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環境省大臣記者会見・談話等>大臣記者会見要旨

大臣記者会見・談話等

鴨下大臣記者会見録(平成20年5月20日(火))


1.発言要旨

 本日の閣議案件ですが、一般案件2件、国会提出案件11件、公布4件、政令3件です。環境省請議についてはございません。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)経団連の御手洗会長が、日本の中期目標について言及されました。積み上げたものであるべきだ、現実的な数字であるべきだと、高い目標を設定することにも釘を刺すようにもとれる発言をされたのですが、この中期目標の数字に関して、大臣はどのようなお考えをお持ちなのでしょうか。

(答)それぞれのステークホルダーがそれぞれのお考えを話すことは、今の段階ではいいのではないかと思います。ただ最終的には、来年のCOP15までには収れんしていくわけで、やはり中期目標については、私の理解では京都議定書のときのマイナス6%とほぼ意味が同じだと考えています。最終的な国際交渉の場ではそれぞれの国益がぶつかる話だろうと思っています。日本としてかくあるべしという話は、環境省としてはそれなりに持って臨みたいと思っていますが、産業界、あるいはさまざまな考えの方の合意形成はぎりぎりのところまで、かなり厳しい議論になるのだろうと考えています。

(問)今、長期目標のことは言われていますが、世界なり日本なりの中期目標について、サミットで出すべきだと大臣はお考えでしょうか。

(答)しっかりとした数字として出すべきかどうかということについては、国際交渉そのものですから、今からカードを明らかにするということは必ずしもふさわしくはないと思っています。ただ、例えば1990年比で日本は6%削減します、2013年以降はこのようにします、結果的に2050年にはこのくらいになりますという延長線上に中期目標はあるわけです。大体日本はこのくらいで腹を決めているのだなと、それなりに類推できるような状況はこのG8の中でもあって然るべきだと思います。

(問)京都議定書では、2008年から2012年の5年間の約束期間ですが、よく中期目標というのは2020年から2030年という言葉が出ていますが、大臣としては第二約束期間としては2013年から何年までという御認識でしょうか。

(答)究極の目的を達成するためにはどのくらいでピークアウト、その後2050年には、IPCCは60%~80%と言っていますが、そうしたある程度直線上にあるのだろうなと思っています。

(問)2050年の直線上ということでしょうか。

(答)直線なのか曲線なのかわかりませんが、そうした中にあるのだろうと思います。ただ、それぞれの国との交渉でもありますし、国内でのそれぞれの利害がありますから、これを調整してぎりぎりのところにならないと、本当の意味で結論が出ないと思っています。環境省として、こうあるべきというようなことについては、できるだけ早い時期にある程度の方向性はまとめたいと思っています。

(問)先週末、福田総理が中期目標の設定について初めて言及されましたが、そうした情勢の変化を受けて、設定や議論が早まる可能性についてはいかがでしょうか。

(答)そういうこともあるだろうと思っています。セクター別に積み上げるということだけではすべて解決できないわけですから、他の部門、例えば国民生活なども含め、国全体でどうあるべきかという話について、我々としてはできるだけ早めにまとめておきたいと思っています。

(問)先週、環境省の排出量取引の検討会で、4つの考え方を示しました。その4つ目は原単位でやるものだということで、業界からもある程度評価されるという評価がありましたが、ある種、業界に迎合したような、環境省が出すような案ではないという意見も一部にあるようですが、これに関してはいかがでしょうか。

(答)その検討会には、それぞれの団体を代表している方々も入っておられますから、四論併記のような形での中間とりまとめです。ただ、私はその中で、例えば学者の方など、いろいろなところでこうしたメニューがあるのではないかということを競っていただきたいと思っています。私は今、その4案の中でどれとどれをどのように組み合わせたらいいのかということについては、まだ頭が固まっていませんが、より効果を上げるもの、より合意を得やすいものを、いくつかそれぞれメニューの中から、きちんとしたコースをいろいろな方々に選んでもらいたいと思っています。競ってもらい、その中から自ずと全体的な相場観のようなものが出来上がるのかなと思います。もちろん私なりには、それなりのときにまとめたいと思っています。いろいろと役所の皆さんにもそのような話はしています。

(問)国際的にも通用するような制度でないと意味がないと思いますが。

(答)そのとおりです。以前から申し上げておりますが、排出量取引でも日本がリーダーシップを取ってリードできるような、さらに普遍的なルールを引っ張っていけるようなことがあって然るべきだと今でも思っています。おっしゃるように単なる妥協の産物というわけにはいかないでしょう。世界の中で納得をしていただけるようなことを、環境省としては打ち出すべきだと思っています。

(問)中期目標を出すにあたっては、その実現可能性に近いものですから、ある程度積み上げて、これならいけるというような政策パッケージのようなものを併せて出すというようなことになるのでしょうか。

(答)京都議定書のマイナス6%を決めるときと同じような様々な議論があると思います。そうした中で、もちろん実現可能性がなければ、ただスローガンを掲げても意味がありません。特に中期目標はそういうことですから、そこにおいては、産業界がどこまでやれるのか、経済的な手法を入れていった場合このくらいは見込めるのかというようなことについて、パッケージとして考えることは、COP15の手前のところでは、ある意味で完成形をいずれつくらざるを得ないと思います。

(問)環境大臣会合で、特に気候変動に関して、セクター別アプローチ、長期目標、排出量取引なども含めて、いろいろとテーマは豊富だと思いますが、大臣としてはどのような合意を目指したいと、今の段階で思い描いていらっしゃるのでしょうか。

(答)G8洞爺湖サミットを成功させるため、我々は環境分野でしっかりと合意形成したいと思いますし、来年のデンマーク・コペンハーゲンでのCOP15にモメンタムが更に加速していくような役割をこのG8環境大臣会合は担いたいと思っています。

(問)ボンでバリロードマップの次回の会合がありますが、G8環境大臣会合はその前に各国の環境大臣が集まる場ですので、その会合に向けて地ならしといいますか、もう少し絞り込む形での何らかの成果といいますか、ボンに向けてインプットできる成果物を何かつくりたいというようなスタンスではないでしょうか。

(答)千葉で開催したG20で、ある程度、主要な国の環境大臣あるいは大臣に代わっておいでになった方々との間でそれなりの瀬踏みはできているつもりです。それが神戸でしっかりと形をつくり、それが最終的にはG8の北海道にも繋がり、なおかつコペンハーゲンにも繋がっていくということが私の役割だと思っています。

(問)中期目標60%~80%ということについては、ほぼそういう方向でいこうということになっているのでしょうか。

(答)環境省としては幅を持たせるべきなのか、しっかりとした数字として出すべきなのかということについて結論に至っていませんが、少なくとも60%~80%の間にあって然るべきというような話は明確にしています。

(問)中国は環境でもいろいろと連携がありますが、大地震が起きたことで、日本環境省として特に中国政府や環境担当と何かできることがないかといったような話し合い、何か検討があるということはないのでしょうか。

(答)特別はありません。今の段階では報道されている限りです。

(以上)

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