本文へジャンプ
ここから本文
環境省大臣記者会見・談話等>大臣記者会見要旨

大臣記者会見・談話等

斉藤大臣記者会見録(平成20年10月28日(火))


1.発言要旨

 私の方から4点お話をさせていただきます。
 1点目は、閣僚懇談会において発言をさせていただきました。冬季の温暖化対策を強力に進めていきたいということで、各省に適切な暖房の実施とウォームビズ等について協力方を要請したところでございます。具体的には政府はもとより、企業や各家庭に対して、11月1日から3月31日までの間、ウォームビスの実践を呼びかけていくことといたしまして、これらの取組を通じて、政府は19℃、民間は20℃の室温を目処にした適切な暖房の実施を普及していきたいと思っております。また、環境省ではうちエコと称しまして、家の中から出来る温暖化対策を積極的に推進していきたいと思っておりまして、今日10時15分から環境大臣室にて、そのキックオフのイベントを行います。是非取材をしていただきたいとお願いをする次第であります。
 2点目は、環境省におけるタクシーチケットの廃止について申し上げます。これについては、予算委員会で質問があったところでございまして、環境省については私に答弁が求められ、タクシーチケットを廃止すると言明したところでございますが、検討してまいりました。11月1日から、廃止を当面の間行うということで、実際にやってみて、いろいろと不都合な点が出てきましたら、修正、調整をしていくということで進めたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 3点目ですが、レアメタル研究会を立ち上げることにいたしました。先頃成立しました補正予算の中に、使用済み小型家電からのレアメタルリサイクル推進事業というものが入っておりますが、補正予算が成立しましたので、速やかに行動に移すようにと、昨日指示を出したところでございます。この事業では、先進的に使用済み小型家電の回収について取組を進めている、秋田県、福岡県、茨城県、東京都などの自治体の協力を得まして、研究会を立ち上げて検討を行っていく予定でございます。研究会の座長には、慶応大学の環境経済で有名な細田先生になっていただく予定でございます。レアメタル、都市鉱山については私も、就任以来視察を重ねてまいりまして、先日も秋田県の小坂精錬に行ってまいりましたが、これからの日本にとって、重要な技術、事業だと感じた次第であります。最初はいかに回収をするかということの検討から始まると思っておりますが、しっかりと検討してもらいたいと思っております。
 4点目は、放鳥されたトキの状況です。9月25日に10羽のトキを放鳥しまして、一ヶ月が経ちました。一ヶ月後にしかるべく状況を報告しなければと思っておりましたけれども、現在の状況ですが、約430件にのぼる観察情報が上がっております。また、GPSによる位置情報を収集しております。先週21日から22日は、通常の5倍観察員を投入しまして、集中調査を行いました。この結果、10羽のうち8羽について採餌行動、それから力強い飛翔が観察されております。一部個体については行動範囲が落ち着く傾向も見られ始め、自然環境への順化が進みつつあると見ております。今後更に一ヶ月程度、トキの観察データの蓄積を進めた上で、12月にトキ野生復帰専門家会合を開催しまして、これまでのデータの分析、それから、これから冬に向かいますので、冬に向けた対応方針等について、専門的立場から議論をしていただく予定になっております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)レアメタル研究会の取りまとめの時期というのはいつ頃想定しておりますか。大臣は、何度も現場を視察されたということでしたが、現状のレアメタル回収において、課題、問題点について把握していましたら教えていただけますか。

(答)いつまでにということについては、まず段階があると思います。最初は回収をいかに高めていくか、その後、その中からレアメタルをどのように抽出していくか、その時出てくる有害物質をどうするかというようなことがありますので、そういう意味ではそれぞれの課題について、回収については今年度、来年度は抽出方法や有毒物質の処理の方法、その次はそれを経済モデルにしていくにはどんな課題があるか、今、綿密なスケジュールがある訳ではありませんが、大体2~3年のオーダーを私は頭においております。

(事務方)補正と通常の予算の3年で要求をしております。

(答)2番目の質問の課題ですが、回収率をいかに上げるかにあると思います。携帯については、回収率が下がってきていると聞いております。その理由としては、個人情報が詰まっている、思い出が詰まっている、それを手元に置いておきたいとか、悪用されるのではないかなどありますので、いかに個人情報を保護し、また別の所に残して、安心して出してもらえるシステムを作り上げることが大事かと思っておりますので、検討会で検討していただければと思います。一応、私も現場を見てきましたが、個人情報全てに穴を開けるとか、一度箱に入れるとなかなか取り出せないシステムにしているなど、今でも工夫がされているのですが、回収率を上げるために検討会で検討していただければと思っております。

(問)タクシーチケットの廃止の理由には、環境的な観点はあるのでしょうか?

(答)大きな観点は、税金の無駄使いを廃止するということで、これは、国会でも色々議論されたところでございます。基本的な考え方は民間準拠ということで、私も民間企業におりましたが、どうしてもタクシーが業務に必要な時は、自分で一旦払って、後で会社に請求しておりました。こういう考え方を役所もやってみた方が良いのではないか、そのことを通じて民間企業の場合は税金でありませんが、環境省の場合は、税金を無駄に使わないという意識が働くのではないかということでございます。
 環境への配慮があるかということは、私の頭には当初はありませんでしたが、考えてみるとこういう活動を通じて業務を効率化してできるだけ早く電車で帰るということは、二次的なメリットとして環境への配慮ということにも通じるのではないかと思います。

(問)タクシーチケットの精算方法はどのような方法で落ち着いたのでしょうか。

(答)事務方とも時間をかけて検討してまいりました。職員へもヒアリングをしたと聞いております。やはり個人への負担ということについて色々な意見が出たと聞いております。そういう意味では、できるだけ早く立て替えたものを返すということが必要だと思います。私が居た会社の場合は、だいたい出した翌日には出てきたのですが、役所のシステムは非常に難しく、かなり時間がかかるということで、当初職員の皆さんには不自由な思いをさせるという思いはありますが、ある意味では、基本的な役所の精算にものすごい時間がかかるということにも、この問題を契機に会計の仕組みが効率的なやり方なのか、合理的なやり方なのかということにも色々な改革の考え方が及んで行けばよいと思いますが、今回はそこまでは考えておりません。 

(問)後払いということですか。

(答)はい、一旦自分の財布から出していただかなければなりません。それが、税金を有効に使うという一助になればという思いです。

(問)中央省庁でそういうやり方をしている例はあるのでしょうか。

(答)国土交通省が今年の通常国会終了後、試行という形でスタートしました。当初2ヶ月という試行でスタートしましたが、引き続き行っているということです。国会前と国会後ですから、単純に比較はできませんが、1ヶ月間の使用量が10分の1になったというデータが出ております。農林水産省でも10月1日からタクシーの利用量が多い一部部局でタクシーチケットの廃止を試行すると新聞で読みました。

(問)タクシーチケットの廃止についてですが、先ほどのお話ですとまずやってみて不都合があれば修正等を考えたいということでしたが、まず試験的に廃止するということなのか、かなり本格廃止なのかお聞かせいただけますか。

(答)全省で本格的に廃止したいと思っております。環境省全局です。

(問)後は走りながら課題が出てきたら色々対応をしていくということでしょうか。時限的なものではないということでよろしいでしょうか。

(答)はい。

(問)環境省の今までのタクシーチケットの年間利用量とかの数字をいただくことはできますか。

(答)後で資料をお渡ししたいと思いますが、環境マネージメントシステムISO14001に従って、タクシー利用の節約に営利努めてきました。平成19年度は、平成13年度に比べて利用金額は概ね50%削減しました。それから、平成20年度も更なる節約に努め、9月末現在の利用額は、前年度比74%ですから、26%減となっております。利用額ですが、平成13年度は2億1500万円、平成19年度は1億1600万円、上半期の利用では、昨年は5500万円、今年は4100万円という状況であります。

(問)利用者数はありますか。これに伴って業務の効率化の見直しなど具体的に考えていらっしゃいますか。

(答)利用者数は、私は今わかりません。当然、業務を効率化し、深夜残業を無くしていく、また残業時間を減らしていくということですが、業務の改善のやり方も考えていかなければならないと思っております。 

(事務方)国会待機がどうなるかが、一番大きな問題ですから、是非これから良く相談しながらやっていきたいと思いますが、なかなか難しい問題もございます。

(問)トキの放鳥についてですが、これまで見えてきた評価と課題、大臣の率直な感想をお聞かせいただけますか。また、2羽が見つかっていないのですが、見解をお聞かせ下さい。

(答)私の評価ですが、私自身も放鳥に参加させていただき、実はものすごく感激をしました。羽の裏の赤い色を見て飛び立った姿を見て本当に感激をしました。生物多様性を支えてきた日本の里山を中心とする自然、これを私たち環境省が先頭に立って守っていくという大きな使命を感じたところです。トキに限らず色々な鳥や生物や多様性が 守られた環境の中で生きていく社会を作らなければならないと思った次第です。
 2羽については、解りません。21日と22日の特別観察もできればその2羽が明らかになればと思っておりましたが、今のところ観察されておりません。死んでいるのではないかという話もありますが、その可能性がゼロであるここでは言いきれませんが、トキが林の中にいるとか、1羽についてはGPSを付けておりますが、故障したのか、太陽電池パネルが羽の下に隠れたとか、外れたとかいうことで2羽は見つからないという可能性も非常に大きいということで、大きな希望を持っております。

(問)総体的には順調に進んでいるということでよろしいのでしょうか。

(答)総体的には、この放鳥は順調に進んでいると思っております。環境再生ビジョンで掲げた平成27年度には60羽、これは一つの生物の群れが自活して生きていける大きさと専門家から聞いておりますが、そこまで頑張っていきたいと思っています。

(問)トキの第二次放鳥の時期の目途とそれに向けての取組を考えていることがありましたら、お伺いできますか。

(答)先ほども申し上げましたように第一回の放鳥は順調に進んでいると考えておりますので、いずれ第二次放鳥、最終的には60羽までの放鳥を考えております。ただし、第二次放鳥をいつにするかは、先ほど申し上げました専門家会合等で今回の評価などをしっかりしていただいて、具体的に決めていきたいと思っておりますので、今の段階ではいつにするという考えはありません。専門家会合でじっくり議論をしていただければと思っております。

(以上)

▲Page Top