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大臣記者会見・談話等

事務次官会見要旨(平成20年2月18日(月))


1.次官会議案件等概略説明

 本日の事務次官等会議ですが、政令1件、配布1件です。特に環境省関係はございません。
 私から2点御報告させていただきます。まず、絶滅のおそれのあるアホウドリの繁殖地を小笠原群島の聟島に形成するため、アホウドリのヒナを鳥島から聟島まで移送する事業については、15日を予定しておりましたが、現地の天候不良により、明日まで順延することを決定しております。昨日朝の段階では、本日移送する予定でしたが、現地において強風によって、安全にヒナをヘリコプターに載せることが不可能であるとの判断がなされたため、明日に延期したものです。アホウドリのヒナを移送し、飼育するという取組は、これまでに例がありませんので、よく状況を見極めながら、慎重に実行することが何よりも重要であると認識しております。明日の実施の可否などについては、明日の朝、担当課から発表する予定です。
 次に、今週2月20日から22日まで、モナコ公国において、国連環境計画、UNEPの特別管理理事会及び閣僚級環境フォーラムが開催され、日本からは私が21日、22日の閣僚級フォーラムに出席いたします。今回の会合は2つのテーマがあり、「気候変動に対処するためのファイナンス」と「国連改革」で、国連環境計画という現在の組織のあり方が議題です。ファイナンスの方については、福田総理がダボス会議での講演において、100億ドル規模の新たな資金メカニズム、「クールアース・パートナーシップ」の構築を表明されたところです。今回の会合でも、このような日本のイニシアティブを紹介するなどして、気候変動対策に関する国際的な議論を喚起してまいりたいと思います。また、現地で都合がつけば、日本と関わりの深い国や機関の方々とバイ会談を行ってまいりたいと思っています。
 私からは以上です。

2.質疑応答

質問
 来月31日からバンコクで、気候変動枠組み条約のポスト京都作業部会第1回会合が開かれると思うのですが、バリ会議で日本が主張していたセクター別アプローチの新たな作業部会を国連下に設けて、国際的に協議していこうと調整が進んでいるという一部の報道がありましたが、現在、どのような状況になっているのでしょうか。

→昨年末のバリ会議を受けて、3月31日から4月4日まで、バンコクにおいて条約の下の特別作業部会第1回会合及び京都議定書に基づく特別作業部会、これは旧AWGと言っておりますが、この第5回会合を併せて開催することが決まっております。条約の下の特別作業部会については、第1回ということですから、まずはどのように進めていくかという今後の作業計画について議論されると承知しております。2009年のCOP15までに結論を得ることになっており、我が国は、先般福田総理がダボス会議で発表されたクールアース推進構想に基づき、積極的にこの議論に参画してまいりたいと存じます。今、御質問されたことまではまだ決まっているわけではありません。もちろん、これから実際にどのように進めていくかという中で、おっしゃったような議論もあるかもしれませんが、とりあえずは第1回ということで、今後の作業計画について議論しようということです。
 併せて開催される京都議定書に基づく先進国の次期約束を検討する特別作業部会については、今回は先進国の取り得る様々なCO2削減手段についての議論を行うことになっております。我が国としても、各国と連携しながら、前回の合意に基づき、大幅な排出削減の実現方策について議論を進めていきたいと存じます。
 なお、バンコクにおける会合の前には、我が国主催によるG20対話が3月14日から16日で千葉で開催されます。この対話での議論がバンコク会合を始めとして、一連の国連プロセスにおいて活用されていくように、しっかりとG20の方の準備も進めてまいりたいと考えています。

質問
 UNEP特別管理理事会の件ですが、次官として強調してきたいテーマ、案件はございますか。

→第一のテーマは資金メカニズムと申し上げましたが、これはまさにクールアース推進構想ということで総理御自身がダボス会議で発表されておりますし、関係省庁と連携してこれから進めていきます。外務省からも担当課長が来ると聞いておりますが、まずはクールアース推進構想をしっかりと更に周知していきたいですし、説明してまいりたいと思っております。
 また、閣僚フォーラムとは別に、昨年のUNEP管理理事会の折、水銀に関する議論がありました。これについては来年のUNEP管理理事会でとりまとめを行うことになっておりますが、既に作業グループが議論を進めておりますので、確か中間報告がされると聞いております。これは報告だけで特に会議があるわけではありません。環境省は水銀については、水俣の経験を踏まえ、非常に注目と関心を持って議論に参画しておりますので、この中間報告もしっかりと聞いておきたいと思っております。

質問
 UNEP改革とは具体的にはどのような議論がされるのでしょうか。

→まだアジェンダの詳細を見ておりませんが、これまでも国連環境計画というものを、例えばWTOのように国連環境機構といいますか、United Nations Environment Organization、UNEOということにしたらいいのではないかというような意見もあります。おそらくこのあたりのことを巡っての議論がされるのではと推測しております。これもメリット、デメリットがあると思いますし、まずはUNEPの組織でやらなければならないことが多々あると思いますから、議論を見守りたいと思っております。

質問
 UNEOについての議論は今度の会合が皮切りになると思いますが、その後の経過、いつ頃までに結論を出すという見通しはあるのでしょうか。

→国連環境計画の組織の議論自体はこれまでも、そして昨年の理事会においてもありました。国連の中における環境関連の組織をどうするかという議論は、様々な観点があり、すぐに結論が出るものではないと思いますが、今回どこまで議論が進展するかだと思います。
 ただ、組織の問題ももちろん大事ですが、何をやるかということ、どういうことを進めていくかということが大事だと思いますので、そうしたことを発言しようかと思っております。

質問
 日本としては組織論云々よりも中身、実効を優先するべきだという立場で臨まれるということでしょうか。

→組織論もあると思いますが、順番としてはそういうことではないかと今の段階では思っております。ここはよく検討したいと思いますし、各国の発言、中身も聞いて議論していきたいと思います。フォーラムといいますか、みんなで議論し合う場ですから。

質問
 水俣病の救済策についてですが、PTが出した救済策を拒否しているチッソに対して、年度内に環境省が説得をするというお話でしたが、現状はどのようになっているのでしょうか。

→新たな救済策の実現に向けて、与党PTと連携を図りながら取り組んでいるところです。関係団体、チッソとの調整を図りながら、与党PTの提言の実現が図られるように尽力してまいりたいということで、従来から申し上げていることとスタンスは変わっておりません。

質問
 スタンス通りに働きかけをされているという理解でよろしいのでしょうか。

→そういうことです。

質問
 まだ結論は出ていないのでしょうか。

→早く結論が得られるように引き続き理解、協力を求めていきたいと思っております。

(了)

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