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大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成20年4月17日(木))


1.次官会議案件等概略説明

 本日の事務次官等会議ですが、政令が3件です。特に環境省関係のものはございません。
 私から一つ申し上げます。環境省では、黄砂の飛来状況への関心が高まっていることを受け、本年2月より環境省のホームページ上で黄砂の飛来情報を提供してきたところですが、今般、鴨下大臣の訪中を受けまして、15日から、環境省ホームページ上で中国も含めた黄砂の観測状況を掲載できることとなり、実施を開始しているところです。さらに、本日より、その利便性を高めるため、黄砂の飛来情報に関する総合リンクサイトを気象庁と共同で開設しますので、お知らせします。
 後ほど記者発表資料をお配りしますが、気象庁の方では、黄砂の予測や、人の目視による観測等も入っております。私どものライダー装置による観測とも合わせて、総合的なリンクサイトということで利便性を高めたものでございますので、見ていただければと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

質問
アメリカ政府が、2025年に温室効果ガスの伸びをゼロにするという中期目標を打ち出してきたわけですが、これに関しての感想と言いますか、どうご覧になっているかをお聞かせいただきたいのですが。

→まず事実関係を申し上げたいと思います。日本時間で本日未明、現地時間では16日の午後ということになりますが、ブッシュ大統領が、2025年までに米国の排出量の増加を止めるという目標を発表されました。まずはエネルギー法に基づき、電力部門からの排出量を今後10年から15年の間でピークアウトさせること等により、取組を進めるとされています。また、気候変動対策の鍵は新たな技術であるとし、技術開発に関するインセンティブについて、制度改革の必要性を訴えています。
 国際的な枠組みについても触れており、すべての主要経済国が国別削減目標とその達成計画を掲げることや、それが国際的に拘束力のある合意に包含されることを求めており、こうした合意作りに向けて、主要経済国会合の首脳級会合に出席して、世界全体での長期目標や、国別の削減目標について議論する意欲を見せておられます。
 環境省としてどう受けとめているかという御質問についてですが、地球規模の温暖化対策を進める上で、米国の参加は不可欠であり、今次の発表内容については、米国が今後の気候変動問題に取り組む方針を示したものとして位置付けております。
 環境省としては、今後10年から20年での世界全体でのピークアウトや2050年半減といった、福田総理が提唱している「クールアース推進構想」の実現のためには、米国を始めとするすべての主要排出国による積極的な取組が必要でございますので、今後、神戸におけるG8環境大臣会合等を通じて、G8議長国としていかに前向きな行動を引き出すかが課題と考えております。
 ブッシュ大統領による発表自体については、具体的な取組が不明な部分もございますので、今後精査していきたいと思います。いずれにしても、今申し上げたように、米国が今後の気候変動に取り組む方針を示したものとして受けとめております。

質問
今まで否定的だったブッシュ大統領が一転方針を示したということはあるのかも知れませんが、正直なところ、お世辞にも高い目標を掲げたとは言えない、気候変動という観点からすれば、評価に値する目標とは言えないのではないかと思うのですが。それはやはりG8環境大臣会合等を通じて、もっと積極的な姿勢を示せということを伝えていくということでしょうか。

→ブッシュ大統領の発表は、気候変動に関し多岐にわたっております。2025年までに増加を止めるということから始まって、技術の推進、国際協力枠組みについての強い意欲など、様々なものが含まれておりますので、全体としての受けとめは今申し上げたようなことです。
 日本としては、クールアース推進構想を進めるという観点から、主要排出国であり重要な役割を占める米国も含めて、主要経済国が積極的に取り組んでいくということが必要であると思っておりますので、G8環境大臣会合やサミットを通じて、議長国としてこれからも前向きな行動を引き出してまいりたいということです。

質問
先ほど次官もおっしゃいましたが、福田総理がダボスで、今後10年から20年での世界全体のピークアウトということをおっしゃっていましたが、最大排出国であるアメリカが2025年にピークアウトするとなると、事実上それは不可能に近いようにも感じますが、それについてはいかがですか。

→不可能とは考えておりません。2050年の半減ということや、今後10年から20年で世界全体でピークアウトしていかなければならないということは、クールアース推進構想の大事な柱でございます。それに沿って日本も考えたいし、先進国、あるいは新興国や開発途上国も含めた世界全体で、そういう方向に向けて考えていきたいというのが私どもの骨格ですので、それに沿って進めていかなければならないと思っております。

質問
そういう意味ではなく、25年にアメリカがピークアウトするとすれば、日本は28年までに世界全体でピークアウトすると言っているわけですから、途上国の分などいろいろなことを考えると、サミットでもおそらくその辺が合意できるかというのが一つのテーマだと思うのですが、事実上、非常に厳しい情勢じゃないかと受けとめております。それについてはいかがですか。

→申し上げたように、今後アメリカがさらに具体的な取組をどのように進めていくか、あるいは目標自体についてもアメリカ国内でどのような意見と言いますか、いろいろ議論もあろうかと思います。そういうこと全体をこれからよく見極めてまいりたいと思っております。
 主要排出国の中でも大きな位置を占めているアメリカがどういう対応を取るかということは、今後我々も注意深く見守りつつ、日本は日本として、そして世界全体として進めていかなければなりません。
 今もちょうどパリでこれからMEMが始まる時間になるわけで、これから様々な場で大いに議論をしていくことになると思います。

質問
日本は中期の目標をまだ示していないわけですが、EUは既に示していて、アメリカも極めて不十分とは言え、今回示したということで、日本の対応は今後、どのようになるのでしょうか。

→日本も今、日本としてどのようなことを目指していくか、長期も中期もそうですが、どういう目標を掲げていくかということについての、国内で必要な作業を加速していく考えです。
 その数値をどのようなタイミングで提示するか、これはやはりすべての主要排出国が参加していくこと、公平性を保っていくこと等を原則としながら、国際的な動向と言いますか、国際交渉の状況等を踏まえつつ、これから判断してまいりたいと考えております。

(了)

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