジョンの共有を支持する、あるいは世界全体の長期目標を採択することが望ましいという表現がはっきりと入っておりますから、足場と言いますか、基盤のようなものはMEMの中にも今回の会合の中で築かれていると思っております。

質問
 一方で、今回のMEMに参加した5カ国の首脳が先進国にかなり強い削減行動を求めているのですが、そうなると日本としても来年に向けて中期目標を出していく上ではかなり意欲的な、野心的な目標を出していかなければならないと思うのですが、その辺りはどうご覧になっていますか。

→ いわゆるG5の政治宣言においては確かに、先進国が90年比で2020年までに25から40%削減とか、あるいは2050年までに80から95%削減というような削減目標が示されています。ただ、もちろんこれからもずっと国際交渉が繋がっていく中で、こういった数字を含めてどのように議論されていくかは予断できないわけです。
 いずれにしても、MEMにおいても、先ほど足場と言いましたが、そういうものがきちっと築かれておりますし、長期目標についてIPCCの野心的な複数のシナリオへの真剣な考慮を求めるといった表現も入っております。
 それから新興国の方も、BAUといいますか、対策を取らない通常のシナリオに比べて排出量の減少を達成するという表現も入っております。そういったことが主要経済国16カ国間で合意が得られたということは、今後の国際交渉の加速化という点でも非常に意義あるものだと評価をしております。これから年末にはポーランドでCOP14がありますし、まず8月下旬には、ガーナで新AWGの第3回目が開催され、セクター別アプローチなどが議論される予定でございますし、おそらく10月頃には、例年どおりCOP14における調整のための閣僚級の準備会合が開催されると思います。こうして連なっていく国際会議の中で、今回の洞爺湖サミットにおける二つの文書は大きな一歩と言いましたが、有益なインプットと言いますか、こうしたプロセスに対する貢献にもなると思います。
 日本は日本で、今回の成果等を踏まえつつ、中期目標については来年の然るべき時期にという福田ビジョンに沿って検討の加速化を進めていくということになると思います。

質問
 サミットについてですが、途上国と新興国との溝を埋めるためには、やはり率先して意欲的な中期目標を先に示すしか打開策はないと思うのですが、そうすると新興国が言っているように、20年に25から40%という、日本も含めて早急に示す必要があり、そうしないと逆にこの交渉は進めようがないのではないかと思うのですが、政府は来年にも中期目標を示すということですが、やはり少なくともこれくらいはしなければ、いろいろな状況から見て厳しいのではないかと思うのですが。

→ 途上国、新興国も含めて、先進国との溝を埋めるためには、中期目標ももちろん大事だと思いますが、中期目標だけではないと思います。技術支援や資金移転といった様々な課題もあります。そういうものを含めて、途上国との溝を埋めていくべきだと思うし、例えば、中期目標を決めるときにもボトムアップのセクトラルアプローチを申し上げておりますが、資金移転等を考える場合にも、協力的セクトラルアプローチも大事だと思います。

質問
 福田ビジョンで試算したような14%だと、やはり今の国際状況だと当然厳しいのではないかと思うのですが。

→ エネルギー需給試算の14%については、総理も一つの例示としておっしゃっているわけで、総理自身が来年の然るべき時期に決めるとおっしゃっていて、この数値が答であるとはおっしゃっていないわけですね。
 これから、今申し上げたセクトラルアプローチの更なる検討等を含めて、あるいは御質問のあった新興国や開発途上国の出されているような要請も十分踏まえて、先進国自身の、各国それぞれ事情があると思いますが、日本は日本として適切な中期目標の数値を出していくことが必要だと思います。それはやはり来年然るべき時期に、できるだけ早くということだと思います。

質問
 諫早湾開拓事業に関してですが、今日にも控訴するかどうかを決めると官房長官もおっしゃっていましたが、一連の流れの中で環境省が水質改善対策を農水省、長崎県に申し入れていらっしゃると思うのですが、今回改めて改善策を要請したりといったことはお考えでしょうか。

→ まず諫早湾開拓事業に係る佐賀地裁の判決に対して、控訴するかどうかという問題については、当事者である農林水産省、法務省等の関係機関と最終的に協議がされているところと承知しておりますので、環境省としてはその動向を引き続き注視していく所存でございます。
 また、環境省としては、諫早湾を含めた有明・八代海の再生に資する調査として、海域環境の現状および変化傾向の的確な把握に努めてきたところでございますし、平成18年12月の評価委員会の提言を踏まえて調査の重点化を行うこととし、今後とも、有明・八代海の再生に向けて私どもとしても各種調査に積極的に取り組んでいくと考えております。

質問
 これまでの評価委員会以降の流れは、粛々とやっていくということでしょうか。

→ そのように思っております。

質問
 控訴についてはコメントをする立場にはないということでしょうか。

→ そうですね。控訴については特に農林水産省、法務省の協議の状況を見守っているところでございます。

(了)

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