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大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成20年5月29日(木))


1.次官会議案件等概略説明

 本日の事務次官等会議ですが、特に御報告する案件はございません。環境省の主請議のものももちろんありません。
 私から一つ申し上げます。地球環境研究総合推進費による研究成果の発表を本日14時から行う予定でございます。地球環境研究総合推進費の中の一つのカテゴリとして、戦略的研究開発領域というのがありますが、本日発表するのは、「温暖化影響総合予測プロジェクト」という、茨城大学の三村教授をリーダーとするプロジェクトです。平成17年度から研究を開始されており、5年間ということですが、最初の3年間における成果を、今日、発表されます。今世紀中頃、大体2050年までに重点を置いて、今世紀末までを視野に入れて、今後、一定の気候シナリオに沿って温暖化が進行した場合、日本においてどういう影響があるかを研究されたものでございます。
 水資源、森林、農業、沿岸域、健康の5分野を対象として、温暖化影響の地域分布を示すリスクマップを作成したことや、気温が上昇すると影響の程度はどうなるかという、横軸に気温をとって縦軸に影響度合いをとるという温暖化影響関数を構築して、我が国に対する影響を定量的に示しているという点。更には、悪影響を抑制するための適応策の考え方を示された、といったところに特徴があります。
 『地球温暖化「日本への影響」』と題するプロジェクトでございまして、最新の科学的知見が出されており、それらが統一的な方法論に基づいて研究されており、画期的な成果であると考えております。
 後期の研究期間2年間においては、地域別の影響予測や経済評価を通じて、さらに具体的で総合的な影響予測に取り組むと予定されているようです。
 これはまったくご参考ですが、こういう研究が日本で進んでいるということを、IPCCのパチャウリ議長や、第2作業部会のパリー議長らもよく御承知で、「この研究は世界でも最先端の研究である」という評価をされていると伺っております。詳細は14時からの御説明をお聞きいただければと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

質問
 この研究について、環境省としてこの結果をどういうふうに活かしていかれるのでしょうか。死亡リスクが高まるとか、作物の生産地が変わるとか、具体的なものが出てくると思うのですが。

→ 申し上げたように、日本への影響を地域別に分布して見ている、あるいはそれぞれの項目ごとに温度がどれだけ上がったらどれだけ影響が出るか、定量的に、しかも目に見えるわかりやすい形で「見える化」と申しましょうか、出されているということでございます。また、そういう影響に対しての適応策も示されておりますので、まず研究成果としてそのまま受けとめて大いに参考にしたいと思います。
 広く温暖化の問題について、いろいろ定性的な議論だけでなく、定量的に、どこの地域でどういう問題が起き、どの地域が脆弱であるということを、我々自身も勉強、説明し、啓発していく際にも大いに役立つ資料になると思っております。

質問
 実際に適応策をとるのは、農水省であり、国交省であり、地方自治体になると思うのですが、そういうところに対して情報を伝えるのでしょうか。

→ もちろん伝えていきたいと思います。今回のこの研究自体も、三村教授だけを紹介しましたが、農業環境技術研究所をはじめ、非常に幅広い方々が研究グループに入っており、広く共有されるものだと思っております。

質問
 世界最先端の研究ということであれば、先般の環境大臣会合でも何らかの発表をすれば環境省としての良いPRになったのではないかと思うのですが、何故このタイミングなのでしょうか。

→ とりまとめられた方々が成果を発表されるのが大前提です。先生方が、いろいろな機関にわたっており今日発表ということで承知をしていたものですから、まずは研究者の方々が発表されてからだと思います。

質問
 例えばあの会合の場で、今回発表される内容のエッセンスの部分を各国大臣の方に紹介したなどということはなかったのでしょうか。

→ 特にしておりません。これは主として日本への影響ということが中心テーマであります。
 確かにそういうことを国外に発信していくことも大事だと思いますが、科学者の方々による本日の成果の発表後と思っております。ただ一言付言すれば、G8環境大臣会合を通じても、IPCC等の科学的研究基礎というものが論議の基盤にもなっており、こうした傾向は今後とも続くと思います。

質問
 鴨下大臣がドイツでの生物多様性条約、COP9に出席されるということで、先ほど紙をいただいたのですが、もう大臣は出発されているのでしょうか。

→ まさに出発されたところだと思います。
 御説明いたしますと、5月19日に開会され、約170カ国の政府代表団、国際機関、国際団体、非政府機関、全部合わせて約8千人が出席と聞いております。もうあと残すところ二日ということでございますが、昨日から閣僚級会合が開催されております。本日、鴨下環境大臣はこの会合に出席すべく出発されました。大臣は、現地時間で30日午前の閣僚級会合の場で、G8環境大臣会合での成果として、「Call for Action」すなわち「生物多様性のための行動の呼びかけ」を御説明し、これを受けての日本の取組などについても紹介し、また、COP10の名古屋招致、日本開催の実現に向けて改めて支持を訴えることと存じます。

質問
 国会の同意がいつ得られたかわからないのですが、出発した後にこういう重要な日程を出されるのではなく、決まった時点で速やかに出していただきたいのですが。

→ 国会の同意は昨日でした。環境大臣会合等で担当局もバタバタとしておりましたので、皆様方への正式な連絡が遅れたのは誠に申し訳ないと思います。これから十分留意し、よく踏まえておきたいと思います。

(了)

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