本文へジャンプ
ここから本文
環境省大臣記者会見・談話等>大臣記者会見要旨

大臣記者会見・談話等

斉藤大臣記者会見録(平成20年8月2日(土) 専門紙)


1.発言要旨

 この度、環境省になってから7人目の環境大臣を拝命いたしました、公明党の斉藤鉄夫です。
 総理からは昨日、二点にわたってお話がありました。第一点は、地球温暖化防止に向けて低炭素社会づくりアクションプランを創ったけれども、まだまだ国民、産業社会、NPO等に浸透していない、日本が世界をリードするために、しっかりとした施策をやって欲しいということ。二点目が、各省庁の温暖化対策のとりまとめの役目をして欲しいということでした。
 全力を挙げて頑張ってまいりますし、国民の皆さんへの浸透というお話をしましたが、これは皆様方の御協力なしではできない仕事でございます。私は、私が持っている情報を真摯に出しますし、また、皆様方からもいろいろ教えていただきたいと思います。そういうコミュニケーションを通じて、是非、その目的を達成するためにも、御協力よろしくお願いいたします。

2.質疑応答

(問)御就任の抱負と、環境省の施策としては温暖化、循環型社会、生物多様性、健康と化学物質に関すること、この4本柱だと思うのですが、環境大臣として、その辺の重点課題についてのお話をお聞かせいただければと思います。

(答)今日、認証式が皇居でございました。50分ほどの待ち時間がありまして、総理と、留任される方を除いた大臣がいたのですが、たまたま、総理の隣の席が誰も近づかず空いていまして、私は新米なので端の席にいたのですが、斉藤さんちょっと、と隣の席に呼ばれまして、約40分間、隣の席でお話をさせていただきました。話は雑談ですので、いろいろなところにとんだり戻ったりしましたが、総理の温暖化対策に関する強い思いを語っていただきました。
 例えば、6月の福田ビジョンについて、私が福田ビジョンとアクションプランをいかに実行していくかという話をしたら、もう福田ビジョンは古い、非常に進歩が早いので、それを乗り越えてどんどんやってくれという話がありました。
 それから、具体的な二酸化炭素排出量削減に向けての重点分野、例えば太陽光発電や、先端的な原子力、燃料電池等の話。
 200年住宅についても、資源を無駄遣いしない社会にとって非常に大切だということでした。今、年間1400万トンが取り壊されているが、200年住宅にすれば、それが400万トン、つまり3分の1以下になる。それと先ほどの新しい形のエネルギーを組み合わせれば、世界をリードする低炭素社会を創ることができるのではないかという具体的な話もありました。
 また、国民運動についても、私も先頭に立っていきたい、どんどん提案して欲しいという話がありました。
 私の抱負についてですが、総理のお考えとまったく一緒でございまして、新しい文明の形、新しい社会を創っていく、最も重要なお仕事をさせていただけると感じておりまして、全力を挙げていきたいと思っております。

 二番目の御質問について、何が重要課題かということですが、一つは、先ほど申し上げました、太陽光、燃料電池、水素、原子力などのエネルギーについてです。原子力は新しい軽水炉や、高速増殖炉が実現すれば、まさに制約のない国産エネルギーになるわけで、原油に対しても大きなバーゲニング・パワーになって、そのこと自体が原油の値段を引き下げるということに繋がるかも知れません。投資する分野を比較的絞って戦略を立てていきたいと思います。
 二つ目は国民運動です。二酸化炭素排出抑制には、幅広い国民の皆さんの理解が必要です。タウンミーティングというのも、いろいろ批判はありましたが、一つの方法かも知れません。いろいろな方法があると思います。国民運動という形になるように広めていきたいと思っております。
 その二点を特に強調したいと思います。

(問)幹部の方への御挨拶の時に、明確な指示を出すから、ということをおっしゃって、幹部の方もきりっとされたのかなと思うのですが、これから大臣がいろいろなことをまとめられると思うのですが、明確な指示というものに関して、今お話しできる範囲で結構ですので、お聞かせいただけますか。

(答)今、明確にお話しできるものはありませんけれども、例えば、総理がおっしゃった総量目標と、それを達成するための排出量取引については、あやふやなものを提示したのでは我々政治家が批判を浴びると思います。そういう意味でも、明確なものを出したい。それには大きな、いろいろな抵抗があると思います。その抵抗を押し切ることは、我々政治家と、それを支えてくれるスタッフの皆さんが心を一致して頑張らないとできないことです。そういう意味では、明確な指示を出すので、心を合わせて一緒に頑張って欲しいという趣旨で、申し上げました。

(問)細かい話で恐縮なのですが、大臣はいつくらいまでにとお考えですか。

(答)2年後に出すと言ったのでは、もうおそらく私も大臣をやっておりませんし、1年後には選挙もあります。そういう意味で、ここ2、3ヶ月、もっと早いかも知れません。特にこの排出量取引については、もっと早めに姿を表さなければいけませんので、そういう時期に出したいと思います。

(問)大臣としてのビジョンを創るというイメージでよろしいのでしょうか。

(答)福田ビジョンではもう古いと言われましたので、それを超えた斉藤ビジョンというものを創りたいと思います。

(問)先般の洞爺湖サミットを大臣としてどういうふうに見られているかをお願いします。

(答)実は、私は洞爺湖サミットの頃にはヨーロッパにいました。河野衆議院議長と一緒に訪欧しておりまして、少し話がそれますが、9月2日に広島で下院議長サミットがあります。それで下院議長さんたちを訪ねて、核軍縮等の話だったのですが、こんな話をしてくださいということをお話ししてまいりまして、ちょうどサミットが終わった時期に重なりました。 このサミットについては非常に高い評価でした。その理由は、G8で2050年までに半減するということを、アメリカも含めて合意したということ。その後の中国、インドを含んだ主要国16カ国会合で、削減に向けて努力するという合意が得られたこと。これは来年のコペンハーゲンでのCOP15の合意に向けて、今回、ここまではどうしても合意をしておかなければいけなかった内容で、それが達成できたわけですので、各国の皆さんからは高い評価でした。日本に帰ってきたら意外と高い評価ではなかったので、そのことにびっくりしましたが、私も先ほど言ったような意味で評価をしておりますし、逆に、日本はアジア、特に中国、インドに約束させたわけですから、先輩国としてリーダーシップを発揮していかなければいけない。技術供与等を含めてやっていかなければいけないと思いました。

(問)低炭素社会づくりに向けての経済的手法ということで、排出量取引と環境税、あるいは道路特定財源の見直しの話がございます。それについての御認識はいかがでしょうか。

(答)いずれも二酸化炭素に値段をつけるという経済的手法として評価をしておりますし、この二つを上手く組み合わせてやらなければいけないと発言をしてきました。
 その中でも、排出量取引については、積極的に導入すると申し上げてきました。
 環境税については党内にもいろいろな議論があり、私は政調会長として取りまとめの役目でしたので、個人的見解をテレビ等で聞かれたときには、例えば、税収中立等の、排出抑制にインセンティブのある形にしたらどうかということを言ってきましたが、正直に申し上げまして、深く考えての発言ではありません。環境大臣という立場をいただき、然るべき目標が明確になったわけですから、排出量取引と環境税をどのように組み合わせて設計するのがもっとも効果が出るのかということを考えていって、先ほど申し上げた明確な指示、私としての考え方を出したいと思います。
 道路特定財源につきましては、私もこれまで党の政調会長として一般財源化を主張して、福田総理のリーダーシップで一般財源化することになりました。消費税を除いて8種類ある自動車関係諸税を、取得・保有・走行の3段階くらいに簡素化すべきだと主張してきました。一般財源化ということになりますと、課税根拠を明確にしなくてはなりません。これまでは特定財源ということで高い税率が許されていましたが、一般財源ということになれば、私は、何らかの形で、納税者の理解を得るために税率を引き下げなければいけないと思っておりますが、走行に関わる部分を引き下げるのは理由がつかない。これは環境課税的な側面がございます。したがって、諸外国と比べて特に税率の高い保有に関わるところ、具体的には自動車重量税ですが、これを下げるべきだと主張しております。同時に、一般財源化して環境の分野や国民生活に改善がなければ、何のために一般財源化したのかということになります。そのため、減税した上で、なおかつその予算をどこで捻出していくか。道路予算を削るしかなくなってくるのですが、5.5兆円のうち、特例交付金も含めて3.5兆円は地方に渡して、2兆円しかないですね。2兆円のうち、自動車重量税も引き下げる、税収も落ちているとなるとなかなか厳しいものがありますが、是非、環境の方に引っ張ってきたいと思います。

(問)今回、公明党から3人目の環境大臣になるかと思うのですが、浜四津さんが公明党からなられたということで記憶にあるのですが、今も浜四津さんは公明党で現役ということで、今回の就任にあたって、何か言われたりしたことはありますか。

(答)昨日、大臣に推薦したという段階、まだ環境大臣とは決まっていない段階で会う機会があり、激励をいただきました。その段階では、私は何も知りませんでしたが、浜四津さんは、環境かも知れないとおっしゃっておりまして、そうだとしたら大変なときだけど頑張ってね、というお言葉をいただきました。

(問)先ほど、原子力や太陽電池が有望だとおっしゃっていましたが、どちらかと言えば経済産業省が所管するような分野だと思うのですが、こういったものが普及していくために環境省としてどういった存在感を示すというか、どのように環境省として後押ししていこうとお考えでしょうか。

(答)原子力については、経産省、資源エネルギー庁だと思います。そういう意味では、向こうも原子力立国計画を立ててやっておりますので、今後の非常に大きな柱だということです。
 太陽電池、燃料電池、それから先ほどは例示しませんでしたが、バイオ燃料等については、環境省が積極的に行っていかなくてはなりません。
 太陽電池については、研究開発そのものと、実際に使っていただくために補助金等があると思います。これらについては、経済産業省とよく連携をして、環境省も関係しておりますので、この補助金の復活させること。そして2020年に10倍、2030年に40倍という目標を掲げておりますが、その目標の達成も環境省の責任だと思っています。
 燃料電池、バイオ燃料についても同様です。その点は、資源エネルギー庁とよく連携を取りながら、環境省の責任も非常に重大ですので、果たしていきたいと思います。

(問)補助金はどれくらい出せればいいとか、そういったお考えはありますか。

(答)具体的な数字はまだ言えませんが、中止する前の予算をはるかに超える金額が必要だと思っております。

(問)前回の時にはお行儀の悪い業界であったように聞いていますので、その辺の出し方は非常に難しいのかなと思うのですが。

(答)技術開発を誘発するような出し方をしたいと思っております。ドイツが非常に有名ですが、ドイツの場合は必ずしも技術開発に結びついていないということも言われています。将来の日本の競争力を育てるという観点からも、出し方については工夫が必要なのではないかと思います。

(問)これはソーラーだけに限らず、低炭素社会に向けて誘導するためには不可欠な要素だと思うので、そういう意味では、共通の考え方というふうに考えてよろしいのでしょうか。

(答)そのように考えていただければと思います。

(問)環境省は電気自動車を導入しましたが、これからはどういう形で増やしていく予定でしょうか。

(答)電気自動車も大いに導入していきたいと思っています。プラグイン・ハイブリッドなどがありますが、石炭をたくさん燃やしてその電気を作ったのでは何の意味もないので、そういう意味では、電気自動車の普及というのは、エネルギー問題と直結して、一緒に解決していかなくてはいけないと思っております。いずれにせよ、化石燃料を燃やして使うということを極力少なくする社会に向けて、いろいろな方面と話していきたいと思います。

(問)温暖化以外の分野で、大臣が特に取り組んでいきたいと思われている分野はありますでしょうか。いろいろな分野があると思うのですが、いくつか教えていただければありがたいのですが。

(答)循環型社会推進基本法という法律は、我が党も先頭に立って創らせていただきました。それぞれ個別法ができていますが、全体像をもう少し明らかにして推進していきたいと思います。例えば、プラスチックのリサイクルなどはまだ問題点があると言われていますので、それらを解決していくこと。また、資源が高騰しておりますので、資源を有効に活用するという意味でも、3Rの分野にも力を入れていきたいと思います。
 環境省の原点である、水、空気、土を守ることにも力を入れていきたいと思っております。

(以上)

▲Page Top