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大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成20年4月7日(月))


1.次官会議案件等概略説明

 本日の事務次官等会議ですが、一般案件1件、法律案1件、政令1件、人事2件、配布1件です。特に環境省関係はございません。
 私から、バンコクで開催されました気候変動会合について申し上げます。条約特別作業部会、いわゆる新AWG、及び議定書特別作業部会、いわゆる旧AWGが、3月31日から4月4日までバンコクにおいて開催されました。今回の会合では、バリ会合の主要な検討事項である、長期目標や低炭素社会などの共有のビジョン、緩和、適応、技術、資金の5つに関して議論が行われました。今後一年間、これらすべての要素を並行して議論するという我が国の主張に沿った作業計画を策定することができました。なお、この5つの要素のうち、資金や技術については、緩和や適応と関連付けて議論することとされております。
 また、本年の今後3回のセッションにおいて8つのテーマでワークショップを開催することとなりました。具体的には、6月に行われるセッション2のワークショップでは、適応、資金、技術の問題を議論します。8月ないし9月に行われるセッション3におけるワークショップでは、森林減少の問題とセクター別アプローチの話を別途行います。セッション4は12月で、COP14のときに行うことになりますが、ワークショップでは、温暖化がもたらす悪影響のリスク管理の問題、技術の問題、長期目標や低炭素社会などの共有のビジョンについて議論されます。
 我が国は今次の会合でセクター別アプローチの考え方等を説明し、その有効性を主張いたしました。途上国からは何らかの義務付けにつながるといった考え方から懸念が表明されたわけですが、結果としてセクター別アプローチが作業計画に明記され、議論がこれから継続されることとなったことは成果だと思います。
 さらに、京都メカニズムについては、改善、見直しの必要性があること、森林吸収源については一つの目標達成手段として適切に位置付ける必要性があること等、我が国の考え方を改めて説明し、途上国を含めた多くの国の理解を深められたことも、今後の交渉に向けて有用だったと思います。また、我が国が従来から主張してきたコベネフィット・アプローチについても、CDMの見直しに関連して、結論文書に明記され、今後議論していくこととされております。
 次回会合は6月2日から13日まで、ドイツのボンで開催されます。その直前の5月24日から26日にはG8環境大臣会合を神戸で開催することとしており、我が国としては、G8の議長国として、こうしたG8プロセスを通じ、次期枠組み交渉に引き続き積極的に貢献し、環境面におけるリーダーシップを発揮していきたいという考えです。
 私からは以上です。

2.質疑応答

質問
セクター別アプローチに関する日本政府主催の学者、研究者で行う国際ワークショップについては、ほぼ日程も場所も固まったと思うのですが、正式に教えていただいてよろしいでしょうか。

→会場の都合等いろいろとあり、まだ日時、場所等、正式には発表できませんが、近くきちんと発表いたします。いずれにしても、大臣がお話されたように、5月初旬にヨーロッパでということになっております。

質問
パリで行われると思っているのですが、これはヨーロッパの研究機関なども呼ぶのが狙いなのだと思うのですが、中国、インドなど途上国からもオブザーバーのような形で研究者などを呼んだりするのでしょうか。

→セクター別アプローチに限らず、各国の持っている削減ポテンシャリティや、それらをどのような手法で比較・計算していったら良いかということを中心に、学者、研究者間で議論いたします。日本、ヨーロッパの研究機関はもちろんですが、幅広くいろいろな国の研究機関に今呼びかけているところです。もちろん途上国からも、研究機関あるいはオブザーバー参加も認めていきたいと思っており、できるだけ多くの研究機関、学者等に集まっていただけたらと思っております。

質問
先週末は洞爺湖で「地球温暖化問題に関する懇談会」があり、排出量取引を含む政策手法分科会が設立されることになりました。環境省も経済産業省も形は若干違いますが、経済的手法についてそれぞれ検討会、研究会を設置されていますが、環境省の検討会でどのような方向性を出して、どうインプットしていくのか、次官は環境省のプロジェクトチームのリーダーを務めていらっしゃるということですので、このあたりを併せて教えていただきたいのですが。

→土曜日に、洞爺湖において、「第2回地球温暖化問題に関する懇談会」が行われ、「低炭素社会の姿とその道筋」がメインテーマで、活発な議論がありました。排出量取引や環境税など含めて排出削減を進めるための政策手法について更に専門的観点を含めて検討しようということで、政策手法分科会が設置されることとなりました。これからどのように進めていくか、人選等含めて奥田座長が中心となって進めていくということで、詳細はまだ何も決まっておりません。政策手法分科会では、専門的知見を持った方々にできるだけ幅広い観点から検討していただきたいと私どもは考えております。排出量取引については、懇談会においても議論があったことも承知しておりますし、鴨下大臣もその場で発言もされております。
 環境省 のプロジェクトチームですが、排出量取引については、今、検討会を順次進めているところですので、これからもう少し回数を重ねて、来月半ばぐらいには、できるだけ具体的なモデル案の提示を含む取りまとめを行っていきたいと考えております。そうしたことを通じて、排出量取引が温暖化対策の一つの経済的手法として有効なものだという考え方を進めることができればと思っております。もちろん検討会には産業界の方も多く入っておられ、いろいろな議論がありますので、そうした方々の意見もできるだけ含めながら、取りまとめていきたいと思っております。
 なお、土曜日は別途、御承知のように、洞爺湖町で国民対話が行われ、環境・経産大臣の他、福田総理も参加されました。会場から質問等も多く出され、活発な意見交換があり、大変成果があったと思っております。

質問
5月のワークショップはセクター別アプローチにとどまらず、削減ポテンシャルをテーマとしたワークショップだと理解していたのですが、どのようなことを話し合うか、どのような方が参加するかなど、全体の流れに位置付けた狙いについて改めて教えていただきたいのですが。

→学者、研究者あるいは研究機関を中心に、気候変動の問題、特にセクトラルアプローチを中心とした温暖化対策の数量的な分析手法といった方法論を中心に行われることになると思います。
 ただ、セクトラルアプローチといっても様々な考え方、手法がありますし、更に全体の温暖化対策の手法であれば、研究機関によっては全然違うアプローチもあるかもしれません。参加機関を募っている間にどのようなことを発表したいか、これから段々とまとまってきますので、その中から考えていきたいと思います。
 いずれにしても、特に学者、研究者の観点からセクトラルアプローチを中心とした手法について、方法論等を中心にあるべき姿等を整理・議論していく形で考えております。

質問
日本からはどこが参加するのでしょうか。

→日本もそうしたことを研究しているところ、例えば国立環境研究所などがございますので、そうしたところが参加するだろうと思いますが、正式にはこれからです。

質問
途上国の研究機関も出席するのでしょうか。

→途上国で体系立って、そうしたことについて何か専門に研究している機関があるかどうかは必ずしも承知しておりませんが、途上国にも当然呼びかけていきたいと思いますし、これはどこの国と限っておらず、幅広くと思っており、オブザーバーとして聞いてみたいという方々もいらっしゃれば是非と思っております。
 このワークショップは日本政府が主催しますが、ヨーロッパの交通の便利なところで開催した方が参加しやすいのではという気持ちもあります。

(了)

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