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環境省大臣記者会見・談話等>大臣記者会見要旨

大臣記者会見・談話等

斉藤大臣記者会見録(平成20年9月2日(火))


1.発言要旨

 本日の閣議では、環境省に関係した案件はありませんでした。閣議後の懇談会では、総理から最初にお話がございまして、昨日のご決断についての色々な話しがあり、それに対して、各閣僚から意見の表明等ございました。私も発言をさせていただきました。私の発言の趣旨は、総理が環境に対して非常に強い方向性と意志をお持ちであったことは、私が就任当初色々なご指示をいただいたときからも明かでありますが、そのことを国民の皆さんに伝えられなかったことを残念に思うと。しかし、残された日々をしっかり頑張っていきたいというような趣旨でございます。各閣僚からも発言がございましたが、行政が遅滞のないようにしっかり心を合わせてやっていこうというようなご趣旨の発言がほとんどでございましたし、最後に官房長官からもそのようなまとめが行われました。
 それから、先日申し上げましたとおり、今日からヨーロッパに出張する予定でございましたが、今回の状況を総合的に考えてこの出張を取りやめることといたしました。
 この土日、自然公園ふれあい全国大会が福島県の檜枝岐村であり、また、日曜日には三県プラス東京電力そして環境省を含めて尾瀬保護財団を構成する色々な方々の尾瀬サミットがございまして、それに参加し、私自身尾瀬沼まで歩いて参りました。初めてでしたのでその美しさや植生のすばらしさ等を感じてきたところでございます。しかし、鹿が大変増えておりまして、パークボランティアの方から尾瀬沼周辺またこの国立公園の中にどのくらいの鹿がいるのか、測定方法や推定方法についても説明を受けてきたところでございます。鹿の今の管理方法から今一歩、今まである意味でパッシブな感じのものでしたが、もう少しポジティブな個体管理が必要なのかなと感じておりまして、今後環境省の中で検討したいと思っております。そのほか、レンジャーそしてパークボランティアの方々と話しをいたしまして、その方々の努力でこの美しい自然、また生物多様性を保っているこの国立公園が保たれていることを強く感じて参りました。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)総理の突然の退陣表明に対する率直なご感想と一員として国会日程とか政策を巡る公明党との対立のような軋轢というようなものを指摘されておりますが、大臣としてはどのようにお考えなのかお聞かせ下さい。

(答)まず、最初のご質問についてですが、昨夜は、ただただビックリしたということでございます。しかしながら、昨日の総理の会見や今日の閣議のご発言を伺って、政治空白を作らないための深い深いお考えの下での行動であったということを感じております。そして、二点目でございますが、公明党の政策また国会対応が一つの圧力の原因になっているのではないか、それについてどう思うかというご質問については、これは、全くそのようなことはないと思っております。当然政党が違うわけですし、独自の政策があります。また、国会対応につきましても与党としてどのようにこの国会を乗り切っていくか、聞く耳持たない野党を相手にどのように乗り切っていくかということを考えたときに、我々が最も正しいと思うことを主張することは当然のことでありますし、それもある意味では、国会を乗り切っていくため、福田政権を浮揚するため、その誠心でやってきたわけで、そのことが今回の総理の辞任決断に繋がっているとは思っておりません。

(問)総理の辞任は昨日どちらでお聞きになりましたでしょうか。

(答)都内で私を支援して下さる方々と会食をしている場で「今日9時半から記者会見がある」と聞き、その会合が9時前に終わりまして、帰りの車中で聞きました。

(問)事前には特に何も聞いていなかったのでしょうか。

(答)はい、聞いておりませんでした。

(問)今日、閣議後に総理と少しお話しをされたということですが、その時はヨーロッパの訪問を中止されるという話しが中心であったと考えてよろしいでしょうか。

(答)尾瀬の報告もさせていただきました。今回、尾瀬国立公園が昨年8月30日に分離独立をしたと申しますか、日光国立公園から独立をしたということであります。群馬県からの非常に強い要望もありまして、総理も群馬県ご出身でありますので大変強いご関心がございます。その尾瀬に行ったというご報告をしました。それからヨーロッパ出張について取りやめるということについてご了解をいただいたところです。

(問)この秋から国内では排出量取引の話しがあり、あるいは道路特定財源、福田総理が掲げられた一般財源化と絡んで環境税の議論があって、ポスト京都の交渉についてもいよいよこれからという時にこの時期に環境政策にもいろいろ影響が出かねないと思いますが大臣はどのようにお考えでしょうか。

(答)まさに政治空白を作ってはならないと思っております。私も10月からの排出量取引の試行、トライアルについて出来るだけ多くの業界や会社、事業所が入ってもらうように経済界の方とも会ってお話を進めておりましたし、それを今後緩めることなく、私の任期一杯続けていきたいと思っております。今回ヨーロッパにこういう状況の中で行けなくなったことは残念でございますけれども、今後特に排出量取引等で先行しているヨーロッパと連携していくということは非常に重要ですので、今回の出張は取りやめになりましたけれども、昨日もEU大使とゆっくり懇談させていただいたところですが、連携はしっかり取りながら、ディマス委員やイギリスのベン大臣とも連携を取りながら進めていくことは何ら変わりありません。今のご質問に対しては、総理が閣僚懇談会でも、何も決められないという政治空白を乗り越えるための一つの考えだとおっしゃっておりました。そういう趣旨でありますので私も環境大臣として全力を尽くしていきたいと思っております。

(問)今回の福田総理の辞任が政権与党に与える影響についてどのようにお考えでしょうか。公明党との連立の枠組み自体は全く揺るがないということでしょうか。

(答)連立の枠組みは揺るぎません。今日の閣僚懇談会でもお話をさせていただきましたが、自民党と公明党の連立政権の信頼関係はより一層強めて、この難局を乗り切る。また、総理の今回の決断のご趣旨にあった国として必要なことはきちんと決断できるという政治体制を構築するためにもこれまで以上に結束して頑張っていかなくてはならないと思っております。 

(問)解散総選挙が近いと言われますが、その点についてのお考えをお聞かせ下さい。

(答)今、この時点で解散総選挙が近づいたとは、まだよく状況を分析しておりませんので言えませんけれども、いずれにしましても我々国民生活が抱えている課題、資源高、物価高、そして景気が下方に向かっている状況の中で国民生活を守り、日本経済を再び 活性化させていくために必要な施策を打っていく。そのための今回の総理の決断だったと思いますし、私ども与党もその決意で頑張っていかなければならないと思っております。

(問)後任の自民党総裁、総理にはどのような人材を期待されますか。

(答)他党のことですので、あまり連立のパートナーとはいえ、こういう方が望ましいとは直接的には言えませんけれども、この参議院が野党が多数であるという状況は変わりません。野党との協議をしっかり行って一つ一つ物事を決めていくことのできるリーダーシップを持った方が望ましいと思います。

(問)環境政策からみて次の総理に望むことは何でしょうか。

(答)福田総理も環境政策に対して造詣も深く、深い思い入れがあり、実行に移されようとしておりました。一つは経済的手法、排出量取引や税制のグリーン化という手法をご理解いただいて、強力に進めていける方。また、その一つのキーを握るのは技術開発だと思います。マイナス6%を達成するためにも技術開発ということがポイントになりますので、そういう政策を進めることが出来る方。また、廃棄物、これは二酸化炭素 排出抑制と直接結びつきませんけれども、私はこの二酸化炭素排出抑制とともに日本の国のあり方や私たち国民の生活のあり方そのものを問う重要問題だと思います。この環境問題に対してある意味で我々の日本人の行き方という観点から、理念、哲学、方向性を持ち、国民の皆さんに提示できる方が望ましいと思います。

(問)今回、唐突とも言える辞任を福田総理が表明なさったということで、年内とも言われている総選挙は、相当厳しい戦いになるという見方が出ておりますが、その辺りはどう思われますか。

(答)選挙がいつあるかわかりませんが来年の9月には必ずあるわけで、いずれにせよ厳しい選挙になるという思いでした。今回、こういう形で辞任されたことが、厳しさを増すかもしれないというのは、おっしゃるとおりでして、我々与党としては、そのことを自覚して国民の皆さんに納得いただける政策、方向性を掲げて頑張りたいと思いますし、私も環境大臣として残された期間、環境政策の方向性、与党の方向性としてしっかりと明示できるように活動していきたいと思います。

(問)政治的空白を作らないというお話しがありましたが、今回ヨーロッパ出張を取りやめることはまさに空白を作ってしまったのではないかと思いますが、どう思われますか。 

(答)総理のおっしゃる政治的空白はもっと大きな政治的空白であります。とにかく選挙を睨んで一切話し合いに応じようとしない野党。その野党が参議院で第一党を持っているというこの大きな政治的空白を何とかしたいというご趣旨でいたと思います。今回の辞任につきましては、民主党も29日までは国会審議に応じないと言っていたわけですので、その期間に総裁選挙や次の首班指名等を行えれば、実質的な政治空白はないわけですので、総理の今回の件が新たな政治的空白を作るということには当たらないと思います。

(問)国際社会からみますと今後の温暖化交渉に向けて、今回の出張は、日本のプレゼンスを示す機会だと思うのですけれども、それを取りやめることによって国際社会の発言力の低下になりませんでしょうか。

(答)私が今後何もしなければ、そういう恐れもあると思います。今回取りやめましたけれども、昨日お会いしたリチャードソンEU大使や皆さんを通し、またベン大臣や欧州のディマス委員等にも直接電話で話しをして状況を説明し、そして、私がお会いして訴えたかったこと等お話しをさせていただきたいと思っております。無理をしてスケジュールを空けていただいたのにこちらの都合で行けなくなったことは、申し訳なく思っておりますが、そのことはしっかり電話で連携をとって穴を埋めたいと思っております。

(問)洞爺湖サミットに向けて福田総理が作られた福田ビジョンや洞爺湖サミットの成果は、今後も継続していくと考えていてよろしいのでしょうか。

(答)継続していくうえにプラスして、総理は私が最初に任命を受けたときにこの6月に福田ビジョンを必ず実現しますと申し上げましたら、「あれはもう古いんだ。新たな斉藤ビジョンを作ってきちっとした具体性を持って進んでくれ」というようなお話がございました。その方向性については、全く変わらないと思っておりますし、私も残された任期の間、斉藤ビジョンがどこまで作れるか解りませんけれども全力をあげて進めたいと思います。

(以上)

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