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環境省大臣記者会見・談話等>大臣記者会見要旨

大臣記者会見・談話等

斉藤大臣記者会見録(平成20年9月5日(金))


1.発言要旨

 まず化学弾の件について申し上げます。昨日、防衛省において、9月3日水曜日に沖縄県那覇市内で発見され、陸上自衛隊が回収した砲弾7発の内2発について、化学弾の可能性があるとの発表が行われました。この砲弾は嘉手納弾薬庫内の保管庫に安全に保管されており、爆発性や内容物の漏出はないと聞いております。信管等はすべて外された状態で見つかったということです。これを受け環境省においては、本省と九州地方環境事務所の職員を現地に派遣し、発見箇所及びその周辺の状況を確認し、地元自治体や関係省庁と連携を図りながら、周辺の安全と環境保全のための対応を、万全を期して行っていきたいと思っております。
 本日の閣議ですが、環境省関連のものはございませんでした。
 その後の閣僚懇談会におきまして、先月29日に決定いたしました「安心安全のための緊急総合対策」に関して、進捗状況と今後の取組について関係各大臣から発言がありました。
 私からは三点申し上げました。まず一点は、低炭素社会の実現が対策の柱として位置付けられ、経済対策に理念と方向性が付けられたことは非常に重要であるということ。二点目として、具体的に環境省としては、太陽光発電等の新エネルギー技術や次世代自動車の導入促進、国内排出量取引制度の試行の円滑な実施、不法投棄原状回復措置に対する財政支援、鳥インフルエンザ対策などの取組を進めるということで要望していると申し上げました。三番目に、低炭素社会実現に向け各省との緊密な連携が必要であり、関係閣僚の協力をお願いしたいということを付け加えました。
 最後に総理から発言があり、緊急経済対策について、閣僚が協力し、連携して、実現をしていきたいという御発言がありました。
 最後に、今日と明日、国内視察を行います。今日は奈良県のシャープ葛城工場を訪問し、太陽光発電世界一奪還と掲げましたが、累積生産額では世界一のこの工場を視察し、勉強して、世界一奪還に向けての決意を新たにしてきたいと思っています。
 明日は京都で、環境をテーマにして行われる国際マンガサミットフェスタに参加します。その後、東京に戻りまして、これも環境をテーマの一つとしているファッションイベントの東京ガールズコレクションに出席し、地球温暖化防止に向けた呼びかけを行い、若い女性に環境に対して意識を持っていただくということで、これまで啓発が比較的届かなかった方々に啓発活動を行いたいと思っております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)福田首相の突然の辞意の表明による今後の環境行政への影響について、どのようにお考えでしょうか。

(答)総理は環境政策に大変ご熱心で、「低炭素社会づくりアクションプラン」も定められました。そういう意味で、政府・与党として一つの方向付けをされましたので、次の内閣もその方向に沿って頑張るという基礎を築かれたと思っております。21世紀の日本のあり方、日本が世界の中で生きていく位置付け等を考えますと、環境施策において後退するということは、すなわち日本の死を意味する、というのは非常に厳しい表現かも知れませんが、それだけの重みがあると思います。したがって、総理は替わられますけれども、総理が示した方向性は次の内閣でも変わらないと確信しております。

(問)10月にCOP14に向けての閣僚級準備会合が予定されていますが、大臣は出席される方向で検討されていますか。

(答)今の内閣がそのまま続いていればという前提ですが、当然、閣僚級会議や12月のCOP14には出席する予定にしておりました。

(問)こう内閣が次々と変わりますと、国際交渉上も日本の立場が相対的に弱まるのではないかという懸念も出ておりますが、いかがでしょうか。

(答)その懸念も理由がないこととは思いませんが、次の内閣も環境政策について強い発信があると確信しておりますし、先ほど申し上げましたように、これからは環境を柱にしていかなければ日本は生き残っていけないということから考えれば、総理が替わるということは確かにプラス要因にはなりませんけれども、それを補うべく政府は努力しなければいけないし、できると思っております。

(問)新潟水俣病について二点お伺いしたいのですが、昨日、新潟県が新潟水俣病独自救済にかかる条例案を公表したのですが、公表に至った一つの背景に、なかなか与党PTを軸にした全面解決の対策が見えてこないというのがあるかと思うのですが、この独自案が出てきたことにどう思われるかが一点目。二点目ですが、これまでも原因企業の一つであるチッソへの働きかけを表立って発言されてきたかと思うのですが、もう一つの昭和電工に対して、環境省はこれまでどのような働きかけをしてきたのか、今後どのような働きかけをされていくのか、その二点をお伺いしたいのですが。

(答)昨日の新潟県の発表についてはまだ詳細を承知しておりませんので、この場では発言を控えさせていただきたいと思います。熊本と同様、新潟水俣病につきましても救済措置が施されなくてはならないと思っておりますので、同様に進めていきたいと思います。
 昭和電工への働きかけですが、これも熊本と同様に、原因企業としてこれまでも環境省として働きかけてきましたし、水俣の場合と同様に働きかけていきたいと思っております。

(問)沖縄で化学弾が見つかったことについてですが、既に職員の方を派遣されたということでしょうか。また、何人くらい派遣されたのでしょうか。

(答)今日、既に派遣いたしました。本省から1人、熊本から1人、現地の事務所が1人なので、派遣したのは2人です。
 余分な話で申し訳ないのですが、私の地元である広島の大久野島で毒ガス弾が作られていました。皆さま御存じでしょうが、戦争中は地図から消されていた島でございます。あか・あお・きいという3種類、そのうち2種類は致死性のものですが、1種類はあか剤と言いまして、くしゃみ性ガスです。このくしゃみ性ガスに致死性はなく、今回発見されたのもこれではないかと言われています。致死性はないからいいではないかとお思いかも知れませんが、これが悪魔の兵器でございまして、つまり致死性のあるあお弾やきい弾を吸い込ませるために前もってばらまくガス弾なのです。毒ガスというのは貧者の核兵器などと言われていますが、そういう意味では非常に悪魔性の強いものです。
 私も広島の議員として大久野に何度も行きましたし、最初、中国のハルバ嶺という所に70万発埋もれており、そこにも10年前に行きまして、中国での化学兵器処理の先鞭をつけてまいりました。そういう意味で、私自身、毒ガス弾について強い思いがございます。また、大久野島が今は国民休暇村になっておりまして、環境省の所管ということで、この問題にはしっかり取り組んでいきたいと思っております。個人的な思いをお話しさせていただきました。

(問)職員の方が現地に行かれた後の具体的な対応を教えていただきたいのですが。

(答)まず環境省として行わなければならないのは、発見された周辺の状況の調査、それから環境の保全でございます。私も現地の様子をよくわかっておりませんのでどんな調査方法があるのかは申し上げられませんが、その他にも毒ガス弾が放置されていないか、また、7発の内2発が化学弾らしいということですが、その周辺土壌に汚染はないか、周辺住民の方々に危険が及ぶような可能性はないか、もし可能性があれば、それを早急に処置するのが第一の仕事だろうということで、指示をいたしました。
 その他、防衛省とよく連携を取りながらだと思いますが、化学弾かどうか、化学弾であるとしたらどういう種類のものでどういう処置をしなければならないか、ということについて仕事もあろうかと思います。

(以上)

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