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環境省大臣記者会見・談話等>大臣記者会見要旨

大臣記者会見・談話等

斉藤大臣記者会見録(平成20年10月31日(金))


1.発言要旨

 私の方から3点お話しさせていただきます。
 一つは昨日新しい経済対策、第2次緊急経済対策として、生活対策が政府与党で決定されました。この決定にあたりましては私たち環境省も低炭素社会作りに向けたさらなる取り組み、美しい自然を守り育て、多くの人々が訪ね、住みたくなるまちづくり・地域づくりが必要であるということを強く主張してまいりまして、具体的には次のように盛り込むことができました。まず「地域づくりの推進」としては、カーボンオフセットなどを中心とした「地球・森林アクションプラン」、それから「美しい日本を守るクリーンアップ大作戦」、この代表は漂流漂着ゴミ対策等でございます。それから「環境保全型の地域づくり等の推進・支援」ということで、これはモデル事業を盛り込んでおります。そして後ほど詳しく説明させていただきますが、浄化槽整備などを含む「地域の排水対策」などが盛り込まれました。また、住宅投資・防災強化対策として、省エネ回収への減税策を含む「住宅ローン減税の延長・拡充」や「廃棄物処理施設の耐震化」等が盛り込まれたところでございます。規模は100億円規模です。先ほど申し上げましたカーボンオフセット、漂流漂着ゴミ対策、国立公園等の保全整備、環境モデル都市、これは3番目に言った環境保全型の地域づくりですけれども、そういう支援なども含めましてあわせて100億円程度の規模になるのではないかと思っております。
 今回特に申し上げたいのは、浄化槽の普及促進でございまして、これは私もいろいろなところで積極的にこの内容が含まれるようにはたらきかけてきたところでございます。事業規模は50億円程度を見込んでおります。浄化槽の特徴でございます、短期間での施設整備が可能、また効果の発現が早いということでまさに生活対策の緊急性という、今回の経済対策の基本的な考え方に沿っておりますので、これまで3分の1であった国の助成率を2分の1として、普及促進を図っていきたいと思っております。2分の1の普及促進ですが、これが適用されるのは、一つは学校や公民館、公園などの防災拠点における浄化槽の整備、それから2点目がBODのさらなる低減や窒素・リンの除去も行えるような高度処理浄化槽の整備、3点目これが一般の各家庭の浄化槽に普及する部分になると思いますが、消費電力の少ない省エネ型浄化槽の整備、これは既に市販されているものの省エネ型と言われているものでございます。それからレストランなどで使用されている比較的大規模な浄化槽の整備ということについては、補助率を上げるということです。補正予算と言うことになる訳ですが、補正予算で補助率を上げると言うのはこれまで例がなくて、財政当局ともかなり話し込みましたけれども実現することができました。生活改善と言うことに結びついてゆくのではないかと思っております。この他にも生活対策といたしまして、省エネ・新エネ設備等の投資促進税制、それから森林・林業の活性化等も盛り込まれております。このような対策が入った今回の生活対策、しっかりと実行してゆきたいと思っております。
 第2点目ですが、先ほどの閣議で決定されました自然再生基本方針の変更でございます。今回自然再生推進法施行5年を経過し、基本方針を見直すということで作業を進めてきたところでございますが、ポイントは2つございまして、ひとつは地域の産業との連携、民間団体等の活動の支援などによって地域特性を生かした取り組みを推進するということ、第2点は地球温暖化の影響や生態系ネットワークを踏まえた全国的、広域的な視点に立った取り組みを強化するということが、今回の変更のポイントかと思います。今日閣議決定されました。
 3点目でございますが、来週11月5日に中央環境審議会におきまして地球環境部会を開催いたします。この地球環境部会で議論していただきたいことは、既に長期目標で2050年において60~80%削減するということは国の方針として決まっているところでございますが、これをどう実現するかと言うことについて地球環境部会や、国立環境研究所などでこれまで議論されてまいりまして「低炭素社会に向けた十二の方策」が示されているところでございますが、この十二の方策をどういうタイミングで、どういう具体的な施策を実施すればよいのかというロードマップが明確に描かれておりませんので、政府としてのロードマップづくりに活かしてゆくため、より具体的な施策について議論して提案していただこうというのが主目的でございます。11月5日に久しぶりの開催になりますけれども地球環境部会を開催いたします。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)地球環境部会の件ですけれども、とりまとめは、いつ頃までに希望されておりますでしょうか。

(答)とりまとめ時期につきましては、どういう議論が行われるかにもよりますけれども、今年度内にとりまとめていただければということでお願いしたいと思っております。

(問)先ほどの追加経済対策の中で、一番はじめにあげられました「地球・森林アクションプラン」、カーボンオフセットを活用したとありますけれども、これを具体的に言いますとオフセットで投資した資金が、日本の森林保全に回るような仕組みにするという理解でよろしいでしょうか。

(答)これは国としても国費を投入するということ、それから民間のお金も投入する仕組みも作りたいと考えておりまして、林地残材等の未利用バイオマスの活用・森林吸収源対策等についてのクレジット認証支援等を行いたいと思っております。

(問)追加経済対策の全体的な評価についてお聞かせください。

(答)全体的な評価は、現在の世界的な金融不安に端を発した日本の実体経済への影響が懸念されている中で、日本経済を下支えし、かつ生活者が物価高で、特に中低所得者が物価高で大変困惑している、不安を持っているということに対して適切な対策であると評価しております。特に給付につきましては、私が所属している公明党では定額減税を主張してまいりました。この定額減税は、まさに不安に対しての生活支援ということで、時宜を得たものであると思っておりますけれども、欠点として時間がかかるまた所得税、住民税を納めていらっしゃらない方には返しようがない、しかしそういう方も消費税はきちんと納めていただいている訳で、そういう方にどのように返してゆくという二つの難点がありましたが、それを克服するものであり、また確実に消費に回ると思っております。消費に回らないのではないかなどと言っている人は、庶民の本当の苦しい生活を理解していないと思っております。私も現場を回って切実な声を聞いておりまして、大変適切な処置であると思っております。また、今回先ほども申し上げましたけれども環境省としては合併浄化槽の普及ということ、ある意味ではトップランナーといっても良いと思いますが、省エネ型、また高度処理ができるものについては2分の1の補助率ということは、各地方を回ったとき市町村長さんとお話をしましても、逼迫している地方財政を考えると、下水道整備区域になっているけれどもとても地方負担を考えるとできるものではない。しかしそういう意味では計画を見直して合併浄化槽という形にしたいと言うところがたくさんありますけれども、そういうところに水処理、つまり生活の改善と言う形で大きく貢献すると言うことで、環境省部分については特にこの部分の評価をしているところでございます。

(問)高速道路の料金引き下げはCO2排出抑制という面では逆行するのではという意見もありますが、どうお考えでしょうか。

(答)どういう形で高速道路料金の引き下げが行われるのか、具体的にまだ提案を見ておりませんので、何とも申し上げにくいですけれども、CO2排出増大にならないような形で実行、しかし国民生活の改善に役立つと言う形で、安心に役立つという形で、また地域経済の下支えに役立つという形で実行されるように環境省としても注意深く見守ってゆきたいし、発言すべきところがあれば発言してゆきたいと思っております。

(問)解散総選挙の先送りが与党にどう影響するかという点と、消費税の3年後の引き上げを明言したことで、国会や総選挙に向けてどう影響を及ぼすか、与党に不利に働くのではないかという見方もありますが、どうお考えでしょうか。

(答)これは総理のご決断ですので、昨日は明言されてはおりませんでしたが、これは総理がご判断されることですので、一閣僚としてそれに従いたいと思っております。総選挙を行って新たな民意を背景にして施策を強力に進めてゆく体制をつくるというのも一つの選択肢であったのではないかと私は思っておりましたけれども、これは総理のご判断されるべきことですので、それ以上は控えたいと思っております。
 それから消費税を3年後に引き上げるというご発言ですけれども、経済情勢が許せばということが前についております。これからの社会保障の財源ということを考えれば、その議論については我々もこれは避けて通れないと思っておりまして、経済状況が許せばその議論を始めゆくと言うことは私も十分理解できるところでございます。

(問)トキの関係ですけれども前回閣議後会見でお話があった後に、目撃情報が新しく入っておりますけれども、未だ確定されたわけではありませんが、飛翔が新潟までとどくということは想定されていたのでしょうか。また今回の目撃情報の信憑性、可能性などについてどのようにお考えでしょうか。また確認などの作業についてお聞かせください。

(事務方)完全に想定外ではありませんが、ちょっと意外という感じです。

(答)私も火曜日に閣議会見が終わった直後に聞いてびっくりしまして、すごい飛翔力だと思ったところです。2点目は私が聞いたところによりますと所謂色によるマーキングもはっきり見たという情報が1件だけあります。これまで12件情報が寄せられておりますが、いずれもかなり曖昧なものですが、1件だけ、まさに月曜日の朝見たものについてはマーキングについても明確に見えたと言うように聞いておりまして、かなり確度の高い情報ではないかと思っているところです。それから3点目のこれからの考え方ですが、確認を急ぐことがまず先決です。今朝も陣容を補強しまして確認作業したところですが、未だ確認できておりません。もし確認できたとしたら、観察をよく行いどのような餌を採っているか、どのようなところを飛んでいるのかといったところをよく見極めて、内々専門家の方にどうすべきかと言うことをご相談申し上げておりますが、その専門家の意見を待ってどうするかについては決めたいと思っております。

(以上)

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