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環境省大臣記者会見・談話等>大臣記者会見要旨

大臣記者会見・談話等

鴨下大臣記者会見録(平成20年5月27日(火))


1.発言要旨

 本日の閣議案件ですが、一般案件2件、国会提出案件16件、条約の公布1件、法律の公布5件です。環境省請議についてはございません。
 私からですが、本日の閣僚懇談会において、クールビズの実施について各省に協力を要請いたしました。地球温暖化防止に向けて、政府はもとより自治体、企業、家庭の皆様に、6月1日から9月30日までの間、適切な服装をすることで過度に冷房に頼らず涼しく過ごす「クールビズ」の実践を呼びかけていきます。この取組を通じて冷房温度の28度設定をお願いしていきます。
 さらに今年度は、認知率が9割を超え、夏の風物となりつつある「クールビズ」を基本に、もうワンアクションをプラスしてもらう「クールビズ・プラス」を提案していきます。具体的にはクールビズに加え、例えばマイバッグやマイカップ、徒歩で通勤していただいたり、自転車・公共交通機関の利用、電気の使い方の見直しなどを呼びかけます。
 また、デパートや映画館など公共空間における冷房温度の28度設定の推進について、日本百貨店協会及び松竹株式会社に御協力をいただけることとなりました。この協力のキックオフとして、各デパートの社員の方々及び松竹が今夏公開する映画「ゲゲゲの鬼太郎」の出演者による「クールビズ・プラス」ファッションショーを6月4日18時30分より六本木の東京ミッドタウンにて開催いたします。私もホストとして参加しますので、皆様にも是非御覧いただきたいと思います。詳細は追って事務方より資料をお配りいたします。
 最後に、同じく地球温暖化防止に向けて冬期に実施してきました「ウォームビズ」については、関係者の御協力により、実施率が5割を超えるなど、一層多くの企業や国民に取組が広がり、成功に終わりましたことを御報告申し上げました。
 クールビズ・プラスとは、買い物にはマイバッグ、マイ箸の使用、マイカップの利用、1階ぐらいは階段を利用、書類は両面コピー、歯磨きのすすぎはコップを使って水道を出しっぱなしにしない、外出にはバス・電車を利用、部屋の灯りはこまめに消す、リサイクルでゴミを削減といったことを、クールビズに加えて一つぐらいはやっていただこうということです。是非御協力をよろしくお願いいたします。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)昨日までのG8環境大臣会合を終えた率直な感想、積み残した課題、洞爺湖サミットに向けてこうした点をもっとやっていくべきだというようなお考えをお聞かせください。

(答)環境大臣会合の大きな目的は、洞爺湖サミットに向けて、環境問題についてG8担当者同士での合意をとりつけていくことと、アウトリーチ国を含めた世界全体の気候変動に対する取組について、より加速をしていきコペンハーゲンでのCOP15の成功に導くための役割を果たすこと、この2つでした。そうした意味においては、私はある一定の成果をあげられたと考えております。G8諸国に対しては、特に長期目標についての合意をいただき、なおかつ洞爺湖サミットに向けて首脳に働きかけていくことが、担当大臣同士でのコンセンサスになったということです。
 また、新興工業国、特に中国、インド、インドネシアといった国が、比較的環境問題に積極的に取組む意見表明があったことは、特筆すべき評価だと思います。バリではそうしたことがなかったわけですから、新興国の中においてかなりの前進があったと私は理解しています。
 それと、レジ袋の削減に対して日中韓で取り組んできましたが、それぞれの国も取り組んでいこうということで、世界に拡大していくことについて皆さんの共通の理解をいただけて、日本発のレジ袋削減が発信できたと思っています。
 中期目標については、セクター別の積み上げの有効性について、千葉でのG20でも多少、理解していただけていなかったのですが、今回も多少の異論はありましたが、それに対して私が明確に説明をさせていただきました。これは国別の総量目標に代わるものではない、むしろ国別総量目標を達成していくための科学的な一つの方法論だということについて御理解をいただけたということで、大変意義があったと思っています。

(問)新興国の動きですが、一部で京都議定書のときの自主行動計画のように、バインディングなものを避けるためではないかという見方もありますが、この最近のうごきについては大臣はどう思われますか。

(答)やはり世界の世論、気候変動に真剣に取り組もうということが、先進国のみならず、新興工業国の中にも共有されてきたということなのだろうと思います。いろいろとうがった見方もありますが、私は真正面から捉えるべきだと思っています。インドも中国も、今までとは違う環境に対する取組の姿勢がありましたので、大いに評価されるべきだろうと考えています。

(問)今、総理と直接お話になったようですが、どのような内容のことなのでしょうか。

(答)今、話したようなことを報告させていただきました。

(問)総理の受け止めは。何かコメントなどはあったのでしょうか。

(答)このようなことがありましたということについて、御苦労様でした、ということです。

(問)数値目標について、長期目標における50%超という表現の扱い等について、アメリカへの配慮ではないかというようなやりとりがあったという見方もありますが、アメリカの今回の会合に対する姿勢について大臣はどのように受け止められますか。

(答)アメリカに対する配慮ではないと思います。今まで50%削減ということに、アメリカは一切コミットしていませんでした。そういう意味で言うと、アメリカも今回は非常に積極的に、長期目標については関わっていただいたと考えています。

(問)中期目標の25%~40%というIPCCの数字ですが、バリのときのように欄外でも盛り込むことは難しかったのでしょうか。

(答)IPCCの知見を受けて、取組についてエフェクティブという言葉を使っています。私はバリから比べたら中期目標については一歩前進だと思っています。

(問)知見を踏まえてということと、実効性のあるということが、各国でいろいろなイメージを持ってしまうのかなと思うのですが。

(答)中期目標というのは、京都議定書における日本のマイナス6%と同じような意味ですから、これから第二約束期間に対して、どのような数字で臨むかということはそれぞれの国の、それぞれの思惑があるわけですから、そう簡単に自分たちはいくつだとそこで開陳し合うことにはならないことです。日本は野心的にというような趣旨のことを提案しましたが、それでまとまればいいですが、議長総括といえども各国の御理解をいただかなければいけないわけです。それぞれ濃淡あることは間違いありません。それについて何の言及もしないということから見たら、実効的ということは、実際にIPCCの知見に効果があるようにという話ですから、非常に意味があると私は思っています。

(問)先進国の一つの中期目標の相場、目安として25%~40%ということが浮上してきたという受け止めでよろしいのでしょうか。

(答)IPCCが言っていることについて、実効的に取り組むということです。これは合意文書ではありません。ですが私が議長総括としてまとめることについて、それぞれの国が特別の異議を唱えなかったということですから、それは大変深い意味があるのではないでしょうか。

(問)共同会見の冒頭、議長総括に様々な異論が出されたという表現をされていましたが、そこの部分についていろいろな意見が出されたということなのでしょうか。

(答)中期目標については、平場での異論は特別ありませんでした。あのとき申し上げた異論というのは、生物多様性について、ドイツやフランスの主張など様々ありましたが、それを乗り越えて「Call for Action」をまとめたということについて申し上げたつもりで、この議長総括に関して、長期目標、中期目標についてはとりたてた激しい異論はなかったということだと思います。

(問)議長総括の経済的な手法の活用のところで、少し議論があったとおっしゃっていましたが、それはどのようなことでしょうか。

(答)それぞれの国の事情に鑑みてというような趣旨が書かれていますが、排出量取引、あるいは環境税といった言葉を書くことに対して、それぞれの国で考え方が違います。環境税に反対している人たちも中にはおいでになりました。彼らも帰って、国内向けに、こうしたものをただ認めたということになっては自分たちの立場も困るわけですから、そういう意味においていろいろと意見はあったということです。

(問)明日から生物多様性条約COP9の閣僚級会合が始まりますが、大臣の出席の見込みはいかがでしょうか。

(答)国会のお許しがいただければ、できるだけ出席して、特にCOP10の名古屋招致について各国に働きかけて実現させたいと思っています。

(問)まさに今回のG8環境大臣会合で生物多様性で激論になった部分を名古屋でまとめなければいけなくなると思うのですが、開催国になったという前提で、どう対処していかれるお考えでしょうか。

(答)これから招致にいくわけですから、名古屋に決まった段階で戦略を周到に考える必要があると思います。生物多様性については、また新たな、途上国と先進国の間での様々なルールづくりについての意見の相違がこれから出てくると思います。

(以上)

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