事務次官会見要旨(平成19年1月10日(木))
1.次官会議案件等概略説明
本日の事務次官等会議ですが、議員提出法律案関係が1件、政令が1件、報告が1件でした。特に環境省関係のものはございません。
私からは以上です。
2.質疑応答
- 質問
- 今月末に開かれるダボス会議ですが、大臣の出席の可否を含め、準備状況はいかがでしょうか。
→ダボス会議につきましては、23日から27日に行われる予定です。もちろん国会との関係がございますのでまだわかりませんが、気候変動が一つの大きなテーマでもありますので、総理に是非出席していただきたいと思いますし、また環境大臣も、国会の御了解が得られればという前提付きですが、出席するという方向で考えております。
出席するときに気候変動についてどんなことを発信していくかということについて、まさに今、検討しているところでございます。
- 質問
- 今日の一部報道で資金支援の話が出ていたのですが、資金支援以外の途上国への支援策みたいなものは、どのようにお考えでしょうか。
→地球温暖化対策には大きな二つの柱があります。一つは、まずどうやって温室効果ガスを減らしていくかという削減の方策であります。先進国はどうあるべきか、新興国・途上国はどうあるべきか、あるいは日本自身がどういう目標を立てていくべきかということが一番大きな柱でございます。もう一つの柱として、開発途上国や、大臣は正月早々ツバルに行かれましたが、そういう島嶼国のような、気候変動問題に脆弱な国に対してどういう支援をしていくかということ、こうした適応の問題を中心に、技術支援等を含めた支援の問題も大きな一つの柱ですから、幅広い検討をしております。
バリ・ロードマップの中にも、開発途上国に対する支援というものが明確に位置づけられていますし、日本はこれまでも「美しい星50」の中において、新しい資金メカニズムの提案をしております。今、そういうものに沿って、具体的な策を外務省を中心に検討しているところでございます。今はまだ皆様方に申し上げられる段階ではありませんが、環境省としてもしっかりとした支援策が必要だと思っておりますので、積極的に協力・対応していきたいと思っております。
- 質問
- 再生紙年賀はがきの問題ですが、環境省として、次官の方に何か報告は上がってきているのでしょうか。
→再生紙の利用促進自体は、循環型社会を形成していく上で重要な取組だと思っておりますので、これまで環境省も、グリーン購入法に基づいてコピー用紙や印刷用紙等の古紙の配合率の基準を定めるなど、再生紙の利用を推進しているところでございます。今回の再生紙年賀はがきの件は、環境のために良いとして購入した消費者の信頼を損なう行為ですので、遺憾であると思っております。
環境省としても、こうした事態は、環境配慮製品に対する消費者の信頼を失わせかねない事態でありますので、日本製紙株式会社及び日本製紙連合会に対し、昨日、はがき以外の紙製品も含めた実態の調査を依頼したところであります。今後、この調査結果を踏まえ、関係省庁と連携して対応していきたいと考えております。
- 質問
- 環境省は以前から、古紙の配合割合について、どの割合にすれば一番環境に優しいかということも含めて検討してきているわけですが、そういう数字と実際は違うものが売られていたということについてはどう思いますか。
→グリーン購入ということで、政府、あるいは独立行政法人を中心として、はがきというのは今は入れておりませんが、コピー用紙や印刷用紙について、例えばコピー用紙なら100%といったような古紙配合率を決めて推進しているのは事実でございます。これからも再生紙というものについては、循環型社会の取組として推進したいと思っております。
もう一つ、今回は契約の問題が別途あると思いますが、それをさておいても、やはり再生紙ということで環境配慮製品だと思っていたのに実際は古紙の配合率は極めて低かったということは、消費者の信頼を失いかねない事態でありますから、私どもとしても遺憾でありますし、調査が必要であると申し上げました。
また、毎年グリーン購入製品の見直し・拡充を進めております。今は220品目くらいございますが、紙も重要な構成項目の一つでございますので、どういう紙を環境配慮製品として購入していくかという基準の作成に当たっても、こういう消費者の信頼を損ないかねない問題というのは、前提として重要ですので、しっかり調査をしてまいりたいと思います。ただ、直接これが直ちに配合率等の見直しに繋がるわけではないと思っております。
- 質問
- 会社側は、この問題が起こった理由として、製品の品質維持が難しいということを挙げていて、そういう論拠というのは年賀はがきに限るものではないと思いますが、業界2位の会社がそういうことをしたことにより、今後さらに広がる可能性もあるのではないかと思いますが。
→今申し上げたように、今回、はがきを含めて紙製品全体について調査を依頼したというのはそういうことによるもので、はがきに限らず、他の紙製品もいろいろと再生紙になっている中で、きちっと行われているかということも含めて見ていきたいと思うし、もっと言えば紙に限りません。
環境配慮製品に対する消費者の信頼をこれからも維持していく必要があるし、再生紙は循環型社会の形成に一つの役割を担っているものだと思いますので、しっかりと見ていきたいと思います。
- 質問
- はがきに限らず紙製品ということですが、もう少し具体的に、何かこういう調査をしてくれという話はされたのでしょうか。
→今回は年賀はがきが発端なので、はがきはもちろんでございますが、あとはそれぞれ、製紙連合会がどういうふうに整理されるかですが、私どもとしては紙製品全体ということで言っております。いろいろと使われている紙製品があるでしょうから、それについての整理を待ちたいと私どもは思っております。
- 質問
- それは当然、日本製紙に限らずということでしょうか。
→日本製紙、及び連合会にも申し上げましたので、両方です。
- 質問
- いつまでに回答するようにということなのでしょうか。
→関係省庁もありますので、そこも含めて話をしているところです。
- 質問
- 同様の問題があった場合に、環境省が所管する法令の中で何か対応できるものなのでしょうか。あるいは、注意してくださいね、とお願いするにとどまるのか。
→いろいろな問題があると思います。これは全く私見でございますが、例えば表示の問題をどう考えるのかといったように、いろいろな問題に広がっていくと思いますが、まずは私どもの範囲で申し上げれば、環境配慮製品に対するグリーン購入の制度を設けておりますし、あるいは、適切な環境ラベルみたいなものについて、これから施策を進めていきたいと思っておりますので、そういうことを含めて、今回のことをきちっと調査して、対応を考えていきたいということです。
ただちに何法ということよりも、まずは全体の環境配慮を進めていく上で、どのようなことを考えていくかということを検討したいと思っております。法律的には、先ほど申し上げたように契約上の問題もあるし、場合によっては表示の問題など、いろいろとあろうかと思いますが、今は調査を待ちたいと思いますので、今ここであれこれいうべきではないと思います。
- 質問
- 納入されているものについて抜取り調査をするということはお考えでしょうか。
→日本製紙や連合会にも調査を依頼しましたので、まずはその結果を待って、しっかりと見直して、今後、消費者の信頼を損ねないように環境配慮製品を普及させていきたいので、そういう観点から考えていきたいと思います。
- 質問
- 経産省の方でも何か調査を指示していたかと思うのですが、それとは別で環境省としてやるということでしょうか。
→これは私どもとして考えております。経産省も日本製紙という製紙業を指導する立場から御判断があるかと思います。先ほど関係省庁と申し上げましたように、連携してやっていきたいと思っておりますが、はがきを含めた紙製品と申し上げたのは私どもの判断でございます。
(了)