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環境省大臣記者会見・談話等>大臣記者会見要旨

大臣記者会見・談話等

鴨下大臣記者会見録(平成20年7月11日(金))


1.発言要旨

 本日の閣議案件ですが、一般案件が4件、政令が8件です。環境省請議はありません。
 私からの発言は、トキの試験放鳥についてであります。新潟県佐渡島で進めておりますトキの野生復帰の取組の一環として、9月25日木曜日に、トキの試験放鳥を実施することといたしました。
 試験放鳥の場所は、新潟県佐渡市の佐渡トキ保護センター野生復帰ステーション近隣の水田で、現在、野生復帰ステーションで訓練中の個体の中から、10羽程度のトキを選定し、放鳥する予定です。また、試験放鳥に合わせて記念式典を開催することとしており、環境省、新潟県、佐渡市及び住民代表で作る記念式典実行委員会において具体的な内容の検討を進めることとしております。第1回実行委員会は、本日午後3時より新潟県庁において開催され、環境省からは黒田大臣官房審議官が出席される予定です。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)諫早湾の開門調査の件で、アセスを農水省が実施するということで、環境省とも十分連絡を取ってやりたいということを若林大臣がおっしゃっていましたけれども、環境省としての見解をお聞かせください。

(答)農水省が開門調査に係るアセスを実施することについて、若林大臣が昨日の記者会見でお話になったことは承知しています。この件については、農水省から申し入れがあれば、まずはお話を聞いてみることだろうと思っております。具体的な内容について、アセスの所管省として、必要があれば助言するなど、環境省としては、農水省のお話を聞いた上で対応していきたいと考えています。

(問)昨日の段階で、若林大臣は環境省と調整してアセスを考えたいという話でしたが、現段階ではまだ、農水省から環境省に具体的な話はないということでしょうか。

(答)具体的なアセスについてのお話はまだございません。

(問)控訴されるという判断については、大臣としてはどうお考えですか。

(答)これは農水大臣の御判断です。私たちは、依頼があれば、アセスの所管省としてのノウハウについて提供する用意があるということです。是非については、今ここで私が申し上げることではないと思います。

(問)通常、あのような大規模な公共事業のアセスメントには、期間としてどれくらいかかるものなのでしょうか。

(答)これからどういう形で開門等についての考えが農水省としておありなのかを聞いてみないことには何とも言えません。現段階ではこのくらいしか言いようがありません。

(問)開門調査に向けて環境アセスに取り組むということについての評価は、どうお考えでしょうか。

(答)農水省からいろいろな具申があってからの話ですから、今ここで私が評価について云々しない方が良いと思います。申し訳ないですが、今日はその程度にさせていただきたいと思います。

(問)もう一点、佐賀地裁の判決というのは、国に対して開門調査を命じているわけですが、漁民の方たちは有明海再生に向けて開門調査をしてほしいという気持ちが大変強いわけですが、有明海再生に向けての開門調査の必要性についてはどのようにお考えでしょうか。

(答)これからアセスをするということを農水省がおっしゃっているのですから、それを見守るということだろうと思います。個人的な意見はいろいろとあるけれども、ここで私が言うべきではないと思いますので、差し控えます。

(問)サミットが9日までありましたが、今回の成果といいますか、大臣は地球温暖化問題の話合いについて、どういうふうに思っていらっしゃるのか、成果があったと思うのか、ここは十分ではなかったんじゃないかとか、もしありましたらお願いします。

(答)気候変動問題については、サミットでは極めて濃密な議論が行われたと思っております。その中で、福田ビジョンが先だって示されていましたけれども、その方向に沿って合意が取りまとめられたという印象を私は持っています。議長としての総理の粘り強い調整が功を奏して、落としどころであった福田ビジョンに沿ってまっすぐ着地できたのではないかと考えておりまして、環境省としては大変意義の深い、有効なサミットであったという認識です。
 また、私の個人的な思いとしては、福田総理は非常に粘り強く頑張られたなということで、心から敬意を表したいと思います。

(問)サミットの成果なのですが、G8の文書を見ますと、50年に少なくとも半減という長期目標について、まずG8としてそれに合意しているのかどうかがわかりにくい表現になっているのですが、大臣はG8としてそれに合意したとお考えなのかということと、もしそうお考えになるなら、もうちょっと表現をはっきりわかるものにしたら良かったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

(答)総理の記者会見では合意をしたというような認識を示されましたよね。私はそのとおりだろうと考えています。特に難しかったのはアメリカとの調整だったのだろうと思いますが、そういう中で、G8としては50年50%半減ということについては合意をしたという認識で、これから進んでいくと考えています。

(問)そうであれば、表現をもうちょっとはっきりと書いた方が良かったのではないかと思うのですが。

(答)G8全体での議論の中でああいう文章に至ったのだろうと思います。その交渉の中味については、私は中にいなかったのでよくわからないけれども、全体を見ていれば、合意ということなのだろうなと考えております。

(問)MEMの文書では、50年半減という数値的なものが入らなかったわけですが、それについてはどのようにお考えでしょうか。

(答)G8も難しいですが、MEMは更に新興国が入っていますから、具体的な数値を明確に出すのは非常に難しい国際交渉だったのだろうと思っております。そういう中で、「IPCCの野心的な複数のシナリオへの真剣な考慮を求める」という文章でしたが、中国やインドを含めた新興国も方向性としては少なくとも後ろ向きではないということについては、私は大変評価しています。これは本当に難しい交渉だろうと思っておりますし、MEMの中での議論としては、これからCOP14、あるいは来年のCOP15に向けてのモメンタムは維持できたと考えていますので、良かったのではないでしょうか。

(問)トキの関係ですが、第1段をまず10羽ということですが、その後はどういうステップで、最終的にどういう姿をイメージされているのでしょうか。

(答)まず10羽が佐渡の水田に定着するかどうかを見極めてからの話だと思います。今、復帰センターの中で飛んでいるトキが、きちんと自然の中に順応できるかどうかを見極めてから、次のステップを考えるべきだと思っておりますので、まだ、その先のことは申し上げる段階ではないと思います。

(問)まず10羽を見守るというお話がございましたが、一斉捕獲以来、初めて自然に戻す取組になりますが、現時点で大臣がお感じになっていらっしゃる課題と期待をお聞かせいただけますか。

(答)私も復帰センターを見てきまして、ケージの中で群れになってトキが飛んでいる姿が、ケージの中ではなく、佐渡の水田を飛び交う姿を想像すると、ワクワクいたします。
 支えてくださる周辺の農家の方々や、さまざまな行政の取組が一致しないと上手く機能しないと思いますので、給餌の仕方や観光とのバランスなどについて、これから9月に向けてきちんと議論をして、方向性を出しながら実施に至るべきだと思います。
 10羽がきちんと定着してくれることを望みますし、きっと上手く行くと思っています。復帰センターの周りでしばらく生息するのだろうと思いますが、ビオトープなどの整備もできているようですので、周辺もきちんと準備が整っているという印象です。もっとたくさん、特に自然の中で増えてくれるといいなと思っております。

(以上)

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