事務次官会見要旨（平成２０年４月２４日（木））

１．次官会議案件等概略説明

　本日の事務次官等会議ですが、一般案件が４件、法律案が１件、政令が４件です。特に環境省関係のものはございません。
　私から花粉の関係でお話を申し上げたいと思います。環境省では、平成１６年度から、各地の花粉飛散状況と花粉飛散の終息予測に関する調査研究を実施しており、今般、平成２０年春のスギ・ヒノキ科花粉飛散の終息予測を取りまとめましたので、御報告します。
　今年春のスギ・ヒノキ科花粉の総飛散量については、九州地方と関東から東北地方にかけては昨年より１．４倍から２．６倍程度多くなりました。中国地方はほぼ昨年並みでしたが、その他の地域は昨年より少なく、特に近畿及び東海地方は昨年の約３割から約４割と、かなり少なくなりました。
　次に終息時期でございますが、スギ花粉につきましては、九州及び四国地方は３月中に終息いたしました。中国、近畿、東海、北陸地方ではまもなく終息いたします。関東甲信、東北地方は４月末、北海道地方は５月上旬頃には終息する見込みです。
　ヒノキ科の花粉につきましては、九州、四国、北陸地方を除いて、全国的にまだやや多い状態で飛散が続いているもののピークは越えており、飛散終息については、標高の高い山間部を除き、東海、北陸地方以西では４月末、関東甲信から東北地方にかけては５月上旬頃になる見込みです。
　詳しくはこの後資料を配付いたします。また、担当課にも問い合わせていただければと思います。
　私からは以上です。

２．質疑応答

質問

今日、民主党が石綿の救済法の改正案を議員立法で出して、与党の方でもそういう話があるようですが、こういう議員立法が出てきているということについて、どのように受けとめてらっしゃいますでしょうか。

→石綿健康被害救済法につきましては、例えば、現にお亡くなりになった後に中皮腫であると判明するという方もいらっしゃること等が課題となっています。
　法施行後２年を経過して出てきた課題について、本日、民主党から改正案が提出されたと承知しておりますし、与党においても先週からアスベスト対策プロジェクトチームが再開され、早急に検討が進められていると承知しております。
　いずれにしても、環境省としては、石綿によって健康被害を受けた方の救済は重要であると思っておりますので、こうした動きに対して、私どもとしても本法の見直しを適切に検討してまいりたいと思っております。

質問

ＰＭ２．５について、東京都が独自に目標値を設定するという報道があるのですが、こういう動きはどうご覧になっていますか。

→東京都がＰＭ２．５について検討会を開いて検討を開始しているということは承知しております。私どもとしても、ＰＭ２．５については検討会を開催し、既に取りまとめをしております。
　ＰＭ２．５については、循環器系なども含めて、健康影響も見られるということが指摘されておりますので、そうしたリスクの定量化の研究・評価等も含めて、更に調査していこうということで、先般、中環審の大気環境部会にこの検討会の報告をし、引き続き環境省として、これらの問題等についても作業・検討して、年内には大気環境部会に報告したいと思っております。
　いずれにしろ、東京都は東京都としてＰＭ２．５について正面から取り組まれて検討を進めているということは私どもとしても注目してまいりたいと思いますし、私どももオブザーバーとして参加していると存じております。

質問

花粉の関連で教えていただきたいのですが、悩みを訴える方は年々増えている感じですが、飛散量自体は、今年は比較的少なかったという位置付けでしょうか。

→申し上げましたように地域によって大分違いますので、なかなか一概には言えません。ただ、当初は昨年に比しかなり飛散量も多いと想定しておりましたし、飛散開始が割と早いと思っていたのですが、実際は１月下旬が非常に寒く、雪が降ったりもしたこともあり、飛散開始が遅れたものですから、終息ももう少し後だと思っていたのですが、３月になって気温が高めに推移したこともあって、終息時期については大体昨年並みでした。飛散量についてはかなりばらつきがあるということだと思います。

質問

予測の確度については、結果というか、シーズン当初の予測と比べてどのような御感想ですか。

→私どもはいろいろな情報を集めて、関係する協会等と協力をしながら発表しておりますので、天候の影響で予測と少し異なっておりましたけれども、基本的にそう大きな差異があったとは思っておりません。
　なお、終息について申し上げましたが、イネ科の花粉などが飛散しはじめており、花粉症の症状が続く場合、注意していただきたいと思います。
　もう一つ、私どもは花粉情報システムについて、「はなこさん」と言っていますが、ホームページで公開し、リアルタイムで見れるようにしております。今般改正をいたしまして、北海道地域や新潟県でも見れるようになり、沖縄はほとんどありませんので除きますが、全国各地で見れるようにしておりますので、参考にしていただきたいと思います。

（了）